部活が終わったあと俺は一旦コートの外に出た。4月半ばとはいえ運動後は暑い。
顔を洗って再びコートに戻ると有希が待っていた。
「遅いわよ。日が暮れるのは早いんだから」
開口一番。今日も口はへらない。
「ねぇ私テニスうまくなったでしょ?」
「まあまあかな」
「私ね運動神経いいんだっ」
「運動神経だけだろ?」
「ばかっ」
「何もラケットで殴る事ないだろ。でも確かに筋がいいのは認めるよ」
「でしょっ。一ヵ月後にはあんたに勝つかもね」
「はいはい」
有希がまたラケットで殴ろうとしたので反射的に身構えた。
「早くやろっ」
その後30分程練習した。
やはり今日は暑い。
「そろそろ暗くなってきたし終わりにしようか」
「うん。それにしても暑いねぇ」
「ボール集めようか?」
二人の間にはボールら散らばっている。
俺は足元にあるボールを拾う。有希もボールを拾う。
徐々に二人の間のボールは少なくなり、そして距離も自然と縮まる。
有希は今日は3つボタンのポロシャツだ。
次のボールを拾おうとした瞬間、同じタイミングで有希もかがんだ。
ポロシャツのボタンを外していたもんだから女性特有の白い下着が見えてしまった。