「週刊金曜日」をみんなで語ろう【その窮】

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13文責・名無しさん
東京都民の「民度」(本多勝一)
 本誌先週(4月11日)号で鎌田慧氏と対談した山口二郎氏(政治学者)は次のように語りました。

「逆に東京なんか1番遅れているんじゃないですか。石原慎太郎知事の陰に隠れてしまって。1番先にいるべきはずの東京で、ああいう差別主義者が知事を務めることを平然と許容しているのはとんでもない話です。

既成政党への不満とか、無党派層の台頭が1つ間違うとこんなことになる」

 これは北川正恭・前三重県知事や田中康夫・長野県知事、片山善博・鳥取県知事、大田正・前徳島県知事などが出てきた背景などを論じたあとに、それに比べると「逆に東京なんか1番遅れて……」なのです。

つまり東京の問題は「石原知事だから」ではなく、それを「平然と許容している」都民にある。

 こんどの統一地方選挙で都民ではない私は、田中知事を再選した長野県民として東京を見ていました。

有権者の半分にも達しない抵投票率ながら、都民はこの差別主義者をやはり「平然と許容」して再選させましたね。

この男に軽蔑されている女性たちの票をも大量に得たらしい。世田谷区内のある知人によると、日ごろ「ちゃんとしたこと言ってるのは共産党くらいね」と語っている女性が、“行動力”があるとして石原を支持したそうです。

 いったい「行動力」って何のことですか。何を「行動」したのですか。石原票を投じた人への出口調査(朝日新聞)によれば、「政策よりも石原個人の実行力や発言への評価」が高いそうです。

つまり「何をしたか」よりも、表面的な派手な言動でゴマ化されている。中身と無関係な、危険な徴候です。
1413の続き:03/04/20 01:15 ID:YvSFc978
 本誌先々週(4月4日)号で都知事選について書かれた田中喜美子氏の主張に基本は同感ながら、あの中で石原知事のことを「もっともオスらしいオス、勝負に『勝つ』オスである。」と、どうやら皮肉や冗談でなしに書いている点については、事実として間違っていると思います。

 石原は実は「オスらしいオス」とは正反対、まことに卑劣で臆病で嫉妬深い、オスらしくないオスにすぎません。

その少なからぬ具体的事例はすでに書いたことがありますが(注)、1例だけ再述しておきます。

ヨットを得意スポーツと自認する彼は、真のヨット冒険家たる堀江謙一が目ざわりで仕方がありません。そこで堀江氏の無寄港世界1周新記録を、ウソだウソだといつまでも言いつづけていますよ。

 ヒトラーがドイツで突出してくる背景には、第1次大戦後の連合国による苛酷すぎる状況がありました。

しかし矮小ヒトラーたる石原の背景に、当時のドイツみたいな苛酷な状況などありません。

それでも「1つ間違うとこんなことになる」(山口氏)のは、結局は東京の民度ということにならざるをえない。

「先進県」(とあえて言います)の信州から、「後進」自治体たる東京に贈る一文です。

<注>拙著『貧困なる精神N集』(朝日新聞社)収録の「石原慎太郎の人生」「ヒトラーに嗤われる男―石原矮小ヒトラー」。