http://www.google.co.jp/search?q=cache:H2QyufVn7MsJ:headlines.yahoo.co.jp/hl%3Fa%3D20041124-00000019-san-soci+&hl=ja 埼玉県熊谷市の財団法人、西熊谷病院で平成十四年四月以後、看護職員による精神障害の入院患者に対する暴行が複数あったことが二十三日までに県の調べで分かった。
この間、入院患者の自殺、事故死など不自然死が少なくとも七件あり、うち一件の処理に不備があったとして、県警熊谷署が男性医師を医師法違反の疑いで書類送検した。
事態を重くみた県は同病院に対して業務改善指導を行う方針を固め、今月中にも実施する。
西熊谷病院は大正十三年の創立で、精神科、神経科、内科がある。ベッド数は五百三十五床、精神障害の患者が入院できる病院としては県内で最大級。
今年夏、「入院患者に対する暴行が多発している」との内部告発を受け、県が調査したところ、男性看護職員が鍵で女性患者の頭を殴って負傷させたことや、
別の男性看護職員が別の女性患者の頭を壁に打ちつけたことなどについて、病院側も大筋で認めた。
また、同病院では平成十四年四月以後、少なくとも七件の不自然死があり、このうち、平成十五年七月十八日、菓子をのどに詰まらせて死亡した男性=当時(51)=について、
担当の男性医師(45)が医師法の規定に違反して、二十四時間以内に所轄の警察署に届け出なかったとして、熊谷警察署は今月初め、同医師を医師法違反の疑いで書類送検した。
県の医療整備課と障害者福祉課は、調査結果を受けて、入院患者の医療安全を守るため、医療法と精神保健福祉法に基づく業務改善指導を行うのが適切と判断し、近く同病院に通告する。
同病院の吉田則昭院長は産経新聞の取材に対し、「暴行事件は誠に遺憾。当該職員に対し、その都度、休職、減俸などの処分をした。現在、病院内には暴力行為はない。
今後は職員の指導を徹底し、患者の人権を重視していきたい」と話した。
また、書類送検された医師は「遺族から、届けなくていいといわれ、そのままにしていたが、別の医師からの指摘で遅れて届け出た。今は反省している」と語った。
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■頭を壁に打ちつけ/わいせつ行為強いる
西熊谷病院について、産経新聞が入手した埼玉県への内部告発の上申書や、同病院の複数の関係者の証言によると、同病院内では、一部の看護職員の患者への暴行のほか、わいせつ行為もあった。
元職員は「こわくて注意できなかった」と話しており、病棟内の閉鎖性も浮かんでいる。
県が確認した暴行行為は、平成十四年五月二十二日、入院中の女性患者が男性看護職員にたばこの封を切ってくれるよう頼んだところ、「自分でできないなら吸うな」といわれ、
手に持っていた鍵で頭を殴られ、額を切って負傷した。
また、今年二月二十二日には、別の男性看護職員が、別の女性患者にけられたとして、患者の頭を壁に打ちつけたうえ、ひじで首を圧迫、ベッドから引きずり下ろすなどした。
この件で、病院側は「過剰防衛だった」との立場をとっている。
上申書ではこのほか、トイレ以外の場所で排泄(はいせつ)した患者に対する暴行や、オムツを一晩、取り換えなかった例なども指摘されている。
また、同病院の一部の看護職員は、男女の患者に性行為を強いるなどして面白がっていたという。このわいせつ行為については、目撃した元看護補助員が看護部長に訴えたことで発覚。
病院側は中心になった二人の看護職員を休職などの処分としたが、県への報告や所轄警察署への届け出はなかった。
(産経新聞) - 11月24日3時1分更新