1 :
イラストに騙された名無しさん:
ラ板住人のラ板住人によるラ板住人のための一行リレーラです。
<ルール>
・一レス一行にまとめること
・前の人のレスを受けて展開させること
<禁止事項>
連投/夢オチ/シモネタ/即死/ライトノベルをラノベと省略すること/流れを読まない粘着
次巻は
>>980が出版することとします。この辺例外もあります。
過去ログは
>>2-5あたりにあります。
2 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 00:11:22 ID:yzr/sNzT
3 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 00:11:53 ID:yzr/sNzT
深夜、およそ生き物らしい気配を感じない荒野。ここを一人歩く男の姿が月明かりに照らし出される。
ボロ布を纏い体を引きずり歩いている「・・・此処は何処だ、俺は誰だ」
お前の名はパンダ。中国4千年の歴史が生んだ最強の白黒のニクイ奴。
なんだか記憶が錯乱しているが俺の名は山田テル(17)。最愛の妹・山田ミクを日本一のアイドルに育て上げ、2ちゃんねるにミクたん板を作るのが夢だ。
そうだ俺は妹と、妹は?それに何で荒野にくそっ!思い出せ、思い出せ何があった!?
白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒…………そうだパンダだ
未来のスターたる妹のミク(12)に脈絡のない意味不明なネットカキコミにも負けない強い精神力を養うため、かつての戦場・岐阜県関ヶ原にやって来てた俺たち兄妹だったが・・・。
気付いたらおよそ生命の気配の感じられないような荒野にいた。
何が起こったのかわからんが、妹を探さなければ。そんな時、声をかけられた「おい、そこのあんちゃんいきなり現れて何処から来たんだ?」
見ると40前後のサラリーマン風の男だ「まあいい。今更関係ないな。来な、あんちゃん。『ムシ』の餌にゃなりたくねえだろ」
14 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 08:54:10 ID:ARHtSnMX
「ムシ・・・ムシってなんですか?ここはどこなんですか!?俺は昨日まで上野動物園のアイドルだったはずなのに。」
15 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 08:58:24 ID:/bq4lJ8c
「いつまでも過去の栄光にすがるな!このパトカー配色野郎!」
「そんな…。僕だって、好きでパンダに生まれたわけじゃないんだ!」ジリリリリ……。聞いていて非常に不愉快な不協和音が鳴る。そして俺は目が覚めた。
「・きろ!」「うーん、むにゃむにゃもう少し寝かせてよテル兄ちゃん」「起きろ!女!」「ひゃい!・・えーとコスプレ?」目覚めると俺は騎士に囲まれてました
18 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 10:29:46 ID:r8c3HBaT
「お兄ちゃん、どうしたの?」と心配そうな妹の声。振り返るとそこには
体長3メートルはありそうなゴキブリの大群
をむさぼり食うモンスターがいた。「はい、お兄ちゃんも剣を持って戦わなくちゃ。レベルあがらないよ」・・・やべぇこれがゲーム脳ってやつか
「違うよぅ。お兄ちゃんがゲーム脳脳なんだよぅ」妹は涙目で反論した。
22 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 11:02:19 ID:+1cuPs1y
ゲーム脳脳って…あれか?俺がゲームの脳になってて、俺が考えたことがゲームになるってことか?
あれ何が何だかわからん「・・ろ、起きろ兄ちゃん!」あれ、さっきのが夢か?俺は荒野にいた「起きたか、夢食い虫が小型で良かった大型だと町一つ覆うくらいだからな」
関ヶ原で不思議体験した兄妹だったが、二人はオーディションを受けるため上京。テレ朝のある六本木ヒルズへとやってくる。ミク「あ!タモリがいるー!!生タモリー!」俺「遊びに来たんじゃねぇって!」
ぼんやりしていた視界が輪郭を取り戻す。声の主は赤銅色に日焼けした、鋼のように逞しい男。簡素だが剛健な革鎧と厚手のマントに身を包む。ひときわ目をひくのは、背中に差した大剣だ。「ま、オレのことは黒男爵とでも呼んでくれや。仲間はそう呼んでた。で、あんたの名は?」
さすが六本木、キャッチセールスも演出が凝ってるぜ。「いえ名乗るほどの者じゃありません」
というわけで愛エプ、Qさま、検索ちゃんの番組アシスタントののオーディションへとおもむく。なんかバラエティばっかだな。
28 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 20:13:27 ID:nEqKcoQq
3時間後、すべてのオーディションに落ちた兄妹は放心状態で荒野を歩いている・・・
「輝兄ちゃん私、別にアイドルなりたくないんだけど。」「何を言う今回は残念だったが、お前の愛らブベッラ!」ミクによる後ろ回し蹴りが炸裂した「はぁ帰ろ、って此処何処よ?」
そのとき女の声が。「あなたたちこっちがわの世界に来ちゃったのね」俺「え?」「私? 私の名前は美奈」
「中国4千年の歴史が生んだ白黒の精」
テルは息を呑む。「あんたが――あの伝説の『モノクローム』だって?」
まて俺は何を言っている「ふーん、世界移動の最中だから色々な情報が頭に入力されてるのね」まて何を「飛ばされるわ意識をしっかりね」
そういって金蹴りを繰り出すお姉さま。覚醒状態を通り越してイっちまいそうだ。
35 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/11(火) 23:14:08 ID:nEqKcoQq
前屈みに崩れながら意識が遠のいていく。誰かが俺を担いだような感触を最後に俺はオチた。
その衝撃で思い出した。…そう、だ。今までのは、断片化しているが…俺の『記憶』だ!―――そう、全ての事の発端は1ヶ月前の7/11。奇妙な空間を通ってこの世界に落ちた俺とアイツがあの荒野で出会った時から始まったんだ。
白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒・白・黒…………
そう頭の中で唱えて邪念を振り払うと、荒野で俺の目の前に立っていたのは40前後のサラリーマン風の男だった。
「黒ーー!」「起きたか、あまり人の名前を叫ばないで欲しいな、でっなんで死の荒野にいたんだ?」俺は簡素なテントで黒男爵と名乗る男が前にいた
ここは…そ、そうだ!黒と白のトンネルを抜けるとサラリーマン風の男のふりした実は虫に襲われて俺は…って、あれ?俺なんで生きてるんだ?
美奈「危ないところでした。呼吸が止まったあなたに私が・・・」頬を染めている。「ま、まさか・・・!」
「とどめを・・・」
43 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/12(水) 00:04:00 ID:nTJgqWcy
「刺したのですが……」
その瞬間、黒男爵(ブラックバロン)が抜刀し突如現れた(あらゆる意味で)謎の女に剣を突きつける。「あら物騒ね」「…何者だ?少なくとも人間ではあるまい、正体を現せ化生」
「いえ勘違いなさらずに貴方に寄生しかけた虫のほうをです、ですが貴方と体質があったようで体の一部に、虫は幼生体なら自我はありません芽生える人格は悪とは限りませんが注意を。では黒男爵、後は任せました」
「わかったお前は先に行ってくれ……ってンなワケあるかー!!」「あらいいノリツッコミね♪ご褒美にコレをあげるわ」
「……!」絶句。それは妹の下着だった。
「…」「ほ〜ら、パンティだよぉ♪どう嬉しいでしょ?」あ、黒男爵の眉間に青筋が。…ありゃそうとう怒ってるな。
「冗談よ!ほらスマイル、スマイルあれこの姿じゃわからない?」そういうと女は金髪碧眼に変わった「ふう、お前かで今度の姿の名前は何だ?」
「ゼブラーマン――そう呼ばれているわ」
「美奈ちゃんやアカネちゃんやメグルちゃんも捨てがたかったけど、やっぱ白黒…」「おい、あんたその下着を何処で手に入れたんだ!?」俺はなんか漫才してる女に食いかかった。正直訳の分からない事ばかりだが、まさか妹も危ない目に合ってるのか!?
「うふふ、知りたいの、私の名前?」女は妖艶に黒男爵にささやく。「ああ、知りたいな。なにせ」にやりと笑いながら大刀を女ののど元に凝らす。「殺す相手の名ぐらい憶えておきたいだろう?」「私は、魔女、モノクローム。光と闇の狭間にひそむモノよ」
「あのー、俺を放置しないで・・・」そう言おうとするのを遮ってテントの外から悲鳴のような叫び声が聞こえた「うわぁぁぁ!ムシだぁぁぁぁッ!」
「そうだ、俺をムシするな…って、え?」あれ、なんかさっきから地響きがしているような…。そして従者風の身なりをした少女が慌ててテントに駆け込んで来て叫んだ。「黒男爵さま!虫です、虫の大群が!」
「分かった。すぐに出撃する。お前はこの異邦人を街まで連れて行け。ムシが覚醒しそうだったら…殺せ、躊躇するな」
「了解です!」少女の行動は迅速だった。素早くテルの腕を掴み、走り出す。――明日へ向かって。
そして『明日への町』へついた。町は俺が知っている町とは全然違っていた
小柄な体格に見合わぬ少女の怪力に引きずられて来た場所は、街というより巨大な蟻塚のように見えた。
59 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/12(水) 01:50:23 ID:qO0Rtd3n
「まるでそびえたつ糞だな。」
少女は迷うふうもなく、僕を引っ張ったままいくつもの角を曲がり、木戸を潜り、幾人かの怪しげな男どもに目配せをしながら、ある路地裏のドアの前にたどり着いた。「宵闇の魔女は月の花を望む」小声で少女が告げる。音もなくドアが開き、僕らを吸い込んだ後、元通り閉まった。
なんか一人称変わってるテルは感嘆する。「本当に糞の中みたいだ」
番組の途中ですが、ここで業務連絡です。
「いったん流れを停止し、緊急対策会議を開き
>>100あたりから
再スタートすべきじゃないでしょうか。
このまま常連さんが去っていって過疎ったあげく、12冊目以前の状態に退化するのは
あまりにもったいない」
そしてひとつの小部屋に連れて行かれた。そこには老人が。「よくきたな若者よ、実はそちに頼みがあってこちら側の世界に来てもらったのじゃ」
老人? いや良く見ると老パンダだ。
65 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/12(水) 09:10:54 ID:CeS8NfNu
なんかもふもふしててなでたら気持ちよさそうだな「若者よワシの話聞いておるか?」「あ、ああ何の話だっけ?」
66 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/12(水) 09:47:12 ID:Xd8L5jEQ
「ん、いや、まぁ…特に話という話は無いんだけど…あ、あった。ゴメンあったわ。アレだほら、ワシが言いたいのは…」
「ちょっくら、この世界アウローラと地球の間で召喚される人がいる事実調べて」「軽ぅー!で何で俺よ?」「ぶっちゃけ誰でも・・ゲホン、ゲホン、君が良い眼をしてるからだ」
「そりゃあ、視力は2,5あるけどさぁ」
69 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/12(水) 10:30:57 ID:CeS8NfNu
「おぬしにとってつらく厳しい旅になるじゃろう何しろメソ…ッゲフゲフッ…いやなんでもない」誤魔化して窓を向いた老パンダの背中にはジッパーがあった
(くっ、こんなジッパーに…俺は…釣ら…釣られは……!!)
誘惑に勝てず、オレはジッパーを一気に引き下げた。中に居たのは……! 空気の澄んだ高山で、真夜中の空に広がるあの底知れぬ空間そのものだった。「若いの。何故ワシがけったいなモノの中におるか判ったか? 判ったら、さっさとジッパーを閉めい。恥ずかしいではないか」
「まったく、最近の若い者は」ジッパーは自然にしまっていった「そろそろ黒男爵が虫をほぼ片付けた頃か、ぬしも行ってみろ戦場を知っとかんとな、いくら鉄砲玉・・ゲフンゲフン」
不穏な事を言ってる老パンダの台詞も耳に入らず、俺は今更ながらここが異なる世界なのだと実感していた。(マジで人間じゃ…ない、のかよ)そう意識した瞬間、冷や汗がどっと噴き出す。俺は急に目の前のパンダっぽい何かに恐怖を覚えた。
そして、後ろに黒い影がぁ?! お日様はパンダの後ろから差していますよ! 「ん、何か言いたいことがありそうだな。遠慮せずに言ってみろ」「う、う、後ろ!」
「も、漏れているッ!ジッパーの中から何かが漏れているッッ!!」「むう…ここまで侵食が進んでいるとは…若者よ急ぐがよい詳しいことはそこの美少女秘書が把握しておる」
「誰がお前の秘書だ、ジジイ?」僕を連れてきた少女が意外に乱暴な口調で毒づく。「まぁ良いではないか、ソフィや。老い先短い老いぼれのささやかなスゥイートドリームじゃ」そう言うと、正体不明の怪物ジジイは、その輪郭を揺らがせ、消えた。
「あのくそ爺、逃げたな一度死ね!あんた黒男爵様の所行くよ」俺はさっき見たのを深く考えないようにした。「まったく、何で僕がこんなことをせっかくの黒男爵様との二人旅なのに」
毒づきながら少女は自転車にまたがったので俺は荷台に横座りして彼女の腰にしっかりと腕を回した。
…って、あれ?なんか違う。これは…自転車なんかじゃない!だってこの自転車、車輪が無いよ…もしかしてこれってアレか?魔法少女や魔法おばばがよく使う
蟻だ。しかも巨大な。
「うわーー!」「ぎゃあぎゃあ、やかましいよ!あんたオートアントに乗ったの初めて?」そんな事言っても何が何やら「ちっ、ガキじゃあるまいし。ほらあんたの武器だ受け取れ」
縦笛だった。カッコよくいうとソプラノリコーダーだ。
「て、てめえ!なんてモンに座らせるんだよ!」俺は少女…確かソフィっていったか…の胸倉を掴んで揺さぶった。「な、何、怒ってるのさ?」「怖いだろ!蟻だぞ蟻!アーント!しかもデカイしとにかくデカイし!」
縦笛を投げ捨てながら俺は毒づいた。ソフィはとりあわず、俺を一瞥すると蟻の脇腹を踵で蹴った。
その途端、急加速する蟻いやオートアントか?とにかく俺はしがみつくので精一杯だった「はあ、何でこんな変な奴のお守りを、我慢我慢、今いきますね黒男爵様」
「な、なんで笛捨てちゃうのよ! ……って別に間接キスがどうとかそんなんじゃないんだからねっ」
「安心しろ」俺はソフィに微笑みかけた。「捨てたのはしっかり舐めしゃぶった後だからな」
もの凄い勢いで景色が吹っ飛んでいく。慌ててソフィのパワーの割に華奢な身体にしがみついた。電光石火で肘を食らったが離した瞬間俺が死にそうなのでこっちも必死だ。あと何か幻聴が聞こえたが無視した。
「僕の剣、サイドに2本吊してあるから、1本使っていいわ」とか言ってるソフィの柔らかな感s…ちょ、肘、やめ、落ちる、落ちる、死ぬ、死んじゃうっ!
そしてとうとう黒男爵の所に着いた、あれだけいたムシは1b大の甲角虫数匹のみだ「黒男爵様〜お迎えに来ました」「ソフィもう終わるぞ。ふむ、そうだな彼の実力を見るか」
黒男爵はそう言うと、片眼鏡みたいな精密機械みたいな近未来的みたいなちょっと子供が憧れるみたいな、所謂ス○ウターな感じのなにかを取り出す。
そしてそいつを力いっぱい遠くに放り投げて「ほーら取って来ーい」と俺に向かって叫んだ。なんかバカにされてる気がする。
俺は嫌々ながらも取りに走り、「べジータだぜ」とか言いながらそれを装着した。すると
甲角虫のデータが表示される!「あっずりい!そっちのレベルやたら高いぞ」どうやら蟲皇への道は遠そうだ。
「一体何を言ってるんだお前は?」黒男爵が不思議そうに聞いてくる。く、くそ、ネタにマジレスしやがって。「…うるせい。で、何だよこれは?」
「我々は図鑑と呼んでいる、今まで先達が得た情報を元に敵のデータをだす。まあ、お前が付けたのはさっき壊れたやつだが何マジで拾ってんだ?」
気を取り直して甲殻虫に剣で斬りかかる「うは、きたこれ!かすり傷一つつかねえ!ってか包囲されてっし!やべ、なんかすげえ勇者バワーとかねえの!」「…使えん奴だな…仕方ない」黒男爵はそう言うと
帰ってしまった。「うそまじ俺見捨てられちゃった!?」「まったくしょうがないわね」ソフィはそう言うと
「黒男爵様〜、待ってください」追い掛けって行った。あれ俺一人?・・「良かったんですか見捨てて」「構わん、奴の資質を見極める」
甲角虫の突進をモロに食らった俺が意識を失う直前に聞いたのは、そんな無責任なやり取りだった…
――漆黒の闇。夢なのか現実なのか、目が開いているのか閉じているのかも分からない闇の中で俺は何かにほっぺたを舐められた。
気がつくとオレは、剣を杖に立っていた。辺りに広がるのはさっきまで甲殻虫だったものの残骸。ちょうど、柔らかい豆腐の中心を素手ですくい取ったような感じのものが、いくつも転がっている。オレの心臓の辺りで何かが、じっじっと音を立てた。
力が抜け倒れようとした時、黒男爵に支えられた「これほどとはな、異世界人よその身に宿る異形の力、錬磨し使いこなしてみよ。改めて、ようこそ異世界アウローラへ」
再び意識を失う直前に見えたもの。それは俺の右腕を覆う見覚えのない有機的なデザインの鎧…
105 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/13(木) 18:20:54 ID:D8ERDQ/V
(…高級毛皮を思わせるもふもふ感と黒と白のぶち模様の鎧…どこかで見覚えが…) そこで意識は途切れた
「ん……」俺は覚醒した。頭痛を堪えながら身を起こす。「ここは……どこだ?」
そして右腕の違和感に気づく、「なんだ、この白黒の毛皮は!」 右肩から先がパンダの腕に変わっている!
「ほっとけば元に戻るわ」テントに入って来たソフィが俺の腕を指差す「何それ、変なムシ。そんな異形を持った『騎士』なんて初めて見たわ」
「そんなことはどうでもいい!どうして俺は裸なんだ!?」
てなことを言ってウケを狙ってみたが滑ったようだ。「いいから、さっさと飯を喰え。そしたら直ぐ碧炎砦に出発だよ。黒男爵さまのご命令だ。今度こそ、ニセ太守の赤刃のヤロウをぶち殺してやる!今度は『騎士』が3人も居るんだ。勝つぞ!」
飯もそこそこにソフィに連れられて出発した俺は、1時間後海辺の街にいた。
「さて碧炎砦はこの港町から船にのり三日程だ。さてテル君、君はどうする我々と来るか?それとも妹ぎみを探すか?」「黒男爵様、せっかくの騎士を」「ソフィ、決めるのは彼だ」
(どうするかって言ってもな…)なんとなく成り行きで黒男爵と一緒にいたが、そもそも俺はこいつらの事情ももこの世界の事も何も知らない…という事に気付いた。(聞いてみるか・・・?)
「あのぅ・・・ソフィーさんのスリーサイズは・・・」「あ゛?」「いえあの俺はこの世界で何をすればいいんですか?」
「近年、世界間移動の増加に伴いムシが凶暴化を始めている。その因果関係の調査と、ムシの討伐に協力してくれると有り難い」
「それは自分で決める事だ。ここ最近、君のように異世界人が召喚されている。テル君にとって此処は異境だろうが、君はアウローラにいる何をしたいのかは人に聞かず自分で決めろ」
ソフィと黒男爵の意見が食い違っている。俺にどうしろってんだよ。とりあえず俺は
頭を抱えた。「ソフィ、俺はな…無関係な者を戦わせたくは無いのだ。これから俺たちが相手をするのは先程の甲殻虫などとは訳が違う」「…無関係なんかじゃない。こいつは騎士です。皆の為に戦うから騎士は騎士でいられるって教えてくれたのは、黒男爵さまじゃないですか!」
「だが与えられた理由で戦うのでばいつか必ず心が折れる、全ては自分で決めなければ、ソフィのように。金は十分あるな我々は明日の七時の船にのるどうするかそれまでに決めろ」
とりあえず、右手のパンダの毛皮を愛でることにした 「ふかふか ふかふか」
気持ちい〜い。小一時間ばかりなぜていると「そこの少年その毛皮売っていただけないか?」という声が背後からした
「売れん。それに皮を剥いだりしたら、痛いじゃな…い…か!?」俺は絶句した。振り向くと、そこには金髪碧眼、絶世の美女がいた。俺はこいつを知っている。確か…魔女『モノクローム』!
「そうね痛いと夢から覚めちゃうものね」何だ?「ここがあなたの理想の世界?」何を意味不明なことを言っている!「あなたにひとつだけ言っておくわ」
「貴方のムシはすくすくと成長してるわ、どんな子にそだつのかしらね。お母さんWWWW」
モノクロームは意味深な言葉を吐くだけ吐いて消えた。……なんなんだ一体。
夢、とかいってたよな。ここが、夢?…俺はふと剣を抜いて自分の腕を刺してみた。(っ!…血も出るし、やっぱ夢じゃないよな、ここ)あの魔女はどこかおかしいのだ、そう納得する事にした。
そういや、碧炎砦とやらに行くかどうか決めなければいけないんだった。本当にどうしよう。危険なことは嫌だが、ここに一人で放り出されるのも困る。
歩いてると酒場が見えた。ちょうどいいはぐれた妹の事でも聞いてみるか「その写真の子、妹何だか知らないか?」「お客さんここは酒場だ、何か注文してくだせえ」
「それもそうだな、じゃあこのメニューにあるシェフの気まぐれパフェドリームファンタジースペシャルってのをくれ」
「あい、わかりました。……その少女なら、パンダにつれられて船に乗ったと聞いていますな。いや待てよ、ぬらりだったかな?」
なんで知ってんだこのおっさん、闇ルートにでも通じてるのか? 駄目元で聞いたのに……。この情報は信じてもいいのだろうか。
「ああ、そうだ思い出した碧炎砦だ、そこの城主に連れられていたよ」
「ど、どういう事だよ!パンダやら城主やら」おっさんはのんびりとテーブルにパフェを置く。「まあ、聞いてくだせえ。その子はこの町に来ていた城主に歯向かったんでさ。それで引っ立てられてた所を珍妙な格好をした騎士に助けられて船で逃げたって…噂なんでさ」
「で、その奇妙な騎士が誰かとか、船が何処へ行ったとか判らないかい?」「それが、ちーっとも。ただですねぇ、その騎士さまに手傷を負わされた城主の赤刃ってえ嫌なヤロウが、そいつを見てひどく怯えてたらしい、ってな話は聞いてますねぇ」
「赤刃か……」どうも手掛かりはそいつが握っているようだ。俺は城に行く決意を固め、パフェを食べ始めた。
この酒場、後の世で大半の住人に喪失感を与えたバーボンハウスである。
「うぉっマスターこのパフェうめぇな」「ありがとうございやす、そりゃもういろいろと入ってますからねぇ、いろいろと…」「?」その瞬間俺の体が
中心部でうなり声を上げた。ちょうど、心臓の近くで強い生命力のある生き物が目を覚ましたとしたらこんな感じだろう、そうとでも表現せざるを得ない感覚だった。「兄さん、気に入ったかい、うちのご禁制のパフェは?」マスターが迫力のあるウインクをよこした。
「・・何・を」「兄さん、ムシ憑きだろ?さっきのパフェには成長剤を入れておきやした。さてムシは宿主の精神に応じた成長します。さて兄さんのムシは聖邪どちらになるですかね?」
主「くっ・・・俺は、どうなるんだ?」マ「大丈夫です、ムシはすぐには孵りません、ただ・・・」
「部分的にムシの力を発現させることならできるでしょうな。異形なる騎士の鎧…」
と言いかけてマスターは突然崩れ落ちた。カウンターを覗き込むと胸から血を流している。狙撃か!?バーの入り口を振り返ると
誰もいない……いや違う! 視力2,5の俺の瞳は、彼方でライフルを構える何者かの姿を捉えた。
「敵を発見したであります!!」焦ると口調がケロロ軍曹になる俺。
ざわ…ざわ…。酒場内の他の客が騒ぎ出す。周りの人間にはなんでマスターが急に倒れたのか見当がつかないようだ。最も近くに居た俺を怪しいと思った数人の客が俺の方に近寄ってくる。
「おいアンタいったい…グギャッ」そいつの鼻っ面に拳をおみまいして俺は酒場を出る。(口封じ…か?しかしライフルをもったあの華奢な影、女のようだったが…)
「何が起こったんだ」「弓?いや矢が無いし辺りに人影がなかった」「魔法か?いやこれだけの距離だ何か痕跡が起こるぞ」客達は騒然としている。どうする犯人を追うか?
