正直四年後になる前までが一番面白かった。。。
鉄道描写はまったく分からん・・・。
確かに、文明崩壊シーンは面白かった。
鉄道描写は、文明崩壊時の親父やサラリーマンの雄雄しき戦死のシーンに感動を覚え
それが伏線となって「時間どおりにラジヲが放送される」「時間どおりに発車する」
というのが出てるね。
人間完全に荒んで社会から外れると時間や日付なんて関係無くなる。
社会全体がそうなって久しい、その時期に、古い汽車とはいえ、旧文明の象徴とも言うべき
「規則正しい象徴」が現れる・・・・
ハッ、と目がさめると思うよ、きっと。
恐らく、この鉄道描写は鉄道ファンと、職業意識の元に働いてた人と荒みまくって社会を踏み外した者にしか
分からない記述になってるんだと思うよ。
俺は一番最後だけどね・・・
電気が来て、蛇口をひねれば水が出て、電車は時間通りに走り、携帯で誰とでも話せる。
その、後ろにどれだけの人間が努力しているのか、あたりまえのことをあたりまえにできる、
それが「あたりまえだ」と思ってる人間には、あの話はわからないだろうね。
ただの「パニックもの」として読むだけなら、確かに前半だけでも物足りないだろう。
そして、そういう読者の方が、はるかに多いんだろうな。
何故か、この作品は辛酸を嘗め尽くした人間のほうが
社会のありがたみを知っている分、「おやくそく」とはいえ、それに感動してしまう・・・
だとすると「ピクニック」以降の一連のシリーズの評判が悪いというのもうなずける。
「ピクニック」のみがいわゆるライトノベルを読んでいる一般の高校生や中学生の感性で
読めるギリギリのところに位置しているからだろう。
このシリーズはライトノベルではない。かといって、大人の鑑賞に堪えるほどのレベルも持っていない。
売れるわけが無いのに、よくもまあ七冊も出したよな電撃も(w
要は現代の主要な購買層が最も忌み嫌う「拘束」「秩序」「規則正しさ」などの大切さを強調し
「みんなと一緒で間違いない」「みんなと違うことがカッコイイ」「才能さえあればそれで良い」
などを全て否定している。
今のマンガはだいたい後者の3つで構成されているから強烈なアンチテーゼになってる。
つーことは、この作品は主要な購買層ではなく、通常はライトノベルを買わない層が勝って読んでいる
作品と言うことになる。
1では食料と物流の大切さを。
2では人類ががつみあげてきた医療や教育、情報の継承の大切さを。
3では「居場所」と「秩序有る生活」の大切さを。
新1では、当たり前だと思っている米や植物への感謝の大切さを。
新2では、人と違うと言うことの憧れを諭し、リスクへ立ち向かうことの難しさを。
新3では、無関心と言うこと、使命感を持って生きることの大切さを。
そして、最終譚では、限り有る命を精一杯生きることの大切さと、それぞれの職務を全うすることの重要さ。
規則正しいことは文明の基盤であると言うこと、災害時にも荒むことなく未来を見ることの
大切さを。
確かに、1と新2以外は中学高校生ではなく、大学〜40代以上向けだな。
この作者、これを書くために北海道の美深にある「トロッコ王国」まで取材に行ったそうだ。
あそこは、廃線になったJRの線路(片道5キロ)の上を、エンジンつきの保線用のトロッコを
自分で運転して往復できる。
俺も今年の夏行ったんだけど、廃線になって十年以上経過していて、基本的に除草くらいしかやってない線路なんだけど、
鉄橋や、路盤はしっかりしていて、鉄道ってのは、本当にレールさえ残っていれば復活させることは
できるんだな、と実感した。
他にも、大井川鉄道とか秩父鉄道とか、マザー牧場とかいろんなところに取材に行って、
実際に廃車になった機関車を再生する苦労話とかを聞いてきたらしいね。
そういった部分もライトノベルっぽくない理由の一つかもしれない。
妙にリアルな部分が、嫌われるみたいな部分。
しかし、その妙にリアルな部分が普通なら立ち読みで流して買わない読者層を
立ち読みで読み終わったにもかかわらずレジにもって行かさせる魔力に変わるんだよな。
1巻を立ち読みした時の妙なリアルさへの衝撃は今でも忘れられんよ。
それ言えるかも。
漏れは静岡県三島市出身だが「新・時空1」読んだ次の週末に思わず里帰りしてしまった。
その場所にいた人間でなければわからないリアルさが伝わってくる。
一巻の妙なリアル感ってのはやっぱり阪神淡路大震災の体験からなんだろうね。
俺は福岡県頭部在住で毎年毎年うざいほどに台風の直撃を食らう。
中には「もう駄目か」と思う時もあるし、3日間停電になって土砂崩れ起きて全国放送されたことも有る。
震災経験者が一番分かるかもしれないけど、豪雪とか台風とか大震災とか、普段、普通の天気しか
経験してない人には分からない、「何か」を知っている。
そこに訴えかけてくる作品、と言えるかもしれない。
作者自身、そういう境遇に置かれた経験があると言うことだろうか…
阪神大震災への「災害派遣」って経歴が相変わらず謎だな…
てゆーか動力源をどーするかだよ。
機関車あるある再生させるつっても、既に限られてる燃料。
電力も原発とかダムとか弄れるやついんの?
