★彩★ さいたま証券取引所 38 ★舞★

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827長文スマソ(1/2)
骨折り損かネット売買――スクランブル(1) 2005/02/02, 01:00, 日経速報ニュース, 617文字

 「今日のディーリングルームはタカラバイオ株で騒がしかったですよ」。ある証券会社のディーラーは
1日の相場をこう振り返る。
 治療薬を供給する米国の病院で遺伝子治療の臨床試験を始めたことなどをきっかけに1月11日
から急速に動意付き、2月1日までに1月7日の終値と比べて3.6倍に上昇していた。1日は寄り付きは
売り気配で始まったが、前日比4万円安の74万円で寄り付いた後は、しばらくもみあった。
 このディーラーの1日の行動に沿って、タカラバイオの動きを追ってみよう。9時36分、76万1000円で
まとまった買い注文で株価が上昇し始める。「株価が急伸し始めると、ネットの個人が指し値を現値
より高く入れてくれるので、我々も注文を出しやすくなる」。当然、彼も追随したという。
 証券検査で高値誘導の注文だったと指摘されないために、自己売買部門は現値より高値の指し値
注文を自粛する場合が多い。同株のように、個人が注目する銘柄になると、値動きが頻繁になり、
自己売買部門も動きやすくなるというわけだ。
 この辺りで、主役はネット参加の個人からディーラーに交代。ディーラー勢の主導でわずか13分後の
9時49分に8万円高の86万円まで上昇した。もっとも、その後の約5分間は頻繁に約定はしながらも、
株価は83万円台で頭打ちになる。10時5分前に売買高が減ってきたのを確認すると、このディーラーは
すかさず手じまい売り。5分程度の間にその日の利益を確定してしまった。
828長文スマソ(2/2):05/02/02 01:26:55 ID:8oQ10SYz
骨折り損かネット売買――スクランブル(2) 2005/02/02, 01:00, 日経速報ニュース, 811文字

 一方、個人投資家が売りに回ったのは、10時を過ぎてから。それも五月雨式だったから80万円台で
売れたのはそれほど多くないと見られる。この日の寄り付き直後に買ったとしても、深追いをして売り時を
誤ると損を被ったことになる。結局、ストップ安(10万円安)水準で取引を終えた。
 タカラバイオに比べると、この日から動意付き「相場が若い」ほくほくフィナンシャルグループは、前場中頃
までに買い付いていれば、大引けで売却しても利益を得られたから、個人でも比較的やりやすかったようだ。
ただし、おいしい状況が2日以降も続く保証はないが。
 「短期売買は結局はゼロ・サムゲームなので、こうした銘柄の取引では個人の7―8割が損をしている」
(新光証券)との見方もある。
 個人に比べると、証券会社のディーラーは板の変化を読み取る感度で勝り、特に売りを機敏に出せる
のがウリ。加えて取引端末と直結しているため、約定までのスピードも速い。こうした点が、ディーラーは
個人の動きに追随しながらも結果的には利益を得られる原動力になっているようだ。ネットを使う個人の
台頭で流動性が高まったとされるが、1番恩恵を受けているのはディーラーと言えそうだ。
 東証第一部の売買高(半日取引を除く)が100日連続で10億株を超えた1日。日経平均株価は
3円安で引け、ネット取引の興隆と相場全体のこう着という、東京市場の今を象徴する1日だった。
 また、1日のうちの高値がストップ高、安値がストップ安という銘柄も現れた。タカラバイオの連想で買われた
LTTバイオがそれだが、三菱証券の藤戸則弘シニア投資ストラテジストは「LTTバイオのような赤字企業が
ここまでにぎわう局面は調整が始まる兆候」と見る。
 日本の株式市場に定着したとされるネットの短期売買の個人だが、損が累積してきたときにどうなるのか。
いずれ来るであろう下げ相場にどう対応するのか。稼ぎ手としての腕前が問われるのはこれからだ。