デンマーク(Denmark)
皆さんはこの国をご存知ですか?
まずは簡単にデンマークという国の紹介をしましょう。
デンマーク・・・ 正式国名「デンマーク王国」(元首マルグレーテ2世女王)
_______ 北欧の南端に位置し、約4.3万km2(九州とほぼ同じ)
| || | 首都はコペンハーゲン、人口は約531万人(99年調査)
|―┘└――――| いたって小さな国です。
|―┐┌――――| 人種は北方ゲルマン民族言語は通常語はデンマーク語
| || | ながら、英語でもほぼ通用します。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
デンマークをはじめとした北欧の国々は異様なほどに税金が高いです。
日本でいう消費税(付加価値税)が最低20%。これに『サービス税』なんてものも
含めるとたいてい30%〜40%近くの税金が、買い物の際に課税されます。
その代わり、これらの国は福祉の充実度が世界トップレベル。
税金が高いのは充実した福祉を支えるためなのでしょう。
デンマークのサッカーの歴史は古い。
しかし、デンマークのサッカーが世界に躍進したのは、
つい最近のことである。
欧州選手権に84年初出場、ワールドカップ初出場は86年。
この80年代から、デンマークのサッカーは、世界に認められはじめた。
このころから世界のサッカーファンは、彼らのことをその躍進ぶりとスタイルから
ダニッシュ・ダイナマイトと呼びはじめたのである。
∧_∧ ∧___∧ | |XXXXXX
∧_∧ ( ´_ゝ`) ∧_∧(´Д` ;) | |XXXXXXX
( ´_ゝ`) (☆7とノ (∀・; ) 8 ,,つ| |XXXXXXX
と 9 つ/) )、ヾ (( と 1 ヾ ( ( | |XXXXXXXx
(( 乂_つノ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ ≡ (⌒) ! !XXXXXXXx
(/ \★ (__) 。 | |XXXXXXXx
そんな彼らが今大会、2002年日韓ワールドカップに出場することとなった。
2大会連続、3回目の出場を決めた。
そして、このデンマークが今大会のキャンプ地を和歌山県に決めた。
和歌山県も例に漏れず他の立候補地と同様に誘致に必死であった。
デンマークへ何度も訪れた。この苦労が実りキャンプ地決定の知らせを受けた。
この一報に和歌山県の関係者は涙したという。
デンマークが
和歌山に決めた理由は
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´_ゝ`) < 日本のほぼ中心地であり、関空に近いから
( ) 0 \____________________
だった。
(´_`) 。o ○( それだけ・・・?!
デンマーク、と言っても、どんな国?と普通は思いますよね?
「どこにあるの?」「デンマークのサッカー選手で有名な人は?」と思うでしょう・・・。
デンマークという国の存在自体は知っていても
どんな国民性なのか?どのような人種なのか?って普通は誰も知らないものです。
それは和歌山県民のほとんども同じだった。
だから、和歌山の街中ではこんな会話が交わされたという。
‐―――――――――――┐ ┌――――――――――――――――――――‐
今度の ワールドカップで | |それは知ってるけど・・・誰か有名な人いるの?
デンマークって.国が来る | |イングランドのベッカムとかイタリアの男前集団
らしいけど.知ってた? | |みたいに有名な人いるの?
‐――――v‐――――――┘ └――v――――――――――――――――――
∧_∧ ∧_∧
( ・∀・)っ (´∀` )
( ソ ( )
| | | | | |
(__)_) (_(__)
______∧_____________
知らん・・・。 |
だけど世界で有名なんやったら |
一度は 練習見に行こか? |
デンマークの練習を訪れた人は『この手の会話』がきっかけとなった人たち
ばかりであった。最初はいわゆる『野次馬』的な人が多かったのである。
ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ
∧_∧ ∧_∧
∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂
(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ|
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この最初の見学者は数百人程度であった。
しかしこの数字が日々増えていった。
ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ
ノノハヾ ((( )))) ∧,,∧ ∧∧ ∧_∧
ワイワイ ● ●ガヤガヤ (´∀` ) (´∀` )ミ゚Д゚ 彡(´∀` ) (´Д` )
▼ ( ∧_∧,, ∧_∧ トミ)と( ひ つ > (
∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂ ∧∧ ∧∧ ,、__,、`
(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (゚Д゚ ) (゚ー゚*)(´∀` )
( )( ) | |)( )(∧_∧ ∧_∧ ● ● ( )
∧,,∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂(^_^;)> γ⌒ヾ.
