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>>636続き
6時間目は美術。絵を描くのは嫌いじゃないが、色を塗るのはどうも苦手だ。
適当に絵の具を塗り重ねていく。
気がつくと、目の前にはとても風景画とは思えないどす黒い絵が完成していた。
まるで今の自分の生活が反映されているようで、テンションが下がった。
途中、ふたりで仲良く絵を描いている山田と広瀬を見た。
どんだけバカップルなんだお前らは。っていうか絵ヘタすぎだろ広瀬。
「それじゃあ僕たちは部活に行くから」
山田は軽音楽部、広瀬は吹奏楽部に所属している。ふたりとも5月に控えてる文化部の発表会が近いからか、部活が忙しい。
親しい友人が少なく、帰宅部の俺は必然的にひとりで帰ることになる。
「わかった。ふたりとも頑張れよ」
「ああ、ごめんね」
「じゃあね、暇人」
誰が暇人だ。まあいい…あれ?
ポケットに自転車の鍵が入っていない。
最悪だ、本当についてない。どこに落としたのだろう。
取りあえず思いつくところを探すしかないな…
ダメだ、見つからない。
教室、廊下と食堂はあらかた探したし…あとは屋上か。
俺は階段を駆け上った。4階まで登るのは意外としんどいな。
ドアを開けると赤みがかった空が一面に広がる。
綺麗だが、どこか虚しさも感じさせる空の色。心なしか、昼間描いた絵に似ているような気がした。
不意に空から目をそらすと、金網に寄りかかっていたひとりの女子生徒が視界に入ってきた。
彼女がこちらを向く。
冗談じゃなく、本気で天使だと思った。
目が合う。
腰まである黒くツヤのある髪。
思いのほか力強い大きな瞳が俺を射抜く。目をそらすことができなかった。
えらい美人が、そこにいた。
「…じろじろ見ないでください」
そう言われて自分がアホな顔で彼女に見とれていたことに気付いた。
「気味が悪いです」
…そこまで言わなくてもいいんじゃ?
気まずくなって目をそらす。
すると、彼女が右手に何かを握りしめていることに気付いた。
「…あ、それ」
鈍く光っているのは間違いなく俺の捜し物。
「あのさ、それ俺の」
「近寄らないでください」
とてて、と素早く俺から離れる彼女。
「…それ、俺の自転車の鍵なんだけど…」
とりあえず鍵は返してもらわないと困る。
「それが何か?」
…何かむかつくな、コイツ。
「それがないと俺困るんだよ」
「私が拾ったんだから私のものです。」
…どこのジャイアンですかコイツは。
「返せよ!!」
ちょっと強い口調で言ってみる。
彼女はビクっと体を震わせたが、
「…やーです」
と言いやがった。
こいつは…
俺は彼女に詰め寄り、上から見下ろす。意外とちっさいな。かなみより大分小さいし155cmぐらいか。
顔を近づけると、彼女の顔が心なしか赤く染まった、気がした。
やっぱ顔はすごく可愛い。顔だけなんだけど。
彼女は上目使いで俺の様子をちらちら伺っている。
こ、これが"萌え"なのか?!
そんなアホなことを考えていると、不意に彼女が呟いた。
「…うしろ」
うしろ?振り返ってドアを見る。隙間から覗く見慣れた4つの目。
あの変態覗き魔コンビめ…
「山田、広瀬!何やってんだよお前ら!!」
「あ…バレちゃったか」
「えへへ、ごめん」
全然反省していない…このバカップルが。
「何でこんなところに…」
「いやあ、さっき部活が終わってさ」
何、もうそんな時間か?
「美咲と二人で屋上でいちゃつこうと思ったら」
「先客がいたってワケよ」
「しかもそれが玲二と見知らぬ女の子ときたら」
「見守るしかないでしょ?」
一般的にその行為は覗きと呼ばれる。
「それよりさっきの女の子は何処行ったの?」
美咲の声で俺が振り返ったとき、彼女はすでに姿を消していた。
忍者かあいつは。
今日は歩きで帰るしかないな…
GJ!
