三十路過ぎて恋愛未経験4「道は1つではない」

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763-879
「道は1つではない」か・・・。

>>1
お疲れでした。
またまた長文レスでスレを汚しますが、
スレ趣旨にのっとったレスということで何卒ご容赦を。

<前スレからの続き>
社会人になったおれは、あてのない期待に胸を膨らませていた。

そして、ちっぽけな努力を決意した。
それは、ひとことで言えば「身だしなみに気をつけよう!」ってことだ。

センスのないおれにおしゃれは無理だ。
また、おしゃれしても似合わないことは実践済みだ。

だが、清潔にすることはちょっとした努力でできる。

Yシャツを毎日とりかえること。
Yシャツはクリーニングに出すか自分でアイロン掛けをし、いつもパリッとさせておく。
スーツも安物でいいから数を揃え、毎日同じスーツを着ない。
ズボンの折り目もパリッとさせておく。
靴も最低二足は揃え、かわるがわる履く。そしていつも磨いておく。
風呂に毎日入り下着は必ず取り換える。
朝晩必ず歯磨きし鼻毛の処理もきちんとする。
月に一度は散髪に行く。
773-879:02/03/15 13:02
これらの決まりごとを自分に課し、実践した。
ちなみに、これはいまもそうしている。
効果のほどは、わからん。
というのも、女子社員から「神経質そう」とか
「とっちゃん坊や」などと言われることがたまにあるからだ。

自分としては、努力しようのない部分(容貌)で、
相手に不快感を与えるのを少しでも緩衝するためにそうしているのだが、
裏目に出ているのかもしれない。

ともあれ、出社初日だ。
今日から二週間は本社で研修だ。
研修が行われる広い会議室には長机が並べられ、長机には名前の書かれた紙が貼られていた。
どういう順番なのかわからなかったが、おれの席はいちばん後ろのはしっこ、
皆二人ずつ座っているのに、おれだけひとりだった。

指導官が入ってきた。
新入社員は皆着席していたのだが、
ひとりだけ自分の名前を探してうろうろしている女の子がいた。
手違いで彼女の席が漏れていた。指導官は彼女に、空いているおれの隣に座るよう言った。
運命の出会い(?)だった。
783-879:02/03/15 13:03
彼女の名前はA子としておく。

A子とおれは隣り合わせの席で二週間研修を受けた。
夢のような二週間だった。
A子は短大卒なのでおれより二つ年下。少しだけ子供っぽい、よく喋る明るい子だった。
A子はおれにもよく話しかけてきた。
例によって、おれが、へどもど、おっかなびっくり受け答えすると
くすくす笑った。
そして、さらにいろいろ話かけてきて、
おろおろしながら受け答えするおれを見て、また笑った。

そんなことは初めての経験だった。
A子の表情から軽蔑感だとか悪意だとか、
そういう、おれに対する侮蔑的感情は、どうしても読み取ることが出来なかった。
おれはただ、その無邪気な笑顔に、心が溶けて吸い込まれていくのを感じるだけだった。

研修が終わるころには、おれはすっかり恋に落ちていた。
大学時代、片思いさえままならなかったのが嘘のようだった。
793-879:02/03/15 13:03
研修最終日に配属が知らされる。

なんと!おれはA子と同じ支社へ配属されることになった。
(A子は短大卒なので始めからそこに行くことは決まっている)

おれは、心の中で神に感謝を捧げた。
そして、いままで神を呪ってばかりいたことを懺悔した。

「これからもよろしく」A子が笑いながら言った。
「ど、どうも」
あぁ!こんなときにもっと気の利いたセリフが言えたなら!
瞬時に激しく後悔したが、A子はさも可笑しそうに声を出して笑っていた。
おれは、心が、何か温かなもので満たされていくのを感じた。

支社では、A子は営業事務、おれは総務、
フロアが違うので喋る機会はほとんどなかったが、
営業に配属になった同期の男たちが音頭をとり、月一のペースで同期会が開かれた。
それは飲み会だったりバーベQだったりドライブだったりe.t.c.
803-879:02/03/15 13:04
まだまだ<続く>です。
スマソ
81Mr.名無しさん:02/03/15 14:17
続きを禿げしくキボーン!!
823-879:02/03/15 14:26
月一の同期会。
おれには声が掛からないのじゃないかと思っていたが、ちゃんと毎回誘ってくれた。

