それは、同じ内容の部品交換や修理を頼んだ際にも、オヤジと息子によって客に要求する料金にけっこうな差があることだった。
オヤジに修理を頼んで2,000円かかるとすると、同じ修理を息子に頼むと大体は1,000円で済む。
つまり、オヤジは息子よりも常に2倍程度のボッタクリを行っていると言うことだ。
漏れが今年の6月に自転車の修理を頼んだ際、あいにく息子は留守だった。
仕方なく、オヤジに修理を依頼した。
料金について尋ねたところ、総額5,000円でブレーキケースに加え、それ以外にも部品が古くなっている箇所について、店にある別の廃棄予定の自転車の部品を転用する格好で全部修理するとのこと。
漏れはオヤジの説明に納得し、翌日の仕上がりを待つことにした。
そして、翌日になって自転車を引き取りに行ったところ、合計4箇所ほどがきれいに修理されていた。
後輪泥除けの上にある割れていた反射板も交換され、後輪ブレーキのキ−キー音も消えていた。
漏れは一応満足し、5,000円をオヤジに支払った。
しかし、その修理から3ヶ月程たった9月頃から、後輪ブレーキの異常に気づいた。
走行中の自転車を停止させるため、左手でレバーを握って後輪ブレーキをかけるまでは問題はないのだが、再発進するべくレバーを離してもブレーキが少しかかったままの状態になってしまう。
この現象はしばらくすると治るが、再び後輪ブレーキをかけると同じ現象が起きてしまう。
今日は、この後輪ブレーキの異常について修理してもらうために、そのオヤジの自転車屋に行ったわけだ。
漏れが自転車に行ったところ、息子は他の客の自転車を修理していた。
代わりに例のオヤジが出てきて、漏れに接客した。
オヤジは漏れの自転車を手に取り、ドライバーを片手に何度もブレーキの調整をしようとした。
しかし、簡単な調整では治らない現象のようだ。
オヤジは漏れに言った。
これは部品交換が必要です。
漏れはオヤジに説明した。
このブレーキ部分は6月頃にオヤジに頼んで交換してもらった部品である。
しかし、修理完了後、2〜3ヶ月程度で現在の異常な現象が現れるようになったものである。
漏れの説明に対し、オヤジは言い逃れをした。
この部品はウチでは使ってませんよ。
だいいち、うちでは中古自転車の部品を修理に転用するなんてことはありません。
前から狡猾なオヤジだと思っていたが、平気で言い逃れをするつもりのようだ。
漏れは重ねてオヤジに言った。
そんなことはない。
これはオヤジが修理をしたものだ。
この店では客に領収書も渡さないが、漏れは支払の日付を記録している。
それほど緊張した雰囲気ではないが、軽い押し問答が続いた。
小心者の漏れは、こんな押し問答が最も苦手だ。
ただ、ここでオヤジに簡単に丸め込まれてしまうのでは芸がない。
最悪なのは、オヤジに対してこちらから先に気弱な譲歩をしてしまうこと。
後輪ブレーキについて再び高い修理料金を馬鹿オヤジに支払うのは納得できない。
漏れのように自己主張が苦手な人間にとっても、唯一とれる戦法は「沈黙を守る」ことだ。
沈黙を続けた漏れに対して、あれほど知らぬ存ぜぬを繰り返していたオヤジが譲歩し始めた。
このブレーキは調整だけでは直らないので、直すならどうしても部品交換が必要だ。
じゃあ、普通ならこの部品交換と工賃に3,500円かかるところを2,800円でやらせてもらうよ。
漏れは「2,800円ね…」と一言だけオヤジに言葉を返し、さらに沈黙を続けながら思案した。
この店の息子には好感を持っていたが、このボッタクリオヤジにはもうカネを払いたくない。
次回からは他の店を使うつもりだし、この店でロードレーサーを買う計画もやめる。
ただ、このオヤジが言っている2,800円の修理代が、他の店より安いのだけは確かなようだ。
まだムカつくが、今回だけはオヤジが譲歩した料金で修理してもらうことにしよう。
そして、金輪際この店は使わない。
ブリジストンの特約店の看板をあげてる自転車屋なんていくらでもある。
いい加減なオヤジに対する不快感はあるが、とりあえず自転車を預けて漏れは自宅まで2キロほどの道を歩いた。
漏れは自営業者の息子だ。
幼少時などは、両親が商店街で店を出していたこともある。
いまや、個人商店が扱うような品物のほとんどを、量販店が薄利多売するようになった。
代表的なものには電化製品があるだろう。
例えば、テレビなどでも消費者の多くが量販店で安く買うのが主流だ。
個人商店で買った場合、どうしても量販店のように安くはならない。
結果として、個人経営の電気店は商品販売よりも電気工事に力を入れたりするようだ。
商品売買に関して量販店にはかなわない個人商店は、それぞれに生き残りの道を模索する。