盛り上げていこう
七夕も終わった
また1年後まで
ほ
し
の
だっだーん
ほ
っ
ツン度6の地震が・・・
週末
週明け
週中
8月
ho
ほす
お久しぶりデス。
もう、話しを覚えている人もいないだろうけど・・・。
>>572の続き。
翌日、ミキは学校を休んだ・・・次の日も、その次の日も。
電話を掛けてもミキの声を聞けないで、虚しく呼び出し音が鳴るだけだった。
四日目の昼休みに、タカオがヲレの教室に来て、ちょっと顔を貸せと言い、ヲレを学校の屋上に連れて行った。
また・・・殴り合いになるのか?
覚悟は出来ていた。
だが、今回は違っていて、タカオはヲレを睨むと話し始めた。
「本当は今すぐにでもお前を殴ってやりたい所だが・・・もう喧嘩をしないとミキと約束したからな・・・」
ミキとタカオの二人の約束の話しなんかを聞くと心がザワザワとして落ち着かない。
タカオは、再びヲレの事を睨みつけると、
「もう、ミキに近づくな・・・ミキを泣かせるな・・・お前がフジサキとコソコソと付き合っているのは、
みんなが知っていることだぞ・・・ミキはそんな噂を聞くたびに悲しい想いをいていたんだ、
お前にはミキの気持ちが判るか?・・・ミキは、あいつはお前のことをそんなに想っていたんだぞ・・・悔しいけどな」
「ヲレは別にフジサキと付き合っている訳じゃないし、フジサキには他に好きな奴がいるんだぞ?」
その瞬間、タカオがヲレの胸ぐらを掴み上げた。
「フジサキはどう見てもお前の事を想っているだろが!ミキの気持ちも、フジサキの気持ちも弄ぶな!」
ヲレはタカオに突き飛ばされた。
タカオは背を向けて歩きながら、吐き捨てるように言った。
「もうミキに近づくな」
ヲレの脳裏の中からミキの笑顔が消えて行く気がした。
結局、その週の間ミキは学校に来る事は無く、ヲレはヲレで腑抜けのような状態で、
ただボォっと時間だけが過ぎているだけで、部活も授業も、何も手に付かず・・・
今思えばミキのことばかりを考えていたのであろう。
放課後になっても部活に出ない日ばかりになっていた。
次の週になるとミキは学校に来るようになったが、登校しても教室から出ることなく、
教室を出るときはタカオが必ず横に居るしで、話しかけることも出来なかった。
それは、ヲレとミキが酷い終わり方をしたと学年中に噂されるような形になり、
ヲレは段々と・・・クラスからも部活からも孤立していった・・・。
ヲレは失恋のショックから立ち直る事が出来ないで部活も出ずに、
放課後の教室で一人ウジウジと考える日が続いた。
考えても何も解決する訳でも無いし、女々しい気持ちに自分自身呆れて、
何をどうすればいいのか判らない状態だった。
逢う事も出来ない、電話もする事が出来ない・・・。
ヲレはどうしたらいいのか・・・なんでこうなってしまったのか・・・。
ただ、そんな・・・考えても答えが出ない事がグルグルと頭の中でループし続ける。
放課後の教室で、夕日に真っ赤に染まる校庭を眺めながらミキの事を思い出していた。
ヲレしか居ない教室のドアが静かに開く音がする。
ヲレはその音を無視して、誰が入ってきたのか確かめもしないでいると、
背後から声が聞こえてきた。
「まだ教室に居たんだ・・・」
その声の主は振り返って見なくても判る・・・フジサキだ。
「あぁ」
ヲレは力なく応えた。
「一緒に帰ろうかと思って、自転車置場で待っていたんだけど・・・来なかったから」
カタンと近くの椅子を引き、腰を掛ける音がする。
「約束なんてしてないだろ・・・ヲレと一緒に居ると変な噂されるぞ」
実際、フジサキとヲレの事も皆に噂されていた。
「いいよ・・・そんな事どうでも・・・」
少し間があってから、フジサキがポツリと言葉にした。
「私は・・・毒男君と噂になっても全然構わないし・・・」
ヲレはフジサキが言っている意味が理解できなかった。
「でもお前、好きな奴いるんだろ・・・」
