【8歩】長期膠着戦線8【前進】

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233珈琲 ◆kHoWdesPxQ
「まずは誤解を解きたいんですけど、俺と彼女は付き合ってるわけじゃないんです」
言った後で、自分でも変な言葉だな?とは思ったけど事実だし…。

「どういうことです?」
と、怪訝そうな母親の顔。

俺はことのいきさつを話しました。
付き合ってはいないけど、好きだという気持ちはあること。
卒業まで、お互いの気持ちが変わらなければ付き合いたいということ。
それと、彼女の受験の妨げになるような事をするつもりは無いこと。

彼女も自分の気持ちを打ち明けました。
俺といることで勉強にもハリが出てきたこと。
(俺のせいで成績が落ちたなんて言われたくなかったようです)
付き合いといっても、登下校中のコンビニで話をする程度であること。
(電話はしたことないんです。メールも1日1通程度で…)

しばらく黙って聞いていた母親が、言いました。
「ところで珈琲さん、おいくつですか?恥ずかしくないんですか?
こんな高校生を捕まえて好きだのなんだのと。
お仕事はアルバイトなさってるみたいですけど、色恋よりも先にやるべきことがあるでしょうに」

ちょっと黙り込む俺。事実だし、言い返せない。
それでも、このままじゃまた「何もできない俺」のままだと思って、言いました。