>>244 七姫の場合、話の展開や人物の魅力など、他と比較しやすい部分については中の上程度の作品と思います。
つまりその点で言えば、「絶対おすすめ!」ってほどでもありません。
他の作者(作品)と比べて特に優れているとゆうか、稀有な作品と思う部分は、
少女(カラ)の視点で捕らえた世界、つまり自然、季節、社会、人々などの描写が、独特の質感で描かれていて、
風のやさしい香り、木々の木洩れ日、祭りの喧騒、雪夜の静寂、などが、実体験したように心に広がる(染み込んでくる)部分です。
ただし、この感覚は作者と波長が近くないと、字面の描写をそのまま頭で理解するだけで、
心に広がることはないので、なにが良いのかさっぱり理解できません。
また、そもそも、読者自身に、風の香り、木々の木洩れ日、祭りの喧騒、雪夜の静寂などを、
情緒豊かに受け取った経験が無い場合は、そもそも感覚の再現が出来ないので、さっぱり理解できません。
また、作品の魅力である、独特の描写は、決して万人受けするもでもありませんし、
細かく丁寧に描かれているため、人によっては「描写が細かくてうざい」「サクサク読めない」と思うかもしれません。
試し読みしないで買うには、少しリスクのある作品と思います。