ちんちん丸2

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そもそも、彼女が居る人に惚れてしまった自分が悪いのだ。遠距離とはいえ、好きだ
からこそ何年も続いているのだし、そんな二人の間に入り込める訳がないのだ‥‥。
きくーちはそう思って諦めようとしていた。
七つ年上の隊長と出会ったのは一ヶ月前、きくーちの一目惚れだった。若さゆえの勢
いで告白したものの、隊長には遠距離恋愛中の彼女が居た。しかしそれで諦められる
程、人の心は単純ではない。「それでも好き!彼女になれなくても側に居れれば平気
!」と、半ば強引に関係を持った。
最初は拒み、遠慮がちだった隊長も、幾度となく身体を重ねるうちきくーちを自ら求
めてくるようになっていった。義理堅く道徳心の強い彼だったが、それでも男の本能
に逆らうのは難しかったのだろう。
26|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:02:21
そんな曖昧な二人もはたから見れば恋人同士に見えた。しかしそうではない事を知っ
ているのは、他ならぬ当人達。無論きくーちも、いつまでもこんな状態を続けていら
れるとは思っていなかった。

曖昧な関係を打破するきっかけは突然現れた。二人が隊長の部屋に居る時、彼女から
電話が掛かってきたのだ。
「おう、久しぶり」
彼女から電話が掛かってきた所に居合わせるのは初めてではなかったし、物音立てず
息を潜めるにのは慣れていた。彼女に自分の存在がバレたら、この関係は終わってま
う‥‥それも容易に想像できた。

でも
27Mr.名無しさん:04/12/04 08:03:45
>>22 ちんちん丸、殺人予告です
http://ex7.2ch.net/test/read.cgi/male/1101799161
281|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:05:38
親しげに話す声に、いけない考えが頭をよぎる。

このままじゃ、嫌

その時、きくーちの携帯が震えた。テーブルの上でガタガタと音を立てるそれに、隊
長が怯えるように視線を向けた次の瞬間、きくーちはそれを手に取りボタンを押した。
「‥‥もしもし?どーしたの?こんな時間に。珍しいねぇ」
週末の夜中、受話器の向こうから聞こえる見知らぬ女の声。疑うにはそれで十分だっ
ただろう。
291|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:06:39
きくーちはその後すぐ電話を切り、横目で隊長の様子を伺っていたが、終わるのを待
たずに一言「帰るね」とだけ告げて部屋を出た。ドアを閉めるその時も、隊長はきくー
ちを見ようとはしなかった。
「ん?あぁ、トモダチだよ。うちの劇団関係の‥‥」
ドア越しに言い訳が聞こえる。今まで聞いた事のない、焦りと後ろめたさを帯びた隊
長の声。
罪悪感を抱えているのは隊長だけではなかった。きくーちとて、決して彼女が憎い訳
ではないのだから。

ごめんね
30|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:07:14
きくーちは隊長のアパートに背を向けて足早に歩き出す。

もうこれしか方法が無いの

さすがに言い訳をする声はもう聞こえてはこない。しかしその声以上に苦々しい何か
がきくーちの耳から頭の奥に滑り込み、出てこようとしなかった。


隊長からきくーちに電話がきたのはそれから二日後だった。いつもと変わらぬ隊長の
口調に多少ほっとしたのも束の間、彼女に会いに行く、という言葉にきくーちは身を
固くした。
31|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:07:48
「三ヶ月前からの約束だから」
「‥‥うん」
「‥‥嫌か?」
「‥‥あたしに引き止める権利ないじゃん」
「アイツ、さすがに感付いたみたいでさ」

アイツ。自分には向けられた事の無い、雑な呼び方に軽い嫉妬を覚える。
32|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:08:30
「このままバレずに続けていこうってのがそもそも無理な話だったわけだしね」
「そうだな‥‥ゴメンな」
「何で謝るの?誘ったのはアタシだよ」
「いや‥‥だって‥‥」
「やめて。変な義務感みたいなので謝られても嫌だ」
「‥‥」

沈黙が重力となってきくーちにのしかかってくる。この空気を、電話の向こうの隊
長も感じているのだろうか。
33|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:08:53
「どうしたいの?これから」
「彼女と会ってちゃんと話して、それから答え出すから‥‥待っててくれる?」
「わかった」

しかし隊長が出すであろう答えは既に分かっていた。

「明日出発するんだ。だから今日、これから会えないかな?」
「‥‥バイトあるし」

会う訳にいかない。会える訳がない。
34|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:09:11
「少しでいいんだ、数分でも‥‥」
「無理。帰ったら電話してよ」

