285 :
Mr.名無しさん:
翌朝
ごみ捨て場の雛苺の前を通学途中の小学生達が通りかかる。
「おいみろよ、こんなとこに人形が捨てられてるぜ」
「キタネェ人形だなぁ、それに片足取れてるじゃん」
小学生達の声に目を覚ます雛苺。
「うぅ・・だれなの・・・」
「おわっ!この人形しゃべった、どうなってんだ!」
雛苺がしゃべったことに驚き小学生達は身を引く。
「おねがいなの・・ヒナをたすけてなの・・・ともえのところにかえしてほしいの」
雛苺は両手でゴミを掻き分け這うように小学生達に近寄り懇願する。
「うわあ、こっちくんな呪い人形!」「こえぇ、呪われるー」
小学生は近寄る雛苺を足でゴミの中へと押し込む。
何人もの足が雛苺の全身を何度も踏みつける。
「あぁー・・いたいのいたいのぉぉぉ!」
「うわ、こいつまだ生きてんのかよ」
「くたばれ、呪い人形め!」
小学生達はゴミまみれの雛苺に次々に石を拾ってぶつける。
「近寄るな、ゴミ人形!」
「いやぁーやめてなのぉぉヒナをいじめないでほしいのー!たすけてとぅもえーー!」
体を丸めて必死に投石に耐える雛苺。
「あっ、やべぇもういかねぇと遅刻だ」
「そうだなそろそろ行くか」
ようやく立ち去る小学生達、石が飛んで来なくなりゆっくり顔を上げる雛苺。
「うう・・ヒナ、これからどうすればいいの・・・」
小学生から虐待をされた雛苺は相当なショックを受けたようだ。
いままでのマスター達には大事にされ丁寧な扱いを受けていたのが
急に放り投げられ、足蹴にされるなどとは思いもよらないことだった。