【底打】J-REIT61【祈願】

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799名無しさん@お金いっぱい。
FACTAの記事

日本経済新聞の記者は、横山秀夫の『クライマーズ・ハイ』を読んだことがないのか。
主人公の記者は、米国映画『地獄の英雄』の台詞「チェック、ダブルチェック」とつ
ぶやきながら、あと一歩でスクープを逃す。そのためらいこそが記者魂だった、とい
うクライマックスである。

12月26日、日経夕刊は1面で「不動産市場 中国10社、日本参入 ファンド大手パシフ
ィックに出資」と報じた。経営再建中の不動産ファンド運営の大手、パシフィックホー
ルディングス(東証1部上場)に、寧波華瑞房地産開発有限公司など中国の10社が総額
およそ470億円を出資することが明らかになったというのだ。同日、パシフィックHDは
正式発表、“スクープ”を抜いた日経は翌日朝刊で意気揚々と、中国資本の日本参入
が「信用収縮の著しい不動産市場を刺激する」、つまり救世主になると持ち上げてい
る。

日経の報道は、本誌が前号(「パシフィックHDと冨山和彦の怪」)で疑義を呈した6日
後である。その時点では中国企業名が不明だったのだが、ようやく“金主”の種明か
しをしてくれたわけだ。週明けの29、30日と株価はストップ高、1月6日には1万7200円
と、11月下旬の底値の約13倍の高値をつけた。
800名無しさん@お金いっぱい。:2009/02/28(土) 00:20:00 ID:6Z21QLZz0

        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
     ̄
801名無しさん@お金いっぱい。:2009/02/28(土) 00:21:11 ID:GmTyMKhH0
270億円払い込みは幻

しかし、この日経報道を驚きの目で見つめた男が1人いた。誰あろう、当事者の
パシフィックHD社長、高塚優その人である。

高塚周辺によれば、日経へのリークは経営共創基盤の代表、冨山和彦の側から
行われ、高塚は事前に何も知らされていなかったという。冨山はカネボウやダ
イエーを処理した産業再生機構の専務兼COOを務めたことで知られる。同機構
が07年3月に解散した後、資本金56億円で経営共創基盤を起こし、パシフィッ
クHD救済の中心となっている。

だが、当事者なのに事前連絡もしてこない冨山に、高塚ら経営陣は不信感を
募らせているという。きっかけは、12月19日に予定されていた最初の資金調
達に絡むものだった。

冨山が組み立てたパシフィックHDのファイナンス計画は、経営共創基盤の
100%子会社(中柏ジャパン)をパシフィックHDへの直接の出資者にして、
パシフィックHDの社債、優先株を3段階で引き受けることになっている。

第一弾が中柏ジャパンに対する第三者割当増資。12月19日にパシフィック
HDが28万6千株を発行、6億5千万円を調達する。次いで12月26日には270億
円の社債、さらに09年2月27日に総額470億円の優先株を発行する。その際
に先の270億円の社債を現物出資し、払込金の一部にあてるというものだ。

19日、“手付金”の6億5千万円が振り込まれるかどうか、関係者は固唾を
のんで見守っていた。こうした契約の場合、振り込みは朝一番、遅くとも
午前中に指定銀行口座に入金されるものだ。ところが、振り込み確認を待
つ高塚らパシフィックHD幹部のもとに、銀行から入金の連絡がこない。よ
うやく振り込み完了の連絡が来たのは、銀行の営業時間が終わる寸前だっ
た。

胸を撫でおろしたのもつかの間、高塚らを絶句させる事実が判明する。6億
5千万円の振込人が、第三者割当増資の引受先の中柏ジャパンではなく、冨
山の経営共創基盤となっていたのだ。

パシフィックHD内がこれに右往左往した。それから数日後、またも仰天の
事態が起きる。同社の銀行口座に再び6億5千万円が振り込まれたのだ。高塚
ら幹部が聞いたこともない名の中国系企業からだ。
802名無しさん@お金いっぱい。:2009/02/28(土) 00:23:14 ID:GmTyMKhH0
「なんだ、この企業は? どうしてうちの銀行口座をこの企業が知っているんだ」

パシフィックHD内はさらに混乱した。いったい、これは何を物語るのか。6億5千万
円が二重に振り込まれ、しかも契約した覚えのない企業からの入金。あり得ない話
である。冨山側の説明では、二重入金は470億円の出資者が事前に振り込んでしまっ
たせいだという。重複した6億5千万円は経営共創基盤に返金された。だが、これは
説明でも釈明でもなく、引っ込みがつかなくなった話を糊塗しただけに聞こえる。

異常な話はこれだけではない。

12月26日にパシフィックHDは「中国政府からの必要な許認可が払込日までに得られ
なかった」ことを理由に270億円の払込日変更を議決、2月末、5月末、8月末、11月
末に分けて繰り延べた。キャッシュは幻となったが、その代わり出資予定の中国系
10社の社名と、ご丁寧にもHPアドレスを公表している。

だが、そのうちの1社、中国浙江緑城集団の持株会社、緑城中国控股公司(香港上場)
が29日、香港の文匯報で「出資の予定はない」と否定した。有力英字紙SCMP(サウス
チャイナ・モーニングポスト)など2紙も、同様の記事を掲載した。
803名無しさん@お金いっぱい。:2009/02/28(土) 00:26:14 ID:GmTyMKhH0
また日本の複数の外資系金融機関の担当者たちが、緑城の経営陣に直に
問い合わせたところ、やはり完全否定の発言を聞いている。

緑城だけではない。本誌も寧波の地元有力者を通じて10社のうち寧波の
2社に直接問い合わせた。欧琳集団と澳瑞集団寧波興瑞置業有限公司で
ある。いずれも言下に、パシフィックHDはおろか、「日本に出資する予
定はない」との返答だった。明らかに日経が冨山側のリークを鵜呑みに
して、10社へのチェックを怠っていたことが明らかになった。

「東証の了解があるなら」

パシフィックHDのIR情報は常に英語版も更新されているが、この件では
更新されていない。英語版だと、当該企業にも読まれてしまうからでは
ないのか。

証券取引等監視委員会(SESC)は、株価操縦の疑いで内偵を始めた。日
経報道の26日以前からリークを予想していたかのように株価が急上昇し
ており、証券監視委が舌なめずりをするのも無理からぬことだ。事件化
すれば、片棒をかついだ日経もただでは済まないだろう。

高塚は19日の不可解な二重入金以来、冨山とその右腕と目されている公認
会計士、菱田哲也(パシフィックHD社外取締役)への不信感を強めている
ようだ。かつて冨山が産業再生機構入りする際、経営陣の1人にと菱田を
推薦したこともあるが、財務省から異論が出たという。菱田が個人保証し
ている人脈に危惧を抱いたためとされている。

高塚が疑問に思いながらも「払込日変更」と「中国10社公表」のIRに同意
したのは、東証に中国企業と交わした契約書を見せて了解を取った、と冨
山側が説明したからだという。産業再生機構出身という冨山のブランド、
東証社長も同機構の元上司、斉藤惇であるため「東証が了解してくれたん
だから……」と信をおいたらしい。東証の罪は重い。

1月9日、同じ不動産ファンド運営のクリード(東証1部)が負債総額650億
円を抱えて会社更生法を申請した。さすがにパシフィックHDの株価も1月6日
以降崩れている。

年明け以降、なぜか沈黙している日経の編集局長もデスクも、記者に言わな
かったのだろうか。

チェック、ダブルチェック、と。(敬称略)