「うん・・・」
段々と夕日が差し込み真っ赤に染まる教室の中で会話が続いた。
「学年一の悪者と話していると、お前まで一緒に悪者になるぞ」
冗談のようにフジサキに言ったが、ヲレを一緒に居る所を見られれば本当にそう言われる可能性が高い、
何も関係ないフジサキを巻き込みたくはは無かった。
「なんで、毒男君だけが悪者にならないといけないの?・・・恋愛ってそうゆう物じゃないと思うけど・・・
お互いが好きになって付き合って、その気持ちが離れて別れたのに、どちらか一方が悪者になるのって
変じゃない?・・・それっておかしいよね」
フジサキが冷静に話していうようだったけど、なにか内容のつじつまが合わないような気がした。
「だって、ヲレが悪いだろ・・・ミキを悲しませたんだし、それにフジサキまで巻き込んでしまって」
その瞬間、フジサキの表情が変わり、早口で話し始めた。
「私、見ていたから言うけど、毒男君だけが悪い訳じゃ無いじゃない、アカギさんだって後ろめたい所があるんじゃない?
最近、いつも回りに居る男の子がいるじゃない、幼馴染って話しだけど・・・結局は毒男君と両天秤に掛けたんじゃない?
それでいて毒男君だけ悪く言われるのって変だよ、おかしいよ、納得行かないよ!」
フジサキの顔が怒りで赤くなるのが、夕日が差し込む教室なのに判るような気がした。
「落ち着けよフジサキ・・・なにもお前が、そんなに怒る事は無いだろ」
ヲレの言葉を聞くと、フジサキは我に返ったらしくハッっとした顔をした後に下を向いた。
なんだか変な空気の中・・・無言が続いた後に、またフジサキがポツリポツリと言葉を口にする。
「アカギさんは・・・酷いよ・・・我侭よ・・・贅沢よ・・・自分勝手よ・・・相手のことも廻りの事も考えないし・・・」
振られたちは言え、ミキの悪口を言われると・・・やっぱり良い気分にはなれない。
「おい・・・フジサキ何言ってんだよ」
「だって、そうでしょ!可愛いから、明るいからって、毒男君と付き合ってダメになっても
すぐに違う人と付き合って、自分は何も悪くないみたいに、まるで悲劇のヒロインみたいに振舞って、
だったら最初から、その幼馴染の男の子と付き合っていればいいじゃない!」
フジサキがポロポロと流す涙が、制服のスカートに落ちてゆっくりと染み込んでいく。
泣き始めたフジサキに驚きながらも、前の追試の時を思い出していた。
フジサキは感情の起伏が激しいのかな・・・そんな事を考えられる自分が変に冷静に思える。
「フジサキ・・・もういいよ、そんなに泣くなよ」
その言葉を聞いてフジサキはゆっくりと顔を上げると、
「よくないよ・・・なんで・・・なんでなの? なんでそんなにアカギさんがいいの?」
フジサキは涙を流しながら話をする。
「なんでって、言われてもなぁ・・・人を好きになるのになんでって理由があるのではなくて、
その人が好きだから・・・好きになるんじゃないか?・・・上手く言い表せないけど」
自分の思っていることを上手く言葉で表現出来ない自分に苛立ちを覚えた。
「・・・好きよ」
フジサキがポツリと呟いた。
「え?」
ヲレはその意味が判らなくて、聞き返した。
「私だって・・・毒男君のことが・・・前から・・・前から・・・」
そこまで言われれば鈍いヲレでも、次の言葉が想像できる。
「フジサキ・・・お前・・・」
驚くヲレの言葉を遮って、フジサキが告白を続ける。
「前から好きだったの! 毒男君がアカギさんと付き合う前より、ずっと前から!」
それは、まるで捨てセリフのように・・・フジサキはヲレへの告白の後に、足早に教室から出て行く。
ヲレは頭の中が混乱して状況が理解できないで、
ただ、その時はフジサキの言葉の意味を理解しようと必死になって頭の中を整理していた。
久々投稿乙です。これからも楽しみにしてます。
久々きたあああああああ
これはいい
やっぱりこのスレは
>>662なしじゃ始まんないぜ!
