ちなみに,同神木家
昔は、あまり特徴のない家だったが、瀬戸という稀代の女傑を得たことで、
対外的には樹雷皇家とは神木家を指すようになっている。事実、瀬戸は
樹雷の影の支配者とも言える存在となっているので、あながち間違い
ともいえない。
瀬戸イコール神木家の家風とも言えるほどの強烈な個性を持つ彼女ではあるが、
瀬戸自身に支配欲は無く、前樹雷皇から後継指名があったものの、あっさりと
それを拒否、前樹雷皇を落胆させたのは有名な話。
柾木家の県委の復権をさせようと、樹雷皇候補として阿主沙を連れてきて教育した。
若い女性の桧は『樹雷の鬼姫』と呼ばれ始めた頃の瀬戸。
若い頃の破女は、女性にしか興味はなく、『樹雷の鬼姫ならぬ樹雷のお姉さま』で
あったが、あるきっかけによリハーレムを解散。その時の後処理がのちのお見合い
趣味の発端となる。
ちょっといいかな?と思った最初の男性は、魅月をかばって追放された阿麻芽の兄
だったが、どららかというと親友状態だったのでそれ以上発展せず、阿麻芽の兄も、
とっとと出先で恋人をつくって結婚したもんだから、まあいいかって感じで数十年後の
内海のプロポーズを受け、結婚。本気で好きになってしまった阿主沙とせめて自分の
娘をくっつけようかとしたら、いろいろあって、「人生ままならないわね」と思いつつ
今現在に至る。
内海自身、瀬戸の思いは知っているが、そうなったら船穂と美砂樹が気の毒なのと、
瀬戸を阿主沙に押っつけるというのは、あまりに非人道的な感じがして、「自分さえ
我慢すればいいのだ」と考えつつも、瀬戸台風の直撃が無くなるという誘惑に
抗いきれない、と惑じているのも事実だったりする。
もっとも内海の瀬戸に対する想いというのは責任感と尊敬の念であり、女性に対する
ものではなかったりするので、今後どうなるかは分からない。
数万年後.内海が寿命で遊ったあとだったら、阿主沙との間に一人っくらい
作っちゃおうかってな事になるかもね。
内海「(死の床で)……瀬戸を頼む」
阿主沙「(嫌そうに)え〜〜っ!?」
内海「仕方ねえだろ!俺の手元にゃババのカードしか無いんだからよ」
ってな感じかな?
雪霞の林で気持ちよく惰眠をむさぼっていた所を幼い頃の内海に起こされ、
その腹いせに小学生に悪辣非道な冗談を仕掛ける。その冗談を思い留めておけば、
阿主沙とのカップルが成立したわけだが……。
当然、それが瀬戸の冗談と幼い内海に分かろうはずもなく、しっかり真に受けて、
責任をとろうと、長く辛い修行の道を歩み始める。その原動力となっていたのは
あくまでも恐怖感と使命感であり、それが瀬戸への愛へと昇華される事はなかった。
ただ、修行すればするほど、瀬戸と同じ道を行こうとすればするほど、瀬戸の偉大さを
痛感、強い尊敬の念を抱く事となる。ただその事が、二人の間を女皇とその部下と
いった様相を濃くし、美砂樹が生まれたあと、仲は良いが二人の間に子供が
生まれることはない。
(たたなかったりするんだな,これが)