>>229 ■拉致疑惑――調査の中止は遺憾だ (朝日新聞 12月19日 社説)
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)赤十字会は日本人拉致疑惑に関して、日本人の「行方不明者」の消息調査を全面的に中止すると発表した。
消息調査中止は拉致疑惑の解明を心から望む日本国民の感情を逆なでするものであり、非常に遺憾である。
北朝鮮はこのところ、朝銀東京信用組合の融資不正流用疑惑をめぐる在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への強制捜査など一連の朝銀事件捜査に、「意図的な政治弾圧である」と強く反発している。
北朝鮮のメディアは、行方不明者の家族らによる集会がこのほど東京で開かれたことについて、「われわれには『拉致』という言葉自体あり得ない」などと批判する報道を繰り返していた。
北朝鮮がなぜ突然、行方不明者の消息調査中止を決めたのか真意は分からない。しかし、仮に朝銀事件捜査に対する意趣返しだとしたら、言語道断である。
多額の公的資金が投入される朝銀信組の不正融資を警察が捜査するのは当然だ。拉致疑惑とは次元の異なる問題である。
北朝鮮は、新たな食糧支援を引き出したいのかもしれない。緊張をあおって譲歩を得る「瀬戸際戦術」に出たとも考えられる。それなら裏目だ。北朝鮮に対する日本国民の印象を害しただけだろう。
米国の同時多発テロ事件について、北朝鮮は「きわめて遺憾で悲劇的だ」と表明した。事件後、テロ資金供与防止条約と人質反対国際協約にも署名した。
ブッシュ政権下で氷結した対米関係の改善の糸口を探る狙いかもしれない。とはいえ、国際社会の反テロ包囲網に協調する前向きの動きではあった。
しかし、ブッシュ大統領はイラクとともに北朝鮮による大量破壊兵器の開発疑惑に言及した。米の強い姿勢が変わらないとみると、再び対米批判を強めている。
韓国との関係でも、北朝鮮はすでに合意していた離散家族相互訪問について突然延期した。韓国側の実務協議提案も無視するなど、こう着状態にある。
一方、日朝間では、1年余も中断している国交正常化交渉の再開を探るため、北京で課長級の接触がもたれた。その直後の行方不明者調査中止の発表である。
ひょっとすると、北朝鮮の対外関係部門に混乱があるのかもしれない。
政府は、拉致疑惑は「国民の生命の安全にかかわる重要な問題だ」として、北朝鮮に対し、引き続き真剣な対応を粘り強く求めていく方針だ。冷静に北の出方を見守る姿勢を示したことを評価したい。
拉致疑惑問題は、日朝が正常化交渉を重ね、双方の信頼関係が醸成されるなかで、解決する以外に道はあるまい。
一方的な調査中止発表は、大きな不信感を日本側に残した。そのことを、北朝鮮側は肝に銘ずるべきである。
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18日はベタ記事で無視したくせに,産経新聞と同じような社説。卑怯もので売国の、朝日には笑うぜ!(w