このまま1000まで埋めちゃいなさいよ!
ずっと待ってたんだからね!
ho
やっと盛り上がってきたね
ho
有明保守
ほっしゅ
678 :
Mr.名無しさん:2008/08/19(火) 23:55:09
hosyu
盛り下がってきました
>>668の続き。
次の日に、ヲレはどんな顔をして教室に入ればいいんだよ・・・と考えながら教室に入ると、
すでに自分の席に座っているフジサキがチラッチラッっとヲレの方を見てくる。
目が合うとにっこりとフジサキが微笑んできた。
ヲレはどうしていいのか判らないで、気が付かなかった振りをして目を逸らせてごまかそうとしたが、
目が合ったのに気が付かないなんて変な話しだし、昨日の事もあったので・・・なぜか愛想笑をしてしまった。
するとフジサキは、また嬉しそうに照れるように軽く微笑む。
フジサキみたいな美人で頭の良い女の子に告白され、
しかも次の日にヲレなんかと目が合っただけでも嬉しそうに微笑むフジサキを見ると・・・、
正直な話し悪い気はしないけど・・・今は素直に喜ぶ気分にはなれなかった・・・。
そして昼休みになると、フジサキが話し掛けてくる・・・。
ヲレはニコニコしながら話すフジサキに小さな声で囁いた。
「おい、廻りの奴が変な目で見るから、離れろよ」
それを聞いたフジサキは不思議そうな顔をしながら、
「なんで?」と、聞いてくる。
「昨日も言ったろ・・・フジサキまで悪く言われる」
それを聞いたフジサキはクスクスと笑いながら、
「そんなのどうでもいいって言ったでしょ、人の噂なんか気にしなければいいよ、
それに・・・私の気持ちは毒男君に伝えちゃったし・・・」
そう言いながらフジサキはニコニコしてヲレの横の席に座って話し始める。
なんだか昨日までのフジサキと雰囲気が違う気がする、
積極的と言うか、明るくなったと言うか・・・自分の言いたかった事を言って気持ちが軽くなったのだろうか。
普段、無口がフジサキが昼休みの間ずっとヲレに話しかけてくる。
ヲレはフジサキがこんなに話をする子だったとは知らなかった。
そして、昼休みが終わるチャイムが鳴るとフジサキは残念そうに席を立ち、
少し考えてからヲレの耳元で囁いた。
「今日、一緒に帰ろう・・・約束ね」
そう言うとヲレの返事も聞かないで、自分の席に戻って行った。
授業中とかでも、ふとした瞬間にミキの事を思い出してしまう・・・。
色々な事が思い出されて、キリキリと胸が痛む。
そんな時に視線を感じて、その方向を見るとフジサキがこっちを見ている。
ヲレが気が付いたのが判ると、フジサキはニコっと笑ってから黒板の方に視線を移す。
フジサキは目が合って微笑む前に、悲しげな表情をしてこっちを見ていたのにヲレは気が付いてしまった。
哀れみか、同情か、他の娘の事を思い出しているヲレに対してのフジサキの悲しい気持ちなのか。
その表情の意味するものが何だったのかは判らない。
授業が終わり、放課後になるとフジサキはすぐに教室を出て行った。
いつもなら残ってノートの整理をしたり、なにやら教科書を開いて勉強をしているのに。
今日はさっきの約束を実行するべく、早々と教室を出たのであろう。
ヲレは、なんとなくそんな気分にはなれなくて、しばらく教室でグズグズとしていた。
30分以上が過ぎて、そろそろフジサキも諦めて帰っただろうと、自転車置場に向かう。
フジサキに対して、少し罪悪感があったけど一緒に帰る気にはなれなかった。