酒場の前でそんな事を考えていると「あいつだあいつが犯人に違いねえ!」さっき俺が殴り飛ばした客が俺を指差して喚いていた。
冗談じゃない、妹も見つからないのに誰が捕まるか!オレは走った。もっと早く、遠くへ! そう思ったとき、オレの身体は、つい、と風を切り、宙を飛んでいた。
「やっと力に目覚めたようね、お兄ちゃん」俺に念話してくる声は、まさか!妹のミク!??
「あら気づいたのね、もう大丈夫?」後頭部がズキズキする。「あなた酒場の前でリンチにあってたのよ。いい夢見れたかしら?」
「でも安心なさい。怪我はベホマで完全回復したから」べ・・・べホマってあーた・・・。
「それはド○ク○の呪文じゃないか!?いいのか他のものを持ち出しても!?」駄目だ頭痛くなってきた
その時、酒場の中からいまや暴徒と化しつつある男どもの叫び声が聞こえた。「あそこだ!」「あの女だ!オレは見たんだ、マスターを変な魔法で攻撃した奴!」手に手に剣や弓を持った連中が飛び出してくる。「ヤッパイ、もうちょっとでだませたのにい」女は逃げ出した。
アンタが逃げるのはいいけどなんで俺の手引っ張ってくんですかぁー?「みんな追えー!あいつらグルだ。あの2人組がマスターを殺ったんだ!!」
連れられてたどり着いたのは見覚えのある波止場だった。
「あんたいったい何者だ?」「私は壬生霧子、貴方と同じ地球の人間よ、本題にはいるわ、どう私と組まない?」
「いいぜ、だがひとつ条件がある。それを飲んでくれたらだ」
「なにかしら?」俺は押し殺した声で壬生に告げる「俺の前で人を殺すな。…何故、酒場の親父を殺した」「あら?意外と平和主義なのね。仕方なかったのよ、私は赤刃に雇われた身、で、あの親父はその赤刃に逆らうゲリラ達の纏め役。ね?」
「それに、この世界じゃ人殺しなんてそんなに珍しい事じゃないのよ。そんなに気にしなくても」「黙れよ…未来の日本一アイドルの兄貴が、人殺しの前科を持ってるなんてあっちゃならねえんだよ!」
「……あなた。まさかもとの世界に帰れると思ってるの?…………あっはっはっっあははははっあはあははは……。こんな甘ちゃんに話を持ちかけるなんて、私も落ちたわね」
「何がおかしい! いいか、てめーは俺を怒らせた。この世界のルール、禁止事項の1発目を犯しやがったんだ。連投は禁止なんだ!」
俺の台詞に壬生の目つきが変わる。こいつ…なんて目をしてやがる。「へえ、怒ったらどうする気?まさか、私を捕まえる…とか笑える事を言ったりはしないわよねえ?」
壬生は銃を構え「もういいわ死んで」そういい撃ってきやがった。横っ飛びで躱すがやばいぞ「なあに鬼ごっこ?」「くそくそこんな所で死んでたまるか!」ドクン!ドクン!体が熱い
その時、俺の脳裏に今までにない力がみなぎる「くらえっ!禁断魔法・イオナズン・スクリプトォォォ!!!」それって魔法なのか?う、うああぁぁぁ!!意識が薄れていく・・・。
目を覚ましたら、船の中だった。
船員AはいかにもNPCっぽく語る「この船は十二時間後、独裁国家・パラセラ共和国に着きます」
俺は度肝を抜かれた。いきなりなんなんだこの人!?俺の動揺もお構いなしに船員(?)は喋り続ける。「我らが主、赤刃さまは異世界人を集めていらっしゃるのです。どうぞ貴方様もわが主と国家の為にご協力ください」
「勧誘は間に合ってるよ、帰りなオッサン」ん?上のほうから女の声がするぞ・・って俺膝枕されてる!?「ソフィ、どうして!?」
「我らが主に仇為すものか仇為すものか仇仇・」壊れたように同じ言葉を繰り返す船員「その通りだが」急に現われた、黒男爵が船員を一掃する「黒男爵様〜輝見つけました」あっさりと俺を突き飛ばすと黒男爵に擦り寄るソフィ・・床が冷たい。
ズキューン! 転がったオレの2センチ脇に、ライフル弾が命中する。「冷たい床が嫌いなら、私が暖めてあげるね。おおっと、男爵に棋士気取りの小娘。こいつの命が惜しかったら動かないでね。さあ、お前達、さっさとその二人に封印錠をはめな」
「なるほど、それが酒場の主を襲った謎の武器か」だが、黒男爵は壬生の脅迫を意に介した風もなく悠然と話しかける。黒男爵の余裕に壬生が訝しがったその瞬間
無造作に近寄った「馬鹿かあんた」銃を黒男爵に向けて撃つ壬生。キン!信じられない黒男爵は弾丸を剣で弾いている。キン!キン!カチッ、カチッ「どうやらその鉄を飛ばす物は、鉄がきれたようだな」
「くっ しかし俺にはこれがあるっ」 俺は獣化を開始した 「見ろっ中国4千年の奥義 陰陽熊拳!」
「ふ…まあいい。俺の『ムシ』の力を少し見せておいてやろう。最強の虫、黒い悪魔、黒男爵の二つ名の由来になったこの力をな…!」そう言うと黒男爵の身体は巨大な羽を持った有機的なデザインの黒い甲冑に包まれ始める…これは!
黒男爵の身体を覆うマッシブなアーマー。オープンヘルムからは二本のアンテナのようなものが伸びている。くっ、確かにそのモチーフとなった虫は最強で悪魔だ。言うのも憚られる。仮に「G」と呼称しよう。
ゴ○?しかしその力は本物だった俺には黒い光が出たと思った瞬間、壬生が倒れていた「すげえ何も見えなかった」体を元に戻した黒男爵がくる「無事か輝、何故この船に?」
「いや、オレは壬生に撃たれて、気がついたらここに…」男爵の溜息が漏れた。「まだ力の使い方が判らないのか。まぁ、いい。俺達も、お前との合流は諦めいたのだ。それにしても、結局碧炎砦には行くことになったな。宿命を感じないか?」黒男爵は、ニヤリと笑った。
「ああ感じるぜ運命の赤い糸をな」ソフィの瞳を見つめ、手を握り、腰に手を回して俺は
ぶん殴られた、ぐふ、いいパンチしてやがるぜ「黒男爵様こいつ置いてきましょう!」「まあ彼の素行には問題があるがほっとくわけにもいかん」「黒男爵様がそう言うのでしたら」
俺は黒男爵に嫌悪感を持った、ゴキなんぞと一緒にいるよりは同郷の女と一緒にいたい
ソフィに未練はあるが、俺は倒れているキリコを抱えて船内に降りた。木造ながら結構でかい船だ。
しかもそこここが竹で出来ている、思わず俺は空腹につばを飲んだ「獣化の影響がここまで…」
笹の葉が無いのは悔やまれるが仕方ない。「ほれもにんへんとひてのほんげんもはるひな(俺も人間としての尊厳もあるしな)」「……くわえながらなにいってんのよ。支那熊猫」
「何そのパンダ無意識でその姿になるなんて、よっぽどパンダに因縁あるの」いつのまにか起きていた霧子だ「でどういう心変わり?」霧子は銃口を俺に向けて問う
銃口に指を突っ込んで俺はこう切り返した。
「銃を撃つ音は何だ?」その瞬間、パンと乾いた音が鳴って、俺の指に激痛が走る。突き指をしてしまった。むしろ突き指ですんだのか? 「そんな激しいツッコミをしなくても……」
「いいボケには最高のツッコミで返すのが私の流儀よ。あなた私と一緒にNGKの舞台を目指さない?」
NGKことナカジマ・グランド花月とは磯野カツオの友人・中島に野球の修行を施すために、内閣によって創設された特務機関である。
ドカッ!ゲホッ蹴られた「いいボケじゃない」こいつ単に暴力振るいたいだけじゃないか?「さて碧炎砦いきましょうか」
191 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/16(日) 16:25:45 ID:q+cvmsYt
いきなり俺の手を引いて歩くキリコ。よくみると赤面している。ツ・ン・デ・レ・発・見!
「なんで…こんな…ウジ虫…と…」キリコが何かブツブツと言っているが聞こえなかったことにした。
「幸い、動力炉は生きてるし」そういって見えたのは変な機械に繋げられている大勢人間だった「何驚いてるのよ、死んでないわ、生きてるとも言うないけど」
そう囁いた瞬間、キリコは顔を頬が熟れたりんごのように赤くなる。「今噛んだの、あんたのせいよ。それぐらいわかりなさいよ」
そう言って脛を激しく蹴ってくる。やはりほっぺをぷにぷにしていたら噛んでしまうものか。それにしても俺はMに目覚めなければならないのか?
「お忘れかも知れないが、この船は我々黒の軍団が占拠しているのだよ。異世界の魔法使い、キリコよ」朗々と響く黒男爵の声。「輝よ。このありさまを見れば、この船の持ち主がどんな奴か判るだろう。お前の義侠心がうずかないか?」
「そんな事言われたって、俺にはもうなにがなんだかサッパリわからないんだっっ!!」ヤケクソになった俺はパルプンテを唱えた!!すると・・・
何も起こらなかった当たり前か「ふん、結局世の中味方と敵の二種類しかいないだよ敵をどんな扱いしても問題ないでしょ。で輝あんたはどっちの味方でどっちの敵だ!?」
ガサガサと周囲の闇から不気味な音がした「逃げようとは思わないことだ。既に俺の召喚した『軍団』に取り囲ませている。これも騎士の能力だ。俺と共に来い、力の使い方を教えてやる」
「…え?何???」「だからどっち!」黒男爵とソフィの二人しかいないくせして黒の軍団ってすげえハッタリだな、とか考えてて質問を聞き逃した俺は「え、ああ、そうだね…妹かな」とりあえず適当に答えた。
黒い、言葉にするのも憚られる、しかもなんか全長2メートルくらいありそうな生物(仮に「G」と呼称)の影が10以上視界の隅に入っていたが見なかったことにした。ガサガサ「見えない…見えない…」
「彼らが何処から来るのか俺は知らない、だが、彼らは人を人と思わない外道を許さない」微かに頭部のカメラアイが光るのが見えた。(あ、あれは…!まさか!?)黒い軍団、それは異世界から『G』つまりガン○ム(1/100)を召喚する能力だった。
そうだ、あれはガンダムだ。あの黒い平べったい羽のついた巨大な虫は、ガンダムだ。そう思わないと色々やばい!
ティ○ーンズ仕様マークU、ブ○ッツ後は黒いガン○ムの名前よく知らねぇて
様々な形をした黒いガン○ムたちはビームライフルや拡散メガ粒○砲、ショットラ○サーや十二王方牌大○併などをそれぞれが勝手にキリコに向けて放つ。…これは、ガンナーのキリコには分が悪い。天敵といってもいい相手だ。
やられる!・・・と思った瞬間キリコが巨大化した。
bikibikibikibikibikibikbikbiiiiiiii 白黒の毛皮のニクイあいつに変身だ!
俺は叫ぶ「パンダ・・・貴様が何もかも台無しにしやがったんだ!お前なんか嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ!!!」
俺の叫びを聞いたのか霧子が変身したパンダは邪悪に笑い動力炉、つまり人間を壊そうとする「貴様それを破壊しこの飛行船を沈ませる気か」黒男爵の声の後、大爆発が起きた。
気がついたら海岸に倒れていた。体中が痛いがどうやら生きているらしい。「ここは・・・どこだ?」
そう思って周囲を見回すと、黒くてぬらぬら光る平坦なフォルムのイカしたアイツ…が数匹浜辺に打ち上げられて死んでいた。「はいはい、ビームビーム…」また現実逃避したくなった俺を正気に戻したのは「やっと目が覚めたの?」という声だった。それは…
「お兄ちゃん」十歳ぐらいの幼女だった。ふわふわの長い髪に白い服を着てる「君は?此処は何処?」「わかんない、私も気付いたらこんな変な所に」あれいつのまにか浜辺から白い空間に。なんだろうこの子他人に思えん「・・君の名前は?」「名前ってなあに?」
「そんなのいらないよ、だって私は…」そう言った幼女の顔面がおもむろに真ん中で割れた。びぢびぢびぢとおぞましい音を立てて青い…「うわああああ!!」「ねえってば!お兄ちゃん!」俺の意識は海岸に戻されていた、そこにいたのは
「どうしたの、また寝ちゃったの?」顔が割れた謎の幼女だった。「うげろううあああ!!?」俺は全力で後ずさり(座ったままだが)した。あまりの出来事に一瞬気を失っていたようだ。グロい、とにかくグロい。声以外、萌えの欠片も無いような恐怖の存在が目の前に居た。
「うわーーー!!消えろ消えろ」「そうお兄ちゃんは私が嫌いなんだね」気が付くと幼女はグロい姿ではなく普通に戻っていた「さようなら」そういい幼女は去った。俺は何か大事な事を間違えたのか?
「とにかく、これからどうするか考えないとな」改めて周囲を見渡す。「ん? あれは……」
「オラァ!」突然俺の顔面に小さな拳が突き刺さる「お兄ちゃんってば!」「って、お前、ミク!」
「ふぁ、ふぁんでおふぁえがほほに!?」鼻が陥没して上手く喋れない。ミクは笑顔のままさらに拳をねじ込んでくる
「そ、そんなことをしたらまた獣化がっ!」
「お兄ちゃんまた自分はパンダかもとか言ってるの?ここには病院も救急車もないんだからやめてよね」
221 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/17(月) 19:28:35 ID:2xC/8p5M
その直後、怒涛の爆発音とともに地面が大きく揺れた。「まさか封印が…」というミクのつぶやきが聞こえた。
「待てミク!何でお前此処にそれに封印ってなんだ?」「お兄ちゃん今は答える時間がないわ、封印は見るのが一番早いわ」そう言いミクが指した先の砦から巨大な炎の獣が現われた。
その獣は、犬のような体つきをしている。頭は二つあり、足は四本だ。体色は黒色で毛は短く、周囲に瑠璃色の炎をまとっている。
体の色が黒いというだけで俺の本能は拒否反応を起こしはじめた。「くろこわっくろくろくろだめだくろ……」「お兄ちゃんっ!しっかりしてっ!頭と足をあわせてお腹で回るなんて奇行しないでよっ!」
「やれやれ、『封印』のお出ましか。奴はいずこかより召喚される魔獣だ。主の『騎士』の言うことしか聞かんこちらも『騎士』が必要な理由がわかったか?」苦笑いしながら立っているのは、もちろん黒男爵だ。
「しかたないわね、こうなったら正気づかせるにはこれしか無いわっ」 ミクは笹の葉を俺に差し出した
一方碧炎砦「炎刄様、黒男爵一味が飛行船を占拠し領内に侵入した模様」炎刄は顔にある傷跡を隠している「そっそのような雑事で我を呼ぶな封印を解く、それで殺せ!もし内通する者がでれば動力炉にしてしまえ!」
家来A「だが断る!!!」
「ぬ、ね、抜かしたなあ!きさま、動力炉行きだ!」炎刄の声に、衛兵が応える。「こ、こんな事がいつまでも続けられると思うな!」両方を衛兵から押さえられ、連行される家来A。「うむう、反乱勢力がこんな所にまで根を張っていたとはな」怯える炎刄。
230 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/18(火) 09:39:41 ID:Qw4kEguX
こういうときはアレだ、アレを使おう。えーっとどこに仕舞ったっけ・・・ガサゴソ・・・
懐を探していると、そこに美奈さんが持っていた妹の下着があった。いつの間に! 人の目に触れないように大事にしまっておこう。
「とりあえず、あの燃え犬何とかしてくれよ、ゴキ男爵」取り繕っても仕方ないので俺は単刀直入に言った
「ふむ正面勝負では分が悪いな策を練らねば」
「仮設の作戦本部を作ったから入りたまえテル君」といって男爵はゴキハウスに入っていった。
中に入るとそこはラブホだった。ゴキの目が妖しく光り、近づいてくる!カサカサ
もうこんな世界イヤだ!!俺は22世紀から通販で買ったひみつ道具<もしもボックス>でこの世界を変えようと試みる「もしも世界が100人の女子高だったら!!」
…俺は、偽物を掴まされていたようだ。「いい加減に、作戦を立てたいのだが?」男爵が少々イライラしている。「このテントだって、目くらまし程度にしかならないんだよ。さっさと奴を倒して動力現にされている人たちを助ける!」ソフィはかなり怒っている。
「ガサガサ!」ゴキたちは興奮気味だ
ソフィ「わかってるのあんた? 私たちの目的は碧炎女学院の理事長 炎刄を倒すことよ」・・・微妙に反映してるみたいだ。
「策はこうだ、封印獣は強力だが大雑把な攻撃しかできん。私が囮となり攻撃を引き付ける、その間に別動隊が動力炉を停止する、必ず赤刄は召喚に利用しているはずだ」
「そんで俺とソフィはその女子高に潜入すればいいんだなわかったぜやってやるよ」
ソフィは無言で俺ののど元にナイフを突きつけた。「いい加減、その女子校とやらに偏向したキャプションを止めい!」マジで怒ってるな、こりゃ。取りあえず、俺はソフィと一緒に行動らしい。んで、ミクはどうするんだ?
「あー私はいいよ、ここで待ってる。お兄ちゃんだってソフィさんと2人きりのほうが嬉しいでしょ?」
うーん、そういってもソフィ完全に黒男爵一筋っぽいし。ここはソフ倫でも実姉妹攻略可になったし「何ぼさっとしてんだ、黒男爵様が危険な役目やってんだ絶対成功させるよ」
「べ、別にお前に期待してるってわけじゃないからな!」いつのまにかソフィのフラグが立ったっぽい。
ていうか心底嫌そうな顔で言われた。
待て俺がここまで嫌われる理由・・・めちゃくちゃある!今回で挽回しなければ
じゃーん!じゃーん!じゃーん!!「敵襲ー!」「敵襲ー!」「敵部隊が白婁門を攻撃中!」「げぇ!孔明!ひっ引けー!」ついに碧炎砦攻略戦が始まった。
敵方から等身大木之元さくらフィギュア500体が襲いかかってくる!!俺「ひぃ〜!!500体もいると超不気味ー!!」さらに等身大黒いガンダムフィギュアが・・・
250 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/19(水) 09:36:04 ID:JftjaBSN
四列縦隊でコサックダンスを踊りながら近づいてきた。俺は、こういうときどんな顔すればいいのかなあ・・・
赤い巨大カマキリの大群と黒い巨大ゴキ大群が壮絶にぶつかりあう様を眺めながら脳内置換で逃避していると、ソフィに殴られた「早く来なさい!」
252 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/19(水) 16:05:40 ID:JftjaBSN
そして歩き続けること7日7晩。たどりついたそこはなんと
人が材料とされている動力炉。いやかつて人であったものだ。
そこにはアメリカアニメでモンスターに踏み潰された一般人のような、平面的でペラペラな人間で溢れていた。「見たまえ!人が等身大ポスターのようだ!!」
「うひょー美少女はっけーん!」俺は本能のままにそれに飛び付き丸めては次々と背中のバッグに入れていく。
256 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/19(水) 22:02:25 ID:IAopRFWy
バッグが一杯になって、両手のハンズの紙袋も一杯になったので、僕はおうちに帰ることにしました。すると
ぼこり 思いっきり音を立てて殴られた。「動力炉を壊すはいいけど、何処へ行こうとしてんだよ!」ソフィにこの手の冗談は通じなかった。「さ、炉はこれだけ破壊すれば充分。封印獣を倒しに行くぞ」
封印獣は獣耳美幼女だった
259 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/19(水) 22:23:43 ID:IAopRFWy
俄然やる気が出てきたぞ。なんとしても再封印してお持ち帰りしてやる!!!
「くっ、戻れ獣よ」炎の獣は砦に戻っていった「ソフィ、輝、赤刄・炎刄の守りは崩れた一気に奴の首を取る!城主の間へ行くぞ」「はい!黒男爵様」
走り出した直後、黒男爵が膝を着いた。なんか息が荒い。「七日七晩、なんとか保たせたが……くっ、限界か。後は頼んだぞ、ソフィ」
「でも、黒男爵様を置いていくわけには…」「ここで奴らを倒さないと、いつかまた炎の獣を解き放つぞ。そんなことになったら、またどれほどの人が不幸になるかわからんお前ではあるまい」
「黒男爵が引いた!今が機だ!かかれー!!」とたん、赤刃・炎刃が反撃の兵を繰り出す。「ちょっとあんた!どうすんのよ!?」ソフィがテンパりはじめた。「弾幕が薄いのよ!ばかっ!」もちろん、弾幕なんて張ってない
「やれやれしょうがねぇな」背中のバッグから美少女絵ポスターを出して弾幕がわりにした。
その瞬間、ポスターごと俺の頭がはたかれる。「それ、弾幕の意味が違うわよ! ばかっ!」
そんな感じで俺たちがイチャついている間に碧炎砦はほとんど壊滅していた。
そのとき戦場にドラの音と共に軍勢を立て直した黒男爵がいたジャーンジャーン「げぇ黒男爵!」「今だ火陥の計だ!」
268 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/20(木) 10:45:19 ID:2j+mZGNP
』っていう夢を見たんだ。美奈さんはどう思う?
269 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/20(木) 10:57:09 ID:pM4NlV+k
美奈「たかしクンのお母さんね」
美奈「実は食べちゃったの」
271 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/20(木) 11:07:20 ID:2j+mZGNP
俺「やっぱそうかー、たかしクンのお母さんが悪い夢を全部食べてくれたからこの世界に返ってこれたんだね!!」
とっぴんぱらりのぷう
「違うわよ貴方が食べたの」「はい?」「貴方が大喜びで持っていったポスター元人間よ」その瞬間、風景がどろどろに溶けた。そして見えたのはポスターから力が引き出され、いやらしく笑う赤刄の姿
「くはははぁ、あの黒男爵めが仲間に引き入れた騎士と聞いたから、もっと手応えがある奴かと思ったら、あっさり俺の『世界』に引き込まれやがったあ。ぺらぺらになった燃料どもはなぁ、こうすれば直接力になるんだよぉお」赤刄はむしゃむしゃとポスター人間を囓った。
だが足から噛ったそのポスター人間は、褌姿のマッチョガイだったので、ふとももで口が停まっている。ポスターは期待の目で待っている。奴の目は助けを求めて泳いでいる。
「ただの餌に躊躇するとでも思ったか」赤刄は一気に食らう。その途端、頭に声が聞こえる『助けて、苦しい、嫌だ、死にたくない』怨念の声、赤刄は心地よい音楽を聞いてるかのようだ
ばしん、と両手を打ち合わせる赤刄。「さあ、本当の騎士の力、見せてやるぜぇ、へっぽこ騎士ヨォオ」 両手の間から、真っ赤な炎が吹き上がり、刃のように僕の足下を抉った。「ふひゃひゃ、これで赤刄って通り名の理由がわかったか? 判ったら、死ねや」
吹き上がる焔の刃。だが俺は『そんなこと』より、ふんどし男の叫びが、食われた人間の絶叫が、耳から離れない。「…許せねえ、許せねえよ」胸の奥が熱い…俺の怒りが熱と化してる様に白く黒く、熱い!
