高山正之再び登場!新潮「変見自在」

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262文責・名無しさん
 愛知県の北東の隅に小さな部落があり、人口は老人子供を入れて、
わずかに「200人!」というから、そこらの団地の一棟分程度である。
 しかし、これが「村」になると事情は一変する。
「村」であれば「村長」や助役をはじめ、村役場や議会も必要になる。
 村立の小中学校も要れば、他の市町村同様「村民ホール」「敬老会館」も整えたい。
しかし、この富山村の税収は1千万円ほどしかない。
 これでは村長の給与すら支払えるかどうか、こころもとない。
こういう時、日本には便利な「地方交付税」というのがある。
 かくして「椎茸」と「お茶」の栽培だけで細々と暮らしていたこの村に、
毎年「6億円!」もの「地方交付税」が仕送られることになった。
さらには自治体らしい体裁も、すべて国が作ってくれるのである。
 となると、村の働き手は椎茸栽培は副業、「村長」になったり、
交替で「7人」の村議になり、村役場には収入役以下十数人もの
「地方公務員」が採用され、定年になれば「腐っても公務員」(高山正之)、
かなりの退職金(幾らか調べて欲しかった!)が支払われ、さらには
「敬老会館」などへの「天下り」ポストまで用意されている。
 小中学校には「10人前後!」の児童生徒しかいないが、「分教場」ではなく
立派な村立学校ゆえ、それぞれに校長以下、学年主任、保健の先生もつく。
その数なんと生徒より多い「18人!」である。
 道路も農道も完全舗装、最寄りの駅との間には村営バスも走り、
「公務員運転手」は、片道6ロの道を三往復すればその日の仕事は終わりである。
 それでも毎年、「年間6億円!」もの交付税がきちんと来るので
「カネ余り現象」も起きる。
 これから十年先も子供の数は十人前後しか見込めぬが、
校舎は「鉄筋三階建て!」、学校の運動場は総ガラス張りの閉鎖式ドーム!
 生徒らの国際意識を高めるため、ケンタッキー州の学校と姉妹校になり、
毎年、訪問もしている。
 ちなみに、クズ竹下登首相の「ふるさと創生」の時の一億円は、温泉を堀り、
テニスコート付きの村営温泉会館を作った。
 同じ200人の団地とは待遇がまるで違うが、これは「富山村」に限った話ではなく、
この日本にある「3300の市町村!」の大半が、同じようなことをしているのだ。
263文責・名無しさん:02/12/06 18:12 ID:acc3hdMW
 福島・矢祭町は二千世帯、七千人。東京の高島平が約一万世帯だから
5分の1の規模である。それでも矢祭町は地方自治体の町ゆえ、国から
(われわれの血税じゃ)「年間21億円!」もの「交付税」がもらえる。
 それで自治会役員の町長、町議を公費で選び、専従の役場職員「100人!」の
雇用も創出した。
 自分たちで自治会費を出し合い、手弁当で役員を務める高島平団地とは大違いだ。
 富山村の村長は過去何回か隣町との合併話を拒否してきた。
 合併すれば村長も村議会も不要、村役場もせいぜい二、三人の出張所で済むからだ。
 村の働き手の大半が安定した公務員になれ、住民票、戸籍、印鑑証明の発行が
主たる仕事、後は選挙の手伝いと国保など、国や県の下請けがちょっぴりといった
暇な仕事をのんびりやれるのに、誰が報われぬ民間人になどなりたいか。

 むろん、住基ネットの整備は困るので、矢祭町の町長はいち早く反対した。
 町長は「市町村合併をしない宣言」を出し、「独自のまちづくりを目指す町村を
踏みつぶしてどんな国を目指すのか。国は答えていない」(『朝日新聞』9/20)と、
「利いた風なこと」(高山正之)を言っているが、何十年も巨額の交付税をただ
もらってきて、まだ「独自の街づくり目指す」道半ばとはどういうことなのか。
やるなら自腹れやればいい。高島平も八潮団地も、みなそうしている、と
高山正之は怒っている。
 日本は政官業から百姓まで、「タカリ豚によるタカリ豚のためのタカリ豚国家」ゆえ、
日本が崩壊するまでこのシステム、変わることは絶対にない。ああ、いやだ、いやだ!