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◆南京犠牲「40万人」削除 高校教科書
「多数」表記 山川出版、563カ所訂正
昨年検定に合格し、今春から使用される高校日本史教科書「詳説日本
史」を発行する山川出版社(東京都千代田区)が、南京事件の犠牲者数と
して記述していた「四十万人」説を自主的に削除する申請を文部科学省
に行い、認められていたことが五日、分かった。同教科書の訂正個所は、
この記述も含め計五百六十三カ所に上っており、執筆・編集や検定のず
さんさも論議を呼びそうだ。
南京事件について、詳説日本史は現行版で「このとき、日本軍は非戦
闘員をふくむ多数の中国人を殺害し、敗戦後、東京裁判で大きな問題と
なった(南京事件)」と簡潔に記述している。
しかし、今春から使用される版では記述を大幅に増加。「占領から1
カ月余りの間、日本軍は南京市内で略奪・暴行をくり返したうえ、多数
の中国人一般住民(婦女子をふくむ)および捕虜を殺害した(南京事件)。犠
牲者数については、数万人〜40万人に及ぶ説がある。なお、外務省には、
占領直後から南京の惨状が伝えられていた」として検定に合格していた。
南京事件の犠牲者数をめぐっては、極東国際軍事裁判(東京裁判)が
「二十万人以上」と認定し、日本の「大虐殺派」の学者も同様の主張。
中国は「三十万人」としている。
一方、最近の研究で、戦闘による死者は数万単位あったが、民間人の
組織的大量虐殺はなかったことが有力になりつつある。このため、「四
十万人」説を記述するのは明らかな間違いだと批判の声が上がっていた。
訂正後の記述は、南京事件の時期と場所について「南京陥落の前後、
日本軍は市内外で」と拡大。「多数の中国人」の表記をそのままにして、
「数万人〜40万人」を削除した。
訂正の理由について、山川出版社は文部科学省に対し「生徒の適切な
理解を妨げるおそれがあるため」と説明した。
この部分も含めて今回、詳説日本史で訂正が認められたのは五百六十
三カ所で「老舗・山川としては異例の多さ」(教科書業界関係者)。ほと
んどが、ルビなどの表記統一や統計数字の更新だが、「創氏改名」を
「創始改名」としたり、「河北省」を「華北省」とするなどのミスも目
立っている。
山川出版社の話 「担当者と連絡がとれないので、コメントできない」
いやはや、なんとも(w