俺は弱小テニス部の一年。4月にこの高校に入学して半月が経つ。テニス部に入ったのは中学の頃ずっとやってたからだ。
練習しながら隣のコートの女子テニス部の方をチラリと見る。
気になる先輩がいるからだ。俺はことあるごとに憧れの先輩を盗み見していた。「ちょっと!何見てんのよ!このエロガキ!」
突然後ろから声をかけられてビクッとした。恐る恐る振り替えるとニヤニヤしながら有希が立っている。
「なんだ有希か。」
「なんだってなによ。女子ばっか見て練習しないからいつまでたってもうまくならないのよ!」
「少なくともお前よりは上手だよ。中学の時やってたんだし」
有希は中学3年間の同級生だ。中学までは陸上をやってたのに高校からはテニスをやるという。
「ていうかさ。なんでお前テニス部はいったの?陸上で結構いい成績とってたじゃん?」
「う、うるさいわね。あんたには関係ないでしょ。」「ふ〜ん。まぁ頑張れよ。それにしても香織先輩っていいよなぁ」
「あんたそんな目で見てんの最っ低!」
「健全な男子ならだれでも…」
いきなりグーがとんでくる「いてっ。何もグーで殴る事ないだろ?」
「そんな事よりバックハンドの打ち方教えてよ。中学までやってたんでしょ」
「いいよ。」
ちょっと教えていると有希が汗ばんでくるのがわかった。Tシャツの下の下着が透ける。
こいつ結構良い躰してるじゃん。触って見たい。衝動に駆られる
「見てばっかじゃなくてちゃんと教えなさいよ」
ハッと我に返る。
「ちょっと違うかな。手はこうだよ」
「こ、こう?」
「違うってこうだよ」
「もうわかんないよ。教え方ヘタクソなんだからっ」カチンときた。教えてやってるのはこっちなんだぞ?頼まれたから教えてるんだぞ?
「こうだよ」怒りに任せて左肩を触ってしまった。汗ばんだシャツ、透ける下着。うなじ。怒りに任せて触っとはいえドキっとする。
怒りが体を通じて伝わったのか「ごめん」有希があやまる。
身長は俺よか低い。上目遣いで謝られると動揺する。