ミ゚Д゚,,彡'(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (M ) (`∀.´ )
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初日はわずか数百人だった見学者が翌日には2000人、
その翌日には2500人、そのまた翌日には3000人が訪れた。
この数字が増えた理由には以下のことが一番大きかった。
ワールドカップ出場国のキャンプ地での練習というものは
非公式・非公開が通例なのだ(イングランド、伊、西、ブラジルといった
強豪国はほとんど非公開でした)が、デンマークは違ったのである。
デンマークは、練習初日から全ての練習を公開した
さらに練習後には見学に来ていた地元サッカー少年たちを招きいれ
一緒にミニサッカーを行ったりもした。
∧_∧ ∧_∧
( ´_ゝ`) ∩_∩ (´<_` ) /■ヾ
/ つ ノ (´∀`*) ( つ (´∀` )
) ノ、 ) (っ つ ( ((_ ヾ ( つ
(_) し' 、○_ノヾ_) )) (__) `J し'ヾ_) ))
""゙゙゙"""'''''''""""゙゙゙゙゙"""゙゙゙゙゙゙""""''''""""゙゙゙゙"""'''''"""゙゙゙゙゙゙"""""""""
サインにも気楽に応じてくれた。 ∧_∧
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧∧_∧ //(ハヽ∂∧∧
( ´_ゝ`) ∩_∩' ´、ゝ (´∀` )∀・ ) ,、__,、(`∀´ハ|(゚Д゚,,)
(っ_φ) ))(´∀`*) づφとーと ) )(´∀`)( )| |)
そのため、デンマークというチームに対し・・・
―――――――‐┐ |\_/\∧/\_/\∧/\_/\
練習どうだった?| > めちゃめちゃフレンドリーで
|< 気さくな人たちばかりやで!
―――v――――┘ |/∨\_/\/∨\/\_/\/
∩_∩ ∧_∧ ∧_∧
( ´ー`) (・∀・ ) (´∀` )
( ) と つと つ
という評判が口コミで相当広がったともいう。
ある記者が、デンマークのオルセン監督に聞いた。
┌――――――――――――――――――――――‐
|他国は、練習を公開しないで試合に備えています。
|デンマークは公開でいいのですか?〔英語〕
└――――――v――――――――――――――――
∧_∧ 記者
( 、´_ゝ (´Д`;)
( ) φ( 筆 )、_,
オルセン監督はこう答えた〔英語〕。
‐―――――――――――――――――――――――――┐
我々の強さは.練習を秘密にしたところで変わらない。 |
絶対的な自信をもって試合にのぞむだけだ。 |
――――――v―――――――――――――――――――┘
∧_∧ 記者
( ̄ー ̄)ニヤリ (Д`; ) オー
( ) ∧ (筆 レ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
何より、キャンプ地を提供してくれた和歌山の人たちが |
喜んでくれることはどんどんすべきなんだ・・・。 |
試合も大事だが、 この交流も大事にしたいと |
選手全員も言っているよ。 |
このオルセン監督には、来日早々にこんなエピソードもあった。
デンマークチームが来日し、 _ ..::::..::::::::::
/|| ..::::..::::::::::::::
/ ̄ヾ___/ :|| ..::::..::::::::::::::::::
( ―=,ノ=― ..::::..:::::::::::::::::::::
ヾ――――┬'┬‐'、___,,イ┬―――' ..::::..:::::::::::::::::::::::::::
(_(0)(0) (_(0)(0) キィィン・・・..::::..::::::::::::::.