それでも個人商店の現状は厳しく、なかには廃業するような店さえある。
個人商店としての自転車屋も同じなのかも知れない。
量販店に行けば所狭しと自転車が並べられている。
その中にはママチャリだけでなく、スポーツ車も含まれており、いずれの値段も個人が営む自転車屋よりずっと安い。
激安のママチャリなど数千円で買える。
いまや個人が営む自転車屋も、自転車の販売だけでは経営が厳しいのだろう。
自転車愛好家が乗るロードレーサーやマウンテンバイクなどは言うなれば、自転車の高級品だ。
1台の価格が5万円程度から数十万円もする自転車でも愛好家なら買うだろう。
しかし、カネを持った愛好家が選ぶのは、街の小さな自転車屋ではなく、店内に実車を何台も展示しているような店構えの大きな自転車専門店だ。
さらに自転車専門店に行けば、自転車以外にもヘルメットやグローブ、サイクルスーツ、その他たくさんのアイテムが並べられている。
自転車愛好家たちは、国道沿いや繁華街に近い専門店で実車を目の前にしながら品定めをしたうえで買い物がしたいのだ。
この意味でも、小さな自転車屋が高級自転車の販売で儲かる機会は少ないのかも知れない。
不の感情の潜む文章は面白い
共感のなせる業
話が広がってしまった。
要するに、個人経営の小さな自転車屋が生き残るのが厳しい時代だ。
そんな時代にあっても先のオヤジの店が存続し、親子二人分の人件費を含めた経営が成り立っている秘訣は何だろう?
その秘訣は、今までに漏れが依頼した自転車修理へのオヤジの対応にあらわれている。
すなわち、中古部品を転用したうえで、ボッタクリ料金をとることだ。
明日、そのオヤジから修理の完了した自転車を引き取るときは、自転車に異常がないかよく注意したいと思う。
それでも、またしばらくしてから自転車に不具合があってもその店は二度と使わないつもりだ。
漏れとしては、信用できて確かな仕事をしてくれる商売人には少しくらいは高く払ってもいい。
他の店をさがしてみよう。
無名でも誠実で腕のいい自転車屋はいくらでもありそうだ。
自転車屋と言えば、漏れが子供の頃、近所に面白い店があった。
その店主は元プロ競輪選手だったのだが、ケガがもとで引退して自転車屋になったオジサンだった。
人相もきつくて、言葉使いも荒い。
さらにその店主は、酒・オンナ・バクチに目がなかったようだ。
そんな店主だったが、自転車の修理に関しては確かな腕を持っていた。
その一方で、カネ儲けには狡賢くなれない、どこか人の良さのある人だった。
客から頼まれた修理でも、無料サービスしてしまうことも多かった。
936 :
Mr.名無しさん:04/11/25 19:57:25
よくもくだらない話をだらだらと書けるものだ
トラビスはやはり基地外に決まり
937 :
Mr.名無しさん:04/11/25 19:58:34
読んで損をした
漏れの住む地方で圧倒的な人気を誇るプロ野球チームが優勝したときなど、そのチームのロゴマークの入ったウイスキーを大量に取り寄せた店主は、優勝祝いだと言って周囲の知人や客にパーッと配ってしまった。
たとえカネ儲けが上手ではないにしても、宵越しのゼニは持たない。
それが店主であるオジサンの人生哲学だったのかも知れない。
今ではその店主も亡くなられたが、今にして思えば、実に小気味よい人物だった…。
939 :
Mr.名無しさん:04/11/25 20:03:01
つまらん話なら短くまとめろ!
さて今日のカキコはここまでにしたい。
カゼを早く治すためにゆっくり休養したいと思う。
941 :
Mr.名無しさん:04/11/25 20:09:16
一日中2ちゃんに張り付いているなんて暇な奴だな
>>940 明日の今頃まで書き込み禁止!
着眼点いいな織田のくせに
>>942 ご配慮を深謝する。
遠慮なく使わせてもらうよ。
>>943 それって、漏れの日記なんかより全然面白いね。
笑ったw。
さきほど起床。
カゼの具合は少しずつ快方に向かっているようだ。
それでも完全に治るまでは無理しないでおきたい。
やっぱ、寒空の中を薄着で自転車に乗っていたのがいけなかったみたいだ。
運動をやめる気はないが、カゼをひかないような工夫をしないとな…。
さて、着替えてから、駅前で立ち食いそばでも喰って来ようと思う。
それにしても、先日、松山で喰ったうどんはコシがあって実に美味だった。
漏れの住む地方のうどんはあんなにウマくないんだけど…。
ガンダムいきまーす!
昼休み。
あとで、昨日のボッタクリオヤジのところに自転車を引き取りに行かねばならない。
まだ嫌な気分が晴れないが、あのバカオヤジとも今日限りだ。
次回からは別の店を使う。
昼メシを喰ってくるとしよう。
昼メシ終わり。