「彼とは学生時代に知り合ったんです。優秀な人で、貿易会社に勤めてたんですが・・・」
「は、はぃ・・・」orz
「ちょうど一年前に、アメリカの関連会社へ出向で行ってしまったんです・・・」
「・・・はぃ・・・・」orz
「それで、本当は一年で帰ってくるという約束が、5年位に伸びたらしくて・・・」
「・・・は、はぃ・・」orz
「一年はなんとか耐えましたけど、わたし・・・わたし5年は・・・」
「そ・・・そうだったんですか・・・」
「来月の頭に彼、一度戻ってくるんです・・・その時、キチンと別れるつもりなんです・・・」
「ワン子さん・・・」
「もうeメールでその事は送っておきました・・・彼もそうしよう、と返事がきました・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「だから・・・だから正式なお付き合いは、その後になりますがいいですか・・・?」
どうやらワン子には遠距離恋愛をしていた彼氏がいたらしい・・・さみしがり屋なのにがんばって
ずっと耐えてきたのだろう、彼は1年間、1度も帰国しなかったらしい・・・
「・・・ワン子さん、ボクはあなたが好きです・・・大好きです。もしワン子さんと出会えなかったら
ボクの人生はずっと、モノクロ写真のようなものだったと思います・・・あなたに出会えてから
見るもの全てが綺麗に見えます。人生の生きる意味を教えてくれたのはあなたです。ボクはワン子
さんを幸せにしたいです。。だからワン子さんの気持ちの整理がつくまで、ずっと待ちます」
俺がそう言い終えると彼女は、一段高い所から満面の笑みで両手を広げて俺の胸に飛び込んできた・・・
街灯が彼女の顔を照らし、夏の夜風が髪をなびかせていた・・・涙に溢れたその顔は、俺にとって
何ものにも代えがたい宝物だった・・・その瞬間だけ、映画のスローモーションのようだった・・・
(あぁ・・・俺はこの瞬間を一生、忘れないだろう)と思った。。。