すごいコラムですね。
防衛庁が自衛官募集のため全国各地の自治体から住民基本台帳の閲覧対象外の情報をもらっていた問題には、ばっさり切り捨てられないものがある
個人に関する情報の無断提供は、けしからんと言えば言える。が、「自衛官募集のため」ということになると、はて、と腕組みだ。
正体がよく分からない人に国の守りを託すわけにいくまいという問題が絡んでくるからである
もう昔の話だが、反戦川柳作家で知られる鶴彬(つるあきら)(本名・喜多一二、石川県高松町出身)のことを書いたことがある。
その折の取材で、冒頭の問題とかかわりがあると言えばある、切なくも悲しいエピソードを聞いたのを思い出すのだ
召集令状が来て、入営前に郷里へ立ち寄った鶴に、母方の縁者の女性が「見事に戦死して靖国神社にまつられる男になれや。
間違っても鉄砲をこっちへ向けるのじゃないぞお」と言って聞かせたというのである
こんな話に比べれば、防衛庁の情報集めなど、国家権力によって不法な目に遭わされはしないかという不安より、むしろ安心を与えられるような気さえする。
不謹慎なことをあえて言えば、大騒ぎするのはお笑いだ。
http://www.hokkoku.co.jp/jisyoh/hjisyoh.htm