「喚べ!輝、お前のムシをお前の半身を」脳裏に声が響く「お兄ちゃん」いつかのグロかった幼女だ、違う俺は恐かった、この力がその恐怖が彼女の姿を歪ませた、もう恐れない「来い揚羽!」そして白でも黒でもない白銀の鎧を俺は纏う
「だめ」そのとき声が「闘ってはだめ」どこからともなく「その人は」聞こえてきた「その人はあなたのお父さんよ」
幻聴だ。親父は去年リストラされて今も部屋に引きこもってる。「……行くぜ赤刄。俺の力を見せてやるよ!」
その直後俺の姿は消えて赤刄の隣にいた。右手を一閃して奴をぶっ飛ばす
「やめてくれ輝本当なんだ」何!親父の声と顔!?「まあた騙された」一瞬、鈍った隙に炎撃を背後から食らった「こうも幻術にかかるとはな」赤刄の嬌笑が響く
「じゃあ、もうちょっと精をつけるぜ、とっておきのためにな」今度は4、5枚まとめてポスター人間を囓り出す赤刄。声にならない絶叫が響く。「ふははぁ、さて、これでまた呼び出せるぜぇ。来やがれぇ、俺の封印獣、炎獄!」
「テル!」ソフィが赤刄に斬りかかった。「ちっ!」赤刄は笑うのを止め、横っ飛びでそれを避ける。
赤刄「しゃらくせえ!だが封印獣、確かに召喚したぜ」俺「ま、まさか・・・あの・・・」そう、あの獣耳美幼女がそこにはいた。
「むー」とアゲハが頬を膨らます。ちなみに今の鎧状態に対し守護霊のような状態で助言を受けている。鎧が本体で幼女が人格部分みたいな感じ?
白銀の鎧は白と黒に塗り分けられ、ぽふぽふとした質感の気持ちいい鎧にレベルアップした「行くぞ!熊猫拳!」
ジャイアント熊猫が悠然と笹をほうばる姿を模した、まさに支那4000年の悠久のときを感じさせる俺の拳に奴は……
忘れた宿題を写させてもらっていた。
あれ何でこんな事を・・ドカッ!気が付くと俺は吹き飛ばされてた「くそっ、また幻術か」「お兄ちゃん奴の幻術は炎を使ってる風で吹き飛ばすよ」すると鎧から透明な羽が生えた
その時、凄まじい爆発音が辺りを揺るがした!
なんだ…だがチャンス!羽で炎を吹き消し間合いを取る。「白銀・黒銀!」俺は左右、白黒の真逆の属性を持つ腕の力を無理やり一つに纏め「デットエンド・シュート!」…放つ!
するとなんか変なところから毛がはえてきた
天井から垂れてきた毛?のようなものは見る間に繭のようなものを作り上げた!しかも中から声がする!‥‥そういえば攻撃は当たったみたいだ。
「白と黒、光と闇。相反する二つの属性が相互作用を起こしたのよ!」何やら慌てた様子のソフィが叫ぶ。え、何? これヤバイの?
そういえば赤刄の姿が無い、繭の中から声が「力は十分集まった、みんな消し去ってやる!」
「早く逃げて、危ないよ」脳内でアゲハが警告する。「繭を中心に半径1kmぐらいは虚無へと還ちゃうから」「え」
「お腹減ったよう」無垢な声に振り返ると、そこに居たのは獣耳の幼女だった。「お腹減ったよう、これ食べて良い?」幼女は、繭に手をかけた。「あれは、赤刄の封印獣、炎獄?」俺の驚愕をよそに、幼女は人間のものではない力で、べりべりと繭を引きはがし始めた。
そして唐突に封印獣の腕が消えた。「あれれ?」次に繭の一部が、封印獣の腹が…次々と連鎖反応的に繭の周辺の空間が抉れていく。「馬鹿、何やってるんだ逃げるよ!」それを呆然と見ていた俺の腕をソフィが引っ掴んで走り出した。
そして繭を食べ始める。チャンスだ俺は鎧の羽を鋭角化し鋭くする、そして繭が剥がれ赤刄の姿が見えた「もう少しまてば腹いっぱい食わし・」ザッシュ!声よりも早く俺は赤刄を切り裂いた
封印獣は、赤刄を繭ごと喰い、赤刄はそのの能力で封印獣ごと周辺の空間を食い散らかす。そして、赤刄は俺が切り裂いて、気がついたときには赤刄と繭と封印獣、炎獄は辺り数十メートルに存在している物ごと虚無へ帰した。これが、俺の前で人間を食い散らかした奴の末路だ。
「くそ!動力炉が壊れたのはいいけど、これじゃあ私たち…」走りながらソフィがうめく。そう、中枢が消滅した砦は静かに崩壊を始めていたのだ。「いや、悪い。まさかこんなに威力があるなんて…アゲハ、なんで教えてくれなかったんだ」「…忘れてたの」
「輝、ソフィよくやった」黒男爵が俺達二人を抱え飛ぶ「黒男爵様お怪我は?」「脱出するぐらいは持つ」こうして俺の初陣は終わった。
その時、俺は初めて恐怖に歪んだ目ではなく、落ち着いて、初めて変身した黒男爵を直視した。そして気付いたのは…実は彼はGではなく、クワガタのような鎧を着ていたってことだった。
「あれが…ムシキングか」
そう、ハサミがなくて、ちょっとフォルムが平坦な感じで、表面がちょっとオイリーな感じのぬらぬらした光沢ってことに目をつぶればクワガt・・・やっぱりゴキだった。
「まっ、どっちでもいいか」「そうだよお兄ちゃん、能力の差以外に何か問題あるの」アゲハもこういってるし
一方、その頃。―――崩れ落ちる砦から無事脱出した一人の傷ついた騎士がパラセラ共和国の首都パラセラへ向かって飛んでいた。「碧炎砦が落ちた事を…あの未知の力を持った騎士のことを、一刻も早く陛下にお知らせしなければ…!」
だが王宮に陛下の姿はなく、ただ次元の穴がぽっかりと開いていた。「まさか!我々を見捨てて“向こう側”の世界に逃げたというのですか!」
「いやいや陛下には退位頂いたのだよ。この国は最早王国ではない。共和国へようこそ」その声の主は…
ストリート系の服装をしていた「貴様何物だなんだその珍妙な姿は!?」「私はなクーデターの首謀者だよ。この服装か向こうの世界の流行だよ、なあミク」「ええでも似合ってないわ」
「くふふふ、騎士としての力を求めて魔女モノクロームに貢ぎ物を捧げ、異界に流され、苦行の果てに身につけた、この力! 既に王宮警護隊など物ともしなかったわ。さて、きさまがここにいると言うことは、赤刄めは死んだな。しょせんこそ泥。期待はしていなかったが、早いな」
「まあよい。もはやこの退廃しきった国に未練はない。あちら側の世界のほうがよっぽど支配しがいがあるわい」「そうね、そうでもしないとあと700弱ももたないしね」
グゴゴゴゴ・・・とものすごい音と共に空間が歪んでいく。気がつくと空に浮いている俺たち。眼下にはなんと、埼玉スーパーアリーナが!!俺「ここは・・・埼玉上空・・・?」
「サイタマとは何だ? この国の名前か?」ソフィが戸惑いを隠さない。ああ、その気分はよく判る。ついこの間、俺が味わったばかりだからな。「どうやら、我らの敵が、全ての『騎士』を連れて異世界へ転送したらしい。ご苦労な事だ」黒男爵は、何故か落ち着いている。
「なんだ黒男爵、やけに余裕があるじゃないか。ひょっとして前にも来たことがあるのか?」「左様、なにちょっとアキハバラというところに用があってな」
電車で埼玉から秋葉原に直行しようとするとリアルハットリくんのごとき忍者が現れた。「フハハハハ!!3年ぶりでござるな黒男爵、ニンニン」なんだこのコスプレ野朗?だが俺たちもコスプレ同然だった・・・。
一方某所「・・・・」「どうしたの地球へ行かないの」「ふっミクか、お前こそ兄貴は転移させられたぞ」「私は貴方に聞いてるの」「邪魔な騎士は総て異世界に送った、つまりこのアウローラで私を止められる者はいない」
一方地球「おお久方ぶりだなハットリ殿。いつぞやの某エロゲイベントでは世話になったな」「気にするなでござるよ。それより今日はどうした?そんな大所帯で」と俺たちを舐めるように見てきた。
「ああ…全ての属性が集うこの地であれば、俺が生涯を賭けて探し求めていたアレが見つかるのではないか、とな。そう……『雌ゴキ調教モノ』がな!!」「ないでござる」
「そうか、ならいい」「おいおい生涯追い求めたんじゃないのか」「ノリだ」
それにしても異様な光景だ。俺や黒男爵の、いかにもバイオ系な鎧姿がこれだけ好き勝手な服装をしている連中の中では全く目立たない。ここなら、異世界の住人が居ても容易に身を隠せるな。そしてふと俺は気がついた。ここなら、あの世界の人間が居ても不思議じゃないことに。
とそのとき俺は見つけてしまったのだ。開店前の○らのあなの前で行列に並んでいる赤刄を。「お、お前死んだはずじゃ!」
「俺も死んだと思ったんだがな、どうやら空間転移したらしい――おっと、ここでは戦いはなしにしようや。同人誌が買えなくなってしまっては、俺が困る」何で奴は同人誌という言葉を知っているんだ?! なんかおかしくねぇ?
そうだ、確かに何か変だ。パソコンなんか無い世界の住民のくせにエロゲオタな黒男爵。銃刀法違反で捕まる筈なのに悠然と公道を歩いてる刀背負ったハットリ。そして完全に消滅したはずなのに何故か生きてる同人オタ赤刄。何がオカシイのか理解出来ないが…何かがオカシイ?
いやまて。ひょっとして……おかしいのは俺か?俺の脳なのか??これがゲーム脳ってやつなのか???
「違うよぅ。お兄ちゃんはゲーム脳脳なんだよぅ」後ろからミクが涙目で言った。
ゲーム脳脳って……俺がゲームの脳になってて、俺が考えたことがゲームになるってことか?そんなバカな!……でも思い当たる節があるぞ。
そう閃いたその瞬間に、突然空から体長3メートルはありそうなGの群れが降ってきた。ダッ!後ろのミクがGに飛びかかる。むしゃりむしゃり…そしてGたちは瞬く間にミク…いや何か得体の知れない怪物に食われていった。
「だめ!お兄ちゃん!戻って!」その時遠くからアゲハの…いや、これは…ミク…?
いや、美奈さんだ・・・!「お兄ちゃん本当にこの世界でいいの?そんなにコミケに参加したかったの?」なんでお前がお兄ちゃんと呼ぶんだ・・・!?
さらに声が聞こえる…!「…ちゃん…お兄ちゃん、しっかりしろ!お兄ちゃんは騎士だろうが!」この声は…黒男爵!?
ハットリ「あぶない所でござったな。敵の幻術は手強い・・・」気がつくと、つくばエクスプレスの車内。俺「な!?どこへ行く?」ハットリ「決まっておろう、つくば万博跡地でござるよ」
まるで悪い夢を見ているように目まぐるしく場面がうつろう。そして疑惑は確信に変わる。(間違いない。どんな能力かは判らないが、今、俺は敵の攻撃を受けているっ!)
脳に声が響く「お兄ちゃん敵は誰かわからないけど私達の中にいる、これはお兄ちゃんしか気付けない」
敵とはいったい・・・。そんな中、つくばの地下研究所に着く。「あれ?ソフィは?」ハットリ「彼女は秋葉原に残ったでござる。あの、全ての神話の集う電脳の街を、第二の故郷にする覚悟ができたのでござろうて」
俺はプラットフォームを歩きながら、違和感の元を探っていた。「そう言えば、さっきから黒男爵の姿も見えないなぁ」「ああ、ナマモノ系を仕入れに、池袋へ行ったようでござるよ」やはり変だ。そういえば、秋葉原でもないのに、妙な格好をした奴が多すぎるな。
あちらこちらにメイドが歩いている、不思議だ秋葉原と変わらないじゃないか、俺は用心のため獣化しておくことにした「熊猫蒸着!」
340 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/22(土) 16:55:44 ID:2s2PPtHo
補導されました。「困るよキミ〜こういう派手な仮装イベントは届け出しといてくれないと〜」
「しょうがない初犯のようだし、処刑する」バンッ!うおっまじで銃撃ちやがった「避けたか公務執行妨害だな」何だ何で周りは騒がないんだ?
警官「逮捕する〜!」バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!目の周りが黒い変な警官が銃を乱射しながら追い掛けてくる!
やっぱり何かおかしい。とにかく黒男爵……いや、ソフィと合流しよう。「そのためにも……、まずはこの状況を切り抜けないとな!」
するとセーラー服姿のソフィが助けに来た。何だその格好?ソフィ「この世界に順応しようと思って・・・」ふ、ふざけんなっ!!俺はブレザー派だっ!!!
「フーン」ソフィは養豚場の豚でも見るような冷たい目で俺の叫びをスルーして、あるところに連れて行った。
ここは地下のクラブか「無事、合流出来たようだな」黒男爵だ服装は漆黒のスーツでどこかホストっぽい「追っ手は巻けたようだがいづれここも見つかる、術者を見つけなければならん」
「そうね作戦会議をしましょうか」「!ソフィいつの間に着替えたんだ。似合ってるぜ、そのチャイナドレス」「なっなによアンタのために着たわけじゃないんだからねっ」
と新聞紙で叩きつぶされたゴキブリでも見るような目で言われた。
「そういうあんたは、相変わらずパンダなわけね? どこが良いわけその格好の?」
といった幻聴も聞こえたような気がしたが気にしないことにする。
なぜならそのとき俺は腰の上まで伸びたドレスのスリットに集中していたからだ。
パンダの動物的本能が優先され、黒い毛皮の前足がスリットに伸びる
が動きが止まってしまう何故だ「お兄ちゃん何やってんの」くそアゲハか何故そんなに怒っている?
ふと気付くと俺の右手が光って唸り「敵を倒せ〜」と轟き叫んでいる!いつからこんなわがままな手になったんだ‥
右手はそのままスリットに突入して中をまさぐっている。なんて悪い手だ、コレはおれの意志じゃないですよ〜勝手に動いてるんですよ〜
「まあ動物だから仕方ないじゃないか?」俺は居直った
「そうじゃこの腕が悪い」ボキッ!「ギャーー!」ソフィ、腕折りやがったしかしアゲハの力で再生・・しねえよ「しらない反省して」黒男爵治療を「輝、歯食い縛れ」
ぶちっ
たまを握られた。変な音がするぐらい、強く。「な、何をする気だ黒男爵っ…!」俺は弱点を握られてガタガタと震えながら黒男爵に聞いた。「動物のようだからな…去勢する」
「や、やめてくれええええええ!!!」俺がそう叫んだ瞬間、世界の全てが真っ白に染まり、そして砕けた…
「……て……ちゃん……起きて……お姉ちゃん起きて!」
気が付けば俺は紫禁城で宦官として働いていた。熊猫でも違和感がないのには支那4000年の歴史を感じる。
違う!!ここは秋葉原のチャイナドレス・ウェイトレス喫茶だ!!こんな新商売があったとは・・・。
???「くっくっくっ、そうだ夢から醒めてもそこはさらに夢。そうして命尽きる迄、眠り続けろ」
365 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/22(土) 23:38:34 ID:6bF3jQQs
「…Zzz…」既に聞いちゃいない
……俺は浮遊している……
‥これ‥が‥宇宙の‥意志‥ビッグソウル‥なのか‥‥
大宇宙の大僧正さま「元の世界に返してやろう・・・貴様の望む混沌世界に・・・!!」
とりあえずディップマイディックして貰おうか、お嬢ちゃん?
いや忍者さん、言葉と同時に俺は思いっきりぶん殴る。当たりはしないが空間は通常に戻った「・・何故術者だとばれたのでござる」「単純な間違い探しだ。おかしくなった時から増えた人物が誰か」
「はははは、気付いたでござるか。…流石は騎士って事か。まさか自力で正気に戻るなんてね」姿は見えないが、奴の声が響く。…まだ頭がクラクラする、一体なんなんだこれは。
一瞬脳内にノイズが走り、また元の秋葉原の情景に戻る。…意識が混濁しているのを自覚した。今が正しい光景か?それともこれも幻か?「…そうだ、家だ、俺の家に帰ってみよう…」
家に着くなり、俺は2ちゃんにスレを立てた。こいつらなら……きっとなんとかしてくれる!
ニュー速VIP板に建てたスレは、瞬く間にVIPPER達の溜まり場になった。暫し、彼らとまったりした時間を過ごす。……ふと、家の中に誰の気配も無い事に気付いた。今の時間は、母とニートの兄が居る筈なのだが。
家に誰にもいない、いや考えてみると人にあったのいつが最後だ?「・・・・ニ・・ン・・ニ・ン」
―――ジッ。一瞬意識が飛び、俺は倒れそうになり壁にもたれ掛りながら、何かしなければいけないのにその『何か』が判らない…そんなもどかしさを急に感じた。
頭の中に、忍者の笑い声が断片的に響く。人心を惑わすその声を掻き消そうと、頭を振った。と、視界の端のモニタに、VIPPERの張り付けた画像が見えた。「これは…ソフィ…」
騎士王のコスプレをしているソフィの画像を見ながら、ぼんやりと(そうかソフィ一人前の騎士になれたんだな…)とか考えた瞬間
俺の立てたスレは無事満スレとなった。さっそく2をたてなければ
そう、VIPPER達の情報網は、非常に役に立つ。今回も「最近街で見掛けた変な奴」をテーマにスレタイを決め、情報を集める様仕向けたのだ。「…先ずはソフィを見つけた。次は…」
早速右手が白と黒の毛に覆われた男の画像が貼り付けてあった。……これって俺じゃん!
お次に見つけたのは黒スーツのホスト黒男爵が女子高生とラブホにしけこむ画像だった。こいつ当初の目的忘れて満喫してやがんな。
男爵は少し羨ましいが、それよりも気になる事がある。忍者の画像が、一向に上がってこないのだ。……いや、それよりも、もっと大事な事が。「…妹は……ミクは…!?」
「くっくっくっ」どこからともなく声がする。どこだ?買nッ!俺のソファから妹の声がする!慌てて立ち上がりソファを良く見ると人型に歪んでいる。我が妹ながら恐ッ!
「のんびりと2ちゃんを見ているとは、平和ボケした日本人ってところかしらね。そんなことをしててもいいのかしら」言ってる内容や、口調、行動がおかしい。ミクに何かあったのか!?
「お兄ちゃん、あたしもう子供じゃないのよ」「!」
「ナイスワークだ、ミク」「…気付くの遅いよ兄ぃ。あたしは神出鬼没が信条なの、知ってるでしょ?」「…いつからそんなに歪んでしまったんだ、妹よ。やはり、一刻も早くアイドルに仕立て上げて、おしとやかにしなければ…」「…まだ諦めてなかったんだ…」
388 :
387:2006/07/24(月) 00:32:56 ID:VrbkT4/Z
「取り敢えず、着替えたら?いつまでもパンダの格好してないでさ」
「着替える?これは妙なことをいう。あえて言おう、 中 の 人 な ど い な い !」
「ところで、お母さんと腐兄ぃは?」…いつだったか、ミクが上のニート兄貴を腐ったミカンと称した時から、すっかりニート兄貴を腐兄と呼ぶ事が定着してしまった。「…わからん。この近隣一帯、人の気配が無い」
「まっそうでしょうね忍者の術はかなり強力だから」「おいミク何でそんな事を本物か?」「さあお兄ちゃんが判断したら、ただ人は変わるわよ」
何を言ってるのかようわからんが、とにかくミクはすごい美少女だと改めて思う俺。うむ、やはりこいつをアイドルにせねばならん!!ちかくのゲーセンに「アイドルマスター」が入荷されてない悲しみを癒すにはそれしかない!!
「…もぅ、今はそんな事してる場合じゃ無いですよ〜よ〜よ〜…(残響音含む)」…っ!やたらデカい音量の声が頭に響いた。俺の中に居る美幼女、アゲハか。「遊んでたら、めっ、ですよっよっよっ…(残響音含む)」
「・・お兄ちゃんはたから見てると危ない人っぽいからさっさと具現化できるよう位階上げたら」「何ッそんな素敵スキルが!まて何故知ってるミク?」
「そりゃ、お兄ぃよりも魔女寄りの位置に居たからね」…魔女?「とにかく、今この私達の世界は、赤刃とその配下…言うなれば『怪人』みたいなのに支配されようとしてる。対抗できるのは、『騎士』お兄ぃとアゲハちゃん位なのよ」
それで
「それで、ミクはどっちの味方なんだ?」
「今は、お兄ぃ達の味方だよ。この世界が無くなるのは嫌だもん……。それと、男爵とソフィさんは向こうの世界の人だから、こっちでは実力を発揮出来ないみたい。できたとして、男爵が司令、ソフィさんはオペレーターってとこかな」「…何か、変身ヒーローのノリだな…」
ちょうど同じ頃。ここは国立軍事開発センターの研究室。「教授!いったいあなたは何をしたんだ!それにその姿は?」「ふっふっふっ、私は、亜空間ゲートの研究中に神と契約したのだ。みろこの無敵の装甲!神は約束したのだ。協力すれば、私を神の仲間にしてくれると!」
「クックック、お前も、神の仲間にしてやろうぞ」「…あ…教授…やめ…ぎゃああぁ!」「…ククク、神は申された。この地を足掛かりにし、神の世界を作り上げると。私に、神の兵団を作れと。大いなる神よ、私はあなたの忠実なる僕となりましょうぞ!ハーハハハハ!」
「大文字博士!貴方は何を!?」「おやおや?軍の皆さんお揃いで、喜んでください研究は順調ですよ」「研究員から密告が有りました。貴方が研究を私物化していると」「ふう、しょうがないですね研究成果を貴方方で実践しましょう」
数刻後。静まり返った施設。「…教授、少々暴れすぎではなくて?」学生風の女が、教授に声を掛けた。「…ふん、同士キリコか。神から戴いた力を軽く試したのみ。設備に損傷は与えておらん」「…そ。ならいいけど。大事な怪人生産機なんだから、手荒な事はしないでね」
「それにしてもそのノート、本物だったんですね教授。こうして名前を書くだけで人が怪人になるのを目の当たりにすると信じざるを得ませんが…」
教授の孫、正太郎君(6つ)が、教授の手にある書類を覗き込んで言う。…彼は知らない。その書類に名前を書き込まれた人間は、家からさらわれて来てカウンセリングとか色々長い時間受けて最終的に複雑な機械行程で手間暇掛けて怪人に生まれ変わる事実を。
「そうだろお爺ちゃんの研究はすごいだろ。さあ今日は帰りなさい正太郎」「はい教授、じゃなくてお爺ちゃん」その声はどこまでも穏やかで先程、別の部屋で凶行をさせた人物には見えない
406 :
sage:2006/07/24(月) 16:43:28 ID:jTiq5O3D
それを物陰から覗いていた将軍様の股間は
アーマーを脱いだ教授のしおしお赤フンドシ尻に、超萎えまくりだった。「…さて、本題に入るわね、教授。我等の神に仇なす『騎士』が、そろそろ稼動するらしいの」「ホッホ、随分と早いの」「諜報員『忍者』の幻術を、半ば破りつつあるらしいわ」
「なのでここは私が一肌脱ごうと思います。」「そうじゃな、お前は脱いだら結構凄いからな」赤面するキリコ
(盛 り 上 が っ て ま い り ま す た!)…一人、物陰で興奮する将軍様。股間もうなぎ登り。「取り敢えず、アーマー脱いで学生服に着替えるわ」「…もち、セーラー服じゃろうの?」「……ブレザーよ」
「むう・・・もちろんブレザーの下は」「ええスクール水着よ」「なら良し!!」
「赤刃将軍よ。征服計画は順調であろうな?」 壁に掛かったモニュメントの目が怪しく輝く。「はは、我が支配者、聖総統様!騎士どもの居所ももう少しで判明しますれば、今しばらくお待ち下さい」「こちらでの失敗を繰り返すな」 それだけ語ると、モニュメントは沈黙した。
赤刃の頬を冷や汗が伝う。あちらの世界では、黒男爵にまんまとやられた。起死回生で再度志願したが、またも男爵の騎士が立ち塞がるという。聖総統の御身を見た事は無いが、自身が至上最強の『騎士』であり、かの悪名高き『魔女』の息が掛かっているらしい。…失敗は、死だ。
一方そのころの俺はというと、ゲーセン巡りをしてアイドルマスターを探していた。
「お兄ぃ。結局は、アイドルヲタなだけなんじゃ…」「そんな事は無いぞ妹よ!これはお前がアイドルへの道を歩む為の、輝かしい練習だ!」「…そう…。でも、ごめん。あたし、アイドルになれそうに無いんだ。夢を叶えてあげられなくて、ごめんね…」「…?何弱気な事を…」
だがふとしたはずみでやり始めた脱衣マージャンにおもいっきり嵌まっている!「そこのセーラー服いいかげんに脱げろ!」
「む〜っ聞いてんのお兄ぃ!ってか未成年の妹の前でそんなのやるな〜っ!」「…すまん、つい。『スーパーアイドル麻雀P○○』とか書いてあるからさ…。しかもセーラー服で」「…あら、セーラー服がお好み?」…おや?ミクの声じゃない。…この最近聞き慣れた声は…
「・・・男爵、スカート履くならスネ毛は剃りましょうよ」
「む…ダメか。結構イケると思ったんだがな」「渋いイケメンオヤジも、セーラー着たら只の変態っすね」「…む、変態テルの分際で、黒男爵様を愚弄する気?許さないよっ」男爵の脇に、ソフィも立っていた。こちらも夏服セーラーを着ている。生足二の腕が眩しい。
「待て、ソフィその黒男爵は女子高生とラブホに行くような奴だぞ」「む、ばれていたか」「あっあんたどこから見てたのよ」ぽっと顔を赤らめる女子高生の姿のソフィ・・・マジで!?
