ガンダムSEED (DESTINY)見てる椰子来たれmk\

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602Mr.名無しさん
>>568
よし、俺がその妄想に応えて種死PHASE-36.5 「二人だけの逃亡」書いてみたぞ。↓


−激しい雨が機体を叩く音がコクピット内まで響いていた。
ジブラルタル基地を脱走してから数時間。
雷雨が吹き荒れる海上は暗く、モニターの視界は乱れ続けている。
長く続いた沈黙の時間を先に破ったのはアスランだった。

「すまない、メイリン。こんな事になってしまって」

「…もう、いいんです。あの時アスランさんについていかなければきっと撃たれていました」

「でも君の居場所もお姉さんもミネルバに…」

「もういいんです!レイも…私が居たのに…銃を…仲間だったのに…」

「それは…俺のせいだ。君が悪いんじゃない」

ふたたび続く沈黙。これから何処へ行けば良いんだろう?アスランは思う。
ザフトを脱走した今、自分達の向かう場所などありはしないだろう。
連合に投降など出来るはずもないし、今のオーブにはカガリは居ない。
アークエンジェルを探す、とメイリンには言ったが
あの状況で助かったかどうかは…そもそも消息不明な艦をどうやって探す?
押し潰されそうな絶望感を感じながらグフを操縦し続ける。
せめてメイリンだけでも安全な場所へやらなければならない。
何の罪も無い彼女を巻き込んでしまったのは自分なのだから。
603Mr.名無しさん:2005/06/27(月) 23:40:37
「前方2qに無人島がある。着陸して隠れよう」

「大丈夫なんですか?今頃、基地からみんなが追って来ているかもしれません」

「この天候では見つかったらまともに戦う事も出来ないよ。
 一度やり過ごして警戒網が緩むのを待ってから抜け出そう」

「わかりました」

…天候だけが理由じゃないだろう?胸の中で囁く声がする。
後ろにいるメイリンには気づかないぐらい微かにアスランの手は震えた。
…アーモリーワンでの戦闘で今と同じようにカガリを乗せ、
我を忘れて戦った結果はどうだった?カガリの頭から流れる血が
服に染みこんできた時の感触は覚えているか?
思わず歯を食いしばる。そうだ。覚えている。モビルスーツのコクピットは
パイロット以外の搭乗者が居る事などを想定して設計されてはいない。高速戦闘を行えば
当然、身体を固定するシートもない搭乗者は機械類だらけの内部を振り回される。
今、見つかる訳にはいかない。同じ事を繰り返すわけにはいかないのだ。
血に染まったメイリンの姿が一瞬頭に浮かび、アスランは頭を振って
その想像を打ち消した。

「今から着陸する。地形をスキャンしたら都合が良い事に
 滝の裏に洞窟があった。あの大きさならこのグフも隠せるだろう。」
604Mr.名無しさん:2005/06/27(月) 23:41:28
−バーニアを吹かしながら洞窟の奥へグフを着陸させる。
このぐらい壁が厚ければ熱源探知される事もないだろう。
シートの下から緊急用サバイバルセットを引っ張り出し、肩に担ぐ。
ハッチを開けて乗降用ワイヤーを地面まで降ろした。

「メイリン、俺に掴まって」

「はい」

背中にメイリンがしがみついてくる。脱出するときに濡れた髪と服は
まだ乾いておらず、少し湿り気が伝わってきた。

(そういえば、あんなとっさの機転が出来る子だとは知らなかったな…)

部屋に逃げ込んだ後、警備兵が来たときは強行突破するしかないかと思ったが
メイリンはシャワー中を装う演技までして自分を庇ってくれた。
姉のルナマリアの影に隠れている控えめな妹、という印象だったが
意外と芯は強い子なのかもしれない。

サバイバルセットから簡易テントを引っ張り出し設営する。
エアーマットや食料もしっかり入っていた。ジブラルタル基地整備兵の
手を抜かないきちんとした仕事ぶりに感謝すべきだろう。もっともそんな彼らが
整備していたグフを奪って脱走してしまったわけだが。

「追っ手が来ないか俺は入り口で見張ってるよ。君はテントで休むといい。」

メイリンに声を掛けて歩き出そうとすると足を掴まれた。
605Mr.名無しさん:2005/06/27(月) 23:41:31
永井
606584:2005/06/27(月) 23:41:58
エロゲーはエロゲー版でどうぞ。
607Mr.名無しさん:2005/06/27(月) 23:42:12
「待ってください、アスランさん」

つい数時間前もこんなふうに足を掴まれたな、と思いつつアスランは振り返った。

「どうしたんだ?」

「そんなの、スキャナーを警戒モードに設定しておけば
 何か近づいたときは警報を鳴らしてくれるじゃないですか。
 どうしてわざわざアスランさんが自分で見張ろうとするんですか?」

「いや、それは…」

説明できるわけがないだろう。フェイスのアスラン=ザラは
こんな逃亡中の絶望的な状況でも女の子と一つのテントで休む事に照れて
見張りを口実に離れようとしています、なんて言えるものか。

「この洞窟には他の出口もありません。見つかったらどうせもう終わりです。
 だからアスランさんも休んでください。何時間もモビルスーツを操縦し続けて
 私より疲れているはずです」

「…ああ、わかったよ」

まあいいだろう。メイリンは良い子だ。どこかの国家元首みたいに
寝ている間に銃を奪って揉み合ったあげく暴発させるような騒ぎを起こすわけがない。
多少複雑な気分になりながらもアスランはテントに潜り込んだ。
横になると一気に疲労が押し寄せてくる。
脱走騒ぎで精神的にも肉体的にも疲れていたらしい。

隣にメイリンが座り込む。まだ服が少し濡れているのか
タオルであちこちを拭いていた。