897 :
◆ZAh5Evz9NM :
7月も終わりになり長い夏休みが始まろうとしていた。
大学の夏休みは無駄に長い。まぁその分大型連休をエンジョイ
出来る訳だが、バイトばかりする俺にとっては微妙な存在だった。
麻奈ちゃんからはその後、何の連絡も無い。
ケータイのアドレスを知らない訳じゃないが何となく気まずいんだろう
時間と言うのは怖いものでどんどん色んな事を忘れさせていく。
無論、麻奈ちゃんとの一夜の事も徐々に忘れつつあった。
こうやって自分にとって悪い事を忘れていけるから
人は生きていけるんだろうと思う。
ケーキ屋のバイト中そんな事を考えていると不意に声をかけられた
女「毒男君・・・・毒男くんってば!」
俺「ふぁ・・・ふぁい?」
女「ふぁいじゃ無いよ!まったく、お客さん来たらどーすんの?
アンタまたボケッとしてたでしょ」
俺「ん・・・・んなことねーよ」
五十嵐真琴。俺のバイトの同僚だ。年は一緒なんだが向こうの方がバイト暦が長い分コキ使われている。
俺のバイト先はケーキ屋とカフェが一緒になった形式の店で日曜日ともなると鬼のように店が忙しくなる。