強く遮るように言いはなったきくーちに、分かった、ゴメンとだけ告げて電話は切れ
た。最後は涙声に聞こえたが、それはきくーちが自身を慰める為だったかもしれない。

これで終わりだ

確信に近い思いがきくーちの胸を締めつける。とめどなく溢れ出す涙が、握り締めた
ままの携帯の上に弾けた。
35|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:13:29
「菊ちゃん!」
通い慣れた店のカウンターで声を掛けてきたのは、隊長の古くからの友人、男爵だった。
「一人?隊長は?」
男爵に悪気は無いのは分かっているが、今のきくーちには辛い名前だ。
「彼女んトコ行くってさ」
思わずキツい言い方になる。
「あ‥‥」
目も合わせず答えたきくーちに、男爵は戸惑った。マズイ、と露骨に顔に出し、慌てて取り繕おうとするが、こんな時に気の利いたセリフなどある筈もない。
いい奴だなぁ‥‥と、少しきくーちの口もとが緩む。ちょっとマヌケでお調子者な男爵は、きくーちより五つ以上も年上なのにそれを感じさせない。
36|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:14:32
「ふふ‥‥いいよ、気ィ使わなくて。優しいね男爵は」
きくーちの笑顔に男爵も安心したのか、本音を口にした。
「彼女ねぇ‥‥俺てっきりあのコとはもう別れて、*ちゃんと付き合ってんだと思っ
 てたよ」
「違うんだな〜アタシ愛人だからさぁ」
「辛いね」
「まァね」
口の中を苦々しい何かが被う気がして、きくーちは慌てて酒でそれを押し流す。
「そんな時に一人酒なんて駄目だよ。ますます気が滅入るじゃん。俺これからひげと
 遊ぶんだけど、*ちゃんも来ない?」
「うん、行こっかな。暇だし」
「うっし!そーこなくっちゃ」
今夜はとにかく遊び倒そう。今のきくーちに出来るのはそれくらいしかなかった。
37|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:15:40
それから三人はひげの車で海を見に行き、ギターを持ち出し大声で歌った。夜の浜辺
は闇が深くて、声も気持ちも吸い込まれるような気がした。コンビニで酒を買い、こ
れでもかと胃に流し込む。深い酔いに冷たい潮風が心地好い。
「ったく隊長サンもひでぇよなぁ、見かけによらずフタマタなんてさぁ」
「もー忘れなさいっ!*ちゃんみたいなコが愛人生活なんてしちゃいかん!」
「男爵サンの言うとーりっ!もっとイイ人いるって!」
やけっぱちな二人の励ましはもちろん嬉しかったが、きくーちはまださすがに吹っ切
ることはできない。
「そんなんで忘れられりゃ楽だっつの〜」
「忘れるのを待つんじゃなくて、忘れるの!自ら捨てなさい!」
「あはは‥‥男爵、宗教家みたいだぁ」
「ほい、菊ちゃんビールっ♪」
「よぉぉし、飲めぇ!‥‥飲んで〜飲んで〜飲まれて〜飲んでぇ‥‥」
「うわっ古っっ!」
38|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:16:23
優しいな、二人とも。隊長とは大違い‥‥今自分は自分に優しくしてくれる人と一緒
に居る。その思いが少しずつきくーちを柔らかくしていくのがわかる。友達がこんな
にも暖かく居心地のいい場所をくれるなんて‥‥。
隊長は今、彼女と一緒なんだろうな。彼女も今のアタシみたいな気持ちでいるのかな‥‥
「くぉらっ何ぼーっとしてんだ!飲めっ!歌えっ!」
かき鳴らされるギターの音と波の音。酒の匂いと潮の香り。
この時間がずっと続けばいい。隊長と離れてきくーちがそんな風に思うのは、この夜
が初めてだった。
39|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:17:08
気が付くとそこはひげの部屋だった。時計の針は十時半を差している。
「ん〜?」
ひげの車に戻った所までは覚えていたが、その先が思い出せない。
「あ、起きた?」
はい、とコーヒーを渡してくれたのは男爵だった。ひげはきくーちの隣で寝息を立て
ている。
「菊ちゃん全然起きなくてさ、ここまで運ぶの大変だったよ。俺らもかなり酔ってた
 し」
「ゴメン‥‥」
さすがにきくーちもバツが悪くなり、頬を染めた。熱いコーヒーで少しずつ身体は目
覚めてきたが、頭はまだ重い。
40|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:17:58
「菊ちゃんって、ホントに隊長が好きなんだね」
「へっ!?」
唐突に出た言葉に、きくーちは焦りを隠せない。二人分のカップを片付け、男爵はき
くーちの隣に座る。
「隊長が羨ましい」
言うや否や、きくーちの問いかけを待たず、男爵がきくーちの唇を塞いだ。コーヒー
より熱い舌が口の中で泳ぐ。
「んっ‥‥」
それとほぼ同時にひげが目を覚まし、その光景に息を飲む。それに気付いたきくーち
は慌てて男爵の身体を押し戻すが、男爵に動じる様子はない。
「忘れなよ‥‥」
41|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:18:36
男爵はきくーちを抱き寄せ、首筋に舌を這わせた。
「‥‥んんっ!」
その刺激に思わず身体がのけぞる。ひげが居るのに‥‥しかしそれが余計にきくーち
自身を高ぶらせる。
「やんっ‥‥あぁ‥‥男爵?‥‥」
男爵はきくーちの首にかぶりついたまま答えず、そのままゆっくりと押し倒した。き
くーちは抵抗しない。
「忘れさせるから」
いつになく真剣な男爵に、きくーちの鼓動が早くなる。シャツの下で、背中に滑り込
む熱い手。ふっ、と胸の締めつけが外れ、渇いた指先が既に固くなった乳首に触れた。
42|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:19:20
「あっ!」
きくーちの反応を確かめて、男爵はシャツをたくし上げた。カーテンの隙間から差す
光の下に、白く形のいい乳房が顕になる。顔を埋め下着の跡を舌でなぞり、両胸を揉
みしだく。
「んぅ‥‥んっ‥‥」
自然と声が艶を帯びる。恥ずかしさから顔を被うが、きくーちは堪える事が出来ない。
「いいんだよ、我慢しなくて」
男爵の指が太腿に触れ、躇うことなくそのまま秘部に押しつけられた。きくーちのそ
こはもう十分潤っていて、それが下着の上からも容易に分かる程だった。
「あぁっ!やんっ‥‥だ‥‥だめェ‥‥」
言葉とは裏腹にそこは男爵の指でますます濡れていく。
43|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:19:56
「ちょっ‥‥ねぇ男爵サン‥‥」
黙って見ていたひげが口を開いた。頬が上気してはいるが、明らかに困惑している。
「ヤバイッスよ、隊長サンに知れたら‥‥」
ひげはチラッときくーちを見て、慌てて男爵に視線を戻す。
「ねぇ男爵サンってば‥‥」
「‥‥ひげ」
きくーちがひげを見据えた。やや頬を染め、息を荒くしながらも、真剣な眼差し。
「アタシね、アタシは‥‥」
忘れなきゃいけないんだ‥‥昨日、海辺で確信した。隊長の答えを聞くまでもない、
最初から分かっていた事。
「別にいいよそんなの」
それは隊長を退ける言葉だが、簡単に口をついて出た。
44|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:25:41
「もう関係ない」
関係を断たなきゃいけないんだ‥‥あの日、電話に出た時、もう分かっていた筈だ。

