どうせ毒男だしツンデレ小説でも書く

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831Mr.名無しさん
動揺してしまった俺。取り繕うのも変だし、焦る。
「今変な事考えてたでしょ?」
図星だ。
「どうせ香織先輩の事でも考えてたんでしょ?」
よかった。俺が有希に対して抱いた感情はバレなかったらしい。
「う、うん」
でも不思議だ。いつもは強きの有希が素直だ。変に勘ぐってしまう。
「バックハンド良くなってきたよ。素振りより実践実践。ボール打ってきたら?俺も練習あるし」
「そうね。」去ろうとする有希。
「おいっ俺に一言あってもいいんじゃない?」
「あんたの方がテニス歴長いんだから当然でしょっ。」
ちょっとでも可愛いと思った俺が馬鹿だった。はぁ。
その日はそのまま有希と口を聞く事なく部活は終わった。
着替えて学校をでようとすると暗い中校門に誰か立っている。
校門に人が立っているのは別に珍しい風景ではない。特に気にする事なく通りすぎようとすると有希だった。
「誰か待ってんの?」
「別に〜そんな訳じゃないけど」
「ふ〜ん。まっ暗いから気を付けて帰れよっ」
「言われなくてもそうします〜」
「ったく。可愛げないなぁ。じゃあな」
「ちょっ…」
普段は強きな性格の有希がなんかしおらしい。部活ではTシャツにハーフパンツで色気とは程遠いが今は部活も終わり制服の有希。薄暗い中、白い制服だと少し感じが違う。なんというか…
「なんだよ」
ことばでは強がって見せるが内心はドキドキしていた。
「今日は…ありがと」
小さい声で聞き取れなかった。
「えっ?何?」
「今日はありがとうっていったの。ばーか」
そう言って有希は走りさっていった。
なんでありがとうなのに馬鹿なんだよ。まったく。俺はしばらく校門の前で後ろ姿を見ていた。