うにゅー 8個め

このエントリーをはてなブックマークに追加
288Mr.名無しさん
「ん?なんだこれは?」
高価そうな靴を履いた、人形の足らしきものが道端に落ちている。
「この靴、人形のものにしては精巧なつくりだなー」
でっぷりと肥満して眼鏡をかけた30歳前後の男が、不思議そうに手に取りつぶやく。
「どこかに本体は落ちてないかな?」
コンビニに行った帰りなのだろう、ナイロン袋を手にしながらキョロキョロと
辺りを見回す。すると道路わきのドブ川の中で必死にもがいて這い上がろうとしている
幼児の姿が目に飛び込んできた。
あわてて駆け寄り、引き上げてやると幼児だと思った物は精巧に出来た人形だった。
驚いたことに人形が泣き叫んでいるのだ。
「君、大丈夫かい?」
男は雛を抱き上げ優しく話しかける。
「うぅ・・ひっく、たすかったの・・おにいちゃんありがとうなの・・
ヒナ、おぼれそうだったの・・」
「ここに落ちていたんだけどこれ、君の足だね。かわいそうに・・」
男は雛に取れた足を見せてやる。
「あっ、ヒナのアンヨなのー見つけてくれてうれしいのー」
足がみつかり笑顔をみせる雛苺
「それにしてもこんなかわいい子を捨てるなんてひどい人がいるんだねぇ、
よかったら俺の家に来ないかい?足も直してあげるよ」
無論この男に雛の足など直せないが、雛苺には疑う余地もなかった。
「ほんとなの?うわーいおにいちゃんの家にいくのー」
ようやく自分を可愛がってくれる人が現れたと信じ込み大喜びで男に抱きつく雛
「ヒナはローゼンメイデンの雛苺なの〜これからよろしくなの〜」
「よしよし、俺はAっていうんだ、それじゃいこうか!」
Aも名乗り、雛を抱き上げて歩き出す
「えへへぇ〜ヒナね、とってもおなか減ってるの!Aのおうちについたら
うにゅーたべるの〜それからおえかきして〜Aにアンヨ直してもらったら
Aとかくれんぼしてあそぶの!」