きっと隊長はアタシを選べない

奪い取るよなんて、威勢よくバイト仲間に息巻いていた自分がたまらなく滑稽に思え
る。

彼女にはなれない

「いいよ、ひげ」
45|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:26:52
ひげはその言葉に激しく動揺する。きくーちが許したのなら、衝動を食い止めるもの
はひげの理性しかない。
「ほら、菊ちゃんいいって。‥‥イカせちゃおうよ」
男爵が悪戯っぽく笑う。そしてきくーちが膝に触れた瞬間、せき止めていた感情が溢
れ出した。もうひげも限界だったのだ。
ひげはきくーちの濡れた唇に吸い付き、柔らかな胸に手を伸ばした。男爵はきくーち
の下着を脱がせ、ぷっくりとした蕾を指でなぞる。
「んぅぅっ!あは‥‥あぁっ‥‥」
喘ぐきくーちの舌を、執拗にひげが吸う。乳首はひげの長い指に弄ばれ、細かく震え
た。その間に男爵はきくーちの脚を大きく開き、内腿に舌を這わせながら蕾への愛撫
を続ける。
46|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:32:37
「あぁ‥‥んっ」
きくーちの奥からやや粘性のある蜜が溢れて、指に絡み付く。
「すごいよ‥‥こんなに濡れて‥‥」
くちゅっ、と音を立てて指がそこに沈む。
「んっ!はぁ‥‥っ‥‥うぅんっ」
くちゅっ、ちゅぷっ、ちゅくちゅく‥‥
男爵はわざと音を立ててかき回した。そして両胸を這い回るひげの熱い舌。二人の男
と、隊長は今頃自分以外の人を抱いているかもしれないという思いで、きくーちはど
んどん乱れていった。
「あっ‥‥んふぅ‥‥うぅんっ!」
「カワイイよ、*ちゃん‥‥もっと気持ちよくしてあげる‥‥」
47|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:33:11
男爵の指にますます力が入るのが分かる。
ぐちゅっ、じゅぷっ‥‥
隊長にですら立てられた事のない音がする。
「やぁ‥‥んっ‥‥あぁぁぁっ!」
きくーちはぎゅっとシーツを掴み目をつむった。

