腕の中で泣いている彼女に向かって俺は自分の気持ちを伝えた。
「最初は、若い時期にありがちな、恋愛にあこがれてる子だって思ってた。
だから、相談できる良きお兄さんでもいいと思ってた。
でも、今は違うんだ。俺の中で、本当に大切な存在になってる」
彼女は泣きながら、こくんと頷いた。
「俺は卒業まで絶対に待ってるよ。信じていいから」
「うん、ありがとう…(泣)こんなことになっちゃって…もうだめかと…」
「そんなわけないじゃん。でも、こんな事してちゃ、駄目だってのはわかるよね?」
「うん、自分でもなにがなんだかわかんなくなっちゃて…ごめんなさい」
「お母さんは俺が憎くて、あんな風に言ってるんじゃなくて、
○○の事を本気で心配してるから、ああなっちゃうんだよ」
「でも、いくらなんでも…」
「まぁ、社会的に見ても、フリーターだし良い印象じゃないよねw」
「でも、○○がこんな行動取ってると、ますます印象悪くなっちゃうよ」
「…ごめんなさい」
「謝らなくてもいいよ。なんか、ここまで説教っぽくなっちゃったけど、
ここからが正直な気持ち。会いに来てくれて嬉しかった」
そう言って、俺は軽くキスをした。
俺はこのときに、腹を決めた。
自分でも不思議なくらい清清しい気分だった。
「じゃ、行こうか」