自転車置場は校舎の裏側にあり、コンクリートの土間の上に鉄骨を組んでポリカーボネートの屋根を掛けただけの
簡単な作りで、そこに自転車通学の奴らの自転車がズラリと並ぶ感じで、
まぁ、普通の学校によくあるような作りの、特別なものは何も無い普通の自転車置場だった。
その自転車置場に着くと、フジサキが鉄骨の柱に寄り掛かって待っていた。
俯き、さっきと同じように少し悲しげな表情をしている。
ヲレは少し罪悪感を感じ、悪い事をしたかなと後悔をした。
「フジサキ・・・待っていてくれたんだ・・・」
ヲレが遠くから声を掛けると、フジサキがハッっと顔を上げ、こちらを見る。
そして嬉しそうに微笑むと数歩ヲレの方に歩み寄ってくる。
「うん、一緒に帰ろうって言い出したのは私だから・・・」
きっとミキなら『おっそーい!何したたのよー!』なんて怒っているだろうな・・・なんて想像をしてしまった。
そんな想像をしているヲレの心を、フジサキは読み取れるのか、そのものズバリと言い当てる。
「また、ウジウジと何か考えているんでしょ・・・?」
フジサキに、まだ落ち込んでいると思われたくなくて慌てて自分の感情を隠そうとした。
「そんなこと無いよ・・・遅れてゴメン」
ヲレが自分の感情を隠そうとするのも、フジサキは見透かしているようだったけど、
それ以上は、その事に触れては来なかった・・・多分、フジサキはヲレに気を使ったのだろう。
「遅れた罰として、今日は家まで送って行って・・・・・・ね?」
フジサキは遅くなったペナルティよ、っと言わんばかりの勢いで話したけど、
やっぱり最後に自信が無いのか小さな声で『ね?』と一言付く。
ヲレは以前の追試の時を思い出し少しおかしくなった。
あの時もそんな感じだったなぁ・・・そう考えると少し顔がほころぶ。
「あ・・・毒男君、今私の事を鼻で笑ったでしょ?」
フジサキが顔を真っ赤にしている・・・それは怒っているのでは無く照れているのだろう。
「笑ってないよ・・・うん、送って行くよ。遅くなったお詫びにジュースでも奢ってやるからさ」
ヲレの言葉を聞いて、フジサキが嬉しそうな表情になる。
その表情に落ち込んでいた気持ちが少しだけ軽くなった気がする。
そんなヲレの顔をフジサキがじっと見て、少し拗ねた顔をする。
「やっぱり毒男君、私の事お馬鹿な子だと思ってる・・・」
恥ずかしそうに顔を真っ赤にして横を向くフジサキが可愛かった。
「そんな事無いって、さ、帰ろうぜ」
そう言って、ヲレはフジサキの鞄を取ると、ヲレの自転車の篭にヲレの鞄と一緒に放り込んだ。
「うん!」
フジサキはヲレの肩に軽く手を掛けると、後輪の横に取り付けた立ち乗り用のステップに恐る恐る足を掛けた。
「今日はこないだよりスピード出して走るから」
ヲレはそう言うと勢いよくペダルを漕ぎ始めた。
「え!?」
フジサキは驚き、ヲレの肩に乗せた手が一瞬離れてしまい、バランスを崩すまいと慌ててヲレに抱きついてきた。
「ごめんなさいっ!」
フジサキはすぐに離れると、またヲレの肩に手を置いた。
「いや、急にスピード出したヲレが悪いんだ・・・」
抱きつかれた瞬間に、フジサキから甘い香りが漂ってきて、変にドキドキと胸が高鳴った。
それはヲレの気持ちがミキからフジサキに傾き掛けている証拠だったのかもしれない。
続く。
>>669-672 アリガd。
マイペースで思い付いた時に書いているので遅くなってしまって申し訳無いです。