「マジっすか」呆然と呟く俺。「嘘」あっさり言い放つ男爵。「…和んだ?」意地悪く笑うソフィ。「…でも、ラブホに行く姿が…」「映っている建物は、ホテルではない。…アジトだ」「はい…?」「君が見たのは、我らが黒騎士団本部、『黒い家』だ」
「まあ回転するベッドも付いているんだがな」「あのう、それってやっぱりラブホなんじゃ・・・」「もーーー!その話題はやめなさーい」ソフィがかわいくキレた。
ちょっと萌え〜な感じに包まれる俺を、ミクが冷めた目で見ていた。「ん?こちらのお嬢さんは」「初めまして…ミクです。黒男爵様、ソフィさん」「…?ほう、我と住む世界が違うのに、我の名を知るとは」ミクは少し目を伏せ、「…はい…色々ありまして」
「そのぉ、こっちの世界では結構有名なんですよ黒男爵さん。キンチョールのCMとかで」「そうか嬉しいな。しーえむとやらで紹介されているのか」「え、ええ・・・ところでっ!」わざとらしく話を逸らすミク。
「何人か書き込みすぎだと思いません?」意味不明な事を尋ねるミク。
「そうね、しかも全然話が進んでないわ。少し自重しましょうか」意味不明な返答をするソフィ。
「大体、テルにやる気が無いのが一番の問題だ」意味不明に俺を責める黒男爵。
「ふむ…ミク君」「はい…」弱々しく呟くミク。「この世界が不満ならば、君の手で、世界を作り替えてみせるんだ。君になら出来る。…魔女の息が掛かった、君ならね」弾かれたように顔を上げるミク。
「……はい!」ミクは何かを決意したように頷き、「お兄ちゃん――攻勢に出るよ」
「…攻勢って、何処に…?っわあっ!」問答無用で俺の手を引っ張り、ゲーセンから出て行く。何処にこんなパワーがあるんだ!?ってか何処行くの!?
瞬間、黒男爵達の姿が消えていく「結界への接続も時間切れか。輝、ミク忍者はすぐ近くにいる脱出を信じてるぞ」「お兄ちゃん忍者はあのビルよ」なんだかわからんが行くしかないか
一方そのころの国立軍事開発センターの某研究室。制服姿や水着姿のキリコの写真撮影会が行われていたまさにそのとき、所内に大音響で警報が鳴りだした。
「『忍者』の隠れるビルに、騎士が突入した模様」戦闘員が淡々と述べる。「…とうとう始めたが。ま、忍者だけでも何とかなるだろ、まだひよっこだしの」…それは甘い…と心の中で一人ごちるキリコ。
まあ何はともあれ「鎧・着」アレ?何故にパンダではなく白銀の鎧(パンダは趣味悪いから戻したの)なアゲハ「ちょっと何してんの騎士、ムシ、鎧は三位一体となって真価が出るのよ」
…ま、いいか。パンダよりこっちのが格好良い。「で、目標はどの部屋?…て、うわっ」…ビルのドアを開けて勢いよく踏み出した途端、床が消えた。「…『怪人・忍者☆乗っ取り君』の亜空間ルームよ。気を付けて。奴はここに居る」
「え〜っと、落ちながら冷静に解説されてももう遅いんですけど」 ひゅ〜〜〜〜〜 ざっぷ〜ん
「あっ亜空間内に何故水がっ!?」アップアップ溺れる俺。ちと情けない。「空間内をたゆたう逃げ水ね。その水玉に突っ込んだら、溺れるわよ」…冷静に言われても、もう遅い。息…が…
「アゲハ…翼をっ…!」(うん、わかった!)脳内でアゲハが元気よく答える。バサッ!俺は翼をはためかせ水玉から勢いよく飛び出した。
(しっかりしてよ私の騎士何だから)アゲハの声がすると頭部がフルフェイス状態になり簡易酸素ボンベになった
(これで、水が来ても大丈夫だよ。翼の力も強めたから、多少の障害なら乗り越えられる)…便利なもんだ。「よし、忍者を探すぞ」「お兄ぃ、あそこ…」ミクの指差す先、只の中空に、忍者が浮いていた。…武空術ですか?
(ところで俺はいつになったらこの幻覚世界から抜け出せるんだ?)脱出の糸口すら掴めない。
「くっ。みんな!オラに、、、オラに力を!」(えっ!?はやくない?)と脳ないにアゲハの声が響くが無視して両手をかかげる。そして俺は……
忍者を力一杯ぶん殴った。素晴らしい勢いでかっ飛ぶ忍者。「んっなっ!幻術で拙者の姿は見えない筈…!?」…丸見えでしたが。(メットは透視とか屈折した光景を修正します)とアゲハ。…便利なもんだ。(その代わり、使うと寿命縮みます)…なっなにいっ!
気が付くと、亜空間が消えて普通のビルのフロアに戻っていた。コンクリに囲まれた、だだっ広い室内。真ん中に忍者が大の字に横たわっている。・・・俺は勝ったのか?
「よくやった!お前のおかげで俺はねんがんの『雌ゴキ調教モノ』を手に入れたぞ!」話がややこしくなるから出てくんなエロゲオタゴキ男爵…って明らかにおかしい、
>>335あたりで察知した敵の攻撃がまだ終わっていない!?
黒男爵はに見えたのは忍者だった。くっ、また幻影か忍者に止めを、ピィーピィー!あれまっすぐ動けない「いくら鎧でも音までは防げないでごさる。脳みそとろけさせてやる」
そうだ…あったじゃないか…いつだって前後の脈絡もクソもなく不自然に俺の中だけで発生していた幻覚…あれは荒らしじゃない、伏線だったんた!そして俺は叫んだ「消えろ!パンダーッ!」
叫ぶと同時、またも情景が変わる。…ここは?
先ほどと同じビルの一室だった。「やっぱそう都合よく幻みたいに消えてくれないっか」だが1点だけさっきと異なっていた。それは
廃ビルの一室だ「いやはやお見事、拙者の幻術結界を破るとは」忍者?部屋には白黒の色が散りばめられている。くそっ力が入らない「しかし破ったので力尽きたようですな」忍者は刀を持って近づく
刹那。ゴンッ!という大きな音が廃ビルに響く。忍者は一瞬その動きを止め、そこからゆっくりと前のめりに倒れて、動かなくなる。……倒れた忍者の後ろに、小さくも凛々しい騎士の少女が立っていた。「……ミ…ク…?」
「!?…ぬらりひょんか…」一同肩を落とす
その背後から騎士ミクがホントにあらわれ、ぬらりをぶった斬り、ついでにパンダを魔法で次元のはざまに転送した。ミク「うぜぇーんだよテメーラ!!二度と出てくんなこのクズクズクズクズクズ!!!」・・・なんか正確変わったな。
その言葉を最後に俺は意識を失った。・・・「無事か輝?結界を破ったんだな」目を覚ますと黒男爵達がいた「ここはそうださっき騎士が」「何の話だ我々が来た時はお前だけだったが」
忍者型のぬらりひょんを蹴り飛ばしつつ、ミクが歩み寄る。「ミク…これも幻覚か?お前が騎士に見える」「そうね。幻覚と取るかどうかは、お兄ぃ次第よ。ともかく、忍者には逃げられたみたいね」
「ミクが・・・妹が傍に居たはずだ」「見ておらん」断言する黒男爵。「ともかく、鎧着して忍者を撃退したのは事実よ。あなた一人でね。胸を張りなさい」ソフィが優しく言う。・・・やはり、ミクは居なかったのか・・・?
一方、国立軍事開発センター。とある一室で、場に不釣合いなストリート系服装の男がモニタで忍者戦の様子を観ていた。「ケケッ忍者め、簡単にやられてやんの」「・・・聖総統様」そのストリート系男に、戦闘員が何事かを耳打ちする。
「…そうか。通せ」耳打ちされた聖総統が、戦闘員に言う。程なくして、部屋に一人の少女が入って来る。「…お疲れさん。面白い余興だったぜ。擬似的にでも兄貴を救えて良かったなぁ、ケッケッケッ」少女に、侮蔑の意味合いを込めて言い放つ聖総統。
「あっそう、わかった博士によろしく。下がっていいぞ」戦闘員が下がると聖総統は自然にそう言う「綺麗だったぜミク」「敵対行動した私に何か言う事は」「素直な感想何だけどな」
「ま、とりあえずはこれで全面的に黒男爵率いる騎士団が、この世界で始動したな。俺らとしても、非常に面白くなってきたわけだ」「……別に。面白くも何ともないわ」無表情で言うミク。
「へへへ、そこでまぁ悪の組織の義務として、世界征服計画でもおっ始めようと思ってなぁ」にやにやと笑う、聖総統。 数時間後、都内某所の幼稚園バスが、アリのような鎧を纏った集団に乗っ取られ、行方不明になった。
誰も居ない実家に帰ってきた俺。家族は皆何処に行ってしまったのだろうか。謎や疑問は尽きないが、先ずは落ち着こうと居間のソファに腰掛ける。その途端、(マスター!男爵が呼んでます!出動ですよっ!)…アゲハの甲高い声が頭に響いた。俺に休みは無しかい。
仕方なく黒男爵の元へ行くと、なんか怖い顔で出迎えられた。「……何かあったのか?」
「マスコミには伏せられているが、とある幼稚園のバスが乗っ取られた」…なんですと?「乗っ取ったのは、蟻の鎧を纏った集団よ」…あいつらか。「対抗出来るのは君だけだ」…はぁ、そうすか。…って俺が行くの!?
「世界の平和はお前に掛かって居るんだ!頼むぞ、ラ○ダー」ぽん、と俺の両肩を叩いてナイスなスマイルを送る男爵。「それ、お前専用のバイクも国立軍事開発センターから調達しておいた」盗んだのかい!「頑張ってね、○イダー」ソフィアもノリが良いや。
「というかマテ!なんであんたマスコミも知らないような情報を知ってるんだよ!?」
「私の情報網を侮ってもらっては困る。この世界には私の同志がたくさんいるんだよ、ホラよく言うではないか1匹見つけたら30匹はいると」「オイそれって…」
(マスター!うかうかしてたら、子供たちがっ!)再度頭に甲高い声が。…あーわかったよ俺が行くよ行けばいいんだろまったくよー。「しゃぁない、場所教えろゴキ男爵。行ってくるわ」「ふふ、そうこなくてはな」「ゴキってあんた…」
そんなこんなで俺は今チャリで国道を北上している。なんでチャリかって?アシがないんだからしょうがない。ちなみにこのチャリも駅前でパクったものだ。
…え、バイクはどうしたって?…免許無いんだよコノヤロウ。チャリは良いぞ、排ガスも騒音も無くエコロジカルで地球に優し……お、そうこうやってる間に、現地が見えてきた。
一方、幼稚園バスを乗っ取り、採石場まで来た蟻集団。頭目はキリコだ。淡いピンクのブレザーに身を包み、三つ編みメガネ姿。どっからどうみても文学少女だが、本人にその自覚は無い。手に軽機関銃を持っている辺りがミスマッチだ。
「ふふん、そろそろ奴らが来るね。あたしのマシンガンが火を吹くわよ〜」「お頭、セーラー服と機関銃ですかい」…ゲシッと蟻人間の頭を殴るキリコ。「あたしゃブレザー着てんだよ。セーラー服なんざ吐き気がするね」「…お頭、何かセーラーに恨みでも…?」
「ところで、何でまた採石場なんかで待ち伏せるんですかい、お頭」「馬鹿だねお前、常識だろ?ここなら安全に思う存分ダイナマイト発破できるし、付近住民から苦情も来ないし、何より政府の認可が下りるのここしか無いんだよ」「お頭…それは特撮の常識では…」
運転手「あのー取り込み中のところすみませんが、左側の窓の外で妙な少年が自転車で爆走しながら何か叫んでるんですけど」
「バカヤローー運転手バラしてんじゃねえええぇぇぇぇ!!!!」ちゃりんこで一気に突貫作戦を敢行したのだが、気付かれてバスの周りをガッチリ蟻人間で固められてしまった。くそ、どうする!?このまま突っ込むか!?
いやまて、何も自ら飛んで火に入る夏の虫になることはない。ここはこのライターでバスのガソリンに引火してやって一網打尽にしてやろう
炎に包まれ爆発炎上するバスと中の子ども達、そこはまるで地獄だった。敵の怪人や戦闘員達も残酷な光景に顔を引き釣らせている。よく考えて行動すれば良かった、今は反省している。
俺が号泣していると、ギチ、ギチという音があたりに響き渡った。そしてぶるぶる震える子供たちの黒焦げの遺体。一体何が起こっているんだ!?
と俺が茫然自失している間にパトカーに囲まれ手錠をかけられ連行され取調室に閉じ込められた。
と、そこで、急激にビデオテープの巻き戻しの様に、全ての出来事が逆回転を始めた。どんどん時間が遡り、みるみる全てが元通りになってゆく。(…今、私の力で一つの行動の未来を見せました。参考にしてください)え…っ気付くと目の前に蟻に囲まれたバスが!避け切れない!
「……取り調べをするまでもないが、いったいなにがあったんだ?」いかにもな刑事がそう切り出す。「俺もこの道何十年だが、こんなのは雛見沢以来だよ。な、お前、なにやったんだ?あっ!?なにやったのかわかってんのか!?」
「わからないわからない何度も繰り返してるんだ同じ時間を何度も何度も繰り返すでも俺は毎回火をつけるんだそうバスを燃やすんだ死んだ死んだみんな死んだ俺が殺したんだ何度も何度も……」
「死んだ? 何を言っているんだ? 私はなぜバスを壊したのかを訊いているんだ」「えっ、死体はなかったのですか?」
高速で、蟻の大群に体当たりをかましてしまった。ちゃりんこ大破。…持ち主ごめん。
「死体?なんのことだ?おいお前何か聞いてるか?」後ろの刑事に問いかける「いえ私は何も聞いてませんが、大石さん」
意識がふらふらするなんか変な夢みていたが忘れよう「子供達、助けにきたぞ!」
チャリを乗り捨て、周囲の蟻に蹴りを食らわせつつ前進。…案外手応えが無い。ひょっとしたら蟻ども弱いのか?「いや、俺が強いんだな。フフーン」ちょっと誇らしげな気分になる。
――ちなみにその時、国立軍事開発センターの時空監視装置が局所的な平行宇宙の発生を観測していたことを2つの世界の俺は知る由もなかった。
「あー…白黒の騎士アゲハめ、真の能力を一部開放しやがった。時空を捻じ曲げて二つの未来作りやがったぞ」「…何、それ」聖総統の呟きに、訳がわからず問い正すミク。
「黒男爵が遥か昔から温存していたアゲハは、強烈なタイムパラドックスを引き起こす能力を持っている。世界を変える程のな」「……」「フン…魔女が動く訳だぜ。あんな危険な分子が、一個人の手にあるんだからな」
結局、被害者がいないってことで俺は釈放された。大石刑事が別れ際に言った言葉「君は君と合流しなくてはいけない」の意味は分からないけど、まあ気にしなくてもいいだろう。ああ頭が痛い。
「なあアゲハ、お前…途中で何かしなかったか」(……)「…だんまりか。…まあいい、ともかく任務完了。バスには誰も乗っていなかった、蟻の大群は燃やした、この報告でいいだろ」…そこでふと気付く。途中から、キリコが忽然と消えていた事に。
駅の方向を聞いた通りに進み 途中で缶コーヒーを買い うなだれながら考える
一体、何が起こったのだろうか。自転車で突撃した時、自分の半身が消えた様な錯覚がした。同時に、バスから人の気配が消えた様にも思う。…今も体を襲う、世界が分裂したかの様な居心地の悪さ。…気が触れそうだ…。…早く帰って休みたい…。
という訳で一旦この物語を休止しよう・・・。第一部・完「短い間ご声援ありがとうございました。名無しさんの次回作にご期待ください」
まずは、俺はパンダに獣化し妹を抱きしめた。 「お兄ちゃんふわふわー」妹は落ち着いたようだ。「何があったか一行で話してくれ」俺はミクに尋ねた。
「昨晩で、スレが荒れたのは事実ね」静かに語り出すミク。「非道徳派vs道徳派。ライトノベルに虐待物もあるし、一概に良し悪しは言えないけど」「まあ…非道徳は大衆受けはしないな…」「それによりスレが真っ二つ。危機を感じた住民が、アゲハの能力で揺り戻しを掛けたの」
「無理に修正しようとしてしまった為に、未来も分裂してしまう様な事態になった訳か」「正直、穏健派としては、非常識な一行でスレ12冊目以前の混沌状態に戻ってしまうのが嫌だったのね」
「…これからどうなる?」「未来は別れたわ。これより先、未来は徐々に一つに戻り始める。存在の力の弱い未来は、消えてゆくでしょうね。……さて、私はそろそろ行かないと」「?…何処へ」「……魔女と、同胞の元に。さよなら、この未来のお兄ちゃん。もう会う事も無いわ…」
そして怒涛の第二部・「湯けむり地獄変」がはじまる・・・・・・。
ここは、秘密のアジトである。「聖総統、幼稚園バスジャックで工作員を確保する作戦は失敗したみたいだね」「ふっふっふっ、次の作戦だが、有○温泉を制圧するぞ」「なんで、○馬温泉?」「観光…いや、地方から国を征服するためだ」「…コウモリ怪人、いや騎士、行け!」
イーッっと奇声を上げ、かっ飛んでいくコウモリ怪人。入れ替わりにミクが現れる。「よう、お別れは済んだか?」「…消えゆく世界のお兄ちゃんとは、ね」「ドライな言い分な割に、目ぇ赤いのな」「うるさいうるさいうるさい!」
一方その温泉では。 かっぽーん。「いや〜いい湯ですな大石刑事」「ええ、生き返りますね。でも捜査で来ていることをお忘れなく」
そんな刑事達を、湯船の反対側から湯煙に紛れて眺める俺。…夏休みを利用した、疲れを癒やす慰安旅行なんだがなぁ…何で刑事と鉢合わせなんぞ」「文句を言うな、小僧」隣には男爵。女風呂にはソフィも居るはずだ。…結局、俺の家族には会えずじまいだが。
「さて大石刑事、今回の事件ですが」刑事達の話し声が聞こえてくる。「ああ、コウモリの様な翼を生やした妙な甲冑男が、この近隣をウロウロしているのだろう?」「ええ。そして温泉客の子供が行方不明に」…甲冑?コウモリ男?…嫌な予感が。
そういえばまだ蜘蛛男とは合ってないな…
一方こちらは女湯。客はソフィ一人なので、悠々自適な入浴だったのだが…客が一人入って来た。「うわ、メガネ曇ってみーえーなーいー」…キリコだ。しかし、ソフィには気付いていない様子。(これは…チャンス?)乳の大きさで負けるソフィだが、今形勢は有利だ。
ひとまず、このにっくき敵の乳(Fカップ)を揉んでみる。「ひゃぁんっ!?」…柔らかい。自分の胸(Aカップ)とのあまりの差に、ますます腹が立つソフィ。「…だれ?誰か居るのぉ?」目の前のソフィにまるで気付かないキリコ。
次の瞬間、掴んでいた胸がポロリと取れた。
「ちょwwwwwおまwwwwwwパットwwwうぇwww」テルにインターネットを教わってから、すっかりVIPPER化してしまったソフィがうろたえる。
「私の秘密に気付いたな」どこに隠していたのか銃を構える霧子。悲しいかなソフィのBに近い胸に対して本当にペタンコだったブラが必要ないくらい
かなりごちゃごちゃしてきたので、人物まとめ。
山田テル …17歳。妹を日本一のアイドルにし、2chにミクたん板を立てるのが夢。多少アイドルヲタでゲーム脳。
ひょんな事から異世界にかっとび、黒男爵が保管していたとされる虫に寄生された。
「鎧・着」で白銀色の甲冑騎士に変身する。視力2.5、お気楽な性格。現世界で、謎の怪人達と否応無く戦わされている。
山田ミク …12歳。別にアイドルになんぞなりたくない若干武闘派な性格の少女。兄と同様異世界に飛んだが、謎の魔女に拾われた様子。
詳細不明だが、テルと同様に騎士である可能性大。現在、敵方に付いている様だが…?
黒男爵 …異世界に名を轟かす騎士。別名「G」。 赤銅色で鋼のように逞しい身体だが、甲冑はゴキ〇リに酷似。
異世界でテルを拾い、導く。敵によって、力を出せない現世界に飛ばされてからは、テルの司令?を勤める。
ソフィ …黒男爵に付き従う異世界の少女。小柄に似合わず怪力の騎士。凶暴な性格だが、黒男爵にラヴ。胸はB?カップ。
力を出せない現世界に飛ばされた後、セーラー服を愛用し、テルのオペレータ?を勤める。最近VIPPERになりつつある。
アゲハ …見かけは10歳位の美幼女だが、実態は虫。テルに寄生し、未来を分裂させるわけわからん強力な力を持つ。
時々声の音量を間違えて、宿主に頭痛を起こさせる。「鎧・着」時は鎧に寄生する。敵方も一目置く、最終兵器?
魔女「モノクローム」 …金髪碧眼の美女だが、幻覚の中でばっかり会うから本当の姿は分からない。何もかも謎の人間。
テルに虫を植え付けた張本人の可能性があり、ラスボスの可能性もある。
聖総統 …ストリート系の服を着た、謎の男。現世界の人間だが、力を求めて魔女に取り入り、異世界で修行して最強の騎士となる。
異世界に飽き、現世界をも支配しようと目論む。ちなみに服は似合っていない。
赤刃 …異世界における黒男爵のライバル?で、魔女の配下。現世界では、謎の怪人軍団を率いる将軍。でも聖総統に頭が上がらない。
壬生霧子(キリコ) …ライフルや機関銃を扱う、現世界の騎士。ブレザーを着た三つ編み眼鏡少女。巨乳だが、パットである事が判明。
見た目に似合わず高飛車気味。異世界に居るとき赤刃に雇われ、テルと敵対する。
教授 …国立軍事開発センター研究室に勤務していたが、現世界に現れた赤刃を神と崇め、配下となる。
怪人を生産する博士っぽい仕事を行う。
正太郎君(6つ) …教授の孫。超無邪気。
大石刑事 …デカ。最近変な事件ばかりで嫌んなっちゃう。
山田テル …17歳。妹を日本一のアイドルにし、2chにミクたん板を立てるのが夢。多少アイドルヲタでゲーム脳。
ひょんな事から異世界にかっとび、黒男爵が保管していたとされる虫に寄生された。
獣化でパンダに変身することが可能。 この能力は妹ミクにもあると推定される。
「お前、よくも、よくもぉ!」目に涙を浮けば、顔を真っ赤にしながら、霧子はお風呂セットの中から軽機関銃を取り出した。そのまま腰だめで無警告で撃ちまくる。どがががががががが たちまち廃墟になる露天風呂。「この秘密を知った奴はこの世から消してやる!」
「ななな何だ何だ!?」女湯から銃声が!ってか垣根を突き抜けて男湯まで銃弾が飛んできてるんですけどぉぉぉ!「小僧!飛び込むぞ!」男爵が腰にタオルを巻く。一瞬俺と目配せした後、二人で一気に垣根を蹴り倒して女湯に踏み込む!!
