高山正之再び登場!新潮「変見自在」

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598文責・名無しさん

 櫻井 そのイラクに対して日本はどうすべきかを考えると、まず、すべての情報をテーブル
に並べて考えなければいけません。にもかかわらず、イラクの占領統治について、情報が不十
分です。日本の新聞記事を読むと、アメリカの態度は各国に特使を送って「もっと兵隊を送れ
」と派遣を強要するかのようなニュアンスでした。ところが実際の決定システムは、フロリダ
州のタンパにアメリカの司令本部があり、そこに五〇ヵ国以上の代表が集まってイラクでの軍
事関連行動を決めています。ここでは、「有志連合」とでもいうべき新しい手法がとられてい
ます。有志連合のなかに入れば、司令本部のコンピュータにアクセスして、イラクの求めてい
るニーズに関する情報を得て、どのような治安、インフラ整備活動をすればよいのかが具体的
に判断できる仕組みです。有志連合に入る条件は、「わが国は参加します」と手を挙げること
です。
 これまでの日本の外交は「何をしたらいいかわからない、アメリカの要求をいってください
」という姿勢でした。要求されたことができるかどうかは、「持ち帰って政府で検討して返事
をします」というものです。ところが今回はそうでなく、派遣をするもしないも自由。しかし
派遣をするからには、何をするかを自分から申し出る仕組みです。裏では大国アメリカとその
他各国とのせめぎ合いはあります。しかし、ポイントは、各国の自発的意思が前面に出なけれ
ばならないことです。
599文責・名無しさん:04/03/15 00:52 ID:Yy35wtVX
(櫻井 続き)
 この有志連合のアプローチはいままでのNATOや日米安保とは、まったく違うものです。
ブッシュ自身、「二十一世紀に機能するのは有志連合だ」と発表しています。日本も自ら決断
しなければならない場面に立ったわけです。状況を広く見渡せば、日本が参加しないで済むこ
とはありえない。国益を考えれば、危険はあるけれども、だからこそ自衛隊に行ってもらわな
ければならない状況になっています。日本の国民には、こうした情報が提供されていません。
この点で、メディアの責任は必ずしも果たされていないと思うのです。

 高山 もしこのやり方がうまくいったとしたら、『朝日』はまさに「完敗」となります。だ
から、その前にイラクに自衛隊をどうしても行かせたくない。そこで「彼をイラクに連れてい
かないで」などという話まで持ち出してきたんです。あれは要するに、泣き落としですからね。

 櫻井 自衛隊員の恋人が、街頭で署名運動したという話ですね。たしかに一部にそういう人
もいるかもしれませんが、大半の自衛隊員は違うのではないでしょうか。私も旭川を含めて、
隊員の方々の声を聞いてきましたけれど、皆、驚くほどしっかりしていました。自分は進んで
イラクに行く、そのときに望むのは、自衛隊が行くことの意味を、正面から受け止め、きちん
と認めてほしいというのが、彼らの考えですね。家族もそうで、自分の大切な夫なり父親なり
が行くにあたって、国民世論がどう送り出してくれるかを心配しています。「連れて行かない
で」の声が主流ではないと思います。