ホテル入りした初日のこと。
ホテルでの歓迎セレモニーを受けた後
再度、宿泊先のホテルの支配人と料理担当のコック長が
監督の部屋へ挨拶に訪れた。
| (´⌒⌒`)
コンコン ∧_∧ |____|
|(´∀`;,) (・∀・ ;)
((ど〈V〉‐ )、.( |: ̄ )
彼ら、支配人とコック長には一つ聞いておきたいことがあった
彼らには一つ『心配のタネ』があったのである。
┌――――――――――――┐
| How nice of you to come ! |
└―――‐v――――――――┘
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
(丶´_ゝ`( )(` )
( つと( ) ( )
それは食事の問題であった。
ホテル側も選手たちには万全の状態で試合に臨んでほしかった。
食事が口に合わない・・・それが原因ということは避けたかった。
しかし他国の宿泊先ホテルに連絡をとったところ、食事でかなりもめ、
文句を言われたらしかった。
――――――――――――――――――――――――――――┐
口に合わない ! 母国の材料で調理してくれ!etc. |
――v――v――――v――――v―――v――v―――v――――‐┘
∩_∩ ∧_∧ 88888 ∧_∧ ∩_∩ ∧,,∧ ∧_∧
(#゚Д゚)< #´_ゝ`>( ・≧・)( #`∀´)(#´ー`)ミ,,゚Д゚彡( ;・∀・)
そこで、支配人は通訳を介して監督に聞いてみた。
――――――――――――――――――――――――┐
食事で何かご要望はございませんか? |
――――――‐v―――――――――――――――――┘
∧_∧ ∧_∧
( ´∀`;) (;・∀・ )
( 〈V〉- ) ( |: ̄ )
オルセン監督は答えた。
――――――――――――――――――――――――┐
一切お任せします。 |
そちらが用意される料理を我々はご馳走になります。 |
―‐y――――――――――――――――――――――┘
! !
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
)(丶´_ゝ`)(, ;・∀)(´∀`; )
)( ( / ̄ ̄| / ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::|
この言葉に驚いた支配人とコック長。
‐―――――――――――――――――――――――┐
いや・・やはり母国デンマークの食事の方 |
がいいんじゃないでしょうか? |
‐――――――――┬―v――v――――――――――┘
和歌山をキャンプ地. |
に決めたときから. |
食事もお任せしよう、|
と私と選手たちは. |
.言っていた。 |
―――y―――――┘
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
´∀`)(丶´_ゝ`)(・; )(`; )
通訳) ( ) ( / ̄ ̄| / ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ::::::::::::! ̄ : :::::::::!
__∧________________
選手も理解している。 |
全てをあなたたちにお任せします 。 |
それでも不安が晴れない支配人がこう続けたところ、
――――――――――――――――――――――――――┐
あの〜〜他の国とかのホテルにお聞きすると・・・ |
食事はやはり母国のほうが好まれると聞いたものでして・・・。|
――――――‐v―――――――――――――――――――┘
∧_∧ ∧_∧
( ´∀`;) (;・∀・ )
( 〈V〉- ) ( |: ̄ )
オルセン監督はズバリ言った。
‐―――――――――――――――┐
他国は他国、我々は我々です。 |
―y――――――――――――――┘
この言葉に支配人は
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ 「ホッとした。滞在中は
)(丶´_ゝ`)(, ;・∀)(´∀`; ) ホッ・・・。 無事に過ごせていただ
)( ( / ̄ ̄| / ̄ ̄| けると思った。」そうだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::|
―――――――――――――――――――┐
我々は料理をあなたに全てお任せします。 |
よろしくお願いします。 |
――‐y――――――――――――――――┘
コチラコソ
. ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
)(、´_ゝ`,)(・; )(`; )
)( ( / ̄ ̄| / ̄ ̄|
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : : :::::::| ̄ : :::::::::|
__∧_________________
\
ところで、 和歌山で有名な食材は何ですか ? |
‐―――――――――――――――――――┘
コック長は質問の意図がわからなかったが、
‐――――――――――――――――――――――――――――┐
和歌山では魚が有名です。 カツオという魚が特に有名です・・・ 。 |
――――――――――――v――――――――――――――――┘
?
