高山正之再び登場!新潮「変見自在」

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96文責・名無しさん
で、なんとか国の体裁が整った時、スーチー女史が帰ってきた。
彼女は父アウンサンが暗殺された後、英国が引き取り英国人の妻となって半生を英国で過ごしていた。
祖国がいかに英国の後遺症に苦しんだかを知らないまま彼女は民主化を叫び始め、
ビルマ人に追われた華僑や山岳民族がそれを支援した。
英国も支援した。英国大使がこっそりバンコクに行き、彼女の活躍とビルマ政府の圧制を世界に喧伝した。
「彼女の夫は祖国をズタズタにした英国の人間。その不信感は国民の間に根強い」と山口洋一元大使は言う。
大使公邸は彼女の家の前にあり、その観察から彼女は軟禁を解かれると、
「わざとルール違反をして政権を怒らせた。悪質だった」とも。
彼女は祖国の事情に目をつぶり、その言い分も一切聞かない。
その代わり英国の言うことはよく聞く。
スーチー女史の今度の開放に万々歳の紙面を作ったのが朝日新聞だった。
昨年9月のコラムではネ・ウィンを独裁者に描き上げ「従順な民が一斉に反逆したのが88年の民主化運動だった」とも書く。
彼女の主張どおりだ。
何でこうも気が合うのか考えたら共通点があった。自分の国を否定し、よその国の言うとおりに動く。
彼女は英国、こっちは中国、だ。(週刊新潮 5/23日号 変見自在より)