2chライトノベル板大賞 2006下半期

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126イラストに騙された名無しさん
●2006年下半期ライトノベル板大賞

<<護樹騎士団物語 V 界梯樹のひみつ>> 【著:水月郁見/絵:鈴木理華/レ:トクマ・ノベルズEdge】
シリーズ最高傑作だった四巻からさほど間をおかずに出た五巻ですが品質は落ちていません。
一言でまとめると騎士が馬の替わりにロボットに乗る異世界ファンタジーなのですが、
いわゆるビルディングストーリーの王道を進んでおります。いちいち書くよりポイントを挙げます。
巡礼の少年。父との離別。城。火事。敵襲。美しい女中。漆黒の指揮官。陰謀家の紋章官。
しゃべる謎の黒猫。緊急避難。起ち上がる螺旋の騎士。爆発。飛び散る人間。開戦。逃げ惑う人々。
山賊。若き商人。戦争。決闘。騎士団。憧憬。試験。ツンデレ登場「蹴り殺すぞ」←いまこの辺り。
出版間隔が短く、作者がのって書いているのがわかります。六巻「幼年学校候補生」は来月下旬。

残りはまとめて書きます。

<<七王国の玉座W 氷と炎の歌1>> 【著:ジョージ・R・R・マーティン/絵:菅原健/レ:早川SF文庫】
<<七王国の玉座X 氷と炎の歌1>> 【著:ジョージ・R・R・マーティン/絵:菅原健/レ:早川SF文庫】
<<剣嵐の大地1 氷と炎の歌3>> 【著:ジョージ・R・R・マーティン/絵:鈴木康士/レ:早川書房】
<<剣嵐の大地2 氷と炎の歌3>> 【著:ジョージ・R・R・マーティン/絵:鈴木康士/レ:早川書房】

まずは、あらすじ

季節が崩れ、夏と冬が交替で何年も続く「七王国」。十五年ほど前に狂った王を退位させてから、
王国の大貴族たちは不安定な休戦状態を保ってきた。ところが、現バラシオン王の補佐官「王の手」アリン公が
急死してから状況が一変する。鉄の玉座を巡るゲームが北部総督スターク家の子供たちを巻き込んでゆく…
一方、南方の草原では七王国旧王家の末裔が玉座の奪回を狙っていた。王国の北側にある「壁」の向こうでは
死体が動きだし野生人が不穏な動きを。空には真っ赤な彗星がその姿を現していた。七王国に冬が訪れる…
127イラストに騙された名無しさん:2007/01/17(水) 04:35:02 ID:4yt5/7Ae
特徴

『氷と炎の歌』は決まった主人公がいません。三人称で書かれていますが、視点を持つ主観人物が
8人居て(当初)それぞれの章が交互に描かれます。王国の様々な離れた場所で同時進行
している出来事が一冊に書いてあるのです。視点人物は絡み合い、また離れて、物語を紡ぎます。
ゆえに登場人物は膨大な数になりますが重要人物はやたらとキャラが立っているので非常に読みやすいです。

視点人物を簡単に紹介すると

エダード・スターク:七王国北部の領主。嫌々ながら新たな「王の手」に任命される巻き込まれ型主人公。
ケイトリン・スターク:エダードの妻。おはようからおやすみまで現実を見つめる冷静な主人公
ジョン・スノウ:エダードの私生児。北の壁を護る「夜警団」に入団。とんでもない目に合う修行型主人公。
サンサ・スターク:エダードの長女。次から次へと大変な目に合うオーソドックスなお姫様型主人公。
アリア・スターク:エダードの次女。これまたひどい目に合う貴種流離譚型主人公。
ブラン・スターク:エダードの次男。一番最初にひどい目に合う成長型主人公。
ティリオン・ラニスター:出てくる度にひどい目に合う現代型主人公。小人で醜男ですが気のいい男です。
デーナリス・ターガリエン:スタート地点が一番ひどかった王道主人公。最近は覇道疾走中。
文庫の一巻でこれだけ。巻が進むごとに増えていきます。
基本的にこの物語に出てくる人物はひどい奴かそうでなければひどい目に合うかのどちらかです。
128イラストに騙された名無しさん:2007/01/17(水) 04:37:23 ID:4yt5/7Ae
出版形態

『氷と炎の歌』の翻訳は、まずはハードカバーで第一部が出ました。『七王国の玉座』上下巻です。
それが今期において文庫化(上下巻を5分冊)されました。大賞期間内に出た三冊(V・W・X)のうち、
二冊(W・X)を今回は挙げてあります。
第一部『七王国の玉座』ハードカバー上下巻は数年前の出版なので期間外。文庫のT・Uも期間外。
第二部『王狼たちの戦旗』上下巻も期間外。そして二年ぶりで出ました
第三部『剣嵐の大地』全三巻のうち期間内に出た1巻と2巻も大賞に挙げてあります。
なお『剣嵐の大地3』は今月上旬に発売されております。

検索してみると絶賛の声しか見えてこないので疑わしく思う方もいるでしょうが驚いたことに
本当に面白いのです。というかヤバいです。しばらく思考が抜け出せなくなってしまいます。

長文すいませんでした。

次点。
銀盤カレイドスコープ。煉獄のエスクード。戦う司書。ヤングガンカルバナル。円環少女。
129イラストに騙された名無しさん:2007/01/17(水) 04:39:13 ID:4yt5/7Ae
●2006年下半期ベストキャラクター賞

 {{ウォルダー・フレイ}}(氷と炎の歌)
 家族の為、領民の為、そして正義と信念の為、一度は盟約を結んだ相手を
敵に回さねばならなくなってしまったフレイ遅参公の立場を考えるだに
頑張れと声をかけたくなってしまう。へー。へー。へー。ってトリビアかよ。

 {{グレガー・クレゲイン}}(氷と炎の歌)
 七王国最強の剣士。馬を駆る山。その名もマウンテン。今回も大活躍でした。
やはりこの人は戦っている時が一番生き生きとしていると思います。

 {{ジャノス・スリント}}(氷と炎の歌)
 金マント隊隊長の座を追われて、北の大地に追放されてしまった我らがスリント卿。
捨てる神あれば拾う神とは言ったもので。北の壁を守る「夜警団」でもたちまちに
人望が集まり、次期司令官になるところでしたが、なんと、ここでもまた陰謀で
その座をも奪われてしまいます。この人はなんでこうも毎回不運なのか。復活に期待。

 {{タイウィン・ラニスター}}(氷と炎の歌)
 トイレに座っていても絵になるいぶし銀。それがラニスター公。
少年王を助け、押し寄せる外敵をこっぱみじんに。おなかの怪我が気になる。

 {{ジョフリー・バラシオン}}(氷と炎の歌)
 鉄の玉座の唯一にして真の後継者。七王国の領主。国土の守護者。
エイゾール・アハイの再来にして脅威からの救世主たる少年王は
今回も輝いてました。世界が彼を放ってはおかないのだからしょうがないよね。