ロマンティック・サイボーグ 倉田 牛吾
手に取った瞬間に判る紙の厚さ。裁断面からも見てわかるように、いい紙をつかっている。カバーイラストもしっかりとした光沢紙を使い、大胆な色使いのイラストが映える。
その重さは、商品としての本の完成度の高さを感じさせる。腰帯までをデザインとして組み込んだカバーには感無量だ。
本文も読みやすいフォントサイズと行ピッチが読書経験を阻害しない。やや厚めの紙だからめくりやすく、読みすすめると、めくったページがしっかりとした手ごたえを与える。
ライトノベルの作法であるあとがきを潔く排除した自信は、読み終えたときの開放感をこれまで以上に感じさせた。