天国と地獄が同時に存在していた。「キリコ!?奇襲か〜な〜」「輝よ女性の裸身をあまり見るな」「あんたこそ見てるじゃん」「ふっ、ソフィの成長をだな、もう少しでBになるか」
一方、ソフィはソフィでこちらをじっと見つめていた。厳密には、ある一部分を。そして呟く。「…(*‘ω‘ *)ちんぽっぽ。」……やべえよ、まじソフィのVIPPER化が進んでいる…!「君ら悠長に棒立ちしてるんじゃない!弾が飛んで来てるんだぞ!」大石刑事が叫ぶ。
このままじゃ埒があかん!「ソフィを連れて逃げるぞ、小僧」言うが早いか、赤面してフリーズするソフィを担いで逃げ去る男爵。行き先は旅館の部屋か。俺も、暴走キリコとその場に伏せた刑事を残し、マッハで逃げる!
しかし足元にあった石鹸を踏んで俺は豪快に転んだ。キリコがスコープドッグに乗って迫ってくる。俺は思わずパンダになってタイヤで遊んだ「必殺! 愛パンダ惑乱の術!」
ならない何でだ?(うぜーんだよ変な風に私の力使うな)アゲハさんがキレておられる。これがキレる世代か
…ふと気がつくと俺は、旅館の布団に横になっていた。「全く…石鹸踏んで頭打つとはな」俺の傍らで、浴衣を着てタバコをくゆらせる男爵。頭には、何故かたんこぶが一つ。「あんたも見たわよね、一発殴らせなさい」ソフィが指を鳴らして俺を見下ろす。
「何故だ! 何故お前は愛らしい熊猫姿をみて和まないのだ! お前ら人間じゃねえ!叩切ってやる!」俺は逆切れした
ボコッ!答えはソフィの鉄拳であった。こうして俺は本日二度目の気絶をした
「コ〜モリ〜、俺の出番は何処行ったんだ、コ〜モリ〜」コウモリ男の嘆きは深い。「しょうがない、最初の予定通りにそこらの子供をさらって我らの手先に改造するぞ! 行け、戦闘員どもよ!」どうやらこのコウモリ男、律儀な性格らしい。
「お嬢ちゃんこれから君を誘拐させて頂きたいんだけどよろしいかな?」修学旅行に来ていた小学生に話しかけるコウモリ男。律儀すぎるバカだった。
「誘拐? 今どきそんなことはやらないよ。それに誘拐って、犯罪の中でもかなり成功率が低いんだよ」「そうなのか……。じゃ、誘拐、やめちゃおうかな、コ〜モリ〜」
「そんなテキトーでいいの?キリコお姉ちゃんがまたキレちゃうよ」「え・・・え!?お嬢ちゃんまさか!」
「あっ!」“小学生”が狼狽える。「ま、まさか…きっ」だっがががががっ!「はー。はー。……パットを付け忘れてたわ。早いところシリコンにしなきゃ」きりこの足元には血の海。そして、羽と肉塊が飛び散っていた。
『白銀の“英雄”コウモリ怪人を倒す!!』 翌日の新聞のトップは思いっきり派手なものだった。「だれだ、こんなでたらめな記事を書いたのは!」大石刑事は、新聞をびりびりに破り裂いて、ゴミ箱に放り込んだ。もちろん、当惑したのは当の白銀の英雄、テルも同じだった。
大石「まったくこんなデタラメ記事書く奴はセンス最悪だな。どっかのパンダパンダとホザく奴並みだぜ。」
「シッ…、その話題を出すと、調子に乗ってまた現れますよ」部下にたしなめられる。「フン…。とにかく、我々は温泉で銃器を乱射した少女の捜査と、現場近くにあった人間と思われる遺体の解析を進めるぞ。…私の目の黒い内は、こんなデタラメな事件は許さん!」
と、憤りを隠せない青い瞳の大石・ヴィルヘルム刑事だった。
「赤刃よ、また失敗したな!」秘密基地と化した研究所の、壁のモニュメントの目が明滅する。「あの、今回の作戦、私じゃないんですけど…?」赤刃の返事も待たずにモニュメントは静かになった。「…次はキャンプ地でも襲うか。博士、蜘蛛怪人を準備しろ…」
振り返ったそこに博士はいなかった。モニュメントの中が騒がしい「聖総統様!博士が逃げました!これまでの発明や怪人を全部持ち逃げしています!」
速攻で捕まる博士。所詮ご老体の身で、怪人どもを丸々運ぶ体力など無かったのだ。「…どういう心変わりだ?」捕まえた赤刃が詰問する。「…孫が…怪人グッズを欲しがったんじゃ…」泣き崩れる博士。
「まあいいじゃない」「聖総統さま!」「博士、動力炉行きと改造手術と新作戦実行のどれがいい?」
「ど・・・動力りょ」
博士はセリフ噛み噛みで、何を言っているのか分からない。「…まあいいや、博士の技術を無くすのは惜しい。引き続き働いてもらう。…ただし、逃げられない様細工はさせて貰うよ」
「ふむ人前に出られないはずかしい格好が良いな……よし片方だけ眉を剃ってしまえ!」
「やめてくれワシのチャームポイントなんじゃ」「だから罰なんじゃん」
同時刻の旅館では――。俺とキリコが何の因果だか卓球勝負を繰りひろげていた。
キリコのはだけた胸元がまぶしぃ〜
「おい何カップですかこの野郎」パコン。「ふふふ、秘密よ」スパァン! キリコのスマッシュが炸裂……って何してんだ俺。そろそろ話を動かそう。
何故卓球をしているかと言うと、霧子は眼鏡を無くしたらしく俺が誰かわからないからだ。「霧子さんは休暇で来たんですか?」「残念だけど仕事。この近くの山に珍しい鉱物があるの」
「ねえ君、明日暇なら一緒に掘りに行かない?」 さ、誘ってるんですかあ〜〜〜!
むむ、誘っているのだったら喜んでお供したいが、俺がテルだとわかると殺されかねん。ここはキリコを見張って何をするのかを見届けるのが良いだろうな。
時を同じくして。旅館近くの温泉街に観光に来ていた男爵とソフィは、お土産屋店員から気になる情報を聞けた。近場のキャンプ場の奥に天然の鍾乳洞があるのだが、最近、その付近を奇妙な姿の人間がうろつく様になったというのだ。
そして翌日の朝。キリコ・俺・男爵&ソフィは同じ場所…鍾乳洞に向かって出発したのだ。そこにアイツが待っているとも知らずに……
「…で、この子ほんとに気付いてないのかな」耳元で俺に囁くソフィ。「声でもバレてないみたいだし、大丈夫でない?」のんきに返す俺。「この子ね、胸大きいけど、パットだよ」…ソフィが呟いた瞬間。前を歩くキリコの動きが止まった…!
きょろきょろと辺りを見回してから道をそれて木陰に入っていった。少し離れて尾行してた俺たちはそーっと近付いて覗いてみる。
キリコは胸を気にしつつも林の中を歩いてゆく。その姿は艶めかしく、おれはついつい昨日の卓球場を思い出し、一晩中行なった行為を再び繰り返すべくポケットの中を無意識にあさり始める。無論、例の物を探すために、だ。
…あった。俺の宝物、初代ゲームボーイ。白黒画面に、ピンポンのデモが延々ループしている。このチープさがたまらんっ!思わずヨダレを垂らす俺。…あれ、いつの間にかキリコが居ない…!
「お前らナニ人の後つけてんだ?あ゛?」後ろに居ました。
「く〜も〜!キリコ様、こやつら、我々のキャンプ場のガキどもを誘拐して洗脳して戦闘員にしてやるもんね計画の存在に気がついたのではありませんか?」 いつの間にか、キリコの後ろに蜘蛛男がかしずいている!その背後には黒ずくめの戦闘員の団体だ!
霧子が蜘蛛男達に発砲する「お前等馬鹿か何作戦しゃべってんだよ。せっかく騙して連れてきたのに」
「そっそんなぁ!でも全部じゃないです!俺ら、鍾乳洞で取れる謎の鉱物については喋ってません!あれは超秘密ですからね、一言も漏らしてませんよ!えっへん」「今喋ってんじゃねぇかボケェーッ!!」いやあんたその前に俺に喋ってるから、キリコさん。
蜘蛛男はキリコに殺された。しょせん端役の最後はこんなもんだ。「なあキリコ、お前いったい何がしたいんだ?お前さえ良かったら俺と
「‥俺と‥俺と結婚しないか?」
「死ね!」バン!「うふふ情熱的な返事だ」
「だがそれでこそ俺の嫁に相応しい。」距離を詰める俺。
しゅるしゅるしゅる 粘つく糸が、俺の手足を絡め取った。「なんだ、これは!」焦れば焦るほど糸はまといつき、やがて俺はぐるぐる巻きにされていた。「く〜も〜!キリコ様、馬鹿が一人、罠に掛かりましたよ」馬鹿って言うな! 特にお前には言われたくない。
「よくやったわ怪人クモ男。簡単な罠だけど、こうも上手くかかってくれるとはね。やっぱ私の色仕掛けは最強ね!」「その豊満なバストが、男を引き寄せるのでしょうな」クモ男もキリコをヨイショ。「…パットのくせに」物陰で様子を窺うソフィが毒付く。
「霧子の姐さんこいつどうします?」「そうだね動力炉行きか改造室行きか、そうだ例の洞窟の罠避けにでもするか」・・・黒男爵達は傍で息をひそめていた「例の洞窟?」
俺「いやそれよりもいい案があるぜ、CoCo壱の1300gカレーを食わせて苦しめるってのはどうだ」
「CoCo壱までカレーを取りに行くと足がつくだろうが。誰がそんなことをするか」クモ男が俺を小突く。ちぃ、俺の危機を知らせる良い方法かと思ったのに。
「カレー・・・いいなあ。食べたくなってきたわ」「あ・・・姐さん」「ちょっとあんた買ってきてよ」「わっかりましたあ!」
この隙をつき、黒男爵は洞窟へと入っていった。「……ソフィ、今晩はカレーにしような」ぼそっとつぶやく辺りに、哀愁とハードボイルドが漂う。「何時も通りバーモントの甘口ですね」……前言撤回。
黒男爵「今日はカレーの王子様で頼む」ソフィ「にんじんはどうしますか?」緊張感の欠けらもない会話を続けながらも、所々に爆薬を、仕掛けながら潜入する二人。
「わかってて言ってるだろソフィ、にんじん玉ねぎピーマンは厳禁・・・止まれソフィ静かに」「どうしました?敵ですか!?」
「欠片だ…」「欠片?」男爵の呟きに、訝しがるソフィ。「『魔石』とも『賢者の石』とも呼ばれる、驚異的な力の結晶。我々の世界では『魔女の欠片』と呼んでいる。君も知っているだろう?」「…!!ええ」「この鍾乳洞内に、その欠片が点在している…」
「…気づかれたわね…」突如洞窟内に、二人とは違う声が響く。「誰だ!」叫ぶ男爵。ゆっくりと姿を現す声の主は…小さな女の子だった。「君は…確か、テルの…」
「調査を進めるぞ、石があるのはこの部屋だ」「・・これは鎧?」その部屋にはおびただしい数の鎧が朽ちていた「黒男爵様これは?」「なるほど石の材料は騎士の骸か、しかし何故現世界にこんな場所がある」
「この未来では、『初めまして』かしらね、黒男爵。……わたしの名は未来(ミク)。世界の紡ぎ手」無表情で挨拶をするミク。対照に、気圧されてじりじり下がる男爵。「紡ぎ手…その体内に蠢く力、魔女の手の者……いや、君は…、もしや君自身も、『魔女』なのか……!!!」
その時。外でカレー地獄に襲われていた俺の脳内に、強烈な痛みが走る。…何だ!?(…未来が、突然分裂しました…!私は何もしてないのに!)アゲハがうろたえる。…未来を分けるような力、アゲハ以外有り得ない筈…!?
「…ごめんなさい、黒男爵。わたしの事、まだ知られる訳にはいかないの」相変わらず無表情のミク。「未来を分けさせてもらったわ。こちらの未来は、意図的に消去させて貰う」「…未来を操る力…アゲハと同じ!?」「…さよなら、この未来の黒男爵」
黒男爵とソフィの脳髄に、鈍痛が響く。何故痛いのか分からない。とにかく、頭を抑えていても始まらない。「さて、先ずは、この部屋に散らばる騎士の鎧を調べる。何か敵方の手掛かりが見付かるかもしれん」「はい、黒男爵様」
「ところで、何で敵はこの鉱石を狙ってるんでしょうか」ソフィが疑問を口にする。「魔女が力を行使するには、『魔女の欠片』が必要不可欠なのさ。必然、魔女はこの石の在処を感知し、確保しようとする。…ということは、魔女が付近に居る可能性があるからな、充分注意しろ」
そのころ俺は、何故かキリコ自らふーふーしてくれるカレーを食っていた。‥俺は、このふーふーカレーを覚えている!?デジャブ?
「しかしこの量は異常だ魔女はひと欠片でもあれば・・はっ!」「黒男爵様?」「聞いた事がある魔女は数百年に一度代替りをし、先代の魔力、知識その全てを受け継ぐ。これだけの騎士の骸が溜まるには数百年は必要だ」
一方俺は夢中でカレーをほおばっている。これめっちゃうまいよパクパクモグモグ・・・・ガリッ 「何だこれ石が入ってるぞ」
「く〜も〜! あれれ、おかしいですねぇ、キリコ様。魔石がカレーに入っちゃってますよ」「しっ、何でアンタは一々いろんな事を喋り倒すのよ!」「く〜も〜? 大丈夫でゲスよキリコ様。キリコ様の『争奪、次の魔女は誰だ!』作戦については誰にも喋ってないくも〜♪」
「このバカ蜘蛛はほんっとに使えねえな。もういい、先にアジトに帰ってな。それより問題はお前だ。おい石を返しな」「・・・飲みこんじゃった」
「チッ馬鹿が終わったな」「何言って・・」ドクン!体が熱いいや痛い硫酸を飲み込んだみたいだ「ギャッーー!!」「適性の無い奴が石を飲んだりしたら耐えられるわけないだろ」
「…やれやれ」溜め息を吐くなり、俺のアゴを指先で掴み、クイと持ち上げるキリコ。「…魔石を飲み込み、その浄化の痛みに耐えた者は、魔女に近しい…いや、もはや魔女と同等の力を得ると言われる。貴様のその魔石は、私の物だ。貴様の腹の中で浄化させるのは惜しい…」
そう言って俺の腹に一撃を食らわした。意識が薄れていく中かすかにキリコのつぶやきが聞こえてくる「私の家でたっぷりとかわいがってあげるわ・・・」
ある一室「やべーな黒男爵達に魔女の代替えがばれちまった」「あら全然あせってないわね聖総統さま」「魔女か、やっぱ本命はミク?」「さあ私の時も継承儀式までわからなかったし」
一方、黒男爵。「さて、次の一手は魔女を探すことだな。丁度近くにキリコもいることだし、テルを助けつつ彼女を捕らえるか」「了解しました、黒男爵様」
とある都内高層マンションの一室、俺はまだ気絶していてベッドに寝かされていた。キリコはシャワーを浴びている
曇る浴室のなか、キリコは呟く。「さて、どうやって可愛がってあげようかしら」だが、キリコは自覚している。パットのない自分はひんぬーであることを。そして、見た目に違わず処女であることを。
「あっアレがない・・・。今から買いに行くのも面倒だし・・・まいっかデキちゃっても」
カレーの製作中にシャワーを浴びていたのだが、カレールーを買い忘れていたのだ。まあ、牛乳使ってシチューにはデキるから問題無い。「…問題は、どうやってあいつから魔石を取り出すか…。聖総統様にも私が魔石を持ってるの秘密にしてるから、大っぴらに動けないし…」
浴室から出て、バスタオル一枚の姿になるキリコ。「とりあえずお腹をぶん殴って、吐き出させてみようかな。…いや、口の中に棒を突っ込んで、直接胃をつついて吐き出させて…」ブツブツ言いながら寝室へ向かう。
…寝室に寝ている筈のテルが居ない。「…!?何故!?ロープでグルグル巻きにしたのに!」叫ぶキリコ。…同時に、背中に冷たい物が当てられた。「組織に黙って、何をしているのかしら?」振り返る事が出来ないまま、震える声で応える。「ま…まさか…ミク…様」
「く〜も〜! キリコ様ぁ、ヒマだったので、アイス買ってきましただすぅ。ああ、テルの奴なら、おらの糸できりたんぽにして天井に張り付けてありますくも〜」
「馬鹿ッ、来るな!」「く〜も〜?」「ふーん、とりあえず消えて」蜘蛛男の後ろに突如顕れたミクにより振り替える暇もなく昏倒された
「我々の最高機密たる施設『採石場』を敵に知られた上、無断でこそこそ石を盗むとはね。…残念よ、エージェントキリコ」「…」恐怖で、声を発する事も出来ず、ただ息を飲むキリコ。「石をどうするつもりだった?…魔女になろうと思ったのかしら?」
幸いにもミクは天井のテルに気づいていないようだ。「いえ、とんでもありません」平静をよそおって服を着る。何とかやり過ごせるか?
「むー、むー」押しくぐもった声が響き渡る。「これ、何の音かしら」「あ、幻の動物、ムーパンダの鳴き声のまねですよ。ほら、むー、むー」
「……熊猫?それに……!この臭いっ!ほにぃッ」「チッ!」鋭く舌打ちをして巻き付けたタオルに仕込んでいた五寸釘をキリコは一斉に放つ。「本来ならこんな使い方はしないんだけどね。でも、そのまま呪力を送り込んであげる!」
「それで何かしてるつもり」五寸釘はミクの見えない障壁でとまっている「くっ、刺さらずとも術は」ミクが手を挙げると釘は一斉に霧子に突き刺さる「はははは嘘でしょ、こんな差があるなんて」
「騎士と…魔女の差よ」その場に倒れ込み、動かなくなるキリコ。釘は突き刺さる直前で宙に制止していた。キリコには、実際に刺さった様に感じているだろう。「…何故…こんな力を欲しがろうとするの。こんな…辛くて苦しいだけの力を……。…ぐすっ…苦しいよ…お兄ちゃん…」
604 :
イラストに騙された名無しさん:2006/07/31(月) 03:59:16 ID:xwhhRMFX
「むーむーむー!」だが天井の俺には泣いてる妹を慰めることもできない。ただ上から服がはだけたキリコとミクの胸元の谷間をチェックして妹の成長を確認することが俺に出来ることだ!
「まあ力を手に入れたんだから、それと向き合っていくしかないんじゃねえの」ミクに声をかけたのはいつのまにか居た金髪碧眼の男だ「貴方が言うの」「泣くなよ綺麗な顔が台無しだ、それも継承儀式が終わるまでだ。その後は自由にしな」
ちなみにその男、ストリート系な服装が全く似合っていない。と、その男が気絶しているキリコを担ぎ上げる。その際キリコの胸からパットが落ちるが、俺以外皆気付いていない。「行くぞ」一言発し、担がれたキリコ共々忽然と姿を消すミクと男。同時に窓の外に人影が。ソフィだ。
部屋の中に入ったソフィは無数の釘を見て驚く。そして落ちているパットを拾い上げ「まだ温かい・・・近くにいるな」とまた窓から去っていった。もちろん俺には気づいていない。
「お兄ちゃん、大丈夫」「この声はアゲハ!?お前何で」「石の力のおかげで私も実体が待てたわ。いま解放するから」アゲハはその小さな手で俺の拘束を解く。いい子だなやべぇ俺そっちの趣味なかったのに
もちろん、天井に拘束とゆうか貼り付けられた俺が解放されたということは、五寸釘がばらまかれた床に落下するということだ。何故か釘は上向きだし、両手両足の拘束は解けていない。
やばい!なんとか体勢を変えて足から落ちたが両の太ももに深々と釘が刺さってしまった。痛みで意識が遠くなる中、チッとアゲハの舌打ちが聞こえた気がするがそのときの俺には確認しようがなかった。
「ちっ予想外ね、あまり好感触ではなかった。まあいいわこんな傷、私の力なら一瞬で回復させられるがここは看病イベントよせっかく実体を得られたんだから輝の心を鷲掴みにして私にメロメロにしてやるわ」
舞台変わって国立軍事開発センターの地下20階の小部屋では、キリコに対する拷問が行われていた。
「……まだ吐く気にならないの?」「はぁはぁっ、あ、あんたなんかに吐くわけないでしょ」「……いい度胸ね」ミクが振り向く。「どうも一本じゃ足りないみたいよ。もう一本射れてあげなさい。……そうね、次は後ろがいいかしら」
「…ところで、何を吐かせる気ですかな?ミク様」博士が訝しがる。「……何だろう」ミクも今一解っていないようだ。「いやまぁ何か流れで拷問かけてみてるんだけど」…ちなみに入れられているのは腕にビタミン注射だ。次は背中にコラーゲン注入。お肌っゃっゃ
「あ〜…あれかな、何で魔石持ってったのか」「あ、それそれ」キリコの呟きに応えるミク。いつの間にか美肌制作大会になっていた気持ちを切り替える。「で、何で持ってったの?」
その時、誰かが部屋に突然入ってきた。「ク〜モ〜、あ〜死ぬかと思ったダス。俺はいったい誰になぐられたんダスかね? キリコ様〜、洞窟から魔石いっぱい拾ってきましたクモ〜」 蜘蛛男、相変らず空気が読めない奴だった。
だがキリコは他の事に集中していて気付かない「‥次はシリコンで豊胸お願いします。二回りくらい大きくなるように」
「「「それは無理」」」ミクと博士と蜘蛛男がハモった。キリコは生きる希望を失った。
(逆に考えるんだ…貧乳好きからモテモテ…そう考えるんだ…)キリコに寄生し、騎士たらしめている虫(無駄にニヒルなオヤジ)が囁く。「な、なんだってー!」MMRばりに叫ぶキリコ。突然の事にビビる周囲。
「でもロリでも無い貧乳好きって濃い趣味だな」「そうね」(・・・)「ちょっと言い返してよ」(勝てない奴に立ち向かうのはただの馬鹿さ)格好よく言ってるがびびってるだけだ
って独り言(?)していたらミクたちが居なくなっていた。チャーンス!ひんぬーのキリコは凹凸のない体を生かしてあっさりと縄抜けする。「さあてまずはテルに会いにいかなきゃね」
3年後俺とキリコは一男一女をもうけて幸せな家庭を築いていたこの3年間に何があったのかは聞かないでくれ
「何この未来、削除ね。禁断の実妹エンドこれも削除。ふふふこうして未来の可能性を狭めれば私とのラブラブな未来が」輝の寝てる傍で怪しげな儀式をする美幼女ことアゲハ…かなり怪しい
「…う、頭痛が。またどこかで未来がひん曲がったわね」頭を押さえて呻くミク。「フン、相手方の虫の仕業か?毎度ご苦労な事だ」モニタを観ながら言う聖総統。モニタには、地下室で縄抜けしたキリコが映っている。自身に行われた改造には、気付いていないようだ。
ところで、『ゆりかごから墓場まで、魔女育成計画』のほうは順調なのかな?」「大量の魔石を手に入れましたゆえ、後は魔石を投与するものを選ぶのみです」
キリコ「ふん、アンタの企みどおりにはいかないわよ」聖総統「なんだと?」「同時代にこの地上に存在できる魔女はただ一人だけ。すでに魔石を体内に取り込んでいる人間がいるのよ」
「輝の事かい?」「何っ」今度は霧子が驚愕するばんだ「いくら魔石を得たところで力は得られとも魔女に覚醒しなければ意味が無いそれは継承儀式の後一人に収束される」
「どうしてそこまで……」「答える義務はないよ」そういって聖総統は音もなくキリコに近づく。「ひっ、ちっ近寄らないでっ」あとずさるキリコ。「それは出来ない相談だな」指をワキワキ
言わせながら少しづつ近寄る。「僕の趣味は少々特徴的でね。意味は……わかるかな?」
鞭と蝋燭を両手に構え、完璧なボンテージ女王様スタイルのキリコの前に、縄で縛られ口にはボールギャグをつけた完璧なM豚スタイルの聖総統がいる。「さあ存分に踏みたまえ!ぐりぐりっとネ!」
「この野ブタ野郎がぁぁーーっ!」ビシィッ「アアッ!イイッ女王様〜っ!」鞭をぶんぶん振り回すキリコに、悶え悦ぶ聖総統。「…大人って…大人ってえぇぇーっ!」余りの衝撃的な世界に、泣いて駆け去るミク。幼い少女の健やかな心の成長を、密かに祈る博士。
「さてミクも席を外したし本題に入るか」さっきまでの態度が嘘のように聖総統は堂々としてる「さっきのは偽装?」「いや趣味が2、3割。石を輝を儀式場に誘い出せ」「何で私が」「勘違いするな、命令してんだよ」「・・はい」
そして1時間後「あーあ久しぶりの地上ね気持ちいいー。これで鬱陶しいお役目がなければいいんだけれど。」キリコはある場所に向かって歩き始めた。
「ひとまずエステよねー…っ!?」向きかけた足が、強烈な痛みで止まる。ようやく気付いた。自分にあまり良くないタイプの改造が施されている事に。「やられた…!自爆素子!あいつらを巻き込んで、私ごと吹き飛ばすつもりだ!…聖総統め…!」
しかたない今は従うしかない。だが次代の魔女継承儀式による継承者は不確定だならば自分にもチャンスはある。私がやることは最高のタイミングで漁夫の利を得る事だ。
ぴんぽーん 「はいどなたでしょう?」「あの私テル君のクラスメートのキリコといいますがテル君はご在宅でしょうか?」
その瞬間、一気にドアが開き、中から伸びた手に襟首を掴まれる。突然の事に、なす術も無く中へ引きずり込まれるキリコ。ロープでぐるぐる巻きにされる。「…あんた、私らが応対に出ること予期して無かったの?」…ソフィと黒男爵だ。
「もちろん予想済みよ」キリコは窓に向かって右手を上げてどこかに合図を送った。「な、お前いつの間にロープを抜けたんだ!?」
「こういうこともあろうかと、保護色で見えなくなる能力を持つ、カメレオン男を用意してきたのよ。さあカメレオン男と一般兵ども、邪魔なGと女を倒してしまいなさい」「かめれ〜おん!」『らじゃ!』
黒男爵「バカかお前らは。服を着てたら丸見えじゃないか」キリコ&カメレオン男「あ」
そしておもむろに天井から垂れる紐を引く黒男爵、ガシャン!落ちてきた牢にあっさり捕まるキリコ一行。「‥なんの準備もされてないはずはなかろう?」
そしてやっぱり行なわれる拷問。「あんたたち、どこにアジトがあるの?」ソフィがアレをナニしながら詰問する。「あっ、そこは……」「ほらほらっ。早く言わないと……」「んっ!そんなとっあっ!」静かに涙を流す黒男爵であった。
しかし涙を流しながらも黒男爵の右手ではビデオが回り続けていた。「うーむ凄いまさかキュウリと茄子がそんなことに…いやそれよりこれでピューリッツァー賞は私のものだフハハハハ」
「聖総統様、正直霧子とC級怪人では返り討ちにあうのでは」「博士よ問題ない、霧子に与えた情報から黒男爵達はここに誘い込まれるだろ。この東京タワーに」
そんな事は知らずに、黒男爵のアジトでは、キリコへの責め苦が続いていた。「後はタマネギのスライスとオリーブオイル。さいころ大にカットした鮪に粗挽き胡椒で黒男爵風マリネの完成だ!キリコ、これを食えないのは、最高の拷問だろう? 食べたければアジトの場所を吐け」
「ああもう我慢できないっ、きょ、京都タワーですぅ!!!」「よく吐いた。本当だな?」「ええと福岡タワーだったかしら」「本当か?」「そうそう通天閣よ絶対そう」「……」
「とぼけるなら、皮ごと揚げてほっこりと割って極上バターを落とし込んだ極上新ジャガも、表面かりかり中とろりとソテーしてキャビアを添えたフォアグラも、じっくり煮込んでとろとろになった牛筋ポトフも、全部ソフィアと私で半分こだ!」
「いいえ全部私のものよ・・・ってそんな話はどうでもいいんです黒男爵様。東京タワーに向かいますよ」「ん?なぜ東京タワーなんだ?」
「だって拷問開始してからずっと東京タワー方面をみてますよ」「そっそっそんなおも、思いつきでばっ場所決めちゃっていいいのかしら」
「あらいいのよ。別にハズレなら日本中のタワーを片っ端から回れば良いだけだもの。それに」「それに?」「いい加減話を進めたいわ」
「…知らないの?無理に話を進めると、その先にあるのは崩壊のみだと」食い下がるキリコ。「全ては流れよ。ある程度の方向修正をして、後は流れに任せる。完結は、必ずしも美ではない」饒舌なキリコ。この時点で黒男爵は気付いた。中に…キリコの精神の中に、誰か居る!
