日が沈んだ頃の時刻にA子と待ち合わせ。
もう今日が最後かもな、とか、もしかしたらもう会ってくれないかもなって駅から待ち合わせの場所に向かいながら
何か泣きそうになった。
初めて会ったのはまだ寒かった時で向こうから「メルアドちょうだい」って言われてそこからメールやって。
毎日来るメールが嬉しくって彼女のメールだけ別フォルダに入るようにして、今までのメールもずっとSDの中に入ってる。
もうこのメールも増えなくなるのかなって思ったら寂しくて堪らなかった。
とにかくちゃんと、最後になってもA子にずっと好きでしたって言わなきゃって思いながら待ち合わせ場所に着いたのが
約束の時間の10分前。
早くついたはずなのにA子はもう待ち合わせ場所に立っていた。
今までカジュアルな感じの格好しか見たことなかったけど、A子はちょっと長い髪をきれいにおろして、裾のひらひらした
スカート姿だった。ちょっと離れたところからA子を見て、俺はなんだか自分がすごく惨めに思った。
A子はやっぱりきれいな女の人で、俺はやっぱり無理をしたさえない男で。
最初っから不釣合いな二人で。
でも、似合わないってわかってても、俺はやっぱりA子の事が好きだって、ちょっと離れたところで彼女の姿を見ながら
そんなことを考えてた。
なんて言えばいいのかわからないままで待ち合わせ場所に向かって歩き出すと、うつむいてたA子が急に顔を上げて俺の
方を見た。そして、笑いながら手を振ってくれた。