朝日新聞 2003.3.7 朝刊 オピニオン 12版 声より
テロは悪いと言い切れるか
大学教授 ソーントン不和直子 (神奈川県鎌倉市 60歳)
*:日本女子大学英文学科アメリカ文学教授です
ttp://www.jwu.ac.jp/ui/faculty/course12fc4.htm イラク攻撃を主張するブッシュ大統領も、それを容認せざるを得ないらしい小泉首相も、
攻撃反対を主張する市民も、一様に「もちろんテロは絶対にいけない」と前置きする。こ
の共通の枕詞を使う限り、この三者の言説は本質的に大した違いは無い。
テロはいけない、と私達は言い切れるだろうか。米国の中東政策に絶望した非力のアラ
ブの民はテロによってしか抵抗の主張を知らしめるすべが無かっただろう。「貧乏人の核
兵器」である炭疽菌を製造せざるを得なかったのだろう。9・11も、究極的には米国の中
東政策が招いた窮鼠の行為では無いか。
多国籍資本によるグローバリゼーションは、それまで互いに隔離されていた多くの文化
を直面させ、富の不均衡をあらわにした。と同時に、その他の文化は「欧米文化」という
ひとつの文化、米ドルという一つの経済基準で支配される機器に立たされた。
多国籍資本がかつての帝国主義と同じことをして、イスラム文化と社会を脅かしている
とするれば、テロは民族自衛の一手段であろう。なぜ彼らがテロに訴えなければならない
のかを謙虚に考え、その原因を正さなければ、イラクを敗北させようが、アルカイダを掃
討しようが、テロは果てしなく続くだろう。
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だそうですよ。
おまえら、議論してください。