「おいお前黙れ」「あら私の口を封じても崩壊への道は止まらないわよ」「黙るんだ」「ほらその証拠に、もう東京タワー前に着いたわ」タクシーの運転手「6,510円になります」
「ろ、ろく、ろくせんごひゃひひゃくじ、じゅうえん……?」財布の中身と見比べたのち黒男爵の精神はあっけなく崩壊した。「黒男爵様!ソフィが諭吉をもってますから!だから、だから起きてください!」ソフィは泣きじゃくりながら叫ぶ。
「すまん。世界平和のための礎になってくれ」そしてソフィーはタクシーの運転手に諭吉を支払う。「まいどあり」タクシーはキリコを乗せたまま去っていった。おつりを支払わずに。
「く〜も〜、上手く行くましたね、キリコ様!」なんと、運転手は聖総統のアジトから成り行きで行方不明だった蜘蛛男である。「キリコ様、それに諭吉一枚儲かりましたよ、く〜も〜」「ふふ、元の世界では王太子だった黒男爵も、こっちでは金に不自由しがち、って事かしらね」
黒男爵「でどこが入口なんだ?」、ソフィ「こちらに入口と書いてあります!おそらくはこれではないかと?」、黒男爵「では行くぞ!」、チーン「展望台でごさいまーす」、黒ソ「‥えー?」
「うぅぅ…」「黒男爵様どうされました!?」「いや実は私は高所恐怖症なんだ」「そんな!初耳ですわ。まさか敵はわざとここにおびき寄せたんじゃ…」
「お客さま顔色が悪いようですが」「いや何でもない」「そうですかとっとと死んでください」その言葉とともに一般人と思われた男が鎧を纏う、他にも周囲全てが怪人へと変貌した
「…何よ、その感情の欠片も無いチープなセリフはっ!せめて句読点付けなさいよ!」毒づくソフィ。同時に『鎧☆着』と叫ぶ。瞬時に、朱色の鎧を全身に纏った騎士となった。「黒男爵様…は、ダメか。私が何とかしないと!」
「ふん、そんなサービスシーンのかけらもない変身魔女っ娘が我らに敵うと思っておるのか。そもそも古来より日本アニメの変身ヒロインというものはだな……」この博士、何やらこだわりが深そうである。
「わかる、わかるぞー!キューティーハニーを見習えと声を大にして言いたい!」「黒男爵様・・・最低」
「・・ごめんなさい」「不満そうですね夕飯抜きにしますよ」「悪かったソフィ」尻に敷かれまくりな黒男爵だった
はたと気づいたら展望台には誰も居なかった。敵も一般客もいない。あれ?っと思った瞬間、床が傾き始めた。「たっ…倒れる!?」
すんでのところで、ソフィは黒男爵を抱えて宙に浮いた。どうやら、落とし穴だったようだ。「鎧着すればこんな罠なんてどうってことないのに…。まさか、黒男爵様の弱点が敵に知られている…!?」
そのとき、一帯が光りに包まれた。衝撃は以外と少なかったが破壊的な熱量が叩きつけられる!遠くの輝「ハッ!いけない、それは憎しみの光りだ!」
「目がぁ〜目がぁ〜」
「ひっ、あっ、あ、あっあっ、あーーーー!」黒男爵は某技術士官ばりに東京タワーから落ちていった。断末魔が聞こえる。
「さてソフィさん、邪魔者はいなくなりました。そろそろあなたの本当の役目を教えていただきましょうか」いつの間にかソフィの真後ろに博士とキリコが立っていた。
「本当の役目もなにもこの身は黒男爵様の剣」「そうですか。でも黒男爵は死にましたよ」「はっ、あんなもので黒男爵様が死ぬと、本気で思ってんの?」「何ッ!?」その瞬間タワーに地響きが響く
何事かと驚くソフィ。その地響きがソフィ自身の泣き声だと気づくのにそう時間はかからなかった。「あなたも本心では分かっているんですね。彼がスリッパで叩き潰されたGのように潰れていることに」
ぐごごごごご…… 関東大震災もかくやという地響きと共に、東京タワーの脚の一本が持ち上がる。「うおおおうう、仮にも黒男爵と二つ名で呼ばれるこの身だ、地に足さえ付ければ、この程度の罠、ものともせんわ!」 黒の生体鎧に身を包んだ黒男爵だった。
だが、そのとき既に毒ガスを構えた戦闘員が、周りを囲んでいた。「イー!(ヤレ)」黒男爵に携帯型毒ガス噴霧器が向けられそのまま発射された。噴霧器にはゴキジェ○トと書いてある。白い煙に覆われGの苦鳴が上がる。「イー!(哀れなものだなG)」
「やれやれ…どこまでも反抗するか、この娘は」対峙するソフィと博士達の間に、赤い炎が舞い降りた。現れたのは、赤刃だ。「ソフィ、黒男爵はもうじき死ぬ。お前も意地を張らず、こちらに戻って来い」「…嫌よ!いくら父親の頼みだろうと、悪に荷担は出来ないわ!」
「何人の兄弟を殺したと思ってんの!」「動力炉行きの事か?そのままなら野垂れ死にする孤児を引き取ってやったんだ。少しは長生き出来ただろ。ソフィお前は優秀だ、屑の事は忘れろ」
番組の途中ですが、ここで業務連絡です。
「もうなんかよくわからない。テルはどこに行った?
登場人物・そいつの能力・目的とかをまとめたものを誰か投下してくれないか」
「バカじゃないの?私にはもうアンタは必要ないわ。私にはキリコお姉様がいるもの」「何!?」それが合図だったように、博士の横に立っていたキリコが博士の首を切り落とした。
続き、赤刄に対し銃撃と剣撃が与えられる「くっ、今は引くしかないか」そして勢いは止まらず、剣と銃が交差する。「やっばり、やったわね霧子。反逆を狙ってたのはわかってたわ」「お姉さまは動揺させるためね。そんな言葉反吐がでるけど」
「けど……嫌いじゃないわよ。拷問室での茄子はステキだったものね……ってそんな話はどうでもいいの。行くわよ」「えっどこに」「本当の黒幕のところよ」
そのころ輝の家では夕食が始まろうとしていた。「「「いただきまーす」」」、唐突に、輝「そういえば父さんの職業何だっけモグモグ」、父「ん、話さなかったか?秘密結社の聖総統してるぞパクパク」、輝「そうなんだ?母さんは?」、母「輝ちゃんには言ったでしょ?母さんは、魔・女・よハート」
「まあ嘘何だけどね」「ははつまんね」むにゃ、むにゃ輝は未だ夢のなかだった「くっ、何なのこの力の波動は?輝を起こさないと」
「起きなさいテル」「むにゃむにゃなんだ母さんか。ああ変な夢見たよ」「その夢は本当よ」「えっ」「ショックが少ないようにってお父さんの…いいえ聖総統様の配慮なの」
「いや、そう言ってしまったらショックは少なくならないだろ!」はっ、いつものクセで突っ込んでしまった。「それはそうと、あのヘンタイが俺の父さんなのか? 俺、もう親子の縁を切るよ」
「ごめんなさい無理なの。あなたはお父さんの後を継いで聖総統になるのよ。寝てる間に改造したの」母さんが泣きながらとんでもないことを口にした。
「だが断る!」奴の跡を継ぐなんて冗談じゃない。「そんなコト言わないの。ミクは聞きわけが良い子だったのに。あんたのような子を生んだ覚えはないわ」
「生んだ覚え?」そうだ何処かおかしい魔女には俺は何度もあっている。異世界なんていったのもここ最近でそれまでは普通に生活してた?おかしい、つじつまが合わない!?
母「この前のクリスマス、妹のミクちゃんのお願い聞いた?」、輝「たしか、お姉ちゃんが欲しいとかムチャ言ってたな」、母「そういうことで輝ちゃんをお姉ちゃんにしました!息子がいなくなるのもなんだから両方あるのよ、だから輝ちゃんは今日からおねにーちゃんよ」
その時、俺の中のアゲハが叫んだ。「お兄ちゃん!辻褄が合わないのも超展開なのも、もう諦め……じゃなくって、今、誰かがまた可能性の世界を消したよ!」
「おねにーちゃん・・・悪くないな」そのとき父さんが部屋に入ってきた「美奈ちょっと来てくれ、奴らがここに向かってる」母さんを連れて慌しく部屋をでていく。一体何なんだ・・・
「輝!あんたも来なさい!」奈美が輝を引っ張っていく。連れていかれたところは、見たことあるような戦闘指揮所であった。大きな机には、はめ込まれた液晶に東京周辺の地図が映し出
され、その上には様々な兵科の模型が置かれていた。部屋の壁中に取り付けられたモニターには各要所や戦闘区域が映されている。絶えず通信が入り、それや送られてくる映像をもとに刻々とかわる戦況が机の地図に描かれてゆく。
その頃ミクは、原因不明の頭痛によりダウンしていた。「ダメ…ねじ曲がった未来が、生まれては消えて行く…。分岐の洪水みたい…どうして、こんな事が…」「決まってるさ」軽い調子で言う聖総統。「夏だから。変なの沢山湧いてるんだ」「…じゃあ、わたし、どうしたら…?」
聖総統「ふっ900過ぎたら纏めるようにしないとな」そのままミクの頭をクシャクシャと掻き回す。「ガキはまだ難しく考えなくていいんだよ」、ミク「‥お父さん」
一方タワー地上「よーし噴射止め」戦闘員達の毒ガスが辺りに漂って、霧になっている「うぎゃ!」「ぐぎゃ!」「どうした返事を」霧が晴れると、そこには戦闘員の骸があった「そんな黒男しゃ・ぐきっ」「さあ儀式について吐け」
「我々は…無数の平行宇宙の中から望ましいものだけを選別している」「バカな」「本当だ。その証拠に689-690の宇宙は今のガス噴射で抹消された」「何を言っているッ!」
「では…真実は!?本当の未来はどれだ!」「…そんなもの、ありゃしないさ。…あるのは、魔女の意志と、無限の並行世界。望めば、どんな未来にもなる。それが魔女の創りし世界…。だがな、一つイレギュラーがある。アゲハという名の、この世界に存在してはならない害虫が」
「だかそれも継承儀式が終われば、取るに足らなくなる。この幾多の平行世界、無限に受け継がれた魔女の知識と力が次代の魔女に注がれる。それは神と呼ばれる力そのものだ」
「…フ…フフフフ」「…?どうした黒男爵。絶望して気でも触れたか」「いやいや、中々面白いと思ってな。この世界が魔女によって作られた世界なら、次の魔女に継承したら、その魔女はどのような世界を作るのだろうか、と思ってな」
「少なくとも、我々も魔女によって造られたというのなら…、継承の瞬間に、我々は全て消滅するぞ。…お前も例外ではない、魔女の先兵」「な…そんなことは無い!魔女の為に尽くす我等は、魔女の慈悲に…」「だから、そんなのはお構い無しに、世界は全てリセットされるのだよ」
「どうやら末端構成員には知らされていなかったようだな。しかしこれで論理の糸は紡がれた。あの老パンダめ最初から後継ぎにするために彼を召還したんだな」
「しかし、魔女が世界を構築し、その世界から生まれた跡継ぎが今までの世界を壊して新たな世界を構築する……。いろんな神話の、親殺しみたいな話だな」黒男爵は、感慨深そうに頷く。
黒男爵「だが、何故この世界はこのような破壊と再生を繰り返さなければならない?これでは発展の可能性を永久に閉ざすだけでは‥‥そうゆうことか」、ソフィ「何かわかったのですか?」、黒男爵「‥正体不明の黒幕が、まだ隠れてるようだ」
「誰なんですか!?黒幕は!」黒男爵に詰め寄るソフィ。「小娘、まだわからないか?」キリコが嘲る。怪訝な顔をして振り返るソフィ。「話の流れからして、アゲハに決まっている!」吐き棄てるようにキリコはその名を口にした
「ええ、そうでしょうね。黒男爵様、キリコ、ここはひとつ共闘といきませんか。」そのときそう提案したソフィの口元に、かすかに妖しい笑みが浮かんでいたことに気づいた者はいなかった―。
数十分前「あんたいったい何者だ!」「そう騒がないでよソフィさん。すぐ終わるから」そういい、目の前の金髪碧眼の女は姿をソフィそのものへ変えた「魔女!?」「ちょっと眠っててね。儀式が終わるまで」
手術台の周りをむやみに「イー!」と叫びながら踊る戦闘員。魔女「可愛い娘、オネエサマと呼んでよくってよ」言いながら魔女の指がソフィの体を滑り降りていく。ソフィ「イヤアー!」魔女「こんなにゴスロリが似合うなんて素敵!あっちは分身に任せて一杯着せ替えしましょ」
とまあそんな18禁展開が数十分前に行われていたとはつゆ知らず、黒男爵とキリコは手を組んで偽ソフィの案内でテルの家に向かっていた。タクシーで。
テルの家に到着して、「5780円になります」と、タクシーの運転手は黒男爵たちに告げる。「タクシー代は折半でいいかしら?」冷たい声で偽ソフィーはキリコに言う。
「いいわ私が払うわ。いろいろ借りもあるしね」キリコはガマ口を開いて
睡眠スプレーを出した。プシュー、「はい料金」「?は・い、ありがとうがざいました・・」タクシーはふらふらして去った「よし、タクシー代浮いた」
よたよた走るタクシーが角を曲がったあたりで爆発音と悲鳴が聞こえた気がするが気にしない。黒男爵はテルの家の呼び鈴を鳴らした。
だが呼び鈴だと思ったのはイタズラシールだった!黒男爵「うぐぉ!?」、黒男爵は突き指で重大なダメージを受けた。
「くっ……こんな痛みは、つっ、まるめた新聞で叩かれたとき以来だぜ」「……どこで叩かれたのよ?」「キリコ、聞きたいか?本当に、本当に聞きたいのか?なぁ?なあ??」「ひっ。え、遠慮しておくわよ」「……懸命な判断だ」
「それより早く中に入りましょう」「そうだな。呼び鈴がだめならノックしてみるか」黒男爵がガンッガンッとこぶしを打ち付けると、頭上から金だらいが落ちてきた。ガコン
712 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/08(火) 19:38:49 ID:ZJyotBW7
「もう我慢ならん!」黒男爵はパンダの着ぐるみを着て
金だらいに波紋を全力で流し込んだ
714 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/08(火) 21:45:10 ID:ZJyotBW7
「震えるぞトマト! 燃え尽きるほどカレーうどん! 刻むぞ血液のサモエド仮面!!」ごごごごごごごごごごごごご
パンダの着ぐるみも弾け飛ぶほどのパワー「あっ、服は着てるぞ。女性の前だしな」そんなかんなで扉が開いた。いや弾け飛んだ、そして家の中は。
先ほど出たはずの家なのに、すっかり様変わりしていた。使用用途がいまいちわからないメカなどで埋め尽くされている。
「こっ、これは……」「うちの博士の私物のようね」「この、細長くそれでいて通常より二回りほど太く、そして少し先が隆起し全体的に弓なり状のこれもあの博士のものか?」「黒男爵様、それはなんなんです?」「ん?ソフィも使ってみるか?」
ほい、と日本刀を手渡した。ソフィはすらりと鞘から刀身を抜いて「殺!斬る!KILL!」
719 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/09(水) 00:14:56 ID:5ldvXjnL
純白のハトが紅に染まった。スローで。
720 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/09(水) 00:38:34 ID:5sr8zdmq
キリコ「何見てるんですか聖総統閣下?」、聖総統「母さんが帰ってくる前にちょっとエッチなページを見ようとしたら引っ掛かっ‥何人の家入ってるんだ!」
722 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/09(水) 08:33:54 ID:9Myk3AIL
「幻滅しました。やはりあなたを倒さなければなりません、テル」「だってさあ俺の周りにはお前を含めておっぱいが貧s」ぽかぽかぽかぽかぽかこきゅっ「ぐぎゃ」
一方、日本刀を鋼の筋肉で受けとめると黒男爵は偽ソフィの腕を捻り上げた「ソフィ?ではないな、ソフィは輝は何処にいる?」「ふふふ、さて儀式の贄の事なら何処にいるのかしらね」
「それにしてもよく私が偽物だとわかったわね」「簡単なことだソフィはそんなに胸はない。まあお前も大概ぺたんこだがなー」
「お前を殺す!」偽ソフィーは目に見えない速度で刀を振り回す。それに対し、黒男爵は偽ソフィーの斬りこみを両腕で捌いている。
終わりは呆気なかった。突如にして偽ソフィの剣が折れた。「なにこれ!?サーベルじゃない!!」「ふん。サーベルでは斎藤一も戦えないからな。さぁ、ソフィと輝はどこにいるんだ?」「答えると思って?」「では、仕方ないな……」
「…とりあえず、くすぐっとくか」コチョコチョ「あっ…わひゃっ!はっはぁぁ〜はっはっやめっ止めて下さい黒男爵様っ!」「…!?ソフィ?お前本物のソフィか?」「はあはあ…。何時の間にか気を失ってたみたいです…で、気が付いたらくすぐられてて…何が何やら」
728 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/10(木) 09:28:43 ID:+cTCQ23O
「実はお前は敵の策略で学校を1年休学していたが復学を機に演劇部を作ろうとするも上手くいかずまた友達と親しくなると突然泣き出してしまう癇癪持ちで」「黒男爵様それなんてKey原作ゲーム?」
一方東京タワーのある部屋「ぎゃはは、ふう接続が切れちゃったか、まあいい計画どおりに黒男爵達を東京タワーから離したわ。儀式を開始するわ」
魔女「ベントラ、ベントラ、私はここにいます。地球良いトコ一度はおいでやす」、戦闘員「「「イー!」」」
731 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/10(木) 22:10:28 ID:Cqd9fiJu
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ〜〜ん」
「聖総統、悪ふざけはやめてくださいよ」頬を膨らませて、仮面をかぶっている謎の魔女は言う。「いや、忘れ物を届けにきたのだが」「忘れ物?」
そう言い終わるや否やテルは魔女を抱きしめて唇を奪った。
その途端体中から力が抜けていく「あれ?」「確かに魔石の力を還してもらいましたよ聖総統様なんて言われて本気にしました?」その声は輝を嘲り笑うものだった
「…ん、ぁ、んちゅ ん!はぁあっ!ん……ッ!や、やってくれたわね……」黒いローブに深々と刺さる十徳ナイフ。引き抜くと同時に、鮮やかな黒が血によりどす黒く染まってゆく。ぴちゃ。ローブの裾から血がしたたる。白い脚にも紅き血が伝う。
「ハッ…はぁはぁ…やってやったぞ力を吸われたのはヤバかったがナイフを仕込んどいて良かったこれでもう俺を操る奴はいない俺が新聖総統になるんだ」
聖総統「ごうらぁー輝!母ちゃんに何すんじゃぼうけぐぁ!」、キレた親父が何か言ってるが無視する。盗んだバイクで走り出したいような、夜に校舎のガラスを割りたくなるようなそんな気分だ。
何だ力が入らない周りの声がうるさい。聖総統、魔石、魔女、生け贄、儀式、頭にいくつもの単語が浮かんでは消える。頭が痛い「・・っかり・・気を・・しっ・かり・持・・ってお兄ちゃん」
「混線している…」頭を押さえ、呻くミク。「人々の『こうありたい』と思う力に、未来が流されている…。私のせい?私の力が未熟だから?…それとも…」「おい、大丈夫か」側にいた聖総統が近寄る。「来ないで!私が人と関われば、また未来が曲がっちゃう…!」
言うなり、走り出すミク。「もういやだ、もう全て嫌だ!魔女になんてなりたくない!特別な力なんていらない!普通に暮らせれば、それでいいのに!」泣きながら走るその姿が、うっすらぼやけて、消えた。「無意識で瞬間移動か。着実に魔女の力は付けているんだがな…」
意識の端で、ミクが消えるのを見ていた。魔女の資質が垣間見えたのが、嬉しかった…。…何…何だ?俺は何を見ている…何を考えている…?「お兄ちゃん、テルお兄ちゃん、大丈夫?」アゲハの声が聞こえる。うっすら目を開けると、アゲハの心配そうな顔があった。
「おめでとう、今日からお兄ちゃんがこの世界の神だよ」「え・・・なん・・・だって?」「お兄ちゃんは合格したの」
「神の贄にね」その言葉とともに襲い掛かるアゲハ?ガキッ!そこにもう一人のアゲハが表れた「まにあったね、お兄ちゃん心をしっかり持って魔女の幻覚なんかに負けないで」
もう、何が何だかわからない。どこが俺の意識でどこが幻でどこが現実なのか。なぁアゲハ。どうして脳内にいるはずのお前が目の前で戦ってるんだ?親父はどこにいった?それよりミクを探して救い出さなければ。「……お兄ちゃんはミクなんて知らないよ」アゲハ?