‥‥隊長‥‥

隊長は居ない。そこにあるのは男爵とひげの手だ。それに今、隊長はきっと‥‥

分かってる‥‥
48|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:34:44
「あっ、あぁんっ‥‥はぁぁっ!」
挿入はしなかったものの、きくーちは幾度となく果てた。何故か目尻に涙がにじんだ
が、それはオーガズムのせいなのか、それとも別の想いなのか、きくーちにも分から
なかった。


隊長が帰ってきたのはそれから二日後、きくーちはそれを男爵からの電話で知った。
「隊長のお帰り飲み会やるけど、来る?」
「う‥‥ん」
本当のところまだ少し胸が痛んだが、行くことにした。このまま煮え切らない想いを
抱えて独りでいるより、行って会って、平気で居られるようになりたかったのだ。
49|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:35:32
その夜は共通の友人が沢山集まり、楽しい場になった。大声で笑い、歌い、何度も誰
かが酒を買い足しに走る。今までにきくーちや隊長達が幾度となく繰り返してきた、
くだらない飲み会。今までと違う事は只一つ、隊長の隣にきくーちが座っていない事。
それ以外変わりないのだが、もしかしたら皆、薄々気付いているかもしれない‥‥そ
んな不安からきくーちは酔う事ができなかった。
日付が変わる頃になると、ぽつぽつ人が帰り始める。その何人目かできくーちも立ち
上がった。
「そろそろ帰んなきゃ〜」
じゃあね、と皆に手を振りドアを閉めて二、三歩歩いた所で、誰かが飛び出してくる
音がした。
50|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:36:17
「きくーちゃん」
追いかけてきたのは隊長だった。
「駄目じゃん、主役なんだから」
「いや、送るよ」
隊長に促され、車に乗り込む。慣れたサイドシートがきくーちの涙腺を僅かに刺激す
る。
「‥‥答え、聞きたい?」
押し出された言葉に、きくーちは激しく首を振った。それを横目に隊長はゆっくりと
続けた。
「‥‥別れたよ。こうなった以上、もうどっちとも付き合えない」
やっぱりね、だと思った、きくーちが呟く。
51|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:37:02
「そう言えば納得するとでも思った?」
責めちゃ駄目、分かってはいても、キツいセリフが涙とともに溢れ出す。
「あたしも彼女も隊長が好きなのに、何でそんな事が言えるの?どっちも同じだけ好
 きとか言うの?それともどっちも好きじゃなかった訳?」
隊長は前を見据え押し黙っている。
「アタシ達は本気で接してるのに、綺麗事だけで片付けるなんて失礼だ」
溜め込んでいた思いを吐き出すと、少し落ち着く事が出来た。隣を見ると、隊長は涙
目になっている。
「‥‥ゴメン、反則だよね」
隊長は答えない。
「いいんだ、分かってたし。それに‥‥」
52|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:38:47
車がきくーちのアパートの前に止まった。
「アタシも色々あったから、もう戻れないし」
「何?」
初めて隊長がきくーちを見据えた。何があった?続けて問う。
「いや、別に話す事じゃないし‥‥!?」
車が急発進した。
「ちょっと、何処行くの!?」
「‥‥何があったんだよ」
隊長は明らかに嫉妬していた。それも、その嫉妬が何に対して向けられているのか分
からないまま。そんな様子に、きくーちは喜ぶどころか苛立ちを覚えた。約束とはい
え、アタシを置いて彼女に会いに行ったくせに。向こうできっと彼女を抱いたくせに。
なのに、何でアタシが責められるの?
53|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:39:20
「何で怒るの?アタシ隊長の彼女じゃないのに」
「質問に答えられないのか?」
