俺はずっと考えてたんだ
俺たちはなぜ生まれ、なぜ死ぬのか…
けどいくら考えてもちっとも答えなんか出やしねぇ
けど俺たちはいつも何かを考える
花や木や虫たちはそんなことを考えたりはしない
花はただそこに咲いてるだけだ
ただ無心に精一杯咲いて、いつかは何も言わずに枯れていく
俺はそんな花が大好きだ
永遠じゃないから、いとおしく思って大事に水をやる
俺たちも永遠じゃない
やがては誰もが死んじまう
ただ花と違うのは考えることだ
もっと沢山の栄養を吸収したい
もっと太陽の光を浴びたい
できれば一人で独占したい
嵐が来て他人が流されても、同情はするが助けることはない
俺たちは同情が好きだ
俺たちは他人の不幸が好きだ
俺たちはいつもいつも自分を他人と比べている
いつもいつも小さな不満がある
孤独で、自分の無力を嘆いている!
…もうそんな生き方は辞めよう
初めからやり直すんだ
ただ自分の足元と空を見つめるだけでいい
ただそこに咲いている花みたいに…
今まで生きてきて楽しいことなどあったかい?
苦しいことや悲しいことに比べてどうだい
比較になどならないだろ
君らはいい時代に生まれた、大人はみなそう言うね
この国には戦争もなく、平和な何不自由のない暮しがある
貧富の差もほとんどなく、みな機会は均等に与えられる
しかしそのことが、僕らに何の言い訳も与えないように追い詰めているんだ
ストレスとプレッシャーだけの毎日
逃れるには、もはや宗教にでもすがるしか道はない
ストレスは一定以上丸く蓄積されると、突然鋭くなって向かうべきベクトルを探す
自分に向ける者は自殺し、他人に向ける者は理屈を失う
そうなるともはや狩りに近い
人間狩りさ
精神は近代を拒絶し、原始をさまよい、大昔の祭で盛り上げる狩りをする
失望と怒りは別の人格を造り出す
生きていればいいことがある、そんな綺麗ごとはもはや子供にも通じない
彼らもまた、既にストレスに支配されてるからね…