【個人経営】飲食店 48皿目【オーナーシェフ】

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820名無しさん@お腹いっぱい。
資格革命的な業態のフレンチ店登場

外食産業のイノベーションに「まだこの手があったか!」と驚愕する革命が進行しつつある。
バリュークリエイト(VALUE CREATE株式会社:坂本孝社長)が経営する『俺のイタリアン』と
『俺のフレンチ』の話である。  

2012年6月時点で両業態あわせて都内に7店舗。すべての店舗が、予約が1カ月待ちになるほどの
人気で、7店舗中6店舗は食べログのトップ5000店にランクインされている。  

最初の出店が2011年9月であるから、イタリアン/フレンチ業態への新規参入後わずか10カ月で、
顧客の圧倒的な支持を勝ち得ていることになる。

日本国内に飲食店は50万店舗あると言われているので、トップ5000店とは上位1%を意味する。
もし飲食店に偏差値があるとすれば、偏差値73以上で東大クラスということになるのだが、
実はそれ以上の実力がある。  

『俺のイタリアン』『俺のフレンチ』両業態の厨房には、グランメゾンと呼ばれるフランスの
最高級レストランを切り盛りしてきたシェフたちが立ち、彼らがミシュランの星を獲得していた
当時にお店で提供していたスペシャリテと呼ばれる名物料理を提供しているからだ。  

5月に銀座に開店したばかりの『俺のフレンチ GINZA』には3人のスーパーシェフがいる。
シェ松尾・松濤レストランの総料理長だった能勢和秀氏、シェ松尾・青山サロン総料理長だった
布川鉄英氏、ジョエル・ロブションから俺のフレンチに合流した飯田夢崇氏。実はこの3人は
能勢シェフと子弟関係にあるのだが、その3人が息を合わせて厨房で料理を作る様子はまさに
壮観である。

『俺のフレンチ』『俺のイタリアン』がこれだけの顧客からの支持を得ている最大のキーワードは
価格破壊である。能勢シェフのスペシャリテとしてシェ松尾・松濤レストランのアラカルトで
1万5000円で提供されていた牛フィレ肉のロッシーニが、『俺のフレンチ GINZA』では、
ボリュームアップした上で1280円で提供されている。  

同じく、活きオマールのローストも1280円。これも能勢シェフのスペシャリテで、一匹のオマール
を真っ二つに割ったものに貴腐ワインを贅沢に使ったソースがかけられている。シェ松尾時代は
半身だけが提供されていたそうだが、ここではボリュームは2倍ということになる。

和牛ほほ肉の赤ワイン煮、仔羊背肉のロースト、フォアグラのコンフィといったメインメニューが
980円。さらに、お店で提供される高級ワインはすべて酒販店の販売価格に999円を加えたものが
店舗での提供価格になっている。  

価格が安いということは、どこかにからくりがあるのが世の常である。しかし、そのからくりが
ないところが、『俺のフレンチ』『俺のイタリアン』のビジネスモデルの面白いところだ。  

実際にバリュークリエイトの坂本社長はシェフたちに「もっと原価率をバンバンかけろ!圧倒的に
美味しいもの出せ!」と言って激を飛ばしているという。 (※続く) 

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http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120613/1041478/?P=1
821名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/20(水) 15:57:08.79 ID:dtlPmwgn0
かくいう私はかなりの食通で、週3回は高級なフォアグラを食さないと気分が乗らないという結構
贅沢な人間なのだが、知人に紹介されて最初に訪れた『俺のフレンチ GINZA』で、フォアグラが
載ったロッシーニステーキにナイフを入れてみて驚愕した瞬間のことを今でも覚えている。  

これほど柔らかい赤身の牛肉料理には超一流のレストランでもなかなかお目にかかることはできない。
驚くべき品質の料理が、驚くべき低価格で提供されているのである。  

この日を境に私の知的好奇心アンテナに強烈なフラグが立ち、その後の2週間で『俺のフレンチ』
『俺のイタリアン』に、合計5回来店させていただくことになり、そこでこの業態の驚愕すべき
ビジネスモデルを理解することとなった。  

この業態は革命的である。私が理解したその秘密を今回のコラムで紹介することにしたい。

稼働率を高めるだけで価格破壊が成立する

ミシュランの星つきレストランで修業し、名を上げたシェフが独立してオーナーとして自分の店を
開店したときの様子をイメージしてみよう。  

銀座は無理かもしれないが、麻布や広尾近辺に席数40席ほどの店を持ち、ひいきの客を引き連れて
成功したとする。ミシュラン店時代とほぼ同様のスペシャリテを提供し、お店はそこそこ賑わい、
客単価もひとり2万円ぐらい確保できたとする。一流シェフの独立としては上々のシナリオを描いて
みると、このような状態である。  

毎日が満席なら最高だが、高級店の場合で言えば、席の稼働が6割なら上出来と言えるだろう。
計算してみると、このような成功シナリオの場合、1日の売上が50万円、1カ月の売上にして
1200万円となり、独立は大成功となる。  

実際にこのような成功となるケースは多くはない。私もひいきにしていたお店のシェフが独立した
という話を聞いて、そのお店に行ってみることが結構ある。しかし、私以外に客が2〜3組で、
料理はおいしいのだが、お店のスタッフは少々手持ちぶさたというケースの方が多い。この客数
では、厨房の弟子2人とホールスタッフ2名の給料を支払うのは大変だろうなと思う。そのような
状況が、通常のケースである。  

多くの場合、そこでオーナーシェフは経営のバランスというものに苦しみ、微妙に食材の仕入れを
工夫したり(つまり、ミシュラン時代のような贅沢な仕入をあきらめたり)して、そこそこおいしく、
そこそこお手頃なフランス料理の提供という線に落ち着いていく。いわゆる負のスパイラルという
やつだ。それが少しだけ負のスパイラルで済めばお店は生き残っていけるし、本当の負のスパイラル
に入ってしまうとやっていけなくなり閉店してしまう。そのようなお店もこの業界には多いのだ。

『俺のフレンチ』のビジネスモデルの着眼点は、お店の稼働率にある。お店の評判が高まって完成
すると、実は『俺のフレンチ』の座席の回転率は一日3.5回になる。この数字は従来型のフレンチの
高級店グランドメゾンの形態ではありえない。  

※まだまだ続きますが割愛します。全文はソース記事をご覧ください。