もういい、前向きに考えよう。脳内美少女が現実になったんだラッキーだと思おう。聖総統?神?いいじゃないか受け入れてやろうじゃないか!
アゲハ「だから私がお嫁さんよね?」、アゲハ'「何言ってんのよ私がお嫁さんよ!」、争う二人のアゲハ。「輝ちゃんのお嫁さんはママよ!」、いきなり復活した魔女が参戦。「母さんわしは?」、そして無視される聖総統。そこにミクが戻る。「お兄ちゃんのお嫁さんは私に決まってる!」
「いやまてお前ら俺の意見は」「うるさいテルは黙ってて」「でも体の相性ってものが」「テル君はそこで待ってなさい」また俺置いてきぼりだよ・・・。そのとき、俺の背後から
ヌッと手が伸び、思いっ切り奥襟を掴まれる。その衝撃で、少し頭がハッキリとした。「…逃げるよ、お兄ぃ」…ミクだ。「この世界から…先代魔女の掌の上から、逃げるの」「逃げるって…ここが俺達の現実世界だろ…それに親父もお袋も」「造られた世界よ。魔女と聖総統に」
「待てよ、そういうお前が幻覚なんじゃないか?ミク。もうこのパターンは飽き飽きなんだ俺は聖総統になってもいいと思ってるんだ」
「あたしは嫌よ、こんな世界!聖総統が父親!?魔女が母!?そんなふざけた記憶を植え付けられる位なら、消してしまった方がいい!しっかりしてお兄ぃ!聖総統は父なんかじゃない!魔女によっていいように未来を作られてるだけ!」「…信用できない。確たる証拠も無い…」
「もしかしてお前も本当は妹じゃないとか?」、ミク「‥‥そうよ、本当の私は初代魔女に作られた存在。人ですらないわ!」、輝「(よし、ミクルート成立っと‥次元にセーブして)泣くなよミク、今までのお前は俺の可愛い妹だった、これからは俺の大切なレディになる。それでいいだろ?」
「バカにしないでよ!!」(あれフラグ消えちゃったか)「わたし……お兄ちゃんの妹でいたいよ、お兄ちゃんって呼びたいよ」(キタキタキター!)
「そうか、ならば我が家の奥義 熊猫変身をみせてみろ!」 「わ、わかったわよ くーまーねーこー!」ミクは叫ぶ
「あっ、あれ!?」ミクの頭からは猫耳がはえ、お尻からは尻尾がつきだしスカートを押し上げる。「あ、お兄ぃ……私、熊猫になれないよ」目に涙をため俺にしがみついてくる。俺はそっとミクの背中に手を回し抱き締める。「……これはこれでいいな」
そして、俺は思い出す。俺が幼い頃、熊猫に変身しようとして、何度も猫に変身してしまって泣いていたミクの姿を。そうだ。このミクは本物だ!
「ミク…お前、ミクなんだな!?」俺はミクの肩を揺さぶる。「お兄ぃ…テル兄ちゃん〜!」ミクは涙目で何度も何度もうなずいた。…今の俺には、何処からが魔女に植えつけられた記憶なのか判らないが、唯一つ確かなのは…ミクがミクだって事だ。
「お兄ちゃん、ミクなごむのもいいけど逃げないと」突如現れたのはアゲハだ「うおっ、アゲハ何で実体化を」「何言ってるの魔石の力を吸収したからよ。ねっ早くタワーから逃げよう(妹なんぞに輝を渡すか)」
ううむ…こんなところで選択肢が出るなんてなんて悩ましい。とりあえずセーブしとこう。選択をミスってもここからやり直せばいい。
くそ!妹に母親に憑く娘に敵女幹部フラグは押さえたがソフィのフラグがまだだからハーレムルートに足りない。急がねば!
そして俺はやっと周囲を見たが、タワーは既に原型を留めてなかった。壁は無機物ではなく生物のように蠢いている、さらに不気味な呪文が響く。儀式が始まったのだ「ルルフ ラゥ ルフルウ ヴィーア ヴィーアヴィーア!」
「輝!あんたどこいってたのよ!?」タワーの下にはソフィと黒男爵がいた。「ちょ、ちょっとあんたっ!こんなところに女を連れてくるなんてどーいう神経してんの!?」俺の腕にしがみついているミクと背中からしがみついているアゲハを見て怒りだす。
「俺の大切な、とても大切な、仲間だ!」ソフィーを正面から覗き込んで、超シリアスに決める俺。今の俺、かっこいいかも。
「そうか、じゃああんたが守るんだよ。もう儀式が始まってるんだ」呪文はさらに勢いをましてる『ルルフ ラゥ ルフルウ ヴィーア ヴィーア ヴィーア! イフフ リィ ルフルウ ヴィーア ヴィーア ヴィーア!』
そして東京タワーは光り始める。「くっ、時間がない!駆け上がるぞ!」黒男爵が叫ぶと同時に駆けはじめる。「待ってください!黒男爵さまぁ!」ソフィが急いでついてゆく。「……ちっ!まだソフィは落ちないか」「ん?お兄ぃなんか言った?」
「いや、なんでもない。それより、行くぞ」黒男爵はというと、鎧着して、東京タワーの鉄骨をカサカサと垂直に這い上がっている。さすがはGといったところか。
もはや生物のようになっているタワーを登りつつ私は見た。タワーを中心に街に複雑な魔法陣が溢れだした光で描かれていくのを・
G「こ、この魔法陣はまさか!いや、この魔力波動に次元展開率は間違いない」、ソフィ「黒男爵様、なにかご存知なんですか?」、G「いかん、このままでは全宇宙規模の次元収縮を起こしてしまう。急ぐのだ!」
768 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/15(火) 21:23:29 ID:95nytDf1
しかし彼らは間に合わなかった。ピカっと光った後、ドーンと激しい音が轟いた。
その轟音の後、タワー上空に大きな光球が現れた「何だあれ?」「・・呼んでる」「・・呼んでる」アゲハとミクは何やら操られるようにふらふらと歩きだしている。
「ミク、アゲハ、危険だ」テルは二人の肩をつかんで静止させようとする。しかし牛の歩みのように、ゆっくりとはしながらも、テル一人の力ではとめることが出来ない。
こういうときの常套手段はアレだ。閃いたテルはミクに唇を重ねた。その瞬間
「んっ!あはっ、あっ、じゅる」舌を突っ込まれた。「……」なんだかとても鋭い視線を背中に感じる。心なしか背中が妙に生暖かい。なにか液体がしたたっている。色が赤くないのを祈るばかりだ。耳元でアゲハが囁いてきた。「……お兄、ちゃん?私には?」
身体が熱くなる。止まらない。
血が止まらない。身体が熱いと思ったら急激に冷えてきた。ああ俺死ぬんだな
最後の力で鎧着し熊猫もーどになった。「我が人生に一片の悔いなし!」、カッコつけてみたが、体には傷がないようだ。背中が濡れてたのはなんだ?振り返るとヤツがいた。
「ああやっとワシの出番がきたか」ぬらりひょんがタキシードを着ていた。「ついて来たまえ。キリコが待っている」
行こうとするが、アゲハに声をかけられた「お兄ちゃん、さっき何したのかな?忘れてるようだけど鎧、身体の強化治癒は私に主導権があるんだよ」何か恐いぞアゲハ
「じゃあアゲハも一緒においで。キリコお姉ちゃんのところに行こう」
「いや、だから私にも、ごにょごにょ」「アゲハ、なんか言ったか?」「な、なんでもないわ! それぐらい察してよ」そう言って、アゲハは俺の脛をける。
「つっ……」音を立てて輝は崩れ落ちた。「ちょっ!あんたっ!お兄ぃになにしてんのよっ!?」「黙りなさい。このアバズレが」アゲハの目の色が変わる。「心配しなくていいわ。輝お兄ちゃんはアゲハがおぶっていくから。雌豚が気に掛けることじゃないのよ」
「ぺっ、今時妹キャラなんて流行らねーんだよ失せろ」「本性現したわね、この腹黒幼女!」「腹黒結構、清純なんかで愛は勝ち取れ無いわ」「あの〜霧子が」『『うるさい!』』
「あーチミたち、遊んでいる暇はないんだよ残り200なんだから」ぬらりは両脇にアゲハとミクを抱えて歩き出す。俺も慌てて追いかけた「どこに行くんですか?」
アゲハとミクの尻を見ながら俺はぬらりに聞いた。前を歩くぬらりは振り返りもせず静かに答えた。「この宇宙を司る全ての根源。世界樹だ」
「このタワーを触媒に行われた儀式により世界樹への道は開かれました。次代の魔女になられる御方はそこで宇宙開闢からの英知と力を受け継ぐのです」「あんた何者だ?」「初代魔女に創られた使い魔です」
「さあテルよ真の姿に戻りなさい。そして樹と一体になるのです」光に包まれた使い魔がそっと右手を伸ばして俺の背中のチャックに手をかけた。
そしてチャックを勢い良く引っ張る! 中から現れたのは、鎧着する前の、見た目はノーマルの俺だった。「これが真の姿なの? 何も変わっていないように見えるけど」怪訝そうな様子のミク。
「そうですね何の力もないただの人ですよ」「「えっ!?」」ぬらりは突如すごい速さでミクとアゲハを連れ去る「本命はこっちです」「待て鎧着!」しかし何も起きなかった。
いや、変化は確かに起きていた。俺の死角で・・・。俺の背骨に沿ってチャックが現れて、ゆっくりとジッパーが下ろされていく。内 側 か ら !
そして中から俺が出てきた!だがその俺の背中にもファスナーがあり、内側から開けられていく。そして中からまた俺が出てきた!だがその俺の背中にもファスナーがあり、内側から‥
俺が出てきた。俺型パワードスーツを全部脱がされた俺のサイズは…十分の一以下になった。なんというかここは巨人の国だったのか?
そして俺は自分が時間が曖昧な闇に落ちた「たわいない所詮力をたまたま手に入れただけの男か」
どこからともなくそんな声が聞こえてくる。「いつまでもファスナーに頼るなテルよ。マジックテープを使うのだ」
「まさか……ズボンのファスナーにチンコを挟んでしまったあの悪夢を知っているというのか……」輝はその痛みを思い出し悶絶する。「だめだ、もうファスナーなんていやだ!YKKなんか見たくもない!うわぁぁぁぁああっ!」
「ズボンのファスナーとか、バッカじゃないの?そんな事してる場合なの!?世界が滅ぶかもしれないのよ!?」
と呆れ顔でブラのホックをはずしているミク。あー、ここは暑いからな……ん?「そ れ だ !」俺は彼女のブラを奪い取って世界樹を一周しているしめ縄にホックを引っ掛けた
『いつまで幻覚で遊んでいる、ぬらり!』その声と共に黄金の鎧を纏う男、聖総統が現れた。気付くと世界樹はタワー、ブラはぬらりのネクタイだった「速く次代の魔女を世界樹へ送れ」ぬらりはミクとアゲハを連れ上空の光球に消えた。
それが彼等を見た最後でした‥
そして今日も俺は何事もなかったように学校に通っている。でもあの日々は幻覚なんかじゃなかった。だって俺の手にはあのブラが残っているもの
でもなんだっけこのブラ、何で持ってんだろ?今日も退屈だが平和な日々だ、これが俺の日常の・・はずだよな?
俺がこれをつけるために買ってきたものだっけ……? 俺一人しか住んでない家で、ブラをつけてみる。
虚しくて死にたくなった。俺はまた、間に合わなかったのか…そんな言葉が脳裏に浮かんでは消えた。
いやまだ諦めるのは早いはずだ!お化粧をして寄せて上げればきっとこのブラに似合う私になるはず。輝美として生まれ変われるはずよ!
だが、このブラは寄せて上げる必要などないほどに、ひんぬーだった。「……はん、まるで妹フラグへのアイテムみたいだな」「輝ー?学校遅れちゃうよー?」玄関から幼なじみの那智の声が聞こえる。「……これは那智のブラか?」
那智「ちょ!!何やらしい事してんのよ馬鹿ァァァ!!」ぶん殴られるオレ。そんないつもの日常は続く・・・なんか忘れてるような気もするが・・・・・・・第二部・「湯けむり地獄変」 完
「屑が!」聖総統が蹴飛ばすと輝の体は面白いように飛び、空間に開いた穴に輝の体は消えた「残るは黒男爵か」そういい聖総統がマントをひるがえすとそこには誰もいなくなった。
(むう。このままでは奴の思いのままになってしまう。ひとまずここはキリコの下に転進するか)黒男爵はマンホールを開け、下水道に潜り込んだ。
一部始終を見ていた俺はマンホールの蓋を閉めて念入りに溶接した。「ゴキはゴキの国に帰る、か」ふふふ自然と笑いがこみ上げた
808 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/20(日) 00:38:09 ID:sD+dkEm3
黒男爵が下水道のなかをドブ鼠よろしく進んでいる最中、ぬらりに抱えられたミクとアゲハは
「アゲハさんタイが曲がっていてよ、スカートのプリーツは乱さないようにね」、「ミクお姉様、私とスールになって下さい!」
魔法の合言葉を唱えることで私立リリアン女学園のキャンパスにワープした
私立リリアン女学園、元号が三回も変わった平成の今日でさえ十八年も通い 続ければ温室育ちの純粋培養パンダが箱入りで出荷される、という仕組みが未だ残って いる貴重な学園である。
パチン!そう音が聞こえると学園は消え去った「何遊んでんのかしらアゲハ」そういい現れたのは『魔女!』「邪魔よあなた」「いっいやー」魔女が手を上げるとアゲハは光の鎖で拘束
「むむう、なんと言う事だ。私とアゲハ殿で作り上げた固有結界『リリアンなはふはふ』があっさり破られるとは…!」ぬらりが冷や汗を流して呟く。
そしてミクはというと、脇に座り込み完全に観戦モードで呑気に天ぷら蕎麦を啜っていた。「頑張って二人とも!ずるずび」
「どういうことぬらり?」「わっ私は当代の魔女に仕えるものですから」ぬらりは明らかに怯えている「まだミクに継承は済んでないわよ」
「こんなことで終わりはせんぬらり!あの方への手土産が増えたぬらり」言い放ったぬらりから尋常ではない気が溢れてくる。「別の世界では魔王として君臨したこともある我を楽しませることが出来るかぬらり?」
「そんなこと簡単ぬらりよ!ずるずび」語尾がうつってるぞミク。それと食べながら喋るのはやめなさい。「私にはこのロザリオがあるんだから」「な、なんだってーっ!!」
ミクは右手を突き上げロザリオを空にかざした「じゅわっ!」不思議な掛け声とともにミクはパンダに変身する!ぬらりは思わず笹を差し出した。
「つまらない事に力使ってるわね」無造作にパンダに近づく魔女。ブン!ガキッ!振るわれた腕を軽がると魔女は受けとめ腕を捻り上げる。「いっ痛い」姿が元に戻ったミクの頭をわし掴みにする魔女「お痛はここまでよ」
ミクの元の姿――そこにはあどけさの残る少年がいた。「それがあなたの本当の姿?男の子だったとは意外ね」
「道理でミクはひんぬーだったわけだ」ミンクの叫びの表情で叫ぶテル。「いつの間に! なぜだ?! お前は次元のかなたに放逐したはず……」幽霊を見るかのように、魔女はテルを見る。
「・・間に・合った・よ・うね」「アゲハ貴様!」魔女はアゲハの拘束を強める「ゴフッ!」
「ああ、アア、いいぞ、イイゾォオオ!! ビンビンくるゼェェ! 血がナクナルこの感覚、カカカ、かんかく、イッチまう、イッチマウじゃネェカ、ねぇかあぁぁぁぁ!!」
「ひっ!ケダモノ!」魔女はついアゲハを離してしまった。「アっアゲハっ!」輝はアゲハに駆け寄り抱き抱える。「けほっ、て、輝おにいちゃ…ん?」「ああ。輝お兄ちゃんだ。ソフィフラグは立たない、ミクは野郎だったなんてあんまり
じゃないか。今、俺にはアゲハしかいないんだ。だからアゲハはいっちゃダメだ」
「ケッきもいんだよエロゲ脳が」「何か言ったか?アゲハ」「んーん何でもないよお兄ちゃん。それより奴らの正体が分かったよ。あいつら『四大魔王宇宙』だったのよ」
「な、なんだってー!?…と驚いてやりたいところだが、なんなんだその『四大魔王宇宙』ってのは?」俺はアゲハに問う。何故か答えを躊躇うアゲハ、するとぬらりが静かに口を開いた。「…それは私が説明しましょうテル殿。『四大魔王宇宙』とは
急に黙り込むぬらり。「‥見られてますぬらり」と言うと、突然空が割れ巨大な宇宙船?が現れた!
「…なんてことだ、もう侵食が始まったのかぬらり!?」ぬらりが叫ぶ。「な、なんだよこれは!」「…これは最後の審判。新生の為の終焉なんだよ、お兄ちゃん」
魔女が口を開く「私は四代宇宙アウローラを司る。そしてミクが五代宇宙地球を司る魔女となれば、五つの宇宙は繋がる。初代から続いた永劫の計画もようやく終演を迎えられる」
「そしてミクが熊猫王として覚醒する時、第五宇宙は無限の光輝に満ちあふれ、パンダ型生命体の胞子PNDが放散するType−PND宇宙が完成するのよ!」魔女は感動のあまり涙ぐんでいる。
「二代目のキリコ様と三代目のソフィ様は『普通の女の子に戻りたい』とかほざいて隠居されたけれどようやくここまで来たわ」なんか初耳な裏設定が出てきたぞ
「驚いてるようだけどこの事は本人も知らないわ。なんせ普通の人間として記憶と力を封印して転生したんだから。ああ長かった、因果を切った二人を、さらに五代目も揃えるのは」
輝「…俺達は、遅すぎたのか!?」
「いいえジャストタイミングだったよ、お兄ちゃん」「え…アゲ…ハ…?」背中に激痛を感じた瞬間俺は膝から崩れ落ちた。服が真紅に染まる「初代魔女にして真祖アゲハ様、おかえりなさいませ」魔女の声がかすかに聞こえた
「ばいばい。輝お兄ちゃん」輝の背中から血に染まった日本刀を抜き笑顔でアゲハは語りかける。血塗られた刀を満足気に眺め、愛しそうに撫でる。手に付いた血糊を、それよりも鮮やかに紅い唇に持っていき、幼さの残るピンク色をした舌で舐める。
とろんとした恍惚の表情でアゲハは冷静に指示を出す。「すぐに儀式の準備をなさい。人化の法を執り行います。」彼女の額には第三の瞳が爛々と輝いていた。
「そうすぐ行いなさいこの波動が伝われば他の二人も記憶が戻るでしょ(あれ私何してるの何で輝兄ちゃんを)ちっ」「どうしました?」「ノイズが少し残ってるだけよ(駄目駄目駄目)」
一方そのころ、キリコは悩んでいた。
相変わらず育っていない胸のことについてである「ハア どーやったら大きくなるのかクマ?」 世界線が乱れているため語尾がクマになっているのである。
「揉んで揉んで揉みまくってもらうのだ! なんなら私がしようか?」どこかから声が響いてくる。「その声は……、ヘンタイ黒男爵か?!」
「アンタねえ、その間違え方は最悪よ」「あらソフィさん久しぶりね」「挨拶はいいわ。とりあえず揉ませなさい」「……んぁっ…」
「黒男爵様を変態だなんて」「じゃあ、あんたが変態よ」霧子は銃をだして一触即発だ「・・ねえあんた気付いているの?」「・・儀式場はすぐそこ、でも行ったら私達の今までを否定する何かがある」「私達はそれを知っている」
「あっ、やだッ!っ、そこはっ。ピンポインッ、あんっや、やぁ」「悶えるふりはいいけど、相変わらず揉みごたえないわねぇ」「うっ、うるさいわねっ!あんただってこうしてやるんだから!」「きゃっ、そっ、そっちはなしッ、やぁ、あっ、あっ、あ―――ッ!」
記憶の底に封じられていた真実に近づきすぎたせいか2人は不自然に話題をそらしてエキサイトする「やぁん、すごい!!自分が自分じゃないみたい!」
一時間後「はっ、また精神に仕掛けられたリミッターが働いたようね」「どういうことですか?キリコお姉さま(はぁと」
スパァーン!ここちよいハリセンの音が響く「おまえ達は何を必要以上にじゃれている」「黒男爵様」「黒男爵!」「霧子お前が3代目とはな、記憶が戻りつつあるな」「知っているんですか黒男爵様?」「知っている。だが霧子・・ソフィ本当に知りたいか」
「気が乗らないけどお願いするわ。ところでアンタなんで下半身裸なのよ」
「へんたいへんたいへんたいへんたい」
「そんなことはたいした問題じゃない。いつも舐めてるだろう?それよりも、なぜか俺の財布から1500円だけなくなってるんだ。使った覚えもない。最近よく遊びには行くがすられるにしては額が中途半端だ。ソフィ、推理してみてくれ」
霧子はそこから走りだした黒男爵達と話していたというのに現実感がない。頭が痛いさっきから自分の知らない知識が流れ込んでいる。まるで脳をいじられたようだふらふらとしながら霧子は儀式場についた
「汝、健やかなるときも病めるときも、汝の夫を愛し共に歩むことを誓いますか?」何故かキリコは、結婚式の新婦をしていた。
「誓います!」 晴れやかに先生の言葉を述べるキリコ。その夫の座に浮いて居たのは……魔石! それも、今までに見たこともない、大きく純度の近い魔石が、意思有るもののように黒く妖しく煌めいていた。
突如、後ろで大きな物音がした。振り返るキリコ。
振り返ったキリコの目に映ったのは!
