どうせ毒男だしツンデレ小説でも書く

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845 ◆hanwM2E4hc
「ねぇねぇ有希の事、本当になんとも思ってないの」
どう答えていいのかわらず
「そ、そうですね」
目の焦点をどこにもあわせず曖昧な返事をした。
「そっかぁ。でもいいなぁ。なんか青春って感じがする。」
香織先輩は伸びをしながら言った。伸びをした拍子にお腹がチラリと見えた。綺麗だ。雑誌のグラビアと比べても遜色ない。
意識しないようにしても見てしまう。
「香織先輩お腹見えてますよ。」
「きゃっ!見たわね〜高いわよ?」
「あ〜あ、甘いものばっかり食べてるから太るのかなぁ」
「全然太ってないですよ。それに顔だって綺麗だし」
「お世辞うまいじゃん」
「いやお世辞っていうより本当の事だし。」
自分でも自分の言う言葉に驚く。
「みんなも憧れの先輩だって言ってます」
違う!本当は俺が憧れてるって言いたいんだ。でもそんな勇気もなく「自分」を「みんな」と言う主語に置き換えた。
「ありがと」
先輩はちょっと照れながら言った。
「そろそろでよっか。あ、お金はいいよ。やっぱり私おごるね。綺麗って言ってくれたお礼。」
「ありがとうございます」
「先に店でて待ってて、途中まで一緒に帰ろ?」
もちろんいやじゃない。
846 ◆hanwM2E4hc :2005/06/30(木) 19:25:41
店をでてからは先輩はあまり喋らなくなった。
俺も何を話していいのかわからず、ただ時間が過ぎた。
俺と先輩は並んで歩いているが間に二人の自転車があるので距離は遠い。
でもこの位がちょうどいいんじゃないかな。あんまり近すぎると今以上に緊張してパニックになるに違いない。
「あっ」
先輩が何かに気付いた見たいだ。先輩の向いてる方向をつられて見ると有希がいる。でも有希はこっちにきづいてない。
どうしよう。有希だけには香織先輩と二人でいるとこを見られたくなかった。
「有希〜何してんの〜?」
先に声をかけたのは香織先輩だった。
有希が香織先輩に気付く。俺は有希の死角になるよう先輩の後ろに立っていた。
「あ先輩!今から塾行くとこだったんですよ」
「そっかぁ頑張れ有希」
「先輩、誰かと一緒に帰ってるんですか?」
有希がこっちを覗きこむ。見つかってしまった
「あ、あんただったの。」有希は興味なさそうに言い放った
「よかったじゃない先輩と帰れて。」
「先輩気を付けてくださいね。こいつHですから。襲われますよ?じゃ塾あるんで」
有希は振り向きもせず走っていった
「私も帰るね。送ってくれてありがと。じゃあまた明日部活でね」


その日の夜は眠れなかった