隊長の言葉にきくーちはますます苛立ち、とうとう全てぶちまけてしまった。男爵と
ひげと関係した、あの日の事。二人が自分にした事。そして自分はそれを拒まなかっ
た事。
「‥‥だから、アタシはもう‥‥」
「もういいよ」
川沿いに車を止め、隊長はきくーちを引き寄せた。そのまま強引にキスをする。
「‥‥やめてよっ」
「嫌だ」
きつくきくーちを抱き締めたまま、隊長は小さな声で、でもはっきりと言った。
54|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:40:08
「会ってすぐ別れ話したんだ。別れて、すぐ別の友達のとこ行こうと思ってた。‥‥
 でもすごい泣いて引き止められてさ」
隊長の腕に一段と力がこもる。
「このまま終わるのは嫌だって‥‥最後にって‥‥」
言い訳だ、隊長が首を振る。
「だから俺、向こうで彼女と三回寝たよ。‥‥そのくせに勝手だとは、自分でも分かっ
 てる。けど‥‥」
きくーちの鼓動が高まる。
「きくーちが他の男とセックスするなんて、耐えられない」
隊長の指がきくーちの服を乱していく。その勢いはきくーちにあらがう事を許さない。
「きくーちが、好きだ」
とくん、と胸が強く脈打ち涙が溢れ出し、アタシも‥‥声にならない言葉がこぼれる。
55|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:40:43
「アタシだって‥‥」
隊長は再び唇を重ね、言葉を遮った。
もういいよ‥‥分かってる」
隊長の愛撫はそれまでに無い程激しかった。荒々しくきくーちをまさぐり、執拗に追
い求めた。「あぁっ‥‥はぁん‥‥んぅ‥‥」
きくーちの甘い吐息が狭い車内に充満し、内腿を蜜が伝う。
「‥‥こんな風に喘いで見せたのか?」
「やぁ‥‥んっ‥‥あぁっあんっ!」
きくーちのしげみを掻き分け、指が滑り込む。
「こんなに濡らして、こうやって男爵の指を締めつけたのか?」
くちゅっくちゅっと淫らな音を立てながら、隊長はきくーちを責めた。
56|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:41:12
「きくーちのココがこんなに熱いって事、アイツらも知ってるんだな」
弾けそうな程固く尖った乳首を軽く噛み、舌で転がす。
「あぁあっ!」
「きくーち‥‥きくーち‥‥可愛いよ、こんなにして‥‥」
隊長も徐々に呼吸を荒くし、ますますきくーちを責めたてた。
「きくーちにこんな事‥‥きくーちの事をこうしていいのは俺だけなのに‥‥」
二人の息に、窓が白く曇り始めた。‥‥じゅぷっ、隊長の指がきくーちをかき回す。
「‥‥こんなイヤラシイ音、あいつらに聞かせたんだ‥‥」
隊長の激しさに耐え切れず、きくーちは哀願した。
「お願いッ‥‥もぉ我慢できないッ!」
それを待っていたかの様に隊長はベルトを外し、熱くそそり勃ったそれできくーちを
貫いた。
57|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:41:50
「んぁあっ!」
「許せない‥‥アイツらブン殴ってやりたい‥‥」
ぢゅぷっぢゅぷっ‥‥
二人が絡み付く音が狭い車内に響く。
「あっあぁんッ‥‥あぁッ!」
「きくーち‥‥ッ」
「あぁぁッ!イクぅっイッちゃうぅ!!」
きくーちは何度も絶頂を迎えた。それでも隊長はきくーちが気を失うのを許さず、飽
く事無く求め続けた。
「好きだ、きくーち‥‥もう他の男に触らせるな‥‥お願いだから‥‥」
58|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 08:42:18
幾度目かの絶頂の後、きくーちの中で隊長が脈打ち、熱い液体を吐き出した。何度も
感じた筈の、隊長の鼓動‥‥それなのに今までに無い安心感があった。暖かく、気怠
い空気、慣れた身体の重み‥‥それらは何一つ変わっていない筈なのに。
「好き‥‥隊長が好き」
薄れ行きつつある意識の中できくーちは何度もそう呟き、もう力の入らない腕でしっ
かりと隊長を抱き締めた。