聖総統がいる「やあ、三代目あなたの分の儀式は終わりです。ありがとうそしておやすみなさい」聖総統は霧子の心臓を掴み出す。それは赤い宝石に変化し、巨大な魔石に融合する。それを最後に霧子の意識は闇に沈んだ。
一部始終を見ていたソフィは身の危険を察知してタクシーに飛び乗った。1500円しか持ってないが行けるところまで行こう。運転手「お客さんどちらまで?」
「ああ…次はションベンだ」
運転手はぬらりだったんだぜ
平手打ちを食らわした。ソフィ曰く「カッとなってやった。反省はしていない」
「い、痛いじゃないですか!まったくもう…ところで、ソフー殿。黒男爵はどうしたんです?こっちはもうお手上げですよ。私はなんとか脱出できましたが、テル殿は今頃は拷問椅子。ミク殿は生贄。世界の終わりも近いというのに…もはや動けるのは黒男爵と私たちだけですよ」
「うるさいうるさいうるさいっ!今、考えているんだ!少し静かにしていてくれ!」 ブツブツブツ・・・
「この謎の記憶を取り戻す。そこに今回の事件の解決方があるはずよ」「本気ですか?記憶を取り戻したら貴女の今の人格は・・もう隠せませんね」説明中「・・そう、最後に一つだけ私が敵になったら、殺してと黒男爵様に伝えて」
「分かりました。『殺して解して並べて揃えて晒して』ですね」「・・・まあいいわ。じゃあ行きましょう私が運転するからあなたは後ろに乗って」
そして辿り着いたのは最終決戦の地、幕張メッセ。夏の終わりの戦いはここでの幕引きこそ相応しい。「……ついに、きたわね」薄い笑みを張りつかせたアゲハが、その気配を察知し呟く。
ちなみに2人は一輪車に2人乗りしている。キリコとソフィはそのままの状態で迷うことなくイベントホールに向かう。明らかに怪しい黒煙が立ってるからな。
ぬらり「ソフィさま残念ですが霧子様はもうただの骸です」
ソフィーはあわててキリコの左胸に手を当てる。平坦な胸に、さらに窪みがあった。そしてひんやりとした感触。「これは……、心臓を魔石に変えられたか!」
「急ぎましょう、ソフィー殿。魔石の力でミク殿が魔女として覚醒したらType−PND宇宙が完成してしまいます。く、なんてうらやま…いや恐ろしい!全てがパンダになってしまうなど…私の出番が…ぶつぶつ」
一方黒男爵はすでに魔女のもとに辿り着いていた「世界を終わらせはせんぞ始まりの魔女」「必死ね黒男爵。そんなにソフィを覚醒させたくないの本質は魔女よ」「違うソフィはソフィだお前もそうだろアゲハ」
「いいえあれは道具よ私の肉奴隷よ。あなただってそう思って彼女を調教してきたんでしょう?」
あれはただ快楽の為だけにしたことだ。別に他意はないさ。
「ふうん、じゃあ私と同じじゃない」「まあそういうことになるな」ガッチリと握手を交わす2人。
「なわけあるかー!」握手した手を関節技に極めて蹴りを放つ黒男爵「いろいろしたが根底にあるのは愛だ」「愛?性欲の別の呼び方でしょ」
「む、確かにそうだな」黒男爵は所詮ゴキ脳なので基本バカだ「さあお待ちかねのソフィが到着したわよ」促されて振り返ると
額に青筋を浮かべたソフィーが立っていた。「黒男爵様、私をもてあそんでいたのですね。あんまりです」パン! 平手打ちが黒男爵にきれいにきまる。
「誤解だ!私は遊びなどではない本気だ」「ふん、どうだか」そんな低次元な言い合いを始めた頃「やあ、楽しそうだね」黄金の鎧を纏う聖総統がいたその近くには巨大な魔石と赤と青の魔石をもっている。
「黙ってなさい!」「黙ってろ!」「ぐぎゃっ」瞬殺される聖総統。「お、おやじ!」遺体にテルが駆け寄るが手遅れだった。
「じゃあ、最終決戦と行きましょうか。かかってらっしゃい。『輝お兄ちゃん』」右手を胸元に、おいでおいでの仕草をする魔女揚羽。「テメエ!」「待つんだ輝」駆け出そうとした輝を黒男爵が制止する。「なんだよ!俺はアゲハを助けるんだ!」
「オラに元気を分けてくれ」
「しかたねぇな 熊猫変身! とうっ」 俺は陸の王者ジャイアント・パンダに変身した
いざ戦いとの時、ブシュ!肉を引き裂く嫌な音がした。見るとアゲハから手が生えている「せっ聖総統何故?」「へえ心臓を取り出しても即死しないんだ。俺はこれから先は好きにするから」「その力魔女の魔石を取り込んだの」
「まあな、俺はこっち側を選んだんだ」血濡れの心臓を手に新聖総統テルが嘯いた。それを見て一番驚いたのは輝だ「お、俺がいる?!」
「驚くなよレプリカ。えーと何百人目だっけ?」「レプリカ!?」「ここはな、何度もやり直されたんだよ。俺のオリジナルの世界からな」「グッ…何故?」「卒業させてもらうぜセ・ン・セ・イ」
「オリジナルとかレプリカとかわかんねぇ、俺はシスコンだ!」
その瞬間大地震が起きて足元が崩れ始めた。聖総統「な・・・崩壊の呪文を言ったなお前」「シ・ス・コ・ン!」「2回も言うなーーー!」
「俺の勝ちだな。シスコン、シスコン、シスコン!」テルがそう唱えた瞬間、地面に亀裂が入る! 地面の亀裂がどんどん大きくなって、聖総統の足元まで伸びた。
「おのれ俺をここまで追い詰めるとは!」聖総統が叫ぶ「しかたないこれは使いたくなかったが…出でよ巨大モモンガー!」
嘘のような巨大な怪生物が表れた「でかすぎだろ」そんなリアクションをしている隙に聖総統はミクの前にいた「さてこれで魔女の魔石が五つ全部揃う」「あなたは四代目殺したの!?」
「いいや。だが美味しくいただいたよ」「!」「さあ儀式を始めようか」パチンと指を鳴らすと魔方陣があらわれた。
ま、よくあるパターンだが、背中で手を結ばれたミクが魔法陣の中心に転がされる。両足首も結ばれているため自由が利かないので、転がされるがままとなり短いスカートは回転するたび翻りせり上がっていく。真っ白なぱんつが見えはするが、一同の表情は、固い。
どう見てもブリーフだったからだ。しょんぼりだ。聖総統も輝もモモンガも黒男爵もキリコもソフィも老パンダも凍りついた表情でしょんぼりしている。
さーて、晩餐の時間だ。
893 :
イラストに騙された名無しさん:2006/08/27(日) 11:10:23 ID:Hh5mqSeu
ぶち殺してくるか!
ミク「私がお兄ちゃんのパンツ穿いて、はぁはぁしてたのを知られたからには…全・員・殺・す」
「恐いなあ、あんまり恐いから先に殺しちまうぜ」聖総統は俺に見せ付けるようにゆっくりとミクの心臓を引き抜いていく「やめろー!」「お前には何もできない」「お・に・いちゃん」
引き抜いた手の上で心臓がまだ脈動していた。ミクは胸に大穴を空けているのにピンピンしている。「お、お前本当にミクか・・・!?」
「私も何が何だか……。でも、生きてるみたい」「彼女は魔女だからな。これぐらいでは死なんよ」脳内にアドレナリンが出ているのか、恍惚の表情で聖総統はしゃべる。
「これでピースは揃ったわ。あとは、世界を熊猫に変えるだけだ!上野動物園で見れなかったあの時の悔しさをついに、ついに晴らせるのだ!ふははははは!!」「……お、親父?なんだよ、その『悔しさ』って」戸惑う輝。「私のぱんつはどーなったのよ」淋しがるミク
「ぐふっ!」ミクが痙攣する「ミクどうした」「ふふ、即死しないだけで既に死にかけてる。せめてもの情け、殺してやろう」その時俺はぶちぎれた「てめえ、いい加減にしやがれ!」
「ミクしっかりしろ!必ず助けるからな」言いながらも輝の手は素早く傷口を処置していく。「人工心肺接続用意!輸血あと4単位追加!人工心肺接続後は、そのまま人工心臓埋め込み手術に移るぞ!」
その時、世界が輝いた
核の光だった
「はははは、狂ったように笑う聖総統。さあ世界を創り変えよう俺の思うままに」儀式場を除き世界は破壊されていた「もう終わりなのか」黒男爵が叫ぶ「諦めるな!奴の持つ宇宙魔石を使えばまだ止められる」
ミクが叫ぶ「お兄ちゃん!私の胸の穴に手を入れて!」「えっ?」困惑しつつも右手を穴に沈めていくと
そのまま聖総統の胸の中、心臓に続いていた。どくどくとリズムを刻むそれをぐいっ、と掴む。 聖総統が叫ぶ! 「ぐぉおおお! 俺の心臓、宇宙魔石、どうして…」 黒男爵も叫ぶ!「輝、そいつを引き抜け。そして、お前が呑み込め! そうすれば、他の魔石は全て…」
「させるかよ!」「ぐお」聖総統も心臓に手を差し込み取られないようにする。くそっ、すごい力だ負けてたまるか。そんな中俺の手を支える小さな手があった「お・兄ちゃん」「アゲハ!」
俺の手を握っていたアゲハの小さな手が、すぅっと腕をなぞりながら俺の脇に伸びてきた「うはwwwおまwwくすぐwんなってwww」「お兄ちゃんの負けだよ」
「今よ聖総統!」「は!アゲハ様」そして宇宙魔石は聖総統の手に戻りそして。アゲハ「バイバイミク」その言葉で轟音と共に炎に包まれるミクの体。輝は衝撃で弾け飛ばされ動かなくなる。「ぎゃあぁぁぁーーーーーー!」ミクの長い悲鳴が轟き、いつのまにかに消えていった。
・・無くしてしまった、助けられなかった。何度も何度もチャンスはあったのに。「ウォーー!!」聖総統と自分への怒りでいっぱいになる。力の差など知らない俺は本当にぶちぎれた!
だがもう怒りをぶつけられる物は何も無い。核の火と爆風で見渡す限り焼け野原だ。「カレーが、食いたいな……」
俺を脇に抱えたぬらりがそう呟いた。聖総統たちの姿はもうない。俺なんて眼中にないってことか。「あんたが…俺を助けてくれたのか?なんで…俺を」「宇宙は、変質してしまいましたが…まだ命の継承は途切れていない。足掻きなさい、テル殿。生きるのです」
もう終わってしまったのか。何故だ何故こうなったんだ、確かにあったはずだ、みんなが笑顔でいられる道も。俺は失敗した、わかっている俺はチャンスを見逃したんだ
そのとき風に乗ってカレーの匂いが。「久しぶりねテル。ご飯ができてるわよ」振り返るとキリコが炊き出ししていた。
「キリコ! お前、死んだはずじゃあ……」「……何言ってるの? 前から頭がおかしいとは思ってたけど、今日はまたぶっ飛んだことを言ってるわね」キリコは火に枯れ木をくべながら、眉をひそめている。
「ここでやめる?それともまだ戦う?」「霧子お前」「私はリタイアして忘れるわ・・・・・カレー量が多いから食べる?」
「うん、いただきまーす。はむはむ…!! これ旨いな!何の肉だこれ?」「え……とっ、ところでっ、あんたこれからどうするつもり?」(何の肉だ?)
「ミク、どうしているんだろうな。天国に行ったのかな。……俺、ヘタレだから世界を救うとか出来そうにない。けど、ミクが帰ってくるなら、俺は戦う」
「輝、ミクは肉体もなにもかもが滅びたわ。生き返らせる手段などないのよ。……それに、こんな滅びゆく世界にミクを連れ戻してどうするつもり?私たちもいずれはミクのもとに行くわ。たぶん、そんなに長い時間はかからない。ここで終わりにしましょ。さ、カレーが冷めるわ」
「ああ」俺はもそもそとカレーを食う。気のせいか、カレーは塩辛かった。さっき食べたときには塩辛くなかったのに。どうしてだろな。
何だか眠いなあ俺がまどろんでいると音が聞こえる。戦いの音、黒男爵の雄叫び、聖総統の声。ああ何だか遠い遠い世界の事みたいだ。このまま寝ちゃおうかな
そして、戦いの音は止んだ。その瞬間、空に亀裂が走り、荒れ狂う波が世界を襲った。俺は、その波に呑まれ足掻き翻弄されながら誓った。聖総統…コロシテヤル…絶対だ。
これは、ある男がラスボスになるまでの物語だった
キリコ「さあお眠りなさいそして力を蓄えるのです、やがて目覚めるそのときまで。あの“カレー”を食べたあなたの血肉にはミクの力が宿っています」
「…と、言う訳で、俺は世界の支配者になったのさ」
自嘲の様な微笑みと共に、“聖総統”と名乗った、世界の支配者は長い長い話を語り終えた。
「まあ、今となっては世界が本当に俺が記憶していたとおりだったか、俺が本当に最初は普通の
人間だったかどうか、定かではないがね――
なにせ、これまで“聖総統”を名乗った愚か者達が上書きに上書きを重ねてできあがった、
愚かしくも醜い世界だ。ま、それ故、君に滅ぼされても良い、そう言う気になったのだよ。
さあ、始めよう!
世界の終わりに相応しい戦いを!
せめて、最後くらいは美しい火花を散らそうじゃないか。
それが、せめてもの、ミクへの、存在すら朧だった我が妹へのレクイエムになる」
聖総統は傍らの巨大な聖魔石を手に取り、その玉座からゆっくりと立ち上がった。
俺、勇者「黒男爵」を継ぐ者の使命は、恐怖の超越者「聖総統」テルを倒すこと。
「いくぞ、ソフィ、覚悟は良いか?」
ソフィが目を丸くして、俺を見つめる。
「…、どうした?」
「男爵様。あなた、泣いているんですよ」
ああ、そうかも知れない。
だが、かつて友と呼んだ男を倒すのだ。それ位は、許される。
「そういうお前だって泣いているではないかソフィ」「一行じゃない・・・」「何だい?」「今まさにこの世界の理が崩されました」
ふと気がつくと俺の左手に違和感が…「なんじゃこりゃあ!」 二の腕から小さいミクが生えていた「おにいちゃん おひさー」
「はははは、最後だこれくらいは許せ。さあ最後の戦いだ」・・・・結果は言うまでもない悪は正義に敗れるものだ。(ああ眠いな、ずっと寝てなかったな。もう休んでもいいかなミク)
「だめだよお兄ちゃん起きろ起きろ〜〜」「もう全部終わったんだろ寝かせてくれよ」「早く支度しないとゴキ野郎が来ちゃうよ!」「えっ!?」
衝撃発言で目が覚めた俺は、いつものように左手でチンコを掻きながら起き上がった。下半身の方から声がする。「お兄ちゃん…こんなに大きいの無理かも…」
「最後に見る夢がそれかそんなんだから何も救えなかったのだ」ザン!その声と共にうたかたの世界は崩れた「はははは、何だ俺はミクを愛してたんじゃなく、ただ欲しかっただけか」
俺の腕から生えたミクは叫んだ「パンダス!」 次の瞬間城はパンダに覆われた
「チャックよ!背中のチャックが弱点よ!」俺の右手に生えたアゲハが叫んだ。「ちょっとあんたバラすんじゃないわよ」左手とケンカを始めた
パンダ達はその愛らしさで次々に総統の部下を陥落していく「ああーふかふかー」 「 今よお兄ちゃん!ずらかるわよっ!」「あらほらさっさー」俺たち兄妹はこの妙な世界から脱出した。
そして俺たちは、基底現実へと基幹を果たした……が俺の左手にはちっこいミク右手にはちっこいアゲハがひっついたままだ。
「黒男爵様、聖総統の分身が逃げました」「追う必要はない。あの分身には欠片程の力もない、もう終わったのだ」そう会話をすると二人は去っていった。後に残ったのは聖総統と呼ばれていた骸だけだった。
静寂・・・・・・。ジッパーが下ろされる音がかすかに聴こえる。
ジッパーが下りた、かつて聖総統だった遺骸の背中から、もぞもぞとパンダが這い出てきて辺りを見回し、一つのプラカードを高々と掲げた。『ラ板一行リレーラ 17冊目 終了』
−完−
演出家「終わった〜、今回ほど錯綜した話し無かったんじゃない。
今回の話まとめると、主人公って理由だけで全てうまくいくと思うなよ」
演出家B「途中からストーリーがさっぱりわからなくなり一切参加できませんでした・・・。
それでも一日10レスはついてたトコ見ると熱心な常連さんがいたみたいっすね。
前スレが40日くらいで完結し、今スレは50日くらいかな?」
脚本担当A「てか夏だからかどうかは知らないけど
話の流れを読まない人が多かった。
バッドならバッド、グッドならグッドっていう意思の統一すら出来てないし。
好き勝手絶頂に暴れる人が多すぎ!
俺は流石にフォローしきれなかったよ、今回…」
三文ライターA
「私も、途中で話をどう繋げて良いか判らなくって、途中全然介入出来なかったですよ。
前後の流れ無視して、全然違う世界の話を喜々として繋げるのは、勘弁して欲しかった。
まあ、アレですよ。誰もフォローしないとどうなるか、って良い見本かな。
次は、世界観と大まかなプロットだけはキープしないと。
いくら、リレーラの面白さは物語の意外性だと言っても、でたらめはだめでしょ」
ADその1「私は300くらいまで収拾を試みましたが今回はそこで諦めましたね……。
ここまで早期に収拾付ける気の失せる展開も珍しい。
中盤以降、ほんの数人だけで回していて、住人ほとんどいなかったのでは?」
小道具係「でもいつかみたく収集つかなくて打ち切りにならなかっただけましじゃないっすか。
後今回に限らずあまり主人公が性格よくないのはどうにかならないエロ化、小物化になっちゃうし」
あとがき評論家C「フォローとか収拾っていうけど、要はエゴなんじゃないかなぁ。リレーなんだから好きに繋げたら良いのに(もちろん繋がらないのはNG)、みんなのためにフォローしてるみたいな言い方されるとなんか引っかかる」
アシD「繋げる気の毛頭ない人が多過ぎましたからねぇ。それを繋げていた人が途中で次々と逃げてしまったのは事実でしょう」
動物A「良かれと思っているであろうエゴで前のレスを殺すのだけは止めて欲しい」
大道具係「300くらいまでは普通に繋げられましたけど、舞台が現実世界に移ってからはもう……。
なんか今回はリレーの悪いところだけが際立っていた気がします」
動物B「なんか愚痴が多いな。俺は管理者気取りの一部常連がスレの流れぶった切って自分好みにリスタートさせたとこがムカついた。死人が出て平行宇宙になったところ。次回作ではああゆうのはやめような」
旧支配者C「そこまでコントロールしたけりゃ、したらばにでも板作ってやれっての。 次スレからスルー禁止、ネタ殺し禁止入れようぜ。どんなネタが来てもそれをつないでこそのリレーだろうに。初期構想なんぞ屁のつっぱりにもならないもんにこだわるなよと。」
AD「でも正直な話ある程度のリスタートはないとぐでぐでになってストーリー自体なくならない。
後狂ったようにパンダ出した人はどうしたかったんだ」
暇人X「ある程度のリスタートとか言う時点で(ry 狂ったようにパンダ出した人は俺たちのリレーラ力を試してたんだよ。期待に応えられなかった俺らが力不足だったんだ」
ライターA
「少なくとも『話をつないで楽しみたい』という前提がある以上、ある程度の制約があるのは当たり前でしょ?
しかしまあ、唐突にぬらりとかパンダとかいきなり即死とか、ちょっと勘弁だな。あと、いきなり世界を変える儀式
うんぬんも、唐突にやったってだめでしょ。正直、ちっとも面白くない。まあ、書いている方は、周りを振り回
しているつもりで楽しいのだろうけどね。途中で、雑談スレで方針を検討する、って言うのも有りかも知れない」
暇人X「あるレスが唐突かどうかはその次のレス次第だと思うんだがどうよ? ここは2chなんだから嵐的なレスが投下されるのは前提としてそれをむりやりストーリーに組み込むのを面白いと思えないなら向いてないと思うよ」
動物A「リレーラはそのナンセンス性にこそ面白みがあると思うんだがどうよ?」
脚本担当A「ちょっと思ったんだが
13スレ以降の一スレで一つの話を創るってのに反対の人っている?
なんか議論が噛み合ってないような気がする。
あとフォローしてる人間がスルーしてるとかいってるが
少なくとも俺はスルーもリスタートもしたことはないぞ?
全部こっちに責任を押し付けないでほしいんだが」
決まりきったモノを書きたいなら、自分で小説書いたほうがストレス溜まんないよ。
ぬらりの突然の出現には驚いたけどそれなりに組み込まれてたし。終わりの方のただ終わらせようとするやり方はちょっとな。
広告係「終わりは一番難しいからねえ。下手に延ばしてもぶつ切りにしても
やっぱり最後になったら何番で終了かは決めたほうがいいんでない」
動物A「ひとつの話でも良いかもしらんが、内容がコメディになったりシリアスになったりハッピーエンドだと
思えばバッドになったりセカイ系だと思えばリリカル少女小説だったりするのがリレーラの真髄かと」
飼育係D「動物Aさんに同意。終わり方だけど
>>935-937はおもろかった。この展開でどう終わるかと思ったが
>>937さんが上手いこと締めてくれた」
旧支配者C「あくまでこのスレはネタスレだってことを忘れちゃいかんよな。 もし真面目に創作やろうとするなら板違いだしな。 リレーラスレであって合作小説スレじゃないんだから方針だのは意味が無い。書いた当人がマジかよ?!と驚愕するようなつなぎ方が優秀なネタかと」
バイト「確かにそうですけど。繋げられないかもってパスはいいとしても、相手をまったく無視して絶対繋げられないパスは止めません」
掃除係S「わたくしも、リレー小説という性格上、いろんなレスがあってもいいと愚考いたします。
変なレスにうまくつなげるのがリレー小説の醍醐味ではないかと思います。
>>955 私は以前1スレで1つの話派だったのですが、今では2スレで1つの話でも、1スレで2つの話でも良いと思っております。
ただそうする場合、皆さんの同意が必要だとは思うのでございます。
こうした問題に対処すべく、私もリレーラ雑談スレを立ち上げてみることに賛成でございます。
>>957 1行という制約がある以上、終わりを決めてしまうのは危険ではないでしょうか。
私は何番で終わるか決めるのには賛成しかねます。
>>962 >リレーラ雑談スレ
動物A「いやこのスレ自体が微妙なのに、それは無理だw 集中攻撃されるぞ」
脚本担当A「
>>944 亀レスだが、みんなのためにフォローしてるってわけじゃないよ。
『物語』を紡ぐのが面白いからこのスレに居て
以前出た設定の矛盾や説明不足で話が破綻しないように補ってただけ。
それに好きに繋げるのはいいけど
今回みたいなボケっぱなしの漫才は正直面白くない。
>>946 エゴで主要人物を一レスで壊すのだけは止めて欲しい。
>>958 確かに真髄だけど主人公の目的や何をすれば終わるのかぐらいは揺るがないで欲しい。
>>960 >リレーラスレであって合作小説スレじゃない
本気で何いってんだ?
みんなでライトノベルを作るスレだぞここは?
大体ネタだからこそマジにならなくってどうするんだよ。
冗談半分のネタなんて本気でチラシの裏じゃねーか。
>>962 >リレーラ雑談スレ
賛成。でも動物A氏が言うとおり新スレは良くない。
埋もれてるどっかの廃棄スレの再利用がいいんじゃないかな」
>>964 旧支配者C「創作やるなら板違いだぞ。創作文芸板でやるべきだ」
脚本担当A「
>>965 えーと、なんかこのスレは板違いだから創作文芸板に逝けって言ってるように聞こえるんだが。
一行リレー小説だろうと合作小説だろうと創作は創作だろ?」
名状しがたきモノA「そうだよな、合作小説とリレーラは似てるけど、違うものだよな。」
配給元J社「最後のしまらなさ。あれなんだったんです?既に言われてますが、
>>935-937でうまく行きましたが、それまでで一度完結してましたし。ラスト100レスは今作の問題全てを内包しているように思います。
唐突なネタレスは構わないと思いますが、それまでのレスを無視するのは……」
こういう議論をする場はやはり必要な気がする。
という訳で「リレーラ雑談スレ」に賛成。
・・・もっとも散々荒れた挙句に削除とかありそうだがw
ライターA
「じゃ、別スレで基本方針と、テンプレと、出来たら自作の方針くらいまとまるまで、休載しますか?
しかし、気のせいかな? カウンターパートを一人で必死に受け持ってる人がいる様に見えるのは
私は上でも書いたけど、ネタだろうと遊びだろうと、独りよがりじゃない楽しさがあって、他人にも読める
ものが良いと思います」
旧支配者C「だから方針なんぞ意味無いというに、方針決めてその方針から外れるものは無視するのか? それならしたらば逝けと」
>>966 旧支配者「ネタスレだから許容されてるんであって、マジ創作なら板違いだと言っているんだゾーン」
>独りよがりじゃない楽しさがあって、他人にも読める
ものが良いと思います
同意。独りよがりで他人に読ませようという
意思のない人は自分で小説書いたほうがストレス溜まんないとおもふ
別に綺麗な創作やる必要はないけど、あまりに独りよがりな投げはネタとして純粋に面白くねーべ?
露骨に周囲が引いてること程度の空気は読んでくれないとネタとしても成り立たないよ
記者F「旧支配者の人に同意。
>>971や
>>953にもあるけど、『雑談スレで決めた方針通りに進まない独りよがりなレスは無視します』みたいな事やりだしたらそれこそ独りよがりだろ」
バイト「あの〜、皆さん会議中失礼ですが次回作の内容どうするんですか?」
企画マン「最初の100レスで失敗するとまずグダグダになる傾向に
あるようですが、かといって事前に色々決めすぎるのがいいとは
限らないから難しいですな。次作会議で複数アイデアが出た場合、
どの案を採用するか、の基準も曖昧ですし・・・。
いっそなーんも決めずに
アドリブでやってもいい気もしますね」