∧_∧ ∧_∧
( ´∀`;) (;・∀・ ) と答えた。
( 〈V〉- ) ( |: ̄ )
するとオルセン監督は微笑みながらコック長に言った。
――――――――――――――――――――――――――――┐
それでは、そのおいしいカツオを我々に食べさせてください。 |
あなたが腕をふるって、おいしいカツオを選手たちに |
食べさせてやってください。 |
―――‐y――――――――――――――――――――――――┘
ハ、ハイ!
. ∧___∧ ∧_∧ ∧_∧
)(、´、ゝ`)(・; )(`; ) ノ
)( ) ( / ̄ ̄| / ̄ ̄| )
 ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ : ::::::::::| ̄ : :::::::::| ノ
ー―――○―――――――――――――――――――――――
O この言葉にコック長は大変感激していた。
。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
(´⌒⌒`) .| 世界の代表監督が、あんないい人 |
|____| | だったからね〜〜。 いっぺんで | 記者
( *・∀・) < デンマークのファンになりましたよ!|(´Д`;) ホゥホゥ
( |: ̄ ) \_________________/((φ_ノ)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
(´⌒⌒`) .| それと |
|____| | 最初の食事のときにね・・・ 。 | 記者
( *・∀・) < |(´Д`;) フンフン
。( |: ̄ ) \_________________/((φ_ノ)
O | | | ハ
‐○ー―――――――――――――――――――――――― 、
⌒ヽ、_
最初の食事を迎えた時、ある選手が通訳に聞いた。
――――――――――――――――――――――――――┐
デンマークでは 食事するとき 神への祈り を する のだが |
日本では食事始める時に何かするんですか? |
――――‐v―――――――――――――――――――――┘
彡彡'ミ ∧_∧
( ´_ゝ`) (` )
( つ ( 通訳)
デンマークは国民の9割がプロテスタント†、(゚д゚)である(福音ルーテル教)。
神への祈りを終えてから食事を始める。
この選手は日本ではこれの代わりに何かするのか?と聞きたかったのである。
答える通訳。
―――――――――――――――――――――――――┐
日本でもキリスト教の信者は神に祈ってから食べるけど |
大抵は手を合わせて『いただきます。』と言ってから |
食べます。 |
―――――――‐v―――――――――――――――――┘
彡彡'ミ ∧_∧
( ´_ゝ`) (` )
( つ ( 通訳)
彼はその姿のまま、コック長の方へ向き頭を下げた。
(´⌒⌒`)
彡彡ミ |____|
((( ´_ゝ∩ Σ (・∀・ *)
( / (「: ̄ )
それを見ていた他の選手たちも彼にならい、手を顔の前で合わせた。
この時から、食事のたびに手を合わせる選手たち。
イタダキマス イタダキマス イタダキマス イタダキマス イタガキマス イタダキマス
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ノ
( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人 ( ´_ゝ人( ´_ゝ人 ノ
ー―――○―――――――――――――――――――――――
ー―――○――――――――――――――――――――――― '"
O コック長は言った。
。 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
(´⌒⌒`) .| 今の日本人でも『いただきます』を言|
|____| | え 無い奴が多いのに、外国の人にさ | 記者
( *・∀・) < れたら…無茶苦茶嬉しかったですよ。 | (´Д`;) ホゥホゥ
( |: ̄ ) \_________________/((φ_ノ)
この最初に手を合わせた選手の名を・・・
彡彡'ミ
( ´_ゝ`)
( )
ヨン・ダール・トマソンといった。
/FW。代表では9番。
1976年8月29日生・182cm・74kg
このトマソン選手。今大会、デンマークを決勝
トーナメントに進出させた立役者である。
今大会前まで、オランダのフェイエノールト・ロッテルダム
に所属し(現在ACミラン在籍)、日本代表の小野選手とチームメイトで
あったため日本でもある程度名前を知られていた選手である。
彼は少し神経質な面を持ちあわせており、実際酷評する向きもあるが、
非常に心優しい青年だ。
あるサイン・握手会でのことである。
デンマークというチームは前述したように
練習を公開した。練習後は地元サッカー少年たちとミニサッカーを行い、
握手会、サイン会もたびたび行った。