イイコト
59Mr.名無しさん:04/12/04 08:50:10
>>27は、脅迫文の類か ○o。.

|||||||| 唖然とする程、お盛んです
60Mr.名無しさん:04/12/04 08:55:55
外人を殺す団、ここに姿を現す.. か。
61|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 11:18:46
最後に逢ったのはもう一週間以上も前だ‥‥
きくーちは深い溜め息をついた。あの車での一件以来、はっきり「付き合う」宣言は
されてはいないものの、隊長の気持ちは自分に向いているものと信じてはいる。もう
子供じゃないし、言葉よりもそれ以外で表される気持ちの重みだって分かっているつ
もりだ。
「だけどさぁ」
放課後のドーナッツショップで、きくーちはクラスメイトの香織に息巻いていた。
「こんだけ音沙汰無いのもどーなんだろ? こないだ逢ったのだってアタシから連絡
したからだし、そもそも隊長からの電話って飲み会のお誘いとかばっかりでさぁ‥‥」
冷めかけたコーヒーを煽り、ふぅっと息をつく。
62|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 11:23:10
「何考えてんだか分かんないよ」
「そりゃあたしだって分かんないけどさ」
香織が苦笑いする。
「前の彼女とは別れたんでしょ?」
「‥‥って言ってた」
「じゃあ大丈夫じゃないの? まぁあたしなら付き合い始めは毎日逢ってイチャつき
 たいから、そんなの耐えられないけどね〜」
菊はそーゆータイプじゃないでしょ、香織が笑う。
「隊長さんも多分忙しいだけだとは思うんだけどさ、やっぱ考えちゃうよね」
「そーなんだぁ〜アタシの事ホントに好きなの?とか」
63|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 11:24:07
「聞けばいーのに」
「やだよー。何かこっちばっかり必死に追いすがってるみたいじゃん!」
ただでさえ惚れた弱みがあるってのに‥‥。
「菊そーゆーの気にするよね‥‥そんなに主導権握りたい?」
「主導権ってワケじゃないけど‥‥向こうにも少しは一生懸命になってほしいし」
「分からなくも無いけどねぇ」
もう少し様子見たら?そう言って香織は帰って行った。
ドーナッツを買って行ったところを見ると、今夜も彼氏と一緒に過ごすのだろう。心
無しか足取りも軽い。
「いいなぁ、香織」
64|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 11:25:13
週末の地下鉄のホームは沢山の人でごった返している。何故だかやたらとカップルに
ばかり目がいっていまう。
きっと今夜もきくーちの携帯は鳴らないのだろう。せっかく明日から連休なのに‥‥。
メモリダイヤルで隊長の番号を呼び出してはみるが、通話ボタンが押せない。独りで
過ごすのは嫌だけど、こちらから誘うのは癪なのだ。
「‥‥掛けてよー」
地下鉄のドアが開き、勢いよく人を吐き出す。波に押され、乗り込もうとした瞬間、
携帯が鳴った。驚いて慌てて列を離れ、液晶画面を見る。
掛けてきたのは男爵だった。
65|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 11:26:04
繁華街のゲームセンターの一角で、男爵は煙草を薫らせていた。
「‥‥待った?」
「ん、少しね」
隊長との、あの飲み会の夜から男爵とは会っていなかった。久々にキャメルの薫りが
鼻をくすぐって、きくーちは僅かに後ろめたさを覚えた。
「あれからさぁ‥‥隊長とはヨリ戻したの?」
「‥‥うん、多分。あんまり自信無いけど」
「そっか」
良かったね、向けられた予想外の笑顔に息が詰まる。
「男爵、ごめんね」
「謝んないで。俺ホントにほっとしてるんだから」
「‥‥ありがとう」
66|1|3|4|6|8|10|12|:04/12/04 11:27:13
「それを確認したかったんだ。ひげも気にしてたし‥‥これからはうまくやんなよっ」
沢山の機械音とはしゃぎ声に囲まれているのに、男爵の声だけはやたらはっきりと耳
に響いた。
「マジで俺、菊ちゃんに俺の彼女になって貰おうと思ってたんだからさ」

その夜、日付が変わっても、隊長からの電話は無かった。半ば確信していた事なれど、
こみ上げる不安と苛立ちを押さえる事は出来ない。

どうして?
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二本目のビールを空け三本目に手を伸ばす。酔いが気持ちを加速させていく。

逢いたくないの?