その頃のおれは、その同期会だけを楽しみに、毎日を過ごしていた。
同期会のメンバーは男4人、女4人の合計8人。
男たちはみんな気のいい奴ばかりですぐに打ち解けることが出来た。
女の子とは相変わらずうまくは喋れなかったが、
みんな、そんなやつがひとりくらいいてもいいだろうというような感じで、
気にしている様子はなかった。

A子はいつでも気をつかってくれ、おれに構い、おれを笑わせ、おれを笑った。
83Mr.名無しさん:02/03/15 14:26
漏れも激しくキボーン!
843-879:02/03/15 14:26
夏が過ぎていた。

おれのA子に対する思いは日に日に増大し、溢れ出る思いを持て余すようになった。
残業して、フロアに誰もいなくなった隙にA子の履歴書をコピーし、家に持ち帰った。
そして、履歴書に記された彼女の筆跡を飽くことなく眺め、
オナニーし(文字でオナニーしたことのある男はそうざらにいないだろう)、住所を地図で調べた。
休日に電車を乗り継ぎ、彼女の住んでいる町に行って、彼女の家を見つけ、
ドキドキしながら家の前を通りすぎ、彼女が毎日利用している駅のあたりをぶらぶら歩いた。
(その頃ストーカーという言葉は無かった。)

同期会の時に撮った写真のなかで、おれとA子のツーショットの写真を定期券の中に忍ばせた。
そして、たびたびそれを取り出しては、ぼんやり眺めた。
写真の中には眩しい笑顔を浮かべた彼女がいる。
その横にはラクダのような間の抜けた男の顔が。

とてもじゃないが、つり合わないな。
そう考えると、ため息が出る。

彼女の話から、彼女は恋愛経験豊富とはいかないまでも、
そこそこの、年相応の恋愛はしてきてるようだ。
では、おれはどうだ?
恋愛経験どころか、気軽に声をかけてくれるA子とすらまともに話も出来ない。
そして童貞。おまけにティムポは極小サイズ。
なーんにも良いところの無い駄目な男。

諦めるしかないか・・・。
853-879:02/03/15 14:27
「待て!」と、頭の中で声が聞こえた。
「おまえに何度もチャンスが巡ってくると思っているのか?
 いままでA子のようにおまえに話しかけてくれる子がいたか?
 これはチャンスじゃないのか?
 千万一隅のチャンスじゃないのか?
 ああ。そりゃあ、ふられるよ。ふられるに決まってる。
 だが、それがどうした!
 おまえは変わりたいんだろう。
 考えるばかりで何一つ行動に移そうとしないじゃないか。
 トラウマ?おまえはいつまで厨房時代を引きずれば気が済むんだ?
 努力してるだと!
 身だしなみ?
 そんなことは誰もがしていることなんだよ。
 童貞なんていつでも捨てられる機会があっただろう!
 そうだよ。風俗に行きゃあいいんだよ。
 それがなんだ!たった一度、立たなかっただけで、びびりやがって!
 いいか!本当に変わりたいなら、彼女に当たって砕けてこい!
 そうだよ。ふられてくるんだよ。
 だが、それでおまえは変わることができるんだ!」
863-879:02/03/15 14:28
何度も何度もスマソ
まだまだ<続く>が、
多分この次は夕方。
87Mr.名無しさん:02/03/15 14:29
おぉぉ、勇者よ・・・
88Mr.名無しさん:02/03/15 16:48
で、告白したのか?
禿げしく気になるぜ!!
89Mr.名無しさん:02/03/15 16:49
>>88
マターリ
90Mr.名無しさん:02/03/15 17:18
続きが気になる。
913-879:02/03/15 17:27
>>続きを気にしてくれている人たち

スマソ
今日は忙しくなったので、もう書き込みできそうにない。
<続き>は、明日か、月曜になると思う。
92Mr.名無しさん:02/03/15 17:30
(´・ω・`)マッテル。イツマデモマッテルヨ
93Mr.名無しさん:02/03/15 20:55
>履歴書に記された彼女の筆跡を飽くことなく眺め、
オナニーし(文字でオナニーしたことのある男はそうざらにいないだろう
ここでワラタ。確かにいないな
94Mr.名無しさん:02/03/15 21:00
>>93
俺やってるよ
文字でオナニーというか履歴書を書いている彼女を想像して・・・・(;´Д`)ハァハァ
95Mr.名無しさん:02/03/15 21:08
できちゃった婚、4人に1人
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020315-00000011-yom-soci

