ライトノベルの眼鏡っ娘について語ろう

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熾天使アブデルが霊視で眼鏡っ娘を発見したシーン


「そう! その子はなんと、フレームレス全盛のこの時代に未だに黒縁の四角いフレームだったのだっ!」
「………は?」
「しかもっ! しかもだぞ、賀茂! 今時珍しいセルロイド製黒縁四角フレームというにとどまらず、
その娘の眼鏡は半分ズレて下がっていたのだ! 更に加うれば、髪型は長めの二つお下げ!
どこぞの女学校にでも通ってそうな、古典的なお嬢様タイプの眼鏡っ娘なのだっ!」
「ちょ、ちょっと待て! それ、どう聞いてもタダの眼鏡っ娘じゃないかっ!」
「何を言うか愚か者っ! こんな古典的な古き良き眼鏡っ娘はもはや希少種だぞ!
もしかしたらあれが地球上で最後の一人かもしれん! 恐らくはここの元生徒であろうが、
だとしたらあれはもう数年前の姿だ。まだ生き残っているかどうか気にかけるのは当然だろうが!」
「………」
返事に困る賀茂を脇目に、アブデルは感極まった調子で拳を握った。
「あの太い縁の眼鏡が半分ずれ、そこから微かに瞳が覗いた様は、まさに顔面チラリズム!
完全にズレてもならんし、きちっとかけすぎてもいかん。あの絶妙のズレ具合! 究極だ!
嗚呼、絶滅する前になんとかこの手で大切に保護してやりたいものだが……!」