かなり昔のやつ。何年たっても忘れられなくて困る。
作者も途中で丸投げしててアレな作品なんだが。
王領寺静(藤本ひとみ)著の異次元騎士(?)カズマシリーズの海賊編あたりだったと思う。
割とうろ覚えなんだが、大航海時代あたりのイギリスだかフランスだかが舞台で
主人公に惚れた貴族のお姫様が海賊にとらわれ海賊たちのなぐさみ者に…
主人公が助けに行ったが、時すでに遅く、かろうじて息はあったものの見るも無残な姿で…
未だに忘れらんねーんですよ。もう。最後まで正気だったのがまた哀れで。
次の巻から新章突入して舞台がローマ時代(カエサル存命中)のためか、
主人公はスッカリそのこと忘れてるし…哀れすぎる…
俺は敵の海賊島に潜入し,船長の部屋に乗り込んだ。誰もいない。
くそっ,ヤツはどこだっ!
とそこで,ベッドの上に鎖で縛り付けられている黒人娘を見つけた。
彼女は叫んだ「カズマ! 来てくれたの?」
俺にはこんな丸顔の黒人女は知り合いにいないのだが……ってマノン?
そんな馬鹿な,彼女は卵形の顔をしていたし,薔薇色の肌だった。
そして二重で勝気なグリーンの瞳を持っているんだ。
しかしそれは間違いなくマノンだった。
顔と肌はボコボコに殴られ腫れて黒ずんでいて,片目はつぶれている。
左脚は膝から逆方向にまがっており,歯も1本も残っていない。
「ごめんね,カズマ。分からない? そうよね,私ここに連れて来られてから
一度もお風呂に入っていないし,汚くて分からないわよね。
あれからね,私ずっと何度も海賊たちに抱かれたわ。
でもね,私その相手をカズマだと思うようにしたの,だってカズマなら
殴られても何をされても嫌じゃない。耐えられるから。許してくれる?
私,鏡すら見てないのよ。
前に思い切り抵抗したとき殴られて以来,目も良く見えなくて……。
ねぇ,私醜くなった?」
俺は彼女を抱きしめ,唇を吸った
「いや,マノンは綺麗なままだよ」