栗本 薫 【その4】

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んじゃ自分も感想、ていうかつっこみ。

>たとえば、彼女があらゆる種類の通俗小説を大量に書き続けるのは、
>多くの読者に広く浅く愛されたいからだ。

通俗小説=一般受け狙ったってより、単に温帯の創作動機で一番強いのが「萌え」
だからじゃないの?
BSマンガ夜話で、樹なつみが政治とかSFとか世界の枠組みなんかを作る
作業や勉強は大好きだけど、でも書きたいのは派手派手しい美青年なのだ、
とか言われてましたが、温帯も全く同じでは。
まあ、樹なつみの100倍くらいそれこそ専門書も読んで素材集めるのは好きだけど、
小説にまとめるときは、この地名好きこの設定好きこのシチュエーション好き
(全部萌え)だから、整合性とか緻密な構造などにいまいち欠ける。
思考の深化に耐えられるだけの客観性も論理性もないから、心理学好きでも通俗
レベルの自己中心的な理解に留まっていて、深みというものがない。
もう少し思考と意識レベルが高かったら、自分の成育史の問題(藁)を昇華して
成熟に向かうはずだけど、それより「こんなに可哀相で特別な私」に陶酔する方
が圧倒的に気持ちよくて好きなんだよ。
知識と人格(思考)がリンクしない、いい例だと思うな、温帯は。