スマソ、君らには縁の無い話だったね。
96Mr.名無しさん:02/03/15 21:09
<できちゃった婚>10代の母親のうち約8割
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020316-00002063-mai-soci

スマソ、異次元の話だったね。
97Mr.名無しさん:02/03/15 21:10
>95
ソープではいつもスキンを利用してますからね
98Mr.名無しさん:02/03/15 21:49
>>95
=DQNや母子家庭が増えるだけ
99Mr.名無しさん:02/03/15 21:51
>>96
DQN生産工場だな、まさしく。
10代でケコーンした奴の5年以内の離婚率のデータ取ったら明らかにそれ
より上の年齢でケコーンした奴の離婚率より高くなるだろうよ。
100Mr.名無しさん:02/03/15 21:51
子供を虐待して殺す親も増えるな、確実に。
101Mr.名無しさん:02/03/15 22:15
100(´・ω・`) ショボーン
102カプール撃滅集会:02/03/15 23:16
>3-879
おお、約束通り書いてきてくれたんだね。月曜も頼むよ!

>>64
>踏み込んで欲しくない領域にはたとえ親であっても踏み込んで欲しくない。
>精神的な支えは異性でないといけないのだろうか?
→禿同!全くあんたのいう通りだ!!
 精神的な支えは同性の友達でもいい。
 異性が必要なのはHのときだけ(w
103Mr.名無しさん:02/03/16 00:50
10代で結婚してる奴って本格的に馬鹿だろ
104     :02/03/16 01:09
20代で童貞してる奴って本格的に馬鹿だろ
105Mr.名無しさん:02/03/16 01:12
30代で童貞してる奴って天然記念物
106急げ:02/03/16 01:16

http://www4.jp-board.com/0015/1014/masa_cc.html

ラウンジャー達の怒り爆発!
女子中学生ばっかりナンパしてる男のH祭り!




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107Mr.名無しさん:02/03/16 01:22
>>102のレスが憐れでならない・・
108Mr.名無しさん:02/03/16 09:05
>>102
私は同姓の友達もいないので、ペットで寂しさを紛らわせていますが何か?
109カプール撃滅集会:02/03/16 10:22
>>107
キミが哀れだよ(藁)。

>>108
バター犬?
1103-879:02/03/16 10:41
<続き>

おれはA子に告白する決意を固めた。

トラウマを払拭するよい機会だと考えるようにした。

万が一にもうまくいくなんてことは思わなかった。
おれは恋に恋をしているだけだったから。
それは自覚していたつもりだ。

A子には悪いが彼女の気持ちを思いやる余裕は持ち合わせてなかった。

告白してふられる。だが、彼女のことだ。
おれを傷つけるようなことは言わないだろう。
そして、おれはトラウマから解放される。
楽しみにしている月一の同期会への参加も出来なくなるだろう。
だけど、それでいいじゃないか。変わることが出来るんだから。
そう考えるようにした。
1113-879:02/03/16 10:42
でも実際どうだったろう?

支離滅裂だが、おれの頭の中はA子でいっぱいで、
毎日苦しくて、その恋(といっても片思い)の苦しみから解放されたかっただけかもしれない。

決意は固めたものの、告白するチャンスがなかなか訪れてはくれなかった。
できれば電話などではなく、直接二人きりで会って告白したかった。
それも自然なカタチで。
だが、社内で顔を会わせることはほとんどないし、同期会ではなかなか二人きりにならない。
きっと恋愛経験豊富な奴ならこんなことに悩むこともないのだろう。

なすすべなく、おれは、ただ悶々としながらその機会を待っていた。
そんなある日。
たまたま、おれひとりで昼食をとることになった。
(いつもは同じ部署のひとたちと食べに行く)
おれは、隣のビルにある、食堂へ行った。
そこは、ある団体の職員用食堂なのだが、一般にも開放していて、
メニューが豊富なのと、安いのとで、おれの会社の社員もよく利用していた。
もちろんA子たちもよく行っていた。
だだっ広いだけの、何の変哲もない社員食堂といった感じのところではあるが、
広い分、他の店が混みあってる時間帯でも、そこに行けば必ず座れるので、みんな重宝していた。
112Mr.名無しさん:02/03/16 10:42
キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!!
1133-879:02/03/16 10:42
おれはカウンターでうどんと丼のセットを受け取ると、
空いているテーブルを目指し歩き出した。
ふと気がつくと、その空いているテーブルの隣のテーブルに、
A子の他、同期会のメンバーの女の子たちが座っていた。
誰かが、おれに気がついて声を掛けてくれるだろう、と思っていたのだが、
いくら近づいて行っても、彼女等はお喋りに夢中で誰も気づいてくれない。
おれから声をかけるのも気が引けて、とうとうおれは席に着いてしまった。

