お勧めの本
ファンドマネジメント (著)山崎 元
明らかにプロ向けだが、良書。
この本は年金向けアクティブ運用のプロへの実践的参考図書です。
それでも、初心者も面白く読めるところも多く、以下の部分は投資信託に関心がある人も
興味深く読めると思います。
1章 職業としてのファンドマネージャ(以下、FM)
5章 ゲームとしての資産運用と人間の心理
21章 ビジネスとしてのファンドマネジメントに関する補足
この3章は、FMが陥りやすい陥穽と対処法、逆に言えばFMがどうやって間違えるかの指摘。
11章 国際投資の考え方
為替リスクと投資のリスクを分けて考えることの重要性や、エマージング・マーケットへの考察が
多分、皆さんの関心を引くのではと思います。
第2部(14-17章)「ファンド運用の実際」は、より実務的で高度な部分だと思いますが、そのなかでも、
14章 ポートフォリオ構築の一般論
は、パッシブ投資家であれ、アクティブ投資家であれ、株式ポートフォリオに関する理論的な理解の基礎
となるのでは、と思います。難しいはずの話がわかり易くまとまってます。
15章 インデックス・ファンドの構築と運用
パッシブ投資家の方には関心がある部分だと思いますが、モデルによる最適化ポートフォリオ(簡便法)について
のみなので、完全法が主流の今では時代遅れの感があります。しかし、色々と深い洞察を与えてくれてます。
投資理論やモデル構築に踏込んでいて難しいと思われるかもしれないのは6,7,13,14,16-19章かも。
アセット・アロケーションや、アノマリーにも触れていますが、特に新味はありません。
ただ、10年前の本なので、多少時代遅れの個所があるのは仕方ないのですが。。。