太陽電池とか風力発電も色んな会社が四苦八苦してるわけだし。
二巻あたりで出た大学生だか院生がそんな大量生産までこじつける事出来るかな?
まーコツコツやれば何とかなるんだろうけど、なんか先が見えん感じ。
水力発電というものがある。
あのインフラはおおよそ50年は持つ。
燃料に関しては、ディーゼルエンジンは、かなり粗悪な油、植物油でも動く。
自動車とかトラック程度の10トン未満の物資を運ぶだけなら、大きな機関車は
必要ない。 人口が激減しているわけだから、大量生産大量消費を前提にした物流は
必要ないということだな。
江戸時代よりも、もっと人口が少ないわけだから。
つけたし
>太陽電池とか風力発電も色んな会社が四苦八苦してるわけだし
これは経済性で四苦八苦してるわけ。コストが高いということで。
技術的にはすでに確立している。社会が崩壊して市場がなくなっちゃえば
問題なし。
原子力発電は50年は無理だな技術的にも・・・・・
火力発電も石油の輸入が出来ないし・・・・
すると、水力・風力・太陽・地熱ぐらいか
現実的には水力・風力・太陽ぐらいしか当分は出来ないだろうな
ダムの操作方法と途中の送電設備の整備が出来れば、それを抑えられたコミュニティは
結構便利になるな・・・
燃料は10年もしたら枯渇するだろうし
しかしトンネルの排気吸気ができないから永遠に関門トンネルは不通のまま・・・
で、ついでに青函トンネルは水没したまま・・・でも、関門海峡は渡し舟が多くあったから
あれが無くならない限りは何とか・・・
まず確保しなきゃいけないのは食料
これは米などの保存が利く物が都市部にもそれなりにあるから、当分は大丈夫だろう
農業の再開はそんなに難しくはないだろうし、漁業という手もあるし
衣類・住居は多分余り気味
燃料は数年でなくなるだろうから、エネルギーの確保が重要だろう
鉄道などの大量輸送手段はその次だと思う
最終譚では電気をどうしてたんだっけ?
930 :
イラストに騙された名無しさん:03/09/25 14:28 ID:Wsmabq6L
東飛白の例に漏れず自家発電かなあ?
いよいよになれば焼け落ちてない病院やコンビニとかから自家発電機かっぱらえるし・・・
でも、燃料無いとな・・・って、軽油は爆発てなけりゃスタンドからゲトできるか・・・
>>928 関門海峡は、でかい橋がかかってるからいいんじゃね?