あの日も、いつものごとくサイン・握手会が行われた。
気さくなデンマークの選手たちを和歌山県民も好きになった。
選手たちのサインを求め長蛇の列が出来上がっていた。
気軽にサインをするデンマーク選手たち。
∧_∧
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧∧_∧ //(ハヽ∂∧∧
( ´_ゝ`) ∧_∧' ´、ゝ (・∀・ )∀` ) /)/)(`∀´ハ|(゚Д゚,,)
(っ_φ) ))(´ω`*) づφとーと ) )(´∀`)( ) | |)
もちろんトマソンもその中にいた。
そのトマソンの前にある少年が立った。
彡彡'ミ ∧_∧
( ´_ゝ`)∧∧ ミ 彡
(φ (`* ) ( )
| | {{( U)}} | | |
(__)__)し`J (__)__)
彼はトマソンの前に立ちつつも・・・少しモジモジしていた。
後ろに立っていた母親らしき人が彼を促す。
トマソンも通訳を通じ「どうしたの?」と彼に聞いた。
?
彡彡'ミ ,∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´_ゝ`)∧∧ミ 彡 < 早くしなさい。
(φ (`* と ))) \______
| | |と ) | | |
(__)__)し`J (__)__)
意を決した少年はポケットから一枚の紙切れを出し、
トマソン選手に渡した。
彡彡'ミ ,∧_∧
( ´_ゝ`)∧∧ミ 彡
(φ (`* と )))
|サッ(( ーと ) | | |
(__)__)し`J (__)__)
その紙切れには英語で・・・
┌――――――――――――――――――――――――――┐
| ボクは小さいころに、病気にかかって |
| 口と耳が不自由です・・・耳は聞こえません、話せません・・・。 |
| だけど サッカーだけは ずっと見てきました、 大好きです。 |
| デンマークのサンド選手とトマソン選手が好きです。 |
| 頑張ってください。 |
└――――――――‐‐┬――――――――――――――――┘
記者 ∧_∧ 彡彡゙ミ | ∧_∧ と書いてあった
(;´Д`)(;´д`)( ´_ゝ`) | ∧∧ ミ 彡 (英語の先生に
( 筆)(っ通訳)(_,つー←┘(`* )( ) 書いて貰ったという)。
その手紙に通訳も・・・その場にいた記者も驚いた。
言葉が出なかった・・・。
しかし、トマソン選手はニッコリと微笑み少年に
「それなら君は手話はできますか?」と・・・
彡彡'ミ
( ´、ゝ`) 手 話 で 語りかけた。
(((_つ と))) ~~~~~
∧_∧
∧_∧´д`彡 その『言葉』に驚く少年と母親。
( ゚д゚*) )
再度聞くトマソン。
彡彡'ミ
( ´、ゝ`) 「手話はわかりませんか?」
(((_つ と)))
ミスタートマソン、手話は |
言語と同じで 各国で |
違うんですよ〔英語〕. |
―――y―――――――┘
記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧
(;´Д`)( ;´д`)Σ(´<_` ) ∧∧ ミ 彡
( 筆)(っ通訳) (_つ と) (゚* )( )
手話を万国共通と思う人が多いのだが、
手話は国によって違う、ましてや日本国内でも地方によって違う。
トマソン選手は通訳にこう言った。
――――――――――――――――――――――――┐
ボクは彼と紙で 、文字を通して話をしたいのですが |
手伝ってください 。それと 、後ろの人たちにも彼と |
話す時間をボクにください と 言っておいてください 。 |
――――――――‐v―――――――――――――――┘
記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧
(;´Д`)( ´∀`)(´<_` ) ∧∧ ミ 彡
( 筆)(っ通訳)(つ と) (゚* )( )
後ろで順番を待つ人たちは何も文句を言わなかった・・・一言も・・・。
∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧ ∧,,∧ ∧ ∧ ノノハヾ、 ○ノハヾ○
( ´∀` )( ・∀・ ) (,゚Д゚,) ミ,゚Д゚,彡 (=゚ω゚=) ( ´D` ) ( ‘д‘ )
そして通訳を介し、少年とトマソンの『会話』が始まった。
記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧
(;´Д`)( ´∀`)( ´、ゝ`) ∧∧ミ 彡
( 筆)(っ通訳)(つ と) (`* )( )
「( ´、ゝ`) 君はサッカーが好きですか?」
「はい。大好きです。 (´д`*)」
「( ´、ゝ`) そうですか。デンマークを応援してくださいね。」
「はい。あの聞いていいですか? (´д`*)」
「( ´、ゝ`) いいですよ。何でも聞いてください。」
「トマソン選手はどうして手話ができるんですか?
正直、ビックリしました。 (´д`*)」
この少年の質問に彼は答える。
彡彡'ミ 「ボクにも君と同じ試練を持っている姉がいます。
( ´、ゝ`) その彼女のためにボクは手話を覚えたんですよ。」
(_つ と)
∧∧
その彼の言葉をじっくりと読む少年。 []、(´д`*)
そしてトマソンは少年に言った。
彡彡'ミ 「君の試練は君にとって辛いことだと思いますが、
( ´、ゝ`) 君と同じように君の家族も、その試練を共有しています。
(_つ と) 君は一人ぼっちじゃないという事を理解していますか?」
∧∧
この言葉に黙ってうなずく少年。 (( (´д`*) コク!
「わかっているなら、オーケー!
彡彡'ミ 誰にも辛いことはあります。君にもボクにも
( ´、ゝ`) そして君のお母さんにも辛いことはあるのです。
(_つ と) それを乗り越える勇気を持ってください。」
うざいから元ネタのURL貼れよ
そして、トマソンは最後に少年にこう言った
彡彡'ミ 「ボクは今大会で1点は必ず獲ります。
( ´、ゝ`) その姿を見て、君がこれからの人生を
(_9 ) 頑張れるようにボクは祈っておきます。」
この言葉に
∧∧
(´∀`*) ニコ!
この少年は初めて笑顔を浮かべた。
∧∧ 「はい!応援しますから、
(´∀`*) 頑張ってください。」
そして、トマソン選手にサインをもらい、
彡彡'ミ
( ´、ゝ ∧∧
( づと(∀`*)、
少年と母親は、その場をあとにした。
母親は目に涙を浮かべ、取材する記者に向かって
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
記者 ミ;´∀∩彡 < あんなことされたらデンマークを応援しないわけ
(;´Д`)( ) | にはいかないですよ。日本と試合することになっても、
(φ筆) ||| ! 私らはデンマークを応援しますよ。
涙を流し、笑いながら言った・・・。
そして、このトマソン・・・少年との約束を守り、
試合での得点を決めた。
1点どころか、彼は4得点という大活躍だった。
1次リーグ、フランスという前回覇者と同じA組だったデンマーク。
その試合会場が韓国であろうとも
彼ら和歌山県民は
応援に駆けつけた。
\ ガンガレー デンマーク!! ヾ ダニッシュダイナマイト!! ガンガレー !
∧_∧ ∧_∧
∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧Xノ ハヘ X //(ハヽ ∂ ∧∧ ∧∧ ,、__,、
ヾ (・∀・ ヾ(´∀` ヾ(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ|ヾ(゚Д゚,,)ヾ(゚ー゚*)(´∀` )
( )( | | ( )(∧_∧ ∧_∧ ● ● ( )
∧,,∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧∧X ノ ハヘ X //(ハヽ∂(^_^;)> γ⌒ヾ.
