高山正之再び登場!新潮「変見自在」

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73パラオにかかる橋1
 日韓に友好はないとこの前書いたら随分と講義がきた。「民団に言いつけて国際問題
にする」とどこかの新聞みたいな脅しもあった。抗議も外圧を使う時代らしい。しかし
公務員に倫理観がないのと同じに、国家同士の付き合いにおよそ友好という概念は昔か
らなかった。
 例えばイタリアだ。日独の手を取り、菊花の契りみたいな篤い友好を誓ったのにさっさと
連合軍に寝返った。そこまでは許せるが、この国は戦後になると最初から連合国の一員みたい
な顔をして日本に戦時賠償を請求し、百二十万ドルも取っていった。
 ドイツも同じだ。日本がシンガポールの英軍を破ると、白人の連帯感は強い、ヒトラーは
「できればわが機甲師団を送って黄色い日本をやっつけたい。」と語っている。
 友好の代名詞みたいな日米関係だってどうか。先代のクリントンは北朝鮮の格保有を懸念して
軽水炉型二基もただでやると言い出した。いわゆるKEDOだが、その費用は自腹ではなかった。
米国が決めた結論は、この計画に口出しも許されなかった日本に建設費の七割を出せと言うものだった。
 要するに国家とは金の為なら嘘もつき、騙し、結婚詐欺みたいなこともする。友好や恩義などとは無縁の
存在なのだ。
 しかし世界にはそういう尺度で測れない国もある。西太平洋の小国パラオだ。

74パラオにかかる橋2:02/07/27 08:04 ID:5Y0Pho9d
英国を始め五つの国が領有してきたがその中で「最も印象深いのが日本だった」と同国上院議員ピーター氏は言う。
というのも日本はここにコメと野菜を持ってきてタロイモと魚の食生活を変え電気を引き、道路も舗装した。
鰹節工場を置いて、今で言う雇用創出もやった。近代化の仕上げに戸籍も作った。島民には姓がなかったので
「地名や日本人の名をかりたりした。」ピーター氏はスギヤマ姓で秘書のジュリアはマツタロウ、JIC議員
はクニコが姓だ。
その日本統治のあとに米国がきた。かれらが最初にやったことは発電所を壊し道路の舗装を剥がすことだった。
「まるで日本の存在を全て消すための作業に見えた。」何の目的なのか記録はないが、その少し前にコーデル・ハルが
ルーズベルトにこう忠告している。「このままでは日本は敗れ去った解放の戦士になってしまう。」(大統領文書44年10月5日)
実際ここでも舗装を剥がした後、「日本は世界侵略を目指す悪い国」だと教えられ、ついで道路が米国によって再舗装され、首都
コロールと本島を結ぶ橋も米国の発注で韓国企業が建設した。
 ところが数年前、その橋の中央がへこんできた。米国は施工した韓国企業に補修を要請したが、返事はない。調べてみたら同じ頃
ソウルの聖水大橋が落ちて何十人かが死んだ。それが実は同じ企業の施工だったとわかった。
 しょうがないので米企業が代わってへこんだ部分を下から持ち上げたら、なんとは橋全体が崩れてしまった。これがパラオ独立の
後だったから米国はもう金を出さなかった。困ったパラオが日本に助けを求め、総額三十億円のODAが決まった。「日本がまたや
ってくる。もう橋は落ちないとマツタロウもクニコも大喜びだった。」とピーター氏は語る。
全長四百b余りの橋は一月に完成した。
75パラオにかかる橋3:02/07/27 08:07 ID:5Y0Pho9d
 その後五月に下関で開かれた国際捕鯨委にパラオが初めて代表を送り、
日本の数少ない味方になってくれた。五十年間統治した米国より、その前に三十年統治した日本をこの国は選択した。
米紙はODAで票を買ったと批判したが、何を言う。パラオの何十倍もの援助にすがるロシア、ブラジルは反日に撤し、
中韓は過去、棄権ばかりで諦観を決め込んできた。
友好は口先だけのウソで固めた世界で、恩義を忘れない国もあったのだ。今度からODAの采配が経産省官僚に任せられる。
いい機会だからパラオを基準に配分を決めたらいい。
76パラオにかかる橋3:02/07/27 08:08 ID:5Y0Pho9d
週刊新潮8月1日号でした。