ZETMAN感想。ややバレ
まずZETMAN未読者に対して。
未読であっても概ね読めると思うが、一点、ほとんど作中で触れられていない重要な点について。
本作品の世界では、人間に擬態した怪人たちが数十人街中に潜んでおり、時折大暴れして
多数の死傷者を出す事件が発生しており、コウガとアルファスの最も重要な目的は、それら
「プレイヤー」と呼ばれる怪人と対決し、打倒することである。
(この点をわかっていないとアルファスの武装がパフォーマンスにしては過剰すぎるので)
一見、普通に一冊分の分量がありそうに見えるが、文字が大きく字間行間が広く
紙が分厚いので実質、中編程度の分量。
原作がさほどスケールが大きくない(仮面ライダーやスパイダーマン程度のスケール)
せいか、古橋らしい自由奔放で豪快な展開はなく、オリジナル主人公の葛藤や内心の
変化が本作の主要な見所になる。
また、原作ファンとしてはヒーローオタクぶりを空気を読まずに発揮して空回りしまくる
コウガの描写も見所だ。
個人的には、少々こじんまりし過ぎているところ、ヤンキーの描写がありきたりなところが
不満だった。装丁がやや特殊で分量の割に値段が高めなところがネック。
コウガのファンならオススメ。
(むしろ後書きで言ってた桂版ウォッチメンの方がよかったのでは……)