本当は、好きになった訳じゃないのかもしれない。距離だけで選ばれたのかもしれな
い。
一度悪い方へ考え始めると、もう方向性を変えられなくなる。

わからないよ。
アタシじゃなくてもいいの?身体だけなの?本当の事教えてよ。
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思い切って隊長の携帯を鳴らしてみる。三回のコール音の後、機械的な声に切り変わ
った。留守電だ。仕事中なのだろうか。
「‥‥きくーちです。特に用事って訳じゃなかったんだけど‥‥」
いつもなら、いざこうなってしまうと何を話せばいいのか困ってしまう所だが、今夜
は違った。話す事は只一つだ。
「男爵に、告られちゃったみたい。何ていうか一応、報告でした」
安易だけど、これで少しは心配してくれるかも‥‥
繰り返し流される深夜ニュースを眺めながら、きくーちは気怠い酔いに身を任せた。
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案の定、香織は彼氏と週末を過ごしたらしかった。いつもなら軽く聞き流すノロケ話
も今のきくーちには辛い。
結局、隊長からの電話は無かった。何処で何をしていたのか、誰と一緒にいたのか、
きくーちには知る由もない。そしてそれが、きくーちと過ごすより優先される事なの
かどうかも。
「‥‥で、菊は?」
連絡来たの? ひとしきり話し終わり香織が問う。
「来てたらもー言ってるよぅ」
「そっかぁ‥‥」
香織も流石に言葉が続かない。
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「いーんだ、アタシは課題に集中するからさっ」
「‥‥強がるねぇ」
「学生の本分ッスから!ほら、パース明後日までだし。香織出来たの?」
「忘れてた!」
集中できるかどうかは自信が無かった。しかし、何か独りの時間を埋めるものが欲し
かった。
「よし、頑張ろっ」
ぽつりと出たその言葉が果たして何に対してなのか、きくーち自身にも分からなかっ
た。
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明日から前期末休校という夜、バイトを終えたきくーちの携帯にメッセージが残って
いた。
「隊長です。今夜うちで飲み会やるんだけど、来れたらおいで」
また飲み会か。軽い失望感はあるものの、それでも隊長に会えるのは嬉しかった。遠
距離でもないのに、もうひと月以上逢っていなかったのだ。
隊長の家に着く頃にはもう日付が変わろうとしていたが、通りに面した窓からはまだ
賑やかな様子が伺い知れた。ほっとしたような、残念なような、複雑な気持ち。
「きくちゃんだ〜!」
「久しぶり〜」
部屋に充満する酒の匂いと笑い声は、決して嫌いではない。しかし今のきくーちはそ
れを素直に受け入れられなかった。もちろん皆に私的な不満をぶつけるような事はし
なかったが。
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平気なワケ?

隊長はいつもの調子で楽しそうに酒を煽っている。

アタシよりも‥‥
皆と遊びたいの?

言えずに飲み込んだ言葉のせいか、全く酔いが回らなかった。
終電も終わり、酔い潰れて寝込む者が出始めた。それを見て歩いて帰る、と家を出る
者や食器を片付けだす者。今夜も結局二人きりにはなれそうにない‥‥
諦めて帰ろうとするきくーちを隊長の一言が引き止めた。
帰るの? 泊まってけばいーじゃん」
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皆寝静まり、起きているのはきくーちと隊長だけになった。
「何でそんな不機嫌そーな顔すんの?」
欠伸を噛み殺して隊長が問う。
「‥‥別に」
「ならせっかく逢えた時くらい、もっと楽しそうな顔してよ」
きくーちの中で何かが弾けそうになる。
せっかく逢えた?逢う暇も無い程忙しかったの?
「‥‥そうでもないけど」
「なら電話くらいしてくれたっていいじゃない」
「電話嫌いなんだよ、俺」
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もぅ寝ようよ、隊長が大きな欠伸をする。いいじゃんそんな話、とでも言いたげな様
子だ。ぱちん、と胸の奥で気持ちが弾けてそのまま喉をつく。
「留守電は? 聞いた?」
「聞いたけど、だから何?」
「だからって‥‥ねぇ、アタシらって付き合ってるの? アタシ、隊長の彼女なの?」
「言わなきゃわかんないの?」
「わかんないよ! こんなに連絡も無くて、逢えなくて、でも友達とは遊んでて‥‥」
皆起きるよ、静かにしろよ、不機嫌そうに隊長が呟く。それが更に神経を逆なでる。
「こんなの付き合ってるなんて言えないじゃない。アタシばっかり必死になってしが
みついて、バカみたい」
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泣くつもりなんて無かったのに、その意思に反して涙が溢れる。
「きくーち‥‥だったら何であんな事言うの?」
あんな、男爵に告られたなんて‥‥一つ溜め息をついて、隊長が宥めるように頬を撫
でる。
「‥‥妬かせたかった?」
分かり切った事言わないで、だかうまく声にならない。
「俺だって不安だよ。ずっときくーちと一緒に居たいし、きくーちにずっと俺を好き
でいてほしい。だからこそきくーちの事ほっとくんだよ。それできくーちが俺の為に
必死になるのを見て『あぁ、俺の事好きなんだ』って思って安心するんだよ。あんな
電話、見え透いてて乗る気にならないよ‥‥もっとウマくやらなきゃな」
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頬を撫でていた大きな手が、ごく自然に肩を抱く。
「‥‥ズルイよ、そんなの」
しゃくりあげながら隊長を見上げると、そこには今までに無い程の優しい瞳。それが
ゆっくりと閉じて、唇が塞がれた。熱く、柔らかな舌が淫らな疼きを誘いだす。
「ゴメン、もうしないから‥‥泣くなよ」
互いに髪を撫で、身を寄せあいキスを繰り返す。さっきまでの物とは違う涙がきくーち
の瞳を濡らす。口の中が隊長の好きなゴールドラムの味で満たされていく。砂糖黍の
酒は、官能的な、夏の味だ。きくーちは心からそう思った。
ふっ、と優しく組み敷かれ、甘い吐息が首筋に絡う。たったそれたけなのに、きくーち
はもう溢れ出して下着を濡らしてしまった。隊長が愛しくてたまらない。
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「皆、起きちゃうから静かにね」
隊長は悪戯っぽく囁き、耳たぶを噛んで舌を差し入れる。淫らな音が頭に響く。
「ふ‥‥ぁっ‥‥」
スカートに潜り込んだ指が、ためらわずに下着のリボンを解く。
「ヤらしいなぁ、こんなの履いて‥‥簡単に脱がせられちゃうよ」
「ココを触って欲しいんでしょ?」
隊長の指が蕾に触れると、きくーちはびくん、とのけぞった。
「あぁっ!」
「ダメだよ、聞こえちゃうよ」
隊長は唇を塞ぎ、愛撫を続けた。優しく、激しく、執拗に。込み上げる快感が、
きくーちの思考を奪おうとする。
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「んっ‥‥んぅ‥‥」
きくーちの中に指を沈めたまま、隊長はゆっくりと身体を起こし、ベルトを外した。
「ね、どうして欲しい?」
隊長の下腹部が顕になった。
「‥‥アタシが、したい」
きくーちの予想に反した答えに、隊長はたじろいだ。お構いなしにきくーちは隊長の
そこに顔を埋め、舌先で愛し始めた。先端からゆっくり舌を滑らせると、大きく跳ね
た。きくーちにはそれすらも愛しい。
「うっ」
「ダメじゃん、皆起きちゃうよ」
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仕返し、ときくーちは今度は舌を絡めながら口に含んだ。そして、そのまま奥まで‥‥

