「え?」
「そっちの都合も聞かず、突然でごめん」
「いえ、わたしも暇だったし。気を遣ってくれてありがとうございます」
「俺は人に気を遣ったりしない――って、これはお前に言われたことなんだがw」
「そうでしたっけ?w じゃあどこにしましょうか」
「いいの?」
「はい。この前と同じじゃダメですか?」
「この前って?」
「あ、ひどい。この前花火見に行ったじゃないですか」
ああ、あれか。
でも、考えてみるとこいつと仕事以外でふたりで会ったのなんて、先々週の呑みと
先週の花火大会だけだったな。
「花火大会やってた場所? それとも待ち合わせた場所?」
「花火の場所なんて平日は何もないですよw 駅の方です」
「わかった。何時くらいがいい?」
「えーと、仮病さんまだ会社ですか?」
「うん、てか今出たところ」
「よかった。じゃあ3時くらいでいいですか?」
会社からその駅までの所用時間を考えると、あまり待つこともなさそうだ。
「3時か。うん、ちょうどいい時間だと思う。あ、そういえば時間もこの前と同じだな」
「記念ですからw」
記念?何の?偶然じゃなくて?少しドギマギする俺。
とにかく何かにつけ相手の方が上手だと感じる今日この頃。
「じゃあこれから向かうよ。けど無理すんなよ?」
「体の方は大丈夫ですよ。てゆーかもう元気になったかもw」
「w じゃあ、また後でな」