つまらない小説を無理矢理褒めちぎるスレ4

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267イラストに騙された名無しさん
スレ違いかと思う方もおられようが、まあ聞いてくれ

「天帝のはしたなき果実」古野まほろ 講談社ノベルズ
第35回メフィスト賞受賞作。

諸兄の中にはメフィスト賞と言うだけで、何か言い知れぬ感動を覚える方もおられよう。
知らぬ方は知るがよい。例えば――
第2回 - 清涼院流水 - 『コズミック 世紀末探偵神話』
第4回 - 乾くるみ - 『Jの神話』
第11回 - 高里椎奈 - 『銀の檻を溶かして』
第17回 - 古泉迦十 - 『火蛾』
第19回 - 舞城王太郎 - 『煙か土か食い物 Smoke, Soil or Sacrifices』
第21回 - 佐藤友哉 - 『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』
第23回 - 西尾維新 - 『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言使い』
第35回 - 古野まほろ - 『天帝のはしたなき果実』
如何か。受賞者の名をご覧になれば恐怖すら抱く筈だ。
メフィスト賞の誘惑は当スレ読者にとってすら悪魔の囁きに等しいことがお分かりいただけよう。

268イラストに騙された名無しさん:2007/01/17(水) 19:25:20 ID:FAw7XxFH
さて、栄えあるこの作品はいったいいかなる名作であろうか。
そして何故私は、ラノベ板でこのような世迷言を書き連ねているのであろうか。
答えはまさに作品そのものが隠すことなく、全身全霊をもって主張している。
通常より小さめのポイントで印字された文章の何と饒舌なことか。
横溢する衒学趣味は鹿鳴館に佐藤友哉を五年間漬け込んだかのごとく。
あるいは八房龍之助の漫画から端書のテキストまで全てを
一字一句欠くことなく活字に落とし込んだかの如く膨大な密度で読者を酩酊させる。
会話の軽さは舞城王太郎に匹敵し、妙さは西尾維新に匹敵しよう。
登場人物のキャラクターのスバらしさは高里椎奈を最初に読んだときの衝撃を思い出させた、と言うだけでもはや十分だ。
劇中劇と劇中曲と劇中歌の素晴らしさはモー娘。を大正時代に連れて行ったかの如く。
飛び交う名状し難き擬音と罵声は旧支配者への祝福の如く。
単語を埋め尽くすルビの密度は編集者への呪いのごとく。
またそのルビ自体も一つの言葉のみでは到底表しえぬ。
英語仏蘭西語独逸語露西亜語日本語ウヨ語サヨ語2ch語ガノタ語金管語の圧倒的な奔流。
その奔流にのせ歴史音楽史陰謀論SFFT伝奇新伝奇虚実皮膜を魔女の釜に叩き込み溶けるまで煮込んだ結果が
まさにこの作品である。古今東西のあらゆるキー・フレーズが乱舞しながら絨毯爆撃を加える中、
読者は目くるめく迷宮に叩き落され、それでもなお喜びに踊り狂うに違いない。
しかも――上記の要件を満たしつつなお、この作品は
あらゆる意味においてミ ス テ リ ー であり青春小説なのだ。
富士ミスがLOVE:推理=1:1だとすれば私は敢えてこの作品は100:100であると宣言しよう。
269イラストに騙された名無しさん:2007/01/17(水) 19:26:55 ID:FAw7XxFH
謎解きそのものが奇跡のようなこの物語。日ごろ文庫以外あまり買わない方であっても、
貴方が彼等と同じ高校生であれば尚更のこと、ぜひお奨めしたい。きっと、戻れなくなる。
いくつもの奇跡を作品の中で爆発し蕩尽しながら、この作品は見事に完結する。
その素晴らしさに比べれば、作者すら忘れていると思われる伏線がいくつも有ることなど些細な問題に過ぎない。
最期に一言だけ記して、このふしあはせの犬は去ることとしよう。この小説の最大の奇跡は









本 当 に 面 白 い こ と だ