「ふっ‥‥く‥‥」
隊長の、堪え切れず漏れる声が、きくーちをも濡らしていく。きゅっと唇に力を込め
ると、きくーちの頭を隊長が掴んだ。拒んでいるのか、求めているのか、指先に力が
入る。カワイイ、七つも年上の男をそう思ってしまう。
「‥‥どうして欲しい?」
きくーちが顔を上げると、隊長はきくーちの二の腕を掴んで立ち上がらせた。そのま
まキッチンのシンクに手を着かせて、細い腰を自分に引き寄せる。
「こうしたいな」
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唾液で濡れたそれが、きくーちを貫いた。
「あぁんっ!」
思わず声が出てしまう。間続きの隣室には友達達が眠っているのに‥‥聞こえちゃう
‥‥でも堪える事が出来そうにない。
「きく、ダメだよ」
隊長が手のひらで口を塞いだ。
「静かに、って言ったでしょ?」
隊長はそのまま腰を動かし続ける。零れる吐息と繋がったそこから聞こえる音が、や
たらと響いているように感じる。
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「んっ、んぅ‥‥ふぅっんぅっ‥‥」
「こうして欲しかったんだよね?‥‥俺もしたかったよ‥‥」
自分の中で隊長が熱く大きくなる。
「きくーちの事、こうやって気持ちよくしてあげたくて‥‥」
「ふぅ‥‥んんっ!」
「可愛いよ、きくーち‥‥あぁ、俺もう我慢できないよ‥‥!」
隊長が激しさを増す。思わず口にあてがわれた指を噛む。
「きくーち、きくーち‥‥イクよ‥‥うぅっ‥‥!!」
「んはぁっ!!」
隊長が脈打つのを感じながら、きくーちも堕ちていった。
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「きくーち‥‥きくーち、風邪ひくぞぉ」
揺さぶられて目を覚ますと、そこはキッチンだった。
あのまま、寝ちゃったんだ‥‥
足もとに下着が丸まっていて、きくーちは頬を赤くする。
「布団、あっちだからあっちで寝よ」
「‥‥うん」
「あんなトコて寝たらお前、朝皆にバレちゃうだろ」
「ん‥‥ゴメン」
お前、その呼び方が嬉しかった。
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「ふあぁ‥‥もう四時だよ‥‥」
並んで布団に滑り込むと、隊長はきくーちの手を握ってきた。暖かく、大きな手。
「おやすみ」
「‥‥おやすみ」
隊長はすぐに寝息を立て始めた。穏やかな寝顔に心が和む。昨日までが嘘のようだ。
手を繋いだだけで、こんな気持ちになるなんて。手の温もりが、だんだんどちらのも
のか分からなくなる。共有する温度。
「何よ、子供扱いしてくれちゃって‥‥自分だって子供みたいじゃない」
眠る時に手を繋ぐなんて‥‥隣の寝顔を眺めながら笑いを堪える。

でも、悪くない

朝までに少しは眠らなきゃ、きくーちは布団を肩まで引き上げた。



おわり