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文責・名無しさん:
■《天声人語》 01月29日
最近の言葉から。「いろんなとこへいって、ひとをつかってしごとしたし、つかわれもした。
さいこうも、さいていもしってる」。阪神大震災でがれきの下に閉じ込められ、
46時間後に救助された68歳のおばちゃん。夜間中学に通い、初めて作文を書いた。
「私は『アンダースタンド』という言葉が好きなんだけど、これを『理解する』なんて訳したの
がいけない。『下に立つ』と素直に訳したらよかった。……意識して、努力して人の下に立つぐ
らいでちょうどいいの」と評論家の犬養道子さん。
精神科医で作家のなだいなださんは「最近、この愛国心を子どもに教え込もう、そのために、
教育基本法を改正しようなどという人があるが、パトリオティズムが国家中毒や国家依存と訳され
ていたら、そんなことは考えないだろう。何人もの愛国心派の政治家が、汚職で消えていった現実も、
この訳なら当然なことと納得できる」と。
作家の森巣博さんは「私の言う『のすたるじじい』ですね。ありもしない『過去の美しい日本』
を都合よく捏造(ねつぞう)し、そこへの回帰を願う人たちです。
……残るものなら、ことさら守れと言わなくても歴史の試練に耐えて必ず残る」。
「東京の歴史なんかたかだか400年。京都は千年、奈良は2千年の歴史です。そう思えば、
東京なんかそんなに意識する必要ないんです」と吉本興業の林裕章社長。
91歳で初めて海外旅行をしたという95歳の美容師吉行あぐりさんが90歳の映画監督
新藤兼人さんに「あなたなんか、まだ若造よ」。10年後の再会を約束した。