「今日一緒に帰ろう?」
「う、うん。」
かなりの不意打ちだ。
「なんなの?いやなの?」
「そんな事ないよ。」
「じゃあ終わったら校門でね。」
「あと顔真っ赤よ。熱あるんじゃない?」
そう言って有希は手を俺の額にあててきた。
もう一度見える白い下着。喉がゴクリ鳴る。
こんなに近くで有希を近くで見るのは初めてだ。
うちの学校は基本的に化粧は禁止である。でも有希の顔は化粧をせずとも綺麗だ。頬が少しピンクだ。ドキドキする。
化粧は禁止といえどもグロスは塗っているらしい。光る唇。
「熱はなさそうね。まぁ今日は暑いしね。ゆっくりしとけば大丈夫よ。」
そう言って有希は俺の額から手を放した。
「じゃあ後でね」
有希はそそくさと去っていった。
先に校門に着いたのは俺だった。少し遅れて有希は来た。
お互い自然に歩きだした。
「もうすぐ新人戦ね。あ〜私出れるかなぁ」
そういえばもうすぐ新人戦だった。試合には慣れていたので意識していなかったのだ。
「有希なら出れるよ。俺が保障する。」
「ほんと?」
「うん。最近うまくなってきたし。俺の教え方も良いしね」
「私がうまいの!まぁあんたには感謝してるけど」
「出れるといいな試合。」
それからはずっと試合の話だった。有希の家の近づくと有希は突然話をかえた。
「私がテニス部に入ったのはね…中学の時あんたを見て楽しそう…だったからなの…」
「え?う、嘘だろ?」
「本当よ。悪い?」
「そんな」
「だ〜か〜ら次の試合絶対勝ってよね。私のテニスの先生が負けたとか承知しないんだから」