もっててよかった、DSL

「友よ、ポジティブに生きろ。DSL、どんな時も、素晴らしい、ライフを、だ。
そう振る舞えば、そうなれるんだ。忘れるなよ」
昔、大学で出来た友人に良くそう励まされた。

俺はあの頃、世の中が醜く見え、全てをマイナスに考えては愚痴を言ってい た。
思えばあの友人も、そんな俺に良く付き合ってくれていたものだ。
2人で色んな場所に遊びに行った。ドライブもした。俺もいつしか笑顔でいられるようになっていた。

そいつが事故死するまでは。

再び鬱に戻った俺は、ただ惰性で生きていた。何をしても楽しくない。生きてる実感が無い。
そんなある日、電気店で、あの名前を持つ商品に目を留めたんだ。
そう、DSL。
それは小さなゲーム機だったが、アイデアと芸術性に満ち、高機能な、まさに秀逸そのものの新商品だった。

友人の声が脳裏に蘇った。「DSL、どんな時も素晴らしいライフを」。そうだ、俺はあいつの分まで生きいて楽しむんだ。
俺はそのゲーム機を手にし、ほろほろと泣きながらレジに向かった。

もっててよかった、DSL

とりあえず２ゲットしておこうか。


２、げっと。

・・・