人口が激減してるから「文明=インフラ」を維持しようと思ったらコミュニティ
の集約化は避けられないだろ。
人口増産に励んで50年は「たけのこ生活」しないと70年代レベルの生活復活は無理。
(50年代も無理か)
933 :
イラストに騙された名無しさん:03/09/25 17:47 ID:RhU9EGEm
>>831 多分事故やメンテナンス不足で落ちてると思う。
あれはそういう橋・・・
その昔、小松左京が日本沈没を書いたときに、これと同じような議論があったそうだ。
「もしも…」という仮定で事実を推定していく擬似イベントと呼ばれるジャンルだね。
「もしも…」という仮定はひとつだけど、そこから派生していく事象はそれこそ山のように
あるわけで、それなりに取材して、調べて、なるべくウソを排して…とやっていくのは
大変な作業だと思う。
これなら、超能力者が!とか、魔法が! とか失われていた血筋が! のほうが、とっつきは楽だし
そっちの方がラノベとしては本流なんだよな。
電撃だから世に出た、というべきか、だから最終選考で落ちたというべきか.
うーむ・・・世が世なら「日本沈没」並だったってことか・・・
一見、お約束の連続のように見えながら社会経験を元に検証しなおすと異常に深い
作者からの問題の突きつけが有る・・・・これは、でたまかはともかく、時空に関しては
作者陣はあなどれんな。
>>927 火力なら石炭を使うという手がある。
一つのコミュニティが総力を挙げれば、廃坑を復活させることは可能。
また、亜炭・泥炭レベルの品質の石炭なら結構どこでも掘れたりする。
極端な話、石炭があれば風呂用のボイラーでも火力発電は可能。
日本の炭坑がエネルギー革命に乗り切れず閉山したのは、資源の枯渇というよりも、
コストと品質で問題があったから。
物流が崩壊した世界ならその辺の問題はなくなると思う。
>>918 ライトノベルではアンチテーゼとされがちな「秩序」に真っ向から取り組んだことは、
正直評価されて良いのでは。
混沌の醜さをリアルに描くことで、上手く読者に問題を提起している。
ラノベで「社会」を描いている稀有な作品だろうな。
「社会」と「個人」の対立なんてものはラノベにはなじまない。つーかぶっちゃけ
ラノベってのは「個人」だけ描いてりゃいいわけで、社会なんてのは設定の一要素にすぎない。
主人公が悪魔と戦う、という話なら、主人公側のキャラを立てるのに「対魔捜査官」とかいう
肩書きと、設定を作る。みたいに、社会とか組織ってのは主人公に従属するものとして
とらえられているし、それが認められているジャンルなわけだ。
主人公が、まったく普通の人間で、まわりの社会も普通の社会で、そこに「もしも…」という
要素を一つぶち込むだけで、すべてが変わる。その変わり方や、変わったあとの世界を描くには
まず、その普通の世界を知り尽くしていなくちゃ描けないんだと思う。
だから、時空シリーズはラノベのふりをしている別のものだね。異世界もの、でも青春もの、でも
パニックもの、でもない。
時空もの、としか言いようが無い。分類不能ジャンルだね。
>ラノベってのは「個人」だけ描いてりゃいいわけで
それもエライ偏見だな。
「ラノベ」なんてジャンルは「なんでもあり」が最大の特色なんだよ。
そして最大の長所でもある。
稀有な設定であると言うことは言える。
何より、この問題がすごいのは、散々「超第三帝国を倒せ」とか言って沖縄以外全て
ナチスにやられてる世界で何とかひっくり返すだの、米ソやナチス・ソ連に分割統治された日本
からの独立戦争に未来の日本が介入とか、そういった歴史改変小説を読み飽きるほど読んで
それらを立ち読みで済ませてた自分自身が立ち読みしちまったあとも「欲しい」と思ってしまった
事かな。
歴史改変小説の分野に居ながらライトノベルのギリギリの枠で架空戦記小説を描いてる、
まさに他の世界の日常を切り取ってきてるという点で、この小説はすごい。
で、時に、でたまかはこういうの有るん?
それとそろそろ次スレの季節ですな。
ライトノベルでも社会派のものを書いていけないと言う事はないだろうね
でもそんなの売れるかな?ってことで。
でたまかは、まあ楽しめるけど、時空よりお勧めではないな
時空は原作者がいるからよかったのかも。
一巻のプロットだけとはいえ、物語全体を包括する思想みたいなものが
よかったんだと思う。結構な年齢(40歳ぐらい?)で選に落ちたのは
文体が古臭かったからだとか。