 女 女
「 ̄ ̄ ̄|
|___」
 女 A

 ○ オレ
「 ̄ ̄ ̄|
|___」
 ○ ○

↑これで位置関係がわかるだろうか・・・。ずれなければいいが。
1143-879:02/03/16 10:43
おれとA子は背中合わせで座っている。
○のところは空席で、反対側に座れば誰かに気づいてもらえるはずなのに、
なぜかこの席に座ってしまった。

彼女等の喋る内容がはっきり聞こえてくる。
おれはドキドキしてきた。
他の席に移ろうか?いや、それも変だ。ああ、どうしよう?
逡巡しながらも、おれは飯を口に運んだ。まさに砂を噛むような感じだった。

悪い予感がした。そしてそれは的中した。

彼女等の話題が同期会のメンバーの話に移ったのだ。

  「どうでもいいけどさー、なんであいつメンバーにはいってるの?」
  「しょうがないよ。男の子たちが呼ぶんだもん」
  「あいつもあいつだよ。何で参加するかなー」
  「そりゃAちゃん目当てに決まってるじゃん」
A子「やめてよー」

おれは、いたたまれなくなって、席を立とうとした。
だが、立てなかった。ブルブル震えてきた。
1153-879:02/03/16 10:43
  「でも、B君(同期会のメンバー)も人が悪いよね」
  「そうそう。Aちゃんと付きあってること言ってあげればいいのにねー」
  「それだったら、みんな悪いじゃん。別にB君じゃなくても誰かが言えばいいんだから」
  「そりゃそうだー」
  「キャハハー」
A子「あのね。ちゃんと見たわけじゃないんだけどね・・・」
  「なになにー?」
A子「この前の日曜日に、うちの近所であいつを見たのよー」
  「なにそれー。どーゆーこと?」
A子「車の中からだったから、私ははっきり顔を見たわけじゃないんだけど」
A子「B君がね、絶対あいつだったーって」
  「あいつ家どこよ?」
  「確か○○のはず」
  「だったら全然関係ない場所じゃん」
  「うわっ。キモチワルー」
1163-879:02/03/16 10:44
おれは胃が突き上げられるのを感じた。
次の瞬間、たった今食べたばかりのものをテーブルの上に吐き戻していた。
彼女等がおれの存在に気がついた気配がした。
逃げよう。
とにかくこの場から立ち去ろう。
おれは立ち上がった。
が、大きくよろめいた。
A子と目が合った。
彼女の顔は恐怖でひきつっていた。
おれは息が出来なくなった。
目の前が少し暗くなった。
倒れそうだった。
手を泳がせ、何かに掴まろうとした。
彼女の肩に手が触れたその瞬間、
彼女は悲鳴を上げ、おれの腕を振り払った。
おれは意識を失い、倒れた。
テーブルに頭をぶつけたのは覚えている。

気がついたのは救急車の中だった。
涙がとめどもなく流れてきた。
「どこが痛みますか?」
救急隊員が何度もそう聞いてきた。
1173-879:02/03/16 10:44
それからすぐ、おれは会社を辞めた。

別の会社に就職し、そこの上司にソープに連れて行かれた。
やはり立たなくて出来なかった。

三十半ばで、また恋(片思い)をした。
これについては、機会があれば、また書きたいと思うが、
いまはまだ書く気になれない。
ただ、年齢に比例して失恋の打撃が大きくなる、いうことはわかった。

恋愛はとっくの昔に諦めている、と、一番最初に書いた。
諦めてはいるのだが、
もちろん、諦めてはいるが、ほんの幽かな期待さえもない、といえば嘘になる。
パンドラの箱ではないが、希望がないと生きて行けぬ。
諦めと希望。この二つが同居しているのは矛盾だろうか。
希望とは夢。決して叶わぬ夢。


最後に
おれの稚拙な書き込みを待っていてくれたひとたち、どうもありがとう。
最近見つけて心に染み入った左千夫の歌を贈ります。


海やまの 鳥けものすら 子を生みて 
   みな生きの世を たのしむものを