「ご姓名の儀うけたまわりたい」
「売文屋栗本薫と申す」
「重ねておたずね申しあぐる、またの名を温帯と呼称さるるや」
「左様」
「これより先は同人コミケ領、一歩たりとも立入ることはお断り
申しあぐる、ひきかえされよ・・・その理由は申しあぐるまでも
ござるまい」
「われはヤオイの冥府魔道に生き六道四生順逆の境に立つ
ひきかえす道などはござらぬ」
「たって通ると申さるるならば是非もない、コミケとしては
貴殿の首を討って2ちゃんに差出さねばならぬがよろしいな」
「わざわざのおことわり感謝申しあぐる・・・
かまえてコミケに抗するものにあらず
ヤオイの彼岸に逝かんがために作家を捨て人間たるを捨て
申したればご容赦下されよ」
(オーガ並の戦闘能力を発揮し、鎧と騎馬で武装したコミケの
門番たちを皆殺しにした温帯。その中にはかつての友も含まれていた)
「うう・・ううう・・うわあああーッ」
この宿命の売文屋は果てしなき無情の嚝野に慟哭した。
肺腑をふりしぼるそれは血の叫びであった。
人の世は草萌えを祝う新しき春が・・・
しかし・・・この売文屋にはキャラ萌えを貫く冥府魔道が・・・
変わることなく 終わることなく続いていた・・・