栗本 薫 【その4】

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>>558
十代の頃、中島梓先生の評論を熱読しました。
まさか自分語りとは夢にも思わず、客観的な事象の分析として、
感激とともに受け止めていましたね。

曰く、「狭い文壇での評価なんて無意味だ、バカにされる『女子供』
に愛されたした大衆向け作品の方が、えてして時代を代表するのだ」
という主張なんて、女で子供でもあった私には百万の味方を得たよう
に思いましたよ。

いまから考えてみれば、あれも中島先生がご自分の作品への自己弁護と
していっておられた節があるなあ。
いや、今でも内容には一理あるとは思うんだけど。
だけど、当たり前の話だが、大衆作品にもカスは山ほどあるし、文壇
受けする作品にも、後世に残るものがある。

しかし、アホーな厨房だった私は、図にのってしまった。
低俗なバカ小説やマンガの方が「現在」を代表するんだぞ〜、同時代の
人間が大いばりで読んでいいんだ!
この魅力が分かんないやつは、時代とずれた頭の硬い文芸オタクさっ。
なーんてね、自分も立派なオタクだっつーの。ていうか、威張るなよ、自分。