【毒】爆撃本スレpart66【鬱】

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433仮病 ◆3vkC49FsGY
 待ち合わせ場所。
 30分ほど早く着いたため、本読みながら待っていた。
 が、全然頭に入ってこない。鞄から出したり、仕舞ったりの繰り返し。
 待ち合わせ時間までは5分ほどを余していたが、改札からEが出てきた。
「あー、ホントにいた」
「いるに決まってるだろ」
「だって平日の昼間だし、さっきはちょうど仮病さんからメール来ないかなーとか
思ってたところだったから、ドッキリか何かかと思っちゃいましたよ」
「w ちゃんと来ただろ?」
「いやーまだ油断はできませんよ、いつ小野ヤスシが出てくるか分かりませんからね」
 …おまいは本当に20代前半かと。
「でも本当に良かったんですか? せっかくの半休、わたしなんかと会ってて」
「……それ言ったらおまえはどうなの?せっかく一日休みなのに、俺と会ってて
つまんなくね?」
「それは仮病さん次第ですねーw」
 と、ここまで言われてハタと気づいた。
(俺、昼間のデートコースなんてわかんねえや)
「どこ行きましょう?」
 俺の気も知らず、Eが笑顔を向けてくる。やばい、大マジで惚れそうだ。
 ……ってもう手遅れか。
「見たい映画とかある?」
「えー」
 あからさまなブーイング。今の映画にはそれほど感じるものがないらしい。
「高校生の頃とか、『ライフイズビューティフル』ですっごい泣いたんですけどね」
 それより良い映画なら行ってもいい、と。俺だって泣ける映画など知らん。
 正直、携帯から2chにアクセスしようと本気で思った。
「ライフイズビューティフルを配給してたチェッキゴーリって破産したんだよね」
 もうマジで空気嫁ない俺。この話題は軽くスルーされ、
「映画だとお話できないじゃないですか、せっかく会えたのに」
 まるで遠距離カプールのような会話に、一瞬立ちくらみ。