ミ゚Д゚,,彡'(・∀・ )(´∀` )(゚Д゚,,)(^∀^ヾ |!(`∀´ ハ| (M ) (`∀.´ )
オルセン監督は言った。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ / 試合会場が韓国であっても、和歌山の応援
(、´、ゝ`) < はわかった。あれが我々の力になった。
( ) \____________________
結局デンマークは2勝1分け(勝ち点7)。
見事A組1位通過を決めたのである。
そして、決勝トーナメント1回戦。
場所は新潟スタジアム・ビッグスワン、
対戦相手はあのベッカム率いるイングランドであった。
スタンドからは「ベッカム!!!!」という声が至るところから響いていた。
http://fifaworldcup.yahoo.com/jp/020616/2/cx8.html ここでも和歌山県民はデンマークを応援し続けた。
♪♪ダニッシュダイナマイト ♪♪ベカ‐ム何する者ぞ ♪♪俄かEnglandファンを黙らせろ
記者 記者 記者
(;´Д`)ノ⌒ )) (( ⌒ヾ(´Д`;) (;´Д`)ノ⌒ ))
┌( 筆へ) )) (( (へ筆 )へ )) (( ┌( 筆へ) ))
(( く > )) (( く
♪♪頼むぞデンマーク ・・・アア・・・ ・・・もうだめぽ(前半で0-3)。
記者 記者
(( ⌒ヾ(´Д`;) (´Д`;)ゞ 記者
(( (へ筆 )へ )) /( 筆 ) ヾ(´Д`;)、
> )) ( ハ ノ Z乙
・・・和歌山県民の想いは通じなかった。
デンマークはイングランドに0−3という予想外のスコアで敗れてしまった。
その日、和歌山県にも雨が降ったという。
涙雨だったのかもしれない・・・。
負けはしたが、和歌山県民はデンマークというチームを誇りに思っていた。
「よく頑張った!」「後は快く母国に帰ってもらおう!」と
『デンマークお疲れさま!会』なるものが宿泊先のホテルで行われた。
会場にはあふれんばかりの県民が駆けつけた。
その催しにオルセン監督以下選手たちも全員出席した。
あのトマソンもその場にいた。
そこでトマソンは『あの少年』を見つけた。
例によってトマソンは少年に対し『紙』で語りかけた。
記者 ∧_∧ 彡彡'ミ ∧_∧
(;´Д`)( ´∀`)( ´、ゝ`) ∧∧ミ 彡
( 筆)(っ通訳)(つ と) (`* )( )
「( ´、ゝ`) せっかく応援してくれたのに負けてゴメンね。」
「お疲れ様でした。負けたけどカッコよかったです。
それに約束どおり点を獲ってくれたからボクは
嬉しかったです。 (´∀`*) 」
「( ´、ゝ`) ありがとう。」
そして、この少年にトマソンは言った
「( ´、ゝ`) ボクから君に言える言葉はこれが最後です。
よく聞いてください。」
「はい。 (´∀`*)」
「( ´、ゝ`) 君には前にも言ったとおり、試練が与えられている。
それは神様が決めたことであり、今からは変えられない。
ボクが言いたいことわかりますか?」
「はい。 (´∀`*)」
「( ´、ゝ`) 神様は君に試練を与えたけど、
君にも必ずゴールを決めるチャンスをくれるはずです・・・。
そのチャンスを君は逃さず、ちゃんとゴールを決めてください。」
少年はこの言葉に喜色満面の笑みを浮かべて
゙ ∧∧ "
- (´∀`*) - 「はい。」
と答えた。
そして2人は・・・
「( ´、ゝ`) 「 (´∀`*)
さようなら」 頑張って」
という言葉を
それぞれ残し別れを告げた。
最後に2人は仲良く写真におさまった。
┌――――――――――――┐
|┌――――――――――┐|
|| 彡彡'ミ ||
|| ( ´、ゝ` ) ∧ ∧ ゙゙||飛びっきりの笑顔を浮かべ
|| ( )( ´∀` )゙ ||ファインダーにおさまる2人。
|| | | |( ) ||
|| (__I__) し''` J ||
|└――――――――――┘|
└――――――――――――┘
この写真は少年の宝物になることだろう。
トマソンに出会ったことによって少年は『前へ進む』に違いない・・・。
小さな少年、心